たんぽぽと塾のストーキング恋愛❤️   作:伝説のファミチキ

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この物語はフィクションです。
現実の人物とは一切関係がありません。


第三話「奴隷」

 

「……ぞう!目が覚めたか!」

 

誰かの声が聞こえた。

ぼんやりと重たいまぶたを開くと、見慣れた天井と白いカーテンが視界に入る。

 

「……ここ、どこだ?」

 

「保健室だよ、保健室!」

 

顔をのぞき込んできた人物を見て、たんぽぽぞうは目を見開いた。

 

「……山凸秋鬼!」

 

そこにいたのは、クラスメイトであり数少ない友達の一人、山凸秋鬼だった。

 

意識がはっきりしてくるにつれて、倒れたときの記憶が少しずつ戻ってくる。

廊下。塾ほり。

「だめよ」という即答。

そして、急に真っ暗になった視界。

 

「倒れたって聞いてさ、心配したんだぞ!」

 

秋鬼は腕を組み、少し怒ったような顔をしている。

 

「秋鬼……心配してくれてありがとな!」

 

たんぽぽぞうが素直に礼を言うと、秋鬼は急に視線をそらした。

 

「べ、別にし、心配して来たわけじゃないんだからね////」

 

(……あれ?)

 

たんぽぽぞうは首をかしげる。

 

「そうか?」

 

「そ、そうだよ!たまたまだ!」

 

秋鬼の態度はどこか不自然だった。

顔が赤いし、語尾も変だ。

 

(なんか……違和感あるな)

 

だが深く考える前に、保健室の先生から「もう大丈夫」と言われ、二人は教室へ戻った。

 

 

放課後。

 

たんぽぽぞうは校舎の廊下を歩きながら、考え込んでいた。

 

(このまま終わるのか?)

 

プロデュースを断られたまま。

倒れて終わり。

それは、なんだか納得がいかなかった。

 

(もう一回だけ……聞いてみるか)

 

そう決めると、足取りは自然と早くなった。

 

校門近くで、スマホをいじっている塾ほりを見つける。

 

「……塾ほり!」

 

「なに?」

 

「頼む!」

 

たんぽぽぞうは、ほぼ反射で頭を下げた。

 

「プロデュースさせてくれ!」

 

しばらくの沈黙。

 

塾ほりはたんぽぽぞうを上から下まで眺め、ニヤッと笑った。

 

「えー……」

 

「じゃあさ」

 

「私の奴隷になって❤️」

 

「……え?」

 

一瞬、耳を疑った。

 

「え!?

それだけでいいのか!?」

 

思ったより条件が軽い。

いや、軽いのかどうかは分からないが。

 

たんぽぽぞうは内心で考える。

 

(奴隷……?)

(でも俺、普段からパシリみたいなことしてるし……)

 

思い返せば、

飲み物を買いに行かされたり、

ノートを写させられたり、

雑用を押し付けられたり。

 

(……あれ?)

 

(今と、何も変わらなくね?)

 

「いいぞ!」

 

勢いよく答える。

 

「その条件でプロデュースできるなら、全然いい!」

 

塾ほりは満足そうにうなずいた。

 

「じゃあ決まりね❤️」

 

「今日から、奴隷としてよろしくね」

 

そう言って、距離を詰めてくる。

 

「たんぞう❤️」

 

「……たんぞう!?」

 

急にあだ名をつけられ、心臓が少し跳ねた。

 

(なんだ今の)

(呼び方……近くないか?)

 

塾ほりは楽しそうに笑っていた。

 

一方その頃。

 

少し離れた場所から、その様子を見ていた山凸秋鬼は、複雑な顔をしていた。

 

「……あいつ」

 

「本当に、バカだな……」

 

拳をぎゅっと握りしめる。

 

たんぽぽぞうは気づいていない。

この“奴隷契約”が、

ただのプロデュース以上に、

ややこしい関係の始まりだということを。

 

――第三話・完

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