ヴァルキューレの狼 作:アホの子ヴァルコ
そこでこの作品では、登場する列車・電車・地下鉄などは全て「キヴォトス広域都市鉄道」で統一します。
そして管理・運営、または管轄する組織によって続く名称が異なる。という形になります。
・キヴォトス広域都市鉄道 アビドス中央本線(セイント・ネフティスに委託?されたハイランダー)
・キヴォトス広域都市鉄道 地下鉄〇〇ライン(連邦生徒会)
これは作者が勝手に言ってるもので、公式設定ではありません。ご注意ください。
総員起こしの五分前に起床。すぐにベッドから出て外を確認。……よかった、晴れてる。
先日の放火事件から三日間、ずっと学校から出られなかった。
だけど今日は脱獄日和。柔軟体操でウォーミングアップだ。鈍った体を解して警らに備えよう。
放火の翌日は静養するように命令されてお休み。
火傷もあったけど……クロノスが私を探して学校の周りをウロウロしてたからだ。
あそこの生徒がネタを求めて押しかけて来るのはよくあることだけど、まさか私がターゲットになるとは思わなかった。まあすぐに別の特ダネを求めて去ったらしいけどね。
部屋で落ち込んでるとフブキが遊びに来てくれた。留置施設の取調室を借りて世間話。
耳を切り落とした食パンが謎の流行で品薄……? SNSを見たら本当だった。キヴォトスってたまに妙な物が流行るよね。
二日目は雨で刑務作業。
火傷が完治したから精密作業に回された。ガンロッカーに返却された銃を総点検。
刑務官当番の子と分解・清掃・組立を黙々と行い、部品交換が必要な銃はメモ書きを貼って除けておく。一日作業で整備完了。少しは相棒たちへの恩返しになったかな。
三日目も雨。刑務官がキリノだった。
人形組立と備品補充。前と同じように午前中が組立作業、午後に補充で校内を回った。
空き缶のような胴体にドーム型の頭部。ストローみたいな細い腕。なんだろうこれ……? 今回も数百体作った。需要あるんだね。
昼食の後は洗面所に消耗品を持って行ったり、ソープボトルの中身を補充して午後の作業も完了。作業に問題はなかったけど……キリノの反応が冷たい。どこか苛立ってる様子だ。
フブキから『キリノはご機嫌斜めだからそっとしておいてあげて』というメッセージが届いたのでそれに従った。なにがあったんだろう……?
「501番! ……おい、501番? どうした?」
「―――え? あっ、ごめんなさい。起きてるよ」
ストレッチしながら三日間を振り返ってたら看守が来てた。朝の放送を聞き逃したみたい。
これはいけない。体だけじゃなくて頭も鈍ってる。朝食の前に顔を洗おう。
本日のメニューはロールパンとスティックチーズとバナナ。そして白湯。いただきます。
朝にタンパク質を摂取すると集中力を高める効果があるらしい。寝ぼけた頭に最適だ。
バナナもフルーツの中ではタンパク質が多め。さらに素早くエネルギーになるから運動する前に食べるのがお勧めだってコノカ先輩が言ってた。なにより甘くて美味い。ごちそうさまでした。
さて、久しぶりの脱獄だ。雨上がりで路面が濡れてるから車を借りよう。
制服に着替えたら相棒の選択。どうしようかな。車だし短機関銃や突撃銃でも……あ、そうだ。
「外郭地区の立ち入り制限、解除されたっけ」
独り言をつぶやきながらフブキにモモトーク。賞金首は……いないね。ならちょうどいいや。
今日は外郭地区に行ってみよう。初めて行く場所だから相棒は制式拳銃とシールドをチョイス。取り回しと対応力を優先した。
生活安全局には寄らずそのまま地下駐車場へ。前と同じ小型PCを借りた。
エンジンを始動したら車のナビを起動してアップデートを開始。差分更新なので数分で完了した。マップを確認すると……ちゃんとシャーレビルの表示がある。これで道に迷わない。
準備が完了したので小型PCを発進させる。さあ、数日振りの警らに出発だ。
小型PCで警らを開始して二時間。小物を四人捕まえた。
やっぱり雨上がりは不良や犯罪者たちが活発になるね。小物をパスした生徒たちも忙しそうだ。
外郭地区は再開発中と言うだけあって、古い建物と新しい建物が混在してる。ただ、街並み自体は他の商業区画の雰囲気とあまり変わらない。目新しい物も特にないかな。
少しだけ物足りなさを感じたけど……私は遊びに来たんじゃない。意識を切り替え、主要な大通りや広域都市鉄道の線路沿いを走り、目印になりそうな建造物を頭に叩き込んでいく。
いざという時に道がわからないと自分が困る。道に迷って犯人を見失ったりしたら目も当てられない。カンナもなにかの用事で外出したついでに知らない脇道のチェックをしてた。
(昔はカンナの後ろが指定席だったよね。助手席は危険だからって乗せてくれなくて……)
犯罪者とのカーチェイスは特にはしゃいだ。興奮しすぎて怒られた覚えもある。
『ん、カンナはもっと強気で攻めるべき! ドリフトしよう! サイド引いてあげる!』
『やめろ! サイドブレーキから手を放せ! というか耳元で騒ぐんじゃない!!』
ガードレールにPCを擦って始末書騒ぎになって……怒り心頭のカンナにアイアンクローとウメボシのコンボでお仕置きされた。あれは痛かった。
(今では車の運転もちゃんとできるよ。……ひとりぼっちなのがちょっと寂しいけど)
後部座席からカンナの後頭部と獣耳を見上げる日は、きっともう来ない。だけどいつか、助手席にカンナを乗せてあげられる日がくればいいなって思う。
(お世話になった恩は、いつか必ず返すから)
……そんな当たり前のことを考えていたら、心にぽっかりと穴が開いたような感覚に襲われた。
私はそれがなんなのか、
窓を開けて風を入れる。冷たい風を浴びて頭を冷やそう。そうでもしないと、私は―――
「……駄目だよ。今は警ら中。余計なことを考えないで集中しなくちゃ」
独り言を自分に言い聞かせる。深呼吸をしてハンドルを握り直し、アクセルを踏み過ぎないように注意しながら小型PCを走らせた。
蛇行運転で交通渋滞を誘発させていた暴走族を一人、警らの子にパス。これで小物が五人目。
そろそろ補給が必要だ。ナビで最寄りのコンビニを検索すると、なぜかシャーレビルが候補に表示された。
アップデートのミスを疑ったけどマップを確認するとシャーレビルとコンビニが重なっている。
表示されている住所も同じ。ということはテナントだろうか?
主要道路は覚えたし噂のシャーレも見ておきたい。せっかくだからここに行ってみよう。
ナビが目的地への到着を知らせる。パーキングを探すと裏手に発見。
小型PCを降りてシャーレを見上げた。かなり大きなビルだね。正面に入り口が一つ見えるけど……あれ? コンビニはどこ?
コンビニらしい目立つ看板や広告ポスターがどこにも見当たらない。反対側だろうか? 正面入り口を通り過ぎてビルを回り込むと、大きなFIX窓の向こう側に店舗が見えた。
ああ、ビル内部にコンビニがあるんだ。これはちょっとわかりにくいね。
引き返して正面玄関からお邪魔します。
広いエントランスの向かって左にコンビニ。右になにかの部屋。そして正面に大きなガラス扉が見える。用事があるのはコンビニだけだし、真っすぐ向かって買い物を済ませよう。
コンビニはガラガラ。というか店員が一人いるだけ。ガラケーを手に退屈そうにしてた。
「暇だなぁ……あっ!? お、お客さんだぁ……!」
私がカゴを手に商品を選び始めてようやく気がついたみたい。慌ててレジに立って姿勢を正してたけど、来店ベルは鳴ってたしもう手遅れだと思うな。まあ見て見ぬ振りしてあげるよ。
さて、購入するのは弾と飲み物。それとなにか軽く食べられる物が欲しい。
五十発入りの拳銃弾を一箱。飲み物は炭酸飲料。後は……ラムネ菓子を一つ。ブドウ糖は体に素早く吸収されて脳を元気にする。どうも今日は集中力が続かないから栄養補給だ。
お昼にはまだ早いしパンやお弁当はスルー。カゴをレジに持って行って精算してもらおう。
「い、いらっしゃいませ! 商品をお預かりします!」
この子、接客に不慣れなのか、サボりをごまかしたいのか……どっちでもいいけどもう少し落ち着いて。炭酸飲料の缶を慌てて袋に詰めると危ないよ。
「お待たせしました! お、お会計はどうされますか?」
「電子マネーでお願いします」
レジのカードリーダーにマネーカードを当てて会計完了。袋を受け取って買い物はおしまい。……そうだ。シャーレと先生について少し聞いてみようかな。
「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております!」
「ん、どうも。……ねえ、ちょっと聞きたいことがあるけど、いいかな?」
「へ? あ、は、はい! なんでしょうか?」
「この店舗ってどうして外から直通の入り口がないの? 看板も見当たらないし……」
いきなり本題には入らず、まずは当たり障りのない疑問から。これは緊張をほぐしたり相手の警戒心を解くためのコミュニケーション技術。カンナの部屋にあったハウツー本を読んで覚えた。
「あ、ああ……それは私もちょっと、わかりません。バ、バイトでして……」
「そっか。わからないならいいよ。……あなた、見たところ中学生くらいでしょ? もうバイトしてるんだ。偉いね」
「え? あ、いえ……別にそんな、えへへ……」
照れくさそうにしてる。よし、見た目や年齢関係は場合によっては地雷だけどうまくいった。さらに会話を続けよう。
「でも外に面してないと少し困るね。地図の表記が間違ってないか心配したし」
「あ、そうですよね。実はお客さん少なくて……。今日はお姉さんが二人目なんです」
「そうなの? ここって、噂になってるシャーレだよね? もっと賑わってると思ってたよ」
「噂に!? あー、その……お客さんは先生くらいで、後はその……生徒が……」
……んん? なんだか暗い表情で妙に歯切れが悪い。様子がおかしい。
「先生と会ったことあるんだ。どういう人?」
「えっと、大人の男の人です。普通そうに見えましたけど……?」
「そう……教えてくれてありがとう」
「い、いえ。どういたしまして。……あれ? これって聞き込みされてる? も、もしかして噂は本当なの!?」
これは大したことは聞けそうにないかな。そろそろ会話を終わらせて―――
「あの! ヴァルキューレのお姉さん、
―――ごめん前言撤回。ん、店員さん、ちょっとお時間もらうね?
先生とは、女の子たちが頻繁に出入りする怪しい建物の主である。すごい、嘘がまったくない。
ないんだけど……それって、シャーレにお手伝いに来てる子たちだよね?
「……というわけで、怪しい建物というのはここ。シャーレのことだよ」
「な、なるほど。だから生徒がやって来てたんですね。噂は早とちりだったんですか……。てっきり、シャーレビルとは別にそんな場所があるのかと思いました」
……うん、たぶん早とちりだよ。私もカンナから聞いただけだし、断言はできないけどね。この子が不安がるから言わない。だから、一応確認しておく必要はある。
「ねえ、先生って上のフロアにいるのかな。このまま訪ねて会える?」
「え? あ、それは無理だと思います。エントランスの扉は許可をもらった人しか通過できないみたいですよ。それに、少し前に外出されるのを見たので……」
「そっか。じゃあ今度にしよう。ええと……ごめん忘れてた。私は砂狼シロコ。あなたは?」
「あ、あの、エンジェル24シャーレ店店員のソラです」
ソラか。うん、覚えた。この辺りに来たらまた寄るね。ばいばい。
シャーレのコンビニを後にして小型PCのエンジンを始動。
炭酸飲料とラムネ菓子で気分はスッキリ。警らに支障なし。さて、主要道路と線路は確認済みだし、次はどこを回ろうかな?
ナビのマップを縮小してシャーレビルを中心に近隣施設を確認する。
近場はビル街だ。再開発中でまだお店は少ないね。逆に離れるとアーケードに市場。それと公園、公園、……また公園。なんで大きな公園がエリアに三つもあるの?
これは再開発されてもおかしくないね。後は……地下鉄乗り口。D.U.には連邦生徒会が管理・運営する地下鉄がある。基本的にD.U.はこれとバスに乗れば困らない。
ただ、遠い海とか山とか僻地の方はさすがに無理。ハイウェイと下道を車で行くしかないね。
地下鉄乗り口は重要地点だ。ここを確認しながら警らしよう。ナビに一番近い乗り口を設定して小型PCを発進させた。
シャーレを発進して数分、最初の乗り口が見えてきた。
徐行しながら乗り口周辺の風景を覚えて―――異常を目視確認。小型PCを路肩に停めた。
三人組のスケバンがスーツ姿の人物を包囲しているのを発見。直ちに下車、徒歩で接近する。
「だからさぁ、ちょいと財布出してくれればいいんだよ。後はこっちで見るからさ!」
「さっさと従っときな~。それとも痛い目に遭いたい? ギャハハ!」
カツアゲ行為だ。シールドを左手に構え、右手は銃のグリップを握りながら早足で接近。短機関銃一人、機関銃一人、狙撃銃一人。武器種は全員バラバラ。
もう少し距離を詰めてから静止を呼びかけようとしたけど、スケバンの一人がこっちを見た。
「げっ!? クソがっ、お邪魔虫が来やがったぞ!」
「ああん? ヴァルキューレかよ。たかが一人じゃねーか。囲んでボコりゃ終わりよ」
「そーそー。美味いもん食う前の準備運動だな」
そっちがやる気ならしょうがない。まだ油断してるスケバンたちに速攻を仕掛ける。
上半身を少し倒し、早足から全力疾走へ移行して突貫。同時に制式拳銃を抜いて脅威度の高い機関銃持ちのスケバンに三連射。一発外れたけど二発が腹部に命中。ダメージはあるけど倒れてない。
「ぐおっ!」
「あ゛あ゛っ!? テメェ、やりやがったな!」
手前のスケバンが短機関銃を発砲。銃弾をシールドで受け止めながら前進を続けて体当たり。
斜め下から顎狙いでシールドを叩きつけ、さらに脛蹴りで追撃。上下の同時攻撃にスケバンが体勢を崩した。
一歩下がって体を捻り、腹部に足刀蹴りでトドメ。無傷の狙撃銃持ちに向かって蹴り飛ばす。予想できなかったのか飛んできた仲間を受け止めきれずに転倒。チャンスだ。
「ごめん、引っ張るよ!」
今のうちに包囲されていた市民を保護。腕を掴んで私の背後に引き倒す。保護と言うには荒っぽいけど、人質になるよりずっといいでしょ。
状況は……やや有利。このまま攻めても勝てるだろうけど、機関銃持ちが発砲を始めると苦しい。なので、ここはブラフをかける。ネックバンドの通話ボタンを押して叫んだ。
「至急至急! こちら501、強盗、応援求む!」
手短に通信を終えるとシールドと制式拳銃を構えて下がった。倒れている市民の壁になりつつ、スケバンたちを睨みつけて威圧する。
「チッ、ずらかるぞ!」
狙撃銃のスケバンがダウンしたスケバンを背負って逃亡を開始。機関銃持ちが悔しそうに罵詈雑言を吐き捨てながら走り去った。
ブラフ……はったりに引っかかったし見逃してあげるよ。銃をホルスターに戻して市民の方を向く。見たところ負傷はなさそう。スーツが少し砂ぼこりで汚れたくらいかな。
その市民は獣人でも機械人でもない人間。大人の男性。首から下げた名札にS.C.H.A.L.Eの文字。
もしかして、この人が連邦捜査部シャーレの先生?
放火事件の処理が完了した。犯人の身柄を検察に送致し、後を任せる。
これからは拘置所に収容され、刑事裁判が開始するのを待つことになる。我々、ヴァルキューレの仕事はここまでだ。防衛室への報告も円滑に終わった。毎度こうだと助かるのだがな……。
連邦生徒会から公安局に戻ると、副局長にそのまま休息を取るように促された。拒否したのだが、部下たちに局を追い出される。……またか。
私が局長になった直後は、一年生を中心に私への怯えや遠慮する雰囲気もあったが、今ではかなり薄れてきたな。それが怠惰に通じるなら厳しく指導するところだが、部下たちは精力的に働き結果を出している。
副局長のコノカも私が不在の間、局をまとめ部下を率いることに慣れてきた。……いや、コノカの性格に周りが慣れたと言うべきか? まあいい。多少の難はあれど、後を任せられるほどに育ってくれれば助かる。
さて、休息するならコーヒーが飲みたい。飲みたいのだが……公安局には戻れないな。
豆は通販で購入した物が届いているが、それは局の給湯室に置いてある。かといって缶コーヒーという気分でもない。
……晴れてるし外に行くか。表のパーキングに設置されたドリンクスペース。そこにカップコーヒーの自販機がある。散歩にしては短い距離だが気晴らしにはなるだろう。
ドリンクスペースには先客がいた。後輩の一年生とその同級生。お前たちか。
「今日は裏門の立ち当番だったろう。まさかサボりか?」
「いいえ、違います! 現在は休憩中です。その、三年生の方が来客があるので代わると……」
来客のために三年生が裏門の立ち当番。……そういうことか。
後輩たちの前では何事もなく取り繕うが、心の内では腸が煮えくり返る思いだ。
(また
「……局長?」
「っ! ああ、上級生の指示が出ているのなら構わない。そっちの警備局のお前は?」
「私は半休を頂きました! 射撃場で自主トレーニング中です! あ、今は休憩ですけど……」
「そうか。向上心が高いのはいいことだ。今後も励むようにな」
所属が違えど、自分を磨く努力を惜しまない後輩を見るのは嬉しいものだ。
彼女たちのため、そしてシロコを解放するためにも……やはり上層部をなんとかする必要がある。
(連邦生徒会長の失踪によるSRTの混乱。もしかしたら、使えるかもしれないな)
そんなことを考えていると警備局員が神妙な面持ちで頭を下げてきた。
「カンナ公安局長、先日は大変ご無礼な発言をしてしまい、申し訳ありませんでした!」
「……そのことならもう気にしていない。私こそ大人気なかったな。すまない」
あの発言に関してはすでに警備局長に伝え、彼女から謝罪をもらっている。だからそれで終いだ。これ以上は軋轢が生じかねない。他人に見られても面倒なことになるぞ。頭を上げてくれ。
「は、はい。承知いたしました。ありがとうございます」
警備局員が引き下がったところで自販機に向き合う。目当ての商品ボタンを押して会計を済ませると受け取り口に紙製のタンブラーがセットされた。
透明な保護カバーが閉まっていても深煎りの芳醇な香りが漂う。缶コーヒーでは味わえない。
蓋がセットされてカバーが開いた。商品を受け取りさっそく一口。うん、美味いな。
口に残る余韻と風味を楽しんでいると、後輩からまた話が聞きたいと求められた。……まあいいだろう。続きからでいいな?
「すみません。先に確認したいことがあるんです。シロコちゃんは、どうしてずっと留置施設に収容されているんですか?」
「そのことか。……わかった、教えてやる。ただし、場所を変えるぞ。ついてこい」
ドリンクスペースから生徒用の駐輪場に移動してきた。ここなら部外者に聞かれる心配はない。
逆に言えば、外部に漏れたら都合が悪い話ということだ。
「今から話すのはヴァルキューレの汚点であり恥部だ。私から聞かなくてもいつかは知るだろう。それでも確認しておくぞ。本当に聞きたいんだな?」
「えっ……はい、聞きます。聞かせてください」
「……わ、私も聞きます。シロコさんになにがあったか、知りたいんです!」
後輩たちは少しだけ逡巡した様子だったが、すぐに強い意志のこもった瞳で私を見た。その瞳はまるで、かつてのキリノのようだ。
『カンナ局長、質問があって参りました! 本官は、砂狼シロコさんについて聞きたいんです!』
アイツが私を訪ねて来たときとそっくりだ。だからこそ、
まず、シロコが収容されているのはヴァルキューレの留置施設。俗に言う留置場だな。
あそこは被疑者の身柄を一時的に拘束するための施設であり、長期的な収容には使われない。
「お前たちもそれを知ってるから疑問なんだろう?」
「はい。シロコちゃんはもう一年以上、雑居房に収容されたままと聞いて、なんでかなって……」
「部屋の扱いも普通じゃないですよね。他の被疑者たちとはまるで違いますし」
事の発端から話すぞ。ある日、シロコが校内で事件を起こした。内部機密に関わることだから詳細は言えんが、アイツは局員に逮捕されて留置施設に収容された。
取り調べには完全黙秘。そのまま検察に送致されるという寸前、上が突然捜査の中止を命令した。
「捜査の中止命令? そんなことってあるんですか?」
「あるとも。例えば誤認逮捕が判明したときだな。だが今回は違う。実行犯のシロコの裏に教唆犯がいて、そいつがヴァルキューレの生徒だったんだよ」
「生徒が、きょ、教唆犯!? 本当なんですか?」
「事実だ。その生徒は逮捕され、本人もシロコを唆したことを認めたからな」
罪は罪。犯した罪には罰が必要。だが事実を明らかにすれば、ヴァルキューレの不祥事になる。
結果は……隠蔽。シロコを赦免する代わりに、事件そのものをなかったことにしたんだ。
「嘘でしょ……。上層部がそんなことしてたなんて、信じたくない!」
「驚くのも無理はない。一年生のお前たちには特にショックな話だろう。……私もそうだった」
事件当時、一年生だった私は……隠蔽に走ったことが、どうしても我慢できなかった。
犯罪から目を逸らして諦めることも、真相を闇に葬り去ることも、私の信念が許さなかった。
そのために私は、
利用されただけの無知な子供の将来を、
自分が面倒を見ていたシロコの人生を、
踏みにじって潰した。
「私が『狂犬』と呼ばれるようになったのはそれからだ。実に相応しいじゃないか」
私が勝手に動いたことで上層部は激怒。処分を受けることになった。
だがそれより先に、シロコを唆した生徒が暴走を始めたんだ。そして別の事件を引き起こした。
「すまないが、これに関しても詳細は言えん。まあ本題からは外れることだ」
「えっ? ……あ、ああー。今はシロコちゃんの牢屋暮らしの発端の話でしたね」
「あの、私はかなり気になるんですけど……?」
「どうしても知りたいなら出世して自分で調べろ。いいな? さて、ここからが本番だ」
私は生徒の暴走を水際で食い止めた。その功績で先の処分は相殺となり撤回。問題はシロコだ。
もはや赦免で終わらせることは不可能。かといって、これ以上の出血はなんとしても押さえたい。
そこで上層部は、シロコをヴァルキューレの直接監視下に置いた上で、一定の奉仕活動を行うことで放免とする特例を作った。その特例期間中の収容場所が本校の留置施設なんだよ。
「なるほど。だからシロコちゃんだけ例外で、ずっと留置施設にいるんですね」
「でもそれって、一年以上も奉仕活動を続けてるってことですか? 特例の具体的な期間は?」
「……決まってない」
「は? ……え、どういうことです?」
そう、決まってないんだ。これは上層部が
最初は簡単な作業ばかりだった。監視がついた状況で街の清掃活動。文字通りのごみ拾い。
だがある日、監視が仕事をサボってシロコを一人で放り出した。どうせ逃げやしないとな。
するとシロコは、予想もしていない結果を出してしまった。
街の治安を乱す犯罪者を捕まえて帰ってきた。私が教えた逮捕術で、いとも簡単に。
これに多くの局員たちは目が眩んでしまった。脱獄しやすい環境をわざと作り、見て見ぬ振りをするようになった。こうして今の状況が出来上がったんだ。
「考えてみろ。ナワを外して放り出せば、手柄を咥えて必ず帰ってくる。しかも自分たちに従順で逆らわない。そんな存在を……お前たちならどう使う?」
尻もちをついた男性に手を貸して立ち上がらせる。
シャーレの先生だったらマズいことをしたかもしれない。少し丁寧な対応をしよう。
「緊急事態とはいえ、突き飛ばしてしまい大変申し訳ありません。お怪我はありませんか?」
「ううん、全然平気だよ。助けてくれてありがとう。さすがは犬のお巡りさんだね!」
「……私は犬じゃない、狼。失礼な」
「え? ごめん。インタビューを受けてる子供がそう言ってたから。……そっちが素なんだ?」
ん! ついムッとして言い返してしまった。ていうかインタビュー? 子供? どういうこと?
「……インタビューとはなんの話ですか?」
「無理しないで普通に喋っていいよ。私も気楽な方が助かるしね。インタビューは……君が火災現場で助けた子って言えばわかるかな?」
「ん……わかるよ。犬の男の子」
あの子か。……正直、火事の話はやめてほしい。私にとってはカンナに迷惑をかけた苦い記憶。
「あー……失礼、自己紹介が遅れたね。私はシャーレの先生だよ。よろしくね」
「え? あ、うん。……やっぱり先生だったんだ。砂狼シロコです」
今、急に話題を変えてきたよね。もしかして顔に出てた? フブキみたいに察しが鋭いタイプかもしれない。注意しよう。
「ところでシロコはヴァルキューレのお巡りさんだよね。ちょっと助けてほしいんだ」
「ん……助けるのはいいけど内容による。ごめん、立場上安請け合いはできない」
私は(囚人だから)立場上安請け合いできない。嘘は言ってないよ。さあ、どう反応する?
「そっか。できればアビドス高校まで車に乗せてもらえないかな?」
「それは無理」
D.U.からアビドスまでって、遠すぎるよ。それに小型PCで砂漠は厳しい。第一、私はD.U.から出てはいけない。だから断る。
「アビドス自治区は砂漠の土地。ここからなら地下鉄と列車を乗り継いで行くのが基本だよ?」
「いやー、それは調べたんだけどね? 地下鉄が運行トラブルで止まってるんだ」
トラブル? スマホを取り出して広域都市鉄道にアクセス。……確かに一部区間が不通状態だ。
「それでどうしようか困ってたら、さっきの子たちに絡まれてね。……私はキヴォトスにきて間もないしD.U.にも詳しくない。なんとか助けてもらえないかな?」
「ん……」
先生は両手を合わせ、困り顔で頼み込んできた。
どうしたものかなぁ。アビドスまでは絶対に無理だし地下鉄も乗れない。タクシーは……まあ高いよね。じゃあ妥協点を提案。
「なら、アビドス行きの列車が出る中央駅までなら乗せてもいいよ」
「それで十分だよ! 元々、地下鉄でそこまで行く予定だったからね。ありがとう、シロコ!」
今度は両手を上げてはしゃぎだした。大人なのか子供なのか、よくわからない人だね。
「じゃあ助手席にどうぞ。あ、車内の装備品は触らないでね?」
「うん、じゃあ失礼するね。……おお~! これがパトカーの中なんだね!」
先生がシートベルトを締めたのを確認したらエンジンを始動。小型PCを発進させた。
これくらいなら先生の求める範囲のお手伝い……のはずだよね?
先生と世間話をしながら中央駅を目指す。へえ、連邦生徒会長に頼まれてキヴォトスに来たんだ。
初日に職場のシャーレビルが占拠されたりと不安なスタートを切ったけど、知り合った生徒たちに助けられてなんとかなったらしい。あ、生徒と言えば……。
「……そういえば先生、変な噂が立ってるよ? 女の子が頻繁に出入りする怪しい建物の主とか」
「なにそれ風評被害! なんだけど、客観的にはそう見えるかも……。参ったな」
先生の横顔は本当に困ってるように見える。うーん、やっぱり噂は早とちりかな?
「念のため確認するけど、先生が自分からシャーレに連れ込んだ子とか居る?」
「いやいや、居ないよ! 当番で来てくれた子は数人居るけどね」
「市民や生徒となにかトラブルを起こしたとかは?」
「特にないかな。……うん、心当たりはないよ?」
……嘘をついてる様子はない、かな。ひとまず安心した。
「ん、噂を聞いて不審がってる子を見た。なにか対策した方がいいよ」
「対策かあ。……あ、そうだ。シロコと一緒に自撮りしてシャーレのSNSに―――
「断る」
―――は、無理みたいだね。他の子に相談してみるよ」
確かにヴァルキューレの生徒と一緒の写真なら効果がありそうだけど、私はSNSの盗撮投稿で困らされたばかり。絶対にお断りする。
話題は変わってこれから向かうアビドスのこと。アビドス高校から助けを求められたんだって。
「生徒のために砂漠まで行くんだ。あそこは本当に大変だから注意してね」
「シロコはアビドスに詳しいのかい? できれば事前知識が欲しいんだ。よかったら聞かせてくれるかな」
「ん……あんまり詳しくない。地理に関してはさっぱりだよ。私も遭難してたから」
驚く先生に私の過去を話す。私が私として目覚めてからのお話。
私ね、砂漠で目が覚めたんだ。そこは砂に埋もれた無人の住宅街だった。
覚えてたのは名前と少しの知識だけ。それ以外はなにもわかんなかった。太陽はギラギラ熱いし、夜は凍えるほど寒い。お腹が空いて、食料を探してあちこち歩き回った。
だけど、その住宅街に食べられる物も飲み水もほとんどなくて……意を決して砂漠に歩き出した。なんとか見つけた廃ビルを探索したり、放棄された電車を寝床にしたり、歩いて歩いて……人がいる場所もあったよ。
でも受け入れてもらえなかった。皆生きるのに必死だろうしね。仕方がないよ。
その後も歩き続けて……ある日、遠くに街並みが見えた。今まで見た廃墟やボロボロの民家とは違う、立派な建物とかが見えたんだ。
そして、その街から伸びた線路。街の少し手前に車両基地だと思う。屋根のある大きな施設に列車が停まってた。最初は電車だと思ったけど、それは長距離を走るための車両だった。
街と車両基地。どっちに行こうか迷ってたら……列車がゆっくり動きだした。
私は慌てて列車を追いかけて飛び乗った。きっとこれに乗って向かう先なら、砂漠よりも生きやすいだろうって、必死にしがみついてたどり着いたのが……ここ。D.U.だったんだよ。
「もしも、もしもあのとき、街の方に進んでたら……きっと、別の人生を送ってたと思う」
「そっか。シロコは、今の自分をどう思う? ヴァルキューレに入学して楽しく暮らせてる?」
「―――」
ヴァルキューレに、入学……かぁ。
「……ん、楽しいよ。楽しくて、私は幸せ。
「? ……シロコ?」
「なあに?」
「……ちょっと失礼」
え? わっ! 先生、急に撫でないで。ていうか運転中だから。なんなの? んー!
急に先生が腕を伸ばして頭を撫でてきた。危ないし制帽の上から撫でられても嬉しくない。
先生の手を払いのけて小型PCを路肩に停めた。そしたら制帽を脱いで頭を差し出す。
「ん。撫でるんならちゃんと撫でて」
先生は少し目を丸くした後、微笑んで優しく頭を撫でてくれた。ん、もっと撫でろ。
中央駅に到着。もうすぐ列車が出発する時間らしく、先生は礼を言うと駅に走り去った。
お土産が一つ。私のスマホの連絡先が一人増えた。困ったときとか、相談事とか、なんなら暇つぶしの話し相手でもいいからと、強引だった。
どうしよう。私、生徒じゃないから困るんだけど……。まあシャーレ当番に立候補したわけじゃないし、頼まれても断ればいいよね。
さて、時刻はもうすぐお昼だ。今日はどうしようかな。
駅近くの牛丼チェーン店でお昼を済ませ、午後の警らで小物を三人確保。合計八人捕まえた。
成果としては十分だろう。それにカンナに先生と遭遇したと報告したら、帰ってきて公安局に顔を出せという返事が届いた。ん、了解。
公安局に行くのは久しぶり。どこかのコンビニかドラッグストアで差し入れを買って帰ろう。
ヴァルキューレに帰宅。地下駐車場で小型PCを返却したらそのまま公安局へ。
現在時刻は十四時半。まだ時間に余裕はあるし、装備の返却は後でも大丈夫だ。徳用チョコレートが入った袋を手に廊下を歩いた。
公安局にお邪魔すると顔見知りの三年生たちに歓迎された。お久しぶりです。
チョコレートを渡すとそのままおやつタイムに入るらしい。たくさん買ったから皆さんでどうぞ。
部屋の奥に進むとカンナとコノカ先輩の二人を発見。
「ん? おお、シロコ~! 久しぶりっすねー!!」
「うん、久しぶり。コノカ先輩は元気そうだね」
頬をムニムニと触られながら挨拶を返す。コノカ先輩は会うたびにこんな感じで構ってくれる。
私はスキンシップは好きだし触られても全然平気。むしろもっとしていいよ。
「じゃれるのは後にしてくれ。まずは話を聞かねば―――?」
席を立ったカンナが近寄ってきたけど、急に立ち止まるなり鼻を鳴らし始めた。
「コノカ、離れろ。シロコから妙な匂いがする」
「え、匂い?」
カンナの発言にコノカ先輩が私を解放して距離を取った。
袖口を鼻に当てて嗅いでみるけど……そんな変な匂いする?
「―――これは……香水だ。シロコ、お前今日誰かと接触したか?」
「あ、それ先生だよ。先生の腕を握ったし、私も触られたから」
なるほど。言われてみれば確かに香水の匂いがする。先生のが移ってたんだね。
……公安局が静まり返った。皆が私を見ている。……え、何事?
「よーし、てめぇら弾込めてあんな? デられる奴ぁ並べ!」
「了解!」
コノカ先輩が鬼の形相で騒ぎだして生徒たちが整列を始めた。なんの騒ぎなのこれ。
「お前たち……静まれ」
カンナの一声で騒ぎが収まる。だけど皆不満そうな顔だ。
「我々は警察官だ。私情で権力の行使はもちろん、暴力を振りかざすなど論外だ」
「でも姉御っ! いいんすか!?」
「コノカ。先入観を持つなと後輩に指導したお前が、率先して暴走してどうする。落ち着け」
「……うす」
……あ、もしかしてこれ、勘違いしてる? 先生が私になにかしたと思ってない?
「あの、私は変なこととかされてないからね? スケバンに襲われてた先生を庇っただけだよ?」
「え? あ、あー……そっすか。は、恥ずかしいことした~」
コノカ先輩が耳を赤くしてしゃがみ込んだ。周りの皆も苦笑いで銃を片付け始めた。
「ごめんねカンナ、私がすぐに説明しなかったから……」
「いや、今のはコノカが悪い。新入生ならともかく、副局長が早合点など情けない」
カンナの言葉にコノカ先輩がついに無言で床に転がる。あ、丸まっちゃった……。
「……だがシロコ、お前の頭部からも匂いがするぞ。どういう状況だったんだ?」
「あ、えっと。そっちは車に乗ってるときだよ。急に触られて、頭撫でられたから」
「取調室を確保しろ! 大至急だ! コノカ、留守は任せる!」
「ウッス! 姉御、手が必要だったらすぐに連絡を!」
カンナに腕を掴まれて取調室に連行。
先生と何があったのか、夕日が暮れるまで根掘り葉掘り質問されて疲れた。
装備の返却が遅れて注意されるし、看守係長からも小言と拳骨をもらう。
さすがにこれは理不尽だ。夕食を食べたらさっさと寝床へ潜り込む。今日はもう不貞寝する!
アビドスに向かう列車の乗客は少ない。まあ、社会人や生徒の通勤通学時間とはズレていることも理由だろう。それにしても閑散としているが。
だからまあ、私がアロナと会話をしていても、訝しむ人は居ないだろう。
『先生? 差し出がましいようですが、先ほどのシロコさんへの行動はどうかと思いますよ?』
「……シロコを撫でたことかい?」
『そうです。年頃の女の子に大人の先生があんなスキンシップしたら駄目ですよ』
「うん、そうだね。
初対面で親しくもない成人男性。そんな私に髪を触られたら、年頃の生徒なら拒絶して当然だ。
だけどシロコはそうじゃなかった。むしろ、他人との触れ合いに飢えていたように見える。
(なにかあるな。だけど、いきなり踏み込んでも心を開いてはくれないだろう。時間が必要だ)
「アロナ、ともかくシッテムの箱にシロコの登録を頼むよ」
『わかりました。連邦生徒会に提出されているヴァルキューレの生徒名簿にアクセスします』
シロコのことも心配だけど、今は助けを求めているアビドスだ。
暴力組織に攻撃され追い詰められていると聞いては、そっちを優先するしかない。
幸い、ヴァルキューレはシャーレと同じD.U.で活動している。すぐに会えるだろう。
なんならシャーレ当番として呼んでも―――
『せ、先生! あの、これ見てください!』
―――アロナの声に思考を現実に戻される。シッテムの箱にはシロコの情報が表示されていた。
ヴァルキューレ警察学校 砂狼シロコ ――― 退学処分により学籍抹消
「これは、どういうことだい?」
『わかりません。ヴァルキューレに学籍が存在した記録は確かにあるんです。でも退学済みになってて……私にも、なにがなんだか』
シロコはヴァルキューレの制服を着ていたし、身に着けていた装備や乗っていたパトカーも本物に見えた。それなのに退学処分を受けた元生徒とは?
「確認する必要があるね。……だけど、今はまずアビドスだ」
『わかりました、先生』
生徒のことに優先順位をつけるなんて本当はしたくないけれど、私の体は一つしかない。
アビドスの問題を解決したら……もう一度、シロコと会わなくちゃね。
教えてシロコ! 列車と電車の違いって?
ん、外部から電気を供給してもらってモーターで走るのが電車。上に架線がある。それ以外が列車……だと思う?