機動戦士ガンダム BB戦士 SD戦国伝 ノベライズ 〜コミックワールド武者から大将軍へ!〜   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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蒼穹の導き、飛龍が舞う(27 武者仁宇頑駄無)

 天宮(アーク)の国でも最も険しく、雲よりも高い場所に位置する「飛龍山」。

 そこにある古寺で、一人の武者が瞑想に耽っていた。

 武者仁宇頑駄無(ムシャニューガンダム)。

 白を基調とした鎧に、高貴な紫の縁取り。

 そして背負った巨大な羽のような装備――「飛龍の翼」が、陽光を反射して神々しく輝いている。

 

 仁宇は、他の武者たちとは少し毛色が違っていた。

 彼は武術のみならず、法力や兵法にも通じた修行僧のような一面を持っている。

 今も、彼の意識は肉体を離れ、山を囲む風の流れと同化していた。

 

 その静寂を破ったのは、鋭い金属音だった。

 シュッ!

 どこからともなく飛来した無数の苦無(くない)。だが、仁宇は目を開けることさえしなかった。

 

 カチッ。

 

 仁宇の背負った翼の一部「飛龍の矢」が、意思を持っているかのように分離し、空中で舞った。

 それは目にも止まらぬ速さで全ての苦無を叩き落とし、再び元の位置へと戻る。

 

「……殺気で空気が淀んでいる。山を降りろ、闇の者たちよ」

 

 仁宇が静かに立ち上がると、岩陰から闇軍団の暗殺部隊が姿を現した。

「武者仁宇、貴様のその妖術、種を暴けば恐るるに足らず! 囲めッ!」

 暗殺兵たちが一斉に跳躍し、空中で仁宇を包囲する。

 

「術ではない。これは私と、我が魂の友……飛龍との絆だ!」

 

 仁宇が印を結ぶ。

 すると、背後の翼が完全に分離・合体し、空中で巨大な龍の姿を形作った。

 これこそが、仁宇の相棒であり、最強の守護獣「武者飛龍」である。

 

「武者飛龍、参れ!」

 

 仁宇自身もまた、その龍の背へと飛び乗った。

 空中戦――。

 地上では最強を誇る武者たちも、空では仁宇の独壇場だ。

 飛龍は縦横無尽に空を駆け、口から火炎を吐き散らす。

 それと同時に、仁宇の手にある「対雷威振(ツインライフル)」が、逃げ惑う敵を正確に射抜いていく。

 

「な、なんだあの動きは! どこを見ていいか分からん!」

「空を見上げる余裕があるのなら、己の足元の危うさにも気を配るべきだったな」

 

 仁宇が指を鳴らす。

 分離していた六枚の翼が、敵の退路を断つように円陣を組んだ。

「飛龍、一気に決めるぞ!」

 

 龍の咆哮と共に、仁宇は愛刀「厳霊丸(げんれいまる)」を抜き放ち、上空から一閃。

 雷光を纏った刃が空間を切り裂き、暗殺部隊を一人残らず雲の彼方へと吹き飛ばした。

 

「……南無」

 

 戦いが終わると、飛龍は再び小さな翼の姿に戻り、仁宇の背中へと収まった。

 静寂が戻った山頂に、一羽の鳥が舞い降りる。武者頑駄無からの文だ。

 

 仁宇はその内容を一読すると、静かに目を閉じた。

「武者殿も人使いが荒い。……だが、星の巡りが告げている。天宮の闇を払うには、五つの光が一つにならねばならぬと」

 

 彼は山門に向かって深く一礼すると、迷いのない足取りで険しい崖を降り始めた。

 その足元は、まるで雲の上を歩いているかのように軽やかだった。

 

「待たせたな、仲間たちよ。天空の加護は、常に我らと共にある」

 

 風が吹き抜け、仁宇の白い鎧が眩しく煌めく。

 宿命に導かれた五人の武者。

 伝説の「五人衆」が揃い踏みする日は、もうすぐそこまで来ていた。

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