機動戦士ガンダム BB戦士 SD戦国伝 ノベライズ 〜コミックワールド武者から大将軍へ!〜   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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轟震! 天宮の動く要塞(26 武者駄舞留精太)

 ドォォォォォン……ッ!!

 

 天宮(アーク)の国、その山岳地帯にある「頑駄無軍団・秘密工作所」。

 そこから上がった巨大な火柱と黒煙を見て、麓の村人たちは「ああ、また駄舞留精太(ダブルゼータ)様が何かを爆発させたな」と、溜息をつきながら洗濯物を取り込んだ。

 

「ハハハハ! 惜しい、実に惜しいぞ! あと少し薬莢(やっきょう)の強度を上げれば、この『大目牙砲(おおめがほう)』は、今の一撃で山の向こうまで更地にできたはずだ!」

 

 煙の中から現れたのは、七人衆一の巨体と、それ以上に巨大なバックパックを背負った男――武者駄舞留精太だった。

 彼は武者頑駄無のようなストイックさも、精太のような気品も持ち合わせていない。

 あるのは、飽くなき破壊への探究心と、自作のカラクリ兵器への偏愛だ。

 

 その時、秘密工作所の周囲を闇軍団の重装甲部隊が包囲した。

「見つけたぞ、駄舞留精太! その物騒な玩具ごと、灰にしてくれるわ!」

 現れたのは、闇軍団の中でも一際頑丈な鎧を持つ、重装兵・怒武(ドム)の一団だ。

 彼らは三位一体の陣形を組み、黒い衝撃波を放ちながら突進してくる。

 

 だが、駄舞留精太は逃げようともしない。

 それどころか、愛刀「剛力丸(ごうりきまる)」を抜くことさえせず、最高に楽しそうな笑みを浮かべた。

 

「いいところに来た。ちょうど実験台が欲しかったんだ。……おい、怒武! 貴様らのその鎧、私の新兵器に耐えられるか試してやる!」

 

 駄舞留精太が背中のレバーを引くと、ガシャン! と小気味よい金属音が響く。

 両肩に聳え立つ巨大な二門の砲塔。それが、彼が心血を注ぐ「大目牙砲」だ。

 

「喰らえ! 全弾発射だッ!」

 

 轟音。

 放たれたのは、ただの弾丸ではなかった。

 それは法力と火薬を強引に練り合わせた、光り輝く破壊の礫。

 ドォォォォォン! と大地を揺らす爆発が怒武たちの目前で炸裂する。

 自慢の重装甲も、駄舞留精太の火力を前には紙切れ同然だった。

 

「ひ、ひえぇぇ! なんだこの威力は!?」

「まだだ、まだ終わらんぞ! 次はこれだ、名付けて『二連装種子島・改』!」

 

 駄舞留精太はバックパックから二連装砲を抜き放ち、乱射する。

 彼の戦いには様式美など存在しない。

 ただ、圧倒的な物量と火力で敵をねじ伏せる。それこそが、彼の信条だった。

 

「懐に入れば、その大筒も使えまい!」

 爆煙を突き抜け、怒武の一人が駄舞留精太の懐に飛び込んだ。

「フン、甘いな。私をただの砲術家だと思うなよ」

 

 駄舞留精太が叫ぶ。

「武者戦車(タンク)、変形ッ!」

 

 ガガガガッ!

 駄舞留精太の身体が折り畳まれ、背中の大目牙砲が前方を向き、足元からはクローラーが展開する。

 人から戦車へ。天宮に伝わる武者の神秘と、彼の技術力が生んだ異形の姿が、戦場で体現された。

 

 戦車となった彼は、そのまま怒武を跳ね飛ばし、ゼロ距離で主砲をブッ放した。

 凄まじい爆風が周囲を更地にする。煙が晴れたとき、そこに闇軍団の姿は一人もなかった。

 

 元の姿に戻った駄舞留精太は、大目牙砲の筒先を「フゥー」と吹き、満足げに頷いた。

「ふむ。命中精度に難あり、か。もう少し重心を弄らねばな」

 

 そこへ、一羽の伝書鳥が舞い降りた。

 武者頑駄無からの招集状。それを見た駄舞留精太の目が、さらにギラリと輝く。

 

「ほう……武者の奴、ようやく腰を上げたか。いいだろう。一人で実験を続けるのも飽きてきたところだ」

 

 彼は散らばった部品や工具をガサガサとバックパックに詰め込むと、重い足音を立てて歩き出した。

 

「闇軍団の連中め、覚悟しておけよ。私の新発明で、天宮の空を花火でいっぱいにしてやるからな!」

 

 豪快な笑い声が、焦げ臭い風に乗って山々に響き渡る。

 四人目の宿命が動き出した。

 残るは、異国に渡ったあの男だけである。

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