機動戦士ガンダム BB戦士 SD戦国伝 ノベライズ 〜コミックワールド武者から大将軍へ!〜   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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吠えろ白獅子! 獅頑駄無の剛腕(80 獅頑駄無)

 闇軍団の重装甲部隊が、初代大将軍の進軍を阻まんと、漆黒の巨大盾を隙間なく並べた「鉄壁の陣」を敷く。

 それは単なる防壁ではない。闇の法力を帯びた盾の列からは、近づく者の生気を吸い取るような禍々しい瘴気が立ち昇っていた。大将軍の放つ聖なる光をもってしても、物量に物を言わせて空間を埋め尽くす敵の壁は厚く、重い。

 戦場に停滞した空気が流れた、その時だった。

 

 地平の彼方、燃え盛るような夕闇の向こうから、大地を、空を、そして魂を直接震わせるような凄まじい咆哮が轟いた。

 

「どけェい! どかんかッ! 小賢しい鉄屑どもが、俺の牙でその汚い装甲ごと噛み砕いてくれるわッ!!」

 

 白い毛並みを炎のように激しくなびかせ、白銀の閃光と化した巨獣を従え、一人の武者が戦場へと乱入した。

 

 獅頑駄無(シシガンダム)。

 

 鳳凰頑駄無の呼びかけに応じ、人の踏み入らぬ密林の奥地から駆けつけた、野生の化身とも言うべき猛将である。

 彼の背後には、伝説の霊獣『白獅子』がその威厳ある姿で守護霊として寄り添い、獅頑駄無の瞳には、文明の理屈など微塵も介さない、純粋にして苛烈な「闘志」が宿っていた。

 

「(……信じられないほどの熱量だ。後の駄舞留精太様と同じ、いや、理性を力に変えていたあの方以上に、剥き出しの荒々しさを感じる!)」

 

 共闘する新荒烈駆主も、その計算や戦術を一切超越した「生のパワー」に圧倒され、たじろぐ。

 獅頑駄無は不敵な笑みを浮かべ、牙を剥き出しにしながら印を結んだ。一歩足を踏み出すごとに、踏みつけられた大地が爆発したかのように弾ける。

 

「獅子変幻(ししへんげん)ッ!!」

 

 主の昂ぶる意志に呼応し、霊獣・白獅子が法力によって光のパーツへと分解。それは機械的な合体というより、肉体の一部が再構成されるかのような躍動感で、獅頑駄無の鎧と一体化していった。

 

 頭部には、敵を丸呑みにせんばかりの巨大な獅子の顎を模した兜が重なり、両肩には、一撃で小山さえ穿つ大火力の『大目牙(オメガ)太筒』が備わる。

 これこそが、敵の陣形を正面から、文字通り「粉砕」し「蹂躙」する、獅子一族に伝わる最強の突撃形態である。

 

「必殺! 怒髪大爆発(どはつだいばくはつ)!!」

 

 天を衝く叫びと共に、頭部の獅子の口から、超高密度に圧縮された法力の熱波が放たれた。

 その熱線が触れた瞬間、闇軍団が誇った「鉄壁の陣」は、熱したナイフを押し当てられた氷細工のように、一瞬でドロドロの鉄屑へと成り果てる。蒸発した金属の臭いが立ち込める中、獅頑駄無は止まらない。

 

 愛刀『獅子王丸』を一閃。ただの一振りが巻き起こす衝撃波は、周囲を取り囲んでいた重装歩兵たちを、秋の枯葉さながらに空へと撒き散らした。

 

「ハッハッハ! 愉快、愉快! 荒烈駆主よ、貴様のいた未来の戦いも、これくらい熱く、そして単純明快なんだろうな!?」

 

 凄まじい爆炎と砂塵が舞う中、獅頑駄無は戦場に豪快な高笑いを響かせ、返り血(闇の瘴気)さえも自らの闘志の燃料に変えるかのように突き進む。

 そこには高度な軍略も、緻密な連携も必要なかった。ただ一人の男が持つ純粋な「剛」と、死さえも笑い飛ばす「勇気」が、完全に停滞していた戦況を、強引に、かつ鮮烈に動かしてしまったのだ。

 

 初代大将軍を支え、歴史の転換点に立つ五人の光の武者たち。

 その中でも最も熱き「火」の情熱を体現する獅頑駄無の合流により、頑駄無軍団の士気は今、この瞬間、天を貫く最高潮へと達したのである!

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