機動戦士ガンダム BB戦士 SD戦国伝 ノベライズ 〜コミックワールド武者から大将軍へ!〜   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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蒼き龍の舞、龍頑駄無の奇策(83 龍頑駄無)

 天宮(アメノミヤ)の沿岸部に、突如として巨大な影が浮上した。

 それは新生闇軍団が過去の時代に持ち込んだ、禍々しい鋼鉄の海上要塞。その巨大な砲門が鳳凰の里へ向けて不気味に開かれ、破壊の火を放とうとした、まさにその時であった。

 

 荒れ狂う波間が、まるで意志を持つかのように左右へと真っ二つに割れ、そこから一筋の「蒼い閃光」が、重力を無視して天高くへと駆け上がった。

 

「……天に龍、地に平和。我が槍に貫けぬ闇など、この世には存在せぬ」

 

 立ち込める水飛沫の向こうから現れたのは、洗練された白銀の鎧に、海神の加護を受けた深蒼の装飾を纏った美しき武者。

 

 龍頑駄無(リュウガンダム)。

 

 深山幽谷の地で隠遁し、自然の法力を練り上げる修行を積んできた、当代随一の槍の達人である。

 その背後には、半透明の光を放ちながら、意思を持つ守護獣『昇龍(ショウリュウ)』が、まるで主を護るヴェールのように静かに浮遊していた。

 

「(……間違いない。あの無駄のない所作、そして研ぎ澄まされた刃のような気配。未来で俺に『風』の戦い方を教えてくれた、仁宇(ニュー)様の源流……その血統の真の姿だ!)」

 

 新荒烈駆主は、かつて共に戦った戦友の面影を彼に重ね、胸を熱くする。

 龍頑駄無は迫りくる要塞の大口径砲に対し、眉一つ動かすことなく静かに印を結んだ。

 

「龍変幻(りゅうへんげん)ッ!!」

 

 主の命を受け、背中の昇龍が鋭い音を立てて四つのパーツへと分離。

 それは自律して空間を切り裂く「意思を持つ刃」となり、目にも留まらぬ速さで空間を乱舞した。海上要塞が放った砲弾を空中でことごとく斬り捨てると、そのまま死角から要塞の動力源や急所を、正確無比な一撃で次々と射抜いていく。

 

 敵が混乱に陥り、その陣形が崩れた一瞬の隙。

 龍頑駄無自身も愛槍を構え、水上を滑るような軽やかな足取りで、要塞へと真っ向から突き進んだ。

 

「必殺! 龍牙百烈突(りゅうがひゃくれつづき)!!」

 

 刹那、放たれた一撃が法力によって増幅され、百、千の閃光となって戦場を埋め尽くした。

 巨大な海上要塞の重厚な装甲は、まるで紙細工のように無数の穴を穿たれ、蜂の巣に変えられていく。

 そしてトドメと言わんばかりに、分離していたパーツが再び龍の形を成し、巨大な水龍となって咆哮を上げると、要塞をその巨躯で締め上げ、底なしの海中へと引きずり込んでいった。

 

 爆発の光が収まった後、龍頑駄無は荒れ狂う波間に独り立ち、新荒烈駆主の方を向いて静かに微笑んだ。

 

「……未来から来た荒烈駆主殿。貴殿の瞳を見ればわかる。未来の世でも、龍の意志は枯れることなく、清らかな大河となって流れているようだな」

 

 荒々しい「獅子」に対し、冷静沈着にして流麗な「龍」。

 この相反する二人の個性が、初代大将軍のもとで一つに噛み合った時、頑駄無軍団の戦術は天と地を網羅する無限の広がりを見せる。

 

 新荒烈駆主は、歴史という名の巨大なパズルのピースが、自分の目の前でカチリとはまっていく感覚に、震えるような深い感動を覚えていた。

 ついに五人の光の武者が集結した。伝説は、今まさに完成の時を迎えようとしていたのである。

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