機動戦士ガンダム BB戦士 SD戦国伝 ノベライズ 〜コミックワールド武者から大将軍へ!〜 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
鳳凰頑駄無と共に闇軍団の追撃を振り払い、森を抜けた新荒烈駆主。
視界が開けたその時、鼓膜を劈くような凄まじい雷鳴と共に、地平線の彼方から猛烈な勢いで突き進む一台の馬車、否――「戦車」が砂塵を巻き上げて現れた。
「兄上! 助太刀いたすッ! 遅れた分は、この雷(イカズチ)が倍にして返してやるぜ!」
雷頑駄無(イカズチガンダム)。
後の軍団総帥、二代目将頑駄無となる男である。
彼は自ら設計・製造したという、蒸気と法力の火花を噴き上げる守護獣『雷(いかづち)の神馬』に跨り、大地を割るような勢いで戦場に乱入した。
「(……あの人が、あの沈着冷静な将頑駄無様!? 未来の落ち着きが嘘のようだ……)」
新荒烈駆主は、そのあまりの勢いと、若さゆえの荒々しい生命力に圧倒される。
「おい、未来から来たという得体の知れぬ助っ人! ぼうっとしてると地面に埋めるぞ! 俺の背後に続けッ!」
雷頑駄無が背負っていた巨大な『雷の盾』を正面に構える。それは防御の要であると同時に、大気中の静電気と自らの法力を蓄積し、爆発的な推進力に変える増幅器でもあった。
彼は盾を神馬の前面にガチリと装着し、一直線に敵陣を貫く突撃形態へと移行する。
「雷鳴変幻(らいめいへんげん)ッ!!」
ドォォォォォンッ!!
轟音を上げ、青白い雷を纏った巨大な弾丸と化した雷頑駄無が、闇軍団の重装甲部隊を紙クズのように跳ね飛ばしていく。
さらには盾から放たれる連鎖電撃『稲妻の鎖(ライトニング・チェイン)』が、逃げ惑う敵を次々と拘束し、戦場に決定的な勝機を作り出した。
「今だ、荒烈駆主! 決めろォッ!」
雷が作り出した一瞬の隙を見逃さず、新荒烈駆主の地烈翼が鋭く閃く。
時空を超えた二人の武者の、息の合った連携。その猛攻に、闇の軍勢は抗う術もなく瞬く間に壊滅していった。
「ふぅ……。やるじゃねえか、荒烈駆主。未来の戦い方は、なかなか合理的で気に入ったぜ」
雷頑駄無は満足げにニカッと笑い、大きな手で新荒烈駆主の肩を力任せに叩いた。
兄・鳳凰が「光」ならば、弟・雷はそれを支え、泥を被ってでも道を切り拓く「力」。
若き日の雷から溢れ出す野心と、明日を信じて疑わない瞳に触れ、新荒烈駆主はこの混沌とした時代に自分が呼ばれた意味を、少しずつ理解し始めていた。
「さあ、鳳凰の里へ戻るぞ。そこには、俺たちの他にも『光の玉』に導かれた仲間が集まっているはずだ!」
雷頑駄無の号令と共に、一行は再び砂塵を上げて走り出す。
伝説の「初代頑駄無軍団」。後に天宮の歴史に深く刻まれることになる英雄たちの集いが、今まさに形作られようとしていた。