(ではこれで・・・!只今、臨時ニュースが入りました!イスタンブールで原因不明の住民失踪事件がありました。市街地は壊滅的な状態であり、住民の生存は絶望的だという事です!現場に永井リポーターがいらしてます!永井さん!)
(はい!こちら、壊滅的な被害を被ったイスタンブールの街の様子です!ご覧ください!街からは所々から黒煙が昇り、もはや都市としての機能は麻痺していると言えるでしょう!しかし、何が、どのようにしてこのような惨状になったのか、原因はまだ特定できていません!)
沿岸都市アルトセイム臨海部カフェ・シュガル内…。
そこには3人の男女の姿があった。
1人は茶色いショートの少年、1人は腰まで届く銀髪、もう1人は黒いショートの少女だ。
彼らはデュエルアカデミア・アルトセイム校・高等部に通う御剣 トーマ、リリィ・シュテンベルグ、アイシス・レイナードのいつもの3人だ。
今は学校が終わり、このようにカフェ・シュガル内でくつろいでいる。
「どうなってるんだ?イスタンブールのような街が一瞬で壊滅?」
「分かんないけど・・・テロか何かかな?」
「ん~…こんな大規模なテロって起こせるのかな~…」
「お、アイシスが珍しく悩んでるじゃん」
「ちょおっ!あたしだって悩むときはあるよ!!」
3人は臨時ニュースの内容に驚きを隠せない。
無理もないだろう。
イスタンブールはヨーロッパでは最大規模の都市圏の1つだ。それが一瞬で壊滅する様な事態はまず起きないだろう。だが、今回ではそれが起きたのだ。
「いやぁ物騒だなぁ。こんな事があっちゃ…」
「うわ!高木さん!いつの間に!」
「へいへい。俺だってニュースの1つや2つは見るぜ?」
「店長!アップルパイがまだですよ!」
厨房から男性従業員の声がする。
「おっと、お呼びが掛かったな…じゃあな!」
黒いショートヘアの男、高木は笑いながら厨房に戻る。
高木さんこと高木 祐二はこのカフェのオーナーであり、この物件の2階をカードショップに改装した風変わりな男だ。
「おっと、こんな時間か。じゃ、俺は帰るよ」
「うん。またね、トーマ!」
「じゃあね~!」
トーマは2人に手を振りながら店を出る。
「マスター…」
「ユウキ?」
店を出た瞬間、トーマの隣に1人の少年が現れる。
銀髪のショートヘアに白いTシャツ、緑色のネクタイに黒いひざ下まであるズボン、背中にはドラゴンを思わせる白い翼に両手両足もそれを思わせる手足だ。
彼はトーマが持つカード《シルバームーン・ドラゴン》の精霊だ。元々彼は古の祭壇に封じ込められていたのだが、トーマによってその封印から解き放たれこのように自由に動けている。“ユウキ”というのはトーマが彼に与えた名前だ。
「なんだか、怖い…」
「怖い?」
「うん…あの街から、物凄く黒い何かを感じるよ…」
「黒い何か…?」
「マスター、今度の事件に関わっちゃダメだよ。何かあったら、僕…」
「心配すんなよ簡単にやられるとでも思ってんのか?」
トーマの問いにユウキは首をゆっくり横に振る。
「じゃあいいだろ?何かあってもお前達がいる。その時になったら、また頼むよ」
「…うん」
「ニャーニャー!!」
ユウキと話していたトーマの目の前に燃えるような赤い毛並みの猫が現れる。
彼は《焔猫スカーレット》の精霊、スカーレットだ。
「どうしたんだ?スカーレット」
「ニャー!」
スカーレットが大急ぎでトーマの家の前まで向かう。
そんなスカーレットを追いかけると、そこには黒い少し長めの髪で上半身が袖なしのシャツだけで下は青い半ズボンの少年が倒れている。
背丈からして、7歳くらいだと考えられる。
「お、おい!!大丈夫か!?
トーマが少年の肩をたたく。
「しっかりするんだ、目を覚ませ!!」
グ~…。
少年のお腹から変な音が鳴る。
「へ…?」
「ニャ?」
「主…彼は空腹で倒れているだけかと」
緑色の装甲で、近代的な銃剣を装備した人型ロボットである《TGブレード・ガンナー》の精霊が現れる。
彼の名はブレイブだ。
「腹…減った…」
「うんめー!!ハンバーガーおかわり!!」
「うふふ…はいはい」
トーマの母親である御剣・L(ルアルディ)・リーネが微笑みながら次の料理を作る。
よほど空腹だったのか、ハンバーガーやオムライス、フライドポテト、おにぎり、フレンチトースト、トマトサラダその他もろもろ…。
次々と料理が運ばれると同時に食器が空になっていく。
「ニャー…」
「あの子…いっぱい食べてる」
スカーレットと背中に羽が生えた青い髪の天使らしき少女、《エフェクト・ヴェーラー》の精霊であるエクレールがびっくりしながらその少年を見る。
「あーー食った食った。ごちそうさま!!」
腹をなでた後、嬉しそうに手を合わせる。
「ふふ…満足してくれてよかったわ。じゃあトーマ、私は夜勤があるから、この子をお願いね」
リーネが玄関にあらかじめ置いておいたバッグを手にして家を出る。
「それで…お前、名前は?」
「ん??俺?俺はルカス!よろしくな、みんな!」
「みんな…?お前まさか?」
「どうかしたのか?」
「お前…なんで俺以外にもいるってわかるんだ?」
あえて精霊だということをはぐらかしながら尋ねる。
「え…?だって、猫にロボットに女の子がいるだろ」
その言葉からトーマは確信する。
ルカスという少年には精霊の姿が見えている。
「俺は自己紹介したんだ。今度は兄ちゃんたちが自己紹介してくれよ」
「ああ…。俺はトーマ。御剣 トーマだ。で、こいつはスカーレット」
「ニャー!」
「…エクレール」
「僕はユウキ、《シルバームーン・ドラゴン》の精霊だよ」
「私は《TGブレード・ガンナー》の精霊、ブレイブ」
「へー…精霊かぁ。なんでそいつらがトーマ兄ちゃんと一緒にいるんだ?」
「…私たちのカードをトーマが持っているから」
「カード・・・?」
「これのことだよ」
トーマがスカーレットたちのカードをルカスに見せる。
「…なあ、これ…どうやって遊ぶんだ?」
「えーーー!!?デュエル、知らないの!?」
「デュ…エル…?」
何の事かさっぱりわからないと言いたげな表情を浮かべる。
「ええっと、デュエルというのは…」
トーマがデュエルについて教え始める。
「…ということ。分かった?」
「ああ!デュエルって何なのか大体わかった!」
1時間かけた説明のおかげか、ようやくルカスは理解してくれた。
「けれど…あなたはどこから来たの?」
「あ…まだ俺、聞いてなかったな」
エクレールの言葉にはっとしたトーマがルカスを見る。
「なあ、お前はどこから来たんだ?家の人は?」
「俺?俺は旅人さ!」
「旅人?」
「ああ!だって大きくなったらもっと勉強しなきゃなんないし、大人になったら仕事するんだろ?それにじいちゃんになったら旅できるほどの体力がなくなっちゃうじゃんか!今しかないんだよ。こうして世界を旅するのはさ!」
屈託なく質問に答えるルカス。
しかし、今の彼の服装は今の時代では考えられないものだ。
「…何か着替えとかは?」
「着替え?ない!」
もはや即答だった。
とすると、どうにかして別の服を用意するしかない。トーマは携帯端末を取り出し、母の番号にかける。
「あら、トーマ?どうしたの?」
「母さん、俺の子供の頃の服、まだあったよね?」
「ええ。あなたの押し入れにまだあったわよ?」
どうやらトーマのお古はまだあったようだ。ほっと息を吐き母に聞く。
「ルカスの奴、着替えが無いみたいなんだ」
「あらま!だったら、トーマのお古貸してあげて?」
「それを聞こうって思ってたんだ。ありがと、母さん」
「ふふ…。ちゃんと面倒見てあげるのよ?」
そう言い、リーネは電話を切った。
「ちょっと待ってて。何か着れそうなやつ探すから」
「おう!!」
数分後、トーマはルカスが気に入りそうな服を見繕っていた。
「お!動きやすいしサイズもピッタリ!これにする!」
今のルカスの服装は、青い迷彩のパーカーに中に青い袖ありのTシャツ、グレーのジーンズという格好だ。
「気に入ってくれてよかったよ」
「それより、なんかトーマ兄ちゃんが言ってたデュエル、なんかやってみたくなったぜ!」
「お、いいぜ。手加減なしだからな?」
「おう!!」
笑いながら答えるルカスにトーマは微笑み、机の上段を漁り始める。
「たしか…この辺に別のデッキが…」
トーマは過去に自分が使っていたデッキをルカスに貸そうとしているようだ。
「あった!これ使って」
「おお!かっけえ!」
ルカスはもらったデッキを見ると興奮する。そのデッキは、かつて世界を救った英雄、遊城十代が愛用していたE・HERO(エレメンタル・ヒーロー)が主体のデッキとなっている。
「よし。じゃあ始める?」
「おう!さっそく・・・!」
ルカスとトーマがデュエルを始めようとした瞬間・・・
カチッ…カチッ…
『ん!?』
突如、部屋の照明が点滅し始める。2人はまるで本当の兄弟さながらの同時リアクションをする。
「なに…?」
「ニャ?」
「ブレーカーでも落ちた?」
「いえ、動力回線の不具合でしょう。時期に復旧します」
精霊達は突然の事態に困惑するが、照明はとうとう消えた。
「どうなってるんだ…?」
その時、トーマの携帯に着信が入る。トーマは着信画面を確認する。
「…フェイト?」
画面には、フェイト・キャスタニエと表示されている。
「はい?」
「トーマ!今どこ!?」
携帯越しにもわかるほどの大声で女性らしき声が響く。
「いっ!…うっさいな。今家だけど…」
「大変なの!アイシスが…アイシスが、やられちゃったの!!」
「なっ!?アイシスが!?」
「今臨海病院に運ばれて、私とアルフも向かってるから、トーマも来て!!」
「分かった!!」
電話を切ると、トーマはすぐに外出の準備をする。
「待ってくれよ!デュエルは!?」
「後でだ!あと、お前も来い!」
「お、おい!?」
トーマはルカスの手を取り、そのままガレージに向かう。そこには、1台のDホイールが停まっていた。
「おお!かっけえ!」
ルカスはDホイールを見ると、興奮し始める。そんなルカスにトーマはスペアのヘルメットを投げ渡す。
「ほら!ぼさっとしてないで乗れ!」
トーマはDホイール『ドラゴンバード』に搭乗し、エンジンをかける。それを見たルカスも興奮しながら後ろに乗り、トーマはドラゴンバードを臨海病院に向けて発進させる。
トーマはルカスと共に臨海病院に来ており、そこには先に長い金髪の少女とオレンジ色の髪の女性、そしてリリィがいた。
「トーマ!」
「アイシスがやられたって本当なのか!?」
「うん…」
「様態は!?」
「…いま緊急手当てを受けてるよ…」
そこに所々に包帯が巻かれ診察台に乗せられたアイシスが姿を見せた。
「アイシス!!」
トーマ達がアイシスに駆け寄る。
「どいてくれ、君たち!彼女は重傷だ!すぐに治療を…」
「アイシス!何があった!?」
「…トーマ…ごめん…」
「?」
「《アーマード・ウィング》…とられちゃった…」
「!!」
「君、しゃべっちゃ駄目だ!さあ!」
アイシスはそのまま治療室に運び込まれる。
「くそっ!!」
運び込まれたところを見た後、トーマは右手の拳を壁に叩きつける。
「トーマ!?どうしたの!?」
その様子を見た金髪の少女、フェイトがトーマに問いかける。
「アイシスがああなったのは俺のせいだ!!俺がもっとしっかりしてれば…!!」
その言葉に噛みつくかのようにオレンジ色の髪の女性、アルフが反論する。
「何言ってんだい!それじゃあアタシらも共犯だ!!」
「そうだよ!それに、アイシスがあんなにやられたって事は、やった人はかなりの人だよ」
「だからって、このままじっとしてるわけにも・・・!」
その瞬間、トーマにヘルメットが投げ渡される。そして改めてフェイトを見ると、ライディング用のグローブを付けている。
「誰もじっとしてるなんて、言ってないよ、トーマ!」
「ああ!アイシスの仇をとれるのは、アタシらだけさ!!」
「フェイト…アルフ…!おう!!」
ヘルメットをかぶり、トーマはそのまま外に出る。
「ちょっと!わたしは!?」
「リリィはここでルカスの面倒を見ててくれ!すぐ戻る!」
「トーマ!!」
トーマ達はそのままドラゴンバード、ヴィルキス、ブラストファングを発進させる。
「もう…わたしだって力になりたいのに…」
「がんばれよ、トーマ兄ちゃん!ところで、姉ちゃん名前は?」
「あ、わたしはリリィ・シュテンベルグ。あなたは?」
「おう!俺はルカス!よろしくな、リリィ姉ちゃん!」
真夜中のハイウェイ、そこでトーマ達はアイシスをけがさせた犯人を探していたが、なかなか見つからずもうすぐ夜明けの時間になろうとしている。
「もう日が昇っちまうよ?」
「これだけ探しても見つからないなんて…」
3人は別々で探しているがもう諦めかけていた…別で探しているトーマから連絡があるまでは。
「?」
それは突然だった。ドラゴンバードの後ろから1台の黒塗りのDホイールが追い上げてくる。
それをスキャンし、照合してみるが全ての結果において『UNKNOWN(不明)』と表示された。
「!!来たぞ!アイシスをやった奴かもしれない!!」
(本当!?)
(おいでなすったね!!)
「行くぞ!《スピード・ワールド3》セット!!」
(デュエルモード・オン。オートパイロット・スタンバイ)
こうして、人気の少ない夜明け前のハイウェイがスピードの世界に変わった。
「ライディング・デュエル、アクセラレーション!!」
トーマ
手札5
ライフ4000
アンノウン
手札5
ライフ4000
「先攻はもらうぜ!」
トーマ 手札5→6
「小細工はなしだ!来い!《TGラッシュ・ライノ》!」
TGラッシュ・ライノ レベル4 攻撃力1600
「カードを2枚セットして、ターンエンド!」
トーマ
手札6→3
SPC0
ライフ4000
場 TGラッシュ・ライノ レベル4 攻撃1600
アンノウン
手札5
SPC0
ライフ4000
場 なし
「私ノターン!」
アンノウン
手札5→6
SPC0→1
トーマ
SPC0→1
「手札カラ《ワイズ・コア》ヲ召喚!」
ワイズ・コア レベル1 攻撃力0
「カードヲ1枚伏セ、ターンエンド!」
トーマ
手札3
SPC1
ライフ4000
場 TGラッシュ・ライノ レベル4 攻撃1600
アンノウン
手札6→4
SPC1
ライフ4000
場 ワイズ・コア レベル1 攻撃0
「(攻撃力0?誘ってるのか?)俺のターン!」
トーマ
手札3→4
SPC1→2
アンノウン
SPC1→2
本来、攻撃力1600程度のモンスターは他のレベル4モンスターには簡単に倒される。
しかし、アンノウンは守備力0のモンスターを呼び出し、カードを伏せただけでターンを終えた。
ただ単に手札に他のモンスターがいなかっただけなのか、それとも攻撃誘導のための策略か?
その真意をアンノウンの機械音声からは読み取ることはできない。
「行け!ラッシュ・ライノ!《ワイズ・コア》に攻撃!」
背中に装着されているバーニアを噴射させながら、拳で《ワイズ・コア》を砕こうとする。
「罠発動!《攻撃の無力化》!コノカードハ、相手モンスターノ攻撃ヲ無効ニシ、バトルフェイズヲ終了サセル!」
しかし、簡単に攻撃を通してもらえるはずもなく、突然現れた次元の渦を見て、《TGラッシュ・ライノ》は攻撃を断念する。
「守ってきた!・・・あいつがキーモンスターか?なら、《Sp‐ハイスピード・クラッシュ》を発動!俺のスピードカウンターが2つ以上あるとき、俺のフィールド上のカード1枚と。フィールド上のカード1枚を破壊する!俺の伏せカードと、《ワイズ・コア》を破壊!」
伏せカードを墓地へ送ると同時にトーマはドラゴンバードを《ワイズ・コア》にぶつける。
ぶつかったその白い機械の卵はそのままハイウェイの壁に激突する形で破壊された。
破壊された伏せカード
・Sp-デッド・シンクロン
「フフフフ!掛カッタナ!」
「何!」
「《ワイズ・コア》ガカード効果デ破壊サレタ時、自分ノフィールドニ存在スルモンスターヲ全テ破壊し、デッキ・手札・墓地カラ《機皇帝ワイゼル∞》、《ワイゼルT》、《ワイゼルA》、《ワイゼルG》、《ワイゼルC》を特殊召喚スル!」
砕けた卵が次元の裂け目を生み出し、その中からかつてチーム・5D'sを苦しめた悪夢の機械の1つが現れる。
機皇帝ワイゼル∞ レベル1 攻撃0
ワイゼルT レベル1 攻撃500
ワイゼルA レベル1 攻撃1200
ワイゼルG レベル1 守備1200
ワイゼルC レベル1 攻撃800
「いっぺんに5体のモンスターを召喚した!?」
「驚くノハマダ早イ!《機皇帝ワイゼル∞》ノ効果発動!」
胴体部分のパーツである《機皇帝ワイゼル∞》が∞状の緑色の光を発すると同時に、4体のパーツがそれに集結する。
そして、5体のパーツが合体し、1体の巨大ロボットへと姿を変えた。
「クックックッ!サア、コレカラガショーノ始マリダ!!」
「なんだ…この巨大ロボは…!?」
フェイトとアルフはトーマとアンノウンのデュエルを遠くから観戦していた。
「何だいありゃ!?あんなモンスター見たことないよ!?」
「あれがアイシスをやったモンスター…!」
近くのジャンクションでハイウェイに合流し、トーマ達に追いつく。
「何だこりゃ?5枚のカードで出来てるモンスターだって!?フェイト!どうなってんだいありゃ!?」
「分からない…私も初めて見るよ…でも、これであの人の力がはっきりするはず…!」
「油断すんじゃないよ…トーマ…!」
「《機皇帝ワイゼル》ノ攻撃力・守備力ハソレゾレノパーツノ攻撃力ノ合計トナル」
機皇帝ワイゼル∞ レベル1 攻撃0→2500 守備0→2500
たった1体のモンスターの効果で呼び出された攻撃力2500のモンスター。
レベル1にも関わらず、その破格な能力値がトーマと《TGラッシュ・ライノ》を威圧する。
「カードを1枚セットして、ターンエンド!」
トーマ
手札4→3
SPC2
ライフ4000
場 TGラッシュ・ライノ レベル4 攻撃1600
伏せカード1
アンノウン
手札4
SPC2
ライフ4000
場 機皇帝ワイゼル∞ レベル1 攻撃2500
ワイゼルT レベル1 攻撃500
ワイゼルA レベル1 攻撃1200
ワイゼルG レベル1 守備1200
ワイゼルC レベル1 攻撃800
「私ノターン」
アンノウン
手札1→2
SPC2→3
トーマ
SPC2→3
「フン。行ケ!《機皇帝ワイゼル》!奴ノモンスターヲ粉々ニシロ!!」
《機皇帝ワイゼル∞》が左腕に装備されているブレードを構え、《TGラッシュ・ライノ》に襲いかかる。
「くっ!手札の《ムーンライト・フォーゲル》の効果発動!俺のモンスターが攻撃されたとき、こいつを手札から特殊召喚することで、戦闘ダメージを半減させる!」
眼が黄色く、白い羽毛の鷹に似たモンスターが現れ、《TGラッシュ・ライノ》の周りに白いバリアが貼られる。
しかし、そのバリアは攻撃を緩めたに過ぎず、貫通され《TGラッシュ・ライノ》は破壊され、その衝撃がトーマを襲う。
「っ!!この衝撃は…!」
トーマ
ライフ4000→3550
トーマを襲う衝撃、それはサイコデュエルによるそれとは異なる、より現実味を感じさせるものだった。
「私ハカードヲ1枚伏セ、ターンエンド!クックックッ…!」
「この瞬間、俺は《TGラッシュ・ライノ》の効果を発動!このカードが破壊され墓地へ送られたターンの終了時にデッキから《ラッシュ・ライノ》以外のTGモンスター1体を手札に加えることができる!」
デッキから《TGカタパルト・ドラゴン》が自動排出され、トーマの手札に加わる。
トーマ
手札3(うち1枚《TGカタパルト・ドラゴン》)
SPC3
ライフ3550
場 ムーンライト・フォーゲル レベル3 守備900
アンノウン
手札2→1
SPC3
ライフ4000
場 機皇帝ワイゼル∞ レベル1 攻撃2500
ワイゼルT レベル1 攻撃500
ワイゼルA レベル1 攻撃1200
ワイゼルG レベル1 守備1200
ワイゼルC レベル1 攻撃800
「俺のターン!」
トーマ
手札3→4
SPC3→4
アンノウン
SPC3→4
手札に加わったカードを見て、トーマはわずかに笑みを浮かべる。
「(よし…!このカードなら出せる!)俺は《TGカタパルト・ドラゴン》を召喚!」
TGカタパルト・ドラゴン レベル2 攻撃900
「このカードは1ターンに1度、手札からTGチューナーモンスター1体を特殊召喚できる。俺は手札から《TGジェット・ファルコン》を特殊召喚する!」
《TGカタパルト・ドラゴン》のカタパルトから航空機が発進する。
そして、高度を上げると外装を強制排除し、《TGジェット・ファルコン》が姿を現す。
TGジェット・ファルコン レベル3 攻撃1400(チューナー)
(フフフ…アノカードガ来ルコトハ分カッテイル。サア、サッサト出スガイイ、精霊ノ力ヲ宿シタ竜ヲ!)
「俺はレベル2の《カタパルト・ドラゴン》とレベル3の《ムーンライト・フォーゲル》にレベル3の《ジェット・ファルコン》をチューニング!聖なる月の力を宿し竜よ、今こそ古の誓いに従い、我が手に力を!シンクロ召喚!翔来せよ、《シルバームーン・ドラゴン》!!!」
《真紅眼の黒竜》に似た攻撃的な風貌だが、ランプのような淡い黄色の瞳で両肩、胸部、両翼には、透き通るような水色の宝石が付けられた白い竜が現れる。
これがユウキの真の姿だ。
シルバームーン・ドラゴン レベル8 攻撃2700
ムーンライト・フォーゲル
レベル3 攻撃力1200 守備力900 効果 光属性 鳥獣族
(1):自分フィールド上のモンスターが攻撃対象に選択された時、このカードは手札から特殊召喚できる。この効果でこのカードを召喚したターン、モンスターの戦闘で自分が受けるダメージを半分にする。
(2):このカードがシンクロ召喚に使われるとき、このカードはレベル1モンスターとして扱う事ができる。
「更に、《ジェット・ファルコン》の効果発動!このカードをシンクロ素材として墓地へ送った時、相手に500ポイントのダメージを与える!」
《シルバームーン・ドラゴン》の水晶から青い光線がアンノウンに向けて放たれる。
アンノウン
ライフ4000→3500
「うう…」
ユウキが《機皇帝ワイゼル∞》を見て、不安げな声を出す。
「どうしたんだ、ユウキ?」
「マスター…このモンスターから嫌な感じがするよ」
「嫌な感じ…それはあのニュースで見たイスタンブールみたいな?」
「ううん、それとは全く違うんだ…」
言葉では表現しがたいその不快感にユウキは困惑している。
「分かった、気を付けるよ。《シルバームーン・ドラゴン》の効果発動!1ターンに1度、このカードの攻撃力をターン終了時まで500ポイント下げることで、相手モンスター1体の効果をターン終了時まで無効にすることができる!ムーン・ウェーブ!!」
「はああああ!!」
《シルバームーン・ドラゴン》の水晶から透明な波紋のようなものが発生する。
波紋を受けた《機皇帝ワイゼル∞》がショートを引き起こし、強制分離する。
シルバームーン・ドラゴン レベル8 攻撃2700→2200
機皇帝ワイゼル∞ レベル1 攻撃2500→0 守備2500→0
(フフフ…ソノ程度ノ効果デ機皇帝ヲ封ジルコトハデキナイ)
「いいわね、このまま《シルバームーン・ドラゴン》が攻撃すれば、中心となるパーツを破壊できるわ」
「そのままやれー、トーマーー!!」
「バトルだ!俺は《シルバームーン・ドラゴン》で《機皇帝ワイゼル》を攻撃!輝け!ロストムーン・バスター!!」
《シルバームーン・ドラゴン》の口に白銀色の光がたまり、それが太い光線となってコアパーツに向かい直撃する。
「フン…。《ワイゼルG》の効果発動!コノカードハ∞ト名ノツクモンスターガ攻撃対象トナッタ時、攻撃対象ヲコノカードニ変更サセルコトガデキル」
《ワイゼルG》がかばうようにコアパーツの前に移動する。
ワイゼルG レベル1 守備1200
「罠発動!《ストライク・ショット》!!俺のモンスターの攻撃宣言時、そのモンスターの攻撃力をターン終了時まで700ポイントアップさせ、貫通効果を追加する!」
《ストライク・ショット》の効果で、《シルバームーン・ドラゴン》のブレスに炎が宿る。
そして、ブレスが《ワイゼルG》を破壊すると同時に熱気がアンノウンを襲った。
「ム…グウウ!!」
シルバームーン・ドラゴン レベル8 攻撃2200→2900
アンノウン
ライフ3500→1800
SPC4→2
「ああ…惜しい!!あと少しだったのに!!」
アルフが悔しそうに健在なコアパーツを見つめる。
しかし、これで分かったことが1つだけある。
それは《機皇帝ワイゼル∞》は合体したとしても5体のモンスターであることに変わりはないということだ。
(けれど…ターン終了と共にムーン・ウェーブが消えても攻撃力は《シルバームーン・ドラゴン》には及ばない…。問題は、他に《ワイゼル∞》が効果を持っているか否かね…)
「俺はカードを2枚伏せて、ターンエンド」
トーマ
手札4→0
SPC4
ライフ3550
場 シルバームーン・ドラゴン レベル8 攻撃2200→2700
伏せカード2
アンノウン
手札1
SPC2
ライフ1800
場 機皇帝ワイゼル∞ レベル1 攻撃0→2500 守備0→2500
ワイゼルT レベル1 攻撃500
ワイゼルA レベル1 攻撃1200
ワイゼルC レベル1 攻撃800
右腕を失い、再合体を果たした《機皇帝ワイゼル∞》の姿を確認すると、アンノウンがデッキトップに指をかける。
「私ノターン!」
アンノウン
手札1→2
SPC2→3
トーマ
SPC4→5
「私ハ《ワイゼルG3》ヲ召喚!」
召喚された新たな白い右腕が自動的に《機皇帝ワイゼル∞》に装着される。
ワイゼルG3 レベル3 守備2000
「私ハ《機皇帝ワイゼル∞》ノ効果発動!1ターンニ1度、相手フィールド上ノシンクロモンスター1体ヲ吸収スル!」
「何!?」
「シンクロモンスターを吸収!!?」
3人が驚く中、《機皇帝ワイゼル∞》のコアから緑色の光の糸が複数発射され、《シルバームーン・ドラゴン》を絡め取る。
「うわああ!!ち…力が入らない…!!」
「ユウキ!!(アイシスの《アーマード・ウィング》も…まさかこれと同じやり方で…!?)」
抵抗できないまま、《シルバームーン・ドラゴン》がコアパーツの中に収納されてしまう。
「フフフフ…コレデ《シルバームーン・ドラゴン》ヲ…精霊ノカードヲ回収シタ!!コレデ我ガ神復活ヘ一歩近ヅイタ」
「何を言っているんだ!?《シルバームーン・ドラゴン》を…ユウキを返せ!!」
トーマの怒号を無視するように、アンノウンが吸収効果の全容を説明する。
「《機皇帝ワイゼル∞》ノ攻撃力ハ吸収シタシンクロモンスターノ元々ノ攻撃力分アップスル」
機皇帝ワイゼル∞ レベル1 攻撃2500→5200
「攻撃力5200!!?」
「まずいよ、このままダイレクトアタックを受けたら、トーマが負けちゃう!!」
「サア、我ガ神ノ元ヘ行クガ良イ!!《機皇帝ワイゼル》デダイレクトアタック!!」
《機皇帝ワイゼル∞》がコアに封じた《シルバームーン・ドラゴン》の力を刃に集結させる。
そして、トーマをドラゴンバードごと切り裂こうと大きく振りかざす。
「トーマーーーー!!」
「罠発動!《ガード・ブロック》!俺が受ける戦闘ダメージを0にし、デッキからカードを1枚ドローする!」
トーマの周囲に白い障壁が生まれ、刃とそれがぶつかり合う。
その衝撃はすさまじいもので、特殊鋼材で作られたはずの壁の無数のひびを入れていく。
「フン…ソノ程度デドレダケ耐エルコトガデキルカナ?私ハカードヲ2枚伏セ、ターンエンド」
トーマ
手札0→1
SPC5
ライフ3550
場 伏せカード1
アンノウン
手札2→0
SPC3
ライフ1800
場 機皇帝ワイゼル∞(《シルバームーン・ドラゴン》装備) レベル1 攻撃5200
ワイゼルT レベル1 攻撃500
ワイゼルA レベル1 攻撃1200
ワイゼルG3 レベル3 守備2000
ワイゼルC レベル1 攻撃800
伏せカード2
何とか攻撃は防いだものの、トーマのフィールドにはモンスターがいない。
そして、《シルバームーン・ドラゴン》の力を吸収した《機皇帝ワイゼル∞》を上回る攻撃力を持つモンスターは今の彼のデッキにはない。
「(まずはユウキを取り戻す!)俺のターン!」
トーマ
手札1→2
SPC5→6
アンノウン
SPC3→4
「俺は手札から《Sp-ダウン・シフト》を発動!スピードカウンターを6つ取り除くことで、デッキからカードを2枚ドローする!」
トーマ
手札2→3
SPC6→0
「そして、手札から《TGドリル・フィッシュ》を守備表示で召喚!」
鼻の部分が黄色いドリルになっている茶色い皮の小鮫のような魚が現れる。
TGドリル・フィッシュ レベル1 守備800
TGドリル・フィッシュ
レベル1 攻撃100 守備800 効果 水属性 魚族
(1):自分フィールド上にこのカード以外の「TG」モンスターが表側表示で存在する場合、このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
(2):このカードが直接攻撃によって相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択して破壊する事ができる。
「フフフ…コノ状況デハ守備ヲ固メルノガヤットノヨウダナ」
(望みとしたら…このカード…)
《Sp-シフト・ダウン》の効果でドローしたもう1枚のカードに目を向ける。
「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド!」
トーマ
手札3→1
SPC0
ライフ3550
場 TGドリル・フィッシュ レベル1 守備800
伏せカード2
アンノウン
手札0
SPC4
ライフ1800
場 機皇帝ワイゼル∞(《シルバームーン・ドラゴン》装備) レベル1 攻撃5200
ワイゼルT レベル1 攻撃500
ワイゼルA レベル1 攻撃1200
ワイゼルG3 レベル3 守備2000
ワイゼルC レベル1 攻撃800
伏せカード2
(あの伏せカードにすべてをかけているのね…トーマ…)
フェイトの目は《TGドリル・フィッシュ》ではなく新たに伏せられたカードに向けられる。
「私ノターン!」
アンノウン
手札1→2
SPC4→5
トーマ
SPC0→1
「コノカードハ私ノフィールド上ニ存在スル《ワイゼルA》1体ヲリリーススルコトデ、手札カラ特殊召喚デキル。現レヨ、《ワイゼルA3》」
《ワイゼルA》が消滅し、新たにカーボン状に加工された特殊合金のブレードが搭載された左腕が装着される。
ワイゼルA3 レベル3 攻撃1600
機皇帝ワイゼル∞ レベル1 攻撃5200→5600 守備2500→2900
「攻撃力…5600…」
「《ワイゼルA3》ヲ装備シタ《ワイゼル》ハ貫通効果ヲ得ル」
「何!?」
アンノウンの言葉を受け、トーマの頬に冷たい汗が流れる。
ワイゼルA3(ゲームオリカ・調整)
レベル3 攻撃1600 守備0 効果 闇属性 機械族
(1):このカードは自分フィールド上に存在する「ワイゼルA」1体をリリースし、手札から特殊召喚することができる。
(2):フィールド上に「∞」モンスターが表側表示で存在しない場合、このカードを破壊する。
(3):自分フィールド上に存在する「∞」モンスターが守備表示モンスターを攻撃したとき、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。
(4):このカードは攻撃できない。
「まずい!!今の《ワイゼル》の攻撃力は5600!守備力800の《ドリル・フィッシュ》を攻撃されたら、4800のダメージでトーマが…!!」
「終ワリダ…。《ワイゼル》ヨ、アノ者ニトドメヲサセ!!」
「うう…くぅ!!」
《機皇帝ワイゼル∞》に力を奪われ、衰弱する《シルバームーン・ドラゴン》。
それとは真逆にその無機質な機械のブレードが強い振動を始める。
その刃が《TGドリル・フィッシュ》に襲い掛かる。
「罠発動!《ハーフ・アンブレイク》!!この効果を受けたモンスターはこのターン戦闘では破壊されず、俺が受ける戦闘ダメージが半分になる!」
《TGドリル・フィッシュ》がドリルを回転させながら、《ワイゼルA3》に突撃する。
ドリルと振動するブレードがぶつかり合い、その衝撃がトーマを襲う。
「うう…くぅ…!!」
トーマ
ライフ3550→1150
SPC1→0
「マダ私ノバトルフェイズハ終ワッテイナイ。罠発動!《バトル・リターン》。私ノ∞モンスター1体ノ攻撃力ヲターン終了時マデ半分ニスルコトデ、ソノモンスターハモウ1度攻撃スルコトガデキル」
ひびが入ったブレードを強制排除し、抵抗する《TGドリル・フィッシュ》を手刀でハイウェイにたたきつけた。
そして、強制排除されたブレードがトーマの腕をかすめる。
「く…!!」
機皇帝ワイゼル∞ レベル1 攻撃5600→2800
トーマ
ライフ1150→150
「トーマ!!」
「フフフフ…コレデオ前ノライフハ150。次ノターンデ終ワリダ」
「マ…スター…」
苦しげな声を出しながら、《シルバームーン・ドラゴン》はコアの中でトーマを見る。
腕の切り傷からは血が流れ、シャツをわずかに赤く染めている。
「まだだ…」
「何?」
「まだ俺のライフは尽きていない!!」
アクセルを踏み、加速を始める。
「ダガ、オ前のライフハ150。スピードカウンターハ0。ソンナオ前ニ何ガデキル?」
「罠発動!《月光浴》!!このカードは俺のライフが1000以下の時、相手の魔法・罠カード1枚を破壊する!俺が破壊するのは…《シルバームーン・ドラゴン》!」
月から淡い色の光線を《機皇帝ワイゼル∞》が受ける。
すると、格納されていたはずの《シルバームーン・ドラゴン》が姿を消してしまった。
「チッ…ダガ、ソレデモターン終了時ニ攻撃力ガ2900ニモドル。貴様ノヤッテイルコトハタダノ悪アガキデシカナイ。私ハコレデターンエンド。(私ガ伏セテイルカードハモウ1枚ノ《バトル・リターン》…。次ノターンデ確実ニトドメヲサス)」
トーマ
手札1
SPC0
ライフ150
場 TGドリル・フィッシュ レベル1 守備800
アンノウン
手札1→0
SPC5
ライフ1800
場 機皇帝ワイゼル∞ レベル1 攻撃2800→100→2900
ワイゼルT レベル1 攻撃500
ワイゼルA3 レベル3 攻撃1600
ワイゼルG3 レベル3 守備2000
ワイゼルC レベル1 攻撃800
伏せカード1(《バトル・リターン》)
バトル・リターン(アニメオリカ・調整)
通常罠カード
(1):自分のバトルフェイズ中、自分フィールド上に存在する「∞」モンスター1体を選択して発動する事ができる。選択したモンスターは攻撃力がエンドフェイズ時まで半分になり、このターン1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
「なんとか《シルバームーン・ドラゴン》は取り戻せたけど…」
「《ワイゼル》の攻撃力は2900で貫通効果持ち!状況は全然変わってないよ!」
2人が不安げにトーマを見つめる。
「マスター…」
(これが…俺のラストターン。逆転のカードを…!!)
トーマがデッキトップに指をかけようとする。
(わが友よ…)
「…!?」
「今の声…まさか!!」
「一体誰の声なの!?」
トーマ達が困惑する中、ユウキは誰の声かはっきりわかっている。
上空に赤い炎でできた翼のある蛇竜が姿を現す。
「赤き龍…ケツァルコアトル…」
「《シルバームーン・ドラゴン》…我が古の友よ。遠き過去にそなたから受けた恩に報いるため、我が力を貸そうぞ」
「ユウキ…一体どういう…!!?」
突然背中に暖かい何かを感じ始める。
「み…見てよ、フェイト!!トーマの背中に!!」
「…竜の紋章…?」
それはトーマの背中に赤き龍を模した紋章に形を変えていく。
そして、デッキトップのカードが赤く光る。
「このカードは…!?」
「マスター…僕と赤き龍を信じて…そのカードをドローして!!」
「ユウキ…」
若干戸惑ったものの、首を横に振り、そのカードに指をかける。
「俺のターン!」
トーマ
手札1→2
SPC0→1
アンノウン
SP5→6
「俺は墓地から罠カード《月光浴》を発動!」
「何!?墓地カラ罠ヲ…?」
「俺のライフが1000以下の時、このカードを墓地から除外することで、墓地から《シルバームーン・ドラゴン》を特殊召喚する!」
月の光に照らされたトーマの墓地から《シルバームーン・ドラゴン》が飛び立つ。
シルバームーン・ドラゴン レベル8 攻撃2700
月光浴
通常罠カード
「月光浴」の(2)の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1):自分のLPが1000以下の時、相手フィールド上に存在する魔法・罠カードを1枚選択して発動できる。そのカードを破壊する。
(2):自分のLPが1000以下の時、墓地に存在するこのカードを除外することで発動できる。自分の墓地から「シルバームーン・ドラゴン」1体を表側攻撃表示で特殊召喚する。この効果はこのカードが墓地へ送られたターン発動できない。
「《シルバームーン・ドラゴン》の効果発動!攻撃力を500ポイント下げ、《ワイゼル∞》の効果をターン終了時まで無効にする!ムーン・ウェーブ!!」
再び放たれた透明な波紋により、再び《機皇帝ワイゼル∞》が分離する。
シルバームーン・ドラゴン レベル8 攻撃2700→2200
機皇帝ワイゼル∞ レベル1 攻撃2900→0 守備2900→0
「無駄ダ!私ノ《ワイゼルG3》ハ《ワイゼルG》ト同ジ効果ヲ持チ、更ニ1ターンニ1度戦闘デハ破壊サレナイ」
《ワイゼルG3》が緑色のバリアを展開して《シルバームーン・ドラゴン》を待ち構える。
ワイゼルG3(ゲームオリカ)
レベル3 攻撃0 守備2000 効果 闇属性 機械族
(1):このカードは自分フィールド上に存在する「ワイゼルG」1体をリリースし、手札から特殊召喚することができる。
(2):フィールド上に「∞」モンスターが表側表示で存在しない場合、このカードを破壊する。
(3):自分フィールド上に存在するモンスターが攻撃対象に選択された時、このカードに攻撃対象を変更することができる。
(4):このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。
(5):このカードは攻撃できない。
「俺は手札から《救世竜セイヴァー・ドラゴン》を召喚!」
「《救世竜セイヴァー・ドラゴン》!?」
「そんなカード、見たことない!」
ピンク色で翼のある赤子の竜が上空に現れる。
救世竜セイヴァー・ドラゴン レベル1 攻撃0
「いくぞ、ユウキ!!俺はレベル8の《シルバームーン・ドラゴン》とレベル1の《ドリル・フィッシュ》にレベル1の《セイヴァー・ドラゴン》をチューニング!聖なる月の輝きよ、今ここに集いて、闇を浄化する一閃の奇跡となれ!!シンクロ召喚!!」
《救世竜セイヴァー・ドラゴン》が自身の姿を模した巨大な幻影となり、その中に《シルバームーン・ドラゴン》と《TGドリル・フィッシュ》が入り込む。
そしてトーマの後方から強い光が発し、彼と3体のモンスターが光の中に消えていく。
「降臨せよ、《セイヴァー・ムーン・ドラゴン》!!」
光が消えるとトーマの姿がなく、上空にはまばゆい銀色で4枚の翼と黄色い瞳を持つ巨大な翼竜が現れる。
セイヴァー・ムーン・ドラゴン レベル10 攻撃3800
「エエイ…忌々シイ」
「《セイヴァー・ムーン・ドラゴン》の効果!1ターンに1度、ターン終了時まで相手モンスター1体の効果を無効にし、攻撃力・守備力を0にする!エターナル・サンクチュアリ!!」
《ワイゼルG3》に黄色い魔法陣が刻まれ、すさまじい電撃が発生する。
電撃によってバリア機能が破壊され、展開されていたバリアが消滅する。
ワイゼルG3 レベル3 守備2000→0
「バ…バカナ…コノ私ガ…」
「バトル!!《セイヴァー・ムーン・ドラゴン》で《機皇帝ワイゼル∞》を攻撃!!エンシェント・コメット・ストライク!!!」
5体のパーツが足元に現れた巨大な魔法陣が生み出す凄まじい魔力によって拘束される。
そして、猛スピードで突撃する《セイヴァー・ムーン・ドラゴン》に1つ残らず粉々に砕かれていった。
「ウワアアアア!!エデンニ栄光アレーー!!」
アンノウン
ライフ1800→0
セイヴァー・ムーン・ドラゴン
レベル10 攻撃力3800 守備力3200 シンクロ 光属性 ドラゴン族
「救世竜 セイヴァー・ドラゴン」+「シルバームーン・ドラゴン」+チューナー以外のモンスター1体
(1):このカードは相手のカード効果の対象にならない。
(2):このカードはカード効果では破壊されない。
(3):1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択しその効果をエンドフェイズ時まで無効にできる。また、この効果の対象になったモンスターの攻撃力と守備力を、次の相手のスタンバイフェイズまで0にする。
(4):ターン終了時、このカードをエクストラデッキに戻し、自分の墓地の「シルバームーン・ドラゴン」1体を選択して特殊召喚できる。
ライフが0となったアンノウンのDホイールが強制停止する。
そしてデュエル終了と同時に《セイヴァー・ムーン・ドラゴン》が消え、トーマがハイウェイに戻ってくる。
「やったね、トーマ!!」
「まさかモンスターと融合するなんて…」
トーマの元に2人が近づく。
「《セイヴァー・ドラゴン》のおかげで…あれ…?」
《救世竜セイヴァー・ドラゴン》を見せようと墓地のカードを確認するが、そのカードがいくら探しても出てこない。
そして、モンスターゾーンに置いたはずの《セイヴァー・ムーン・ドラゴン》も消えていた。
「カードが消えてる…」
「なんだったのかしら?その2枚のカードは…」
赤き龍もいつの間にか姿を消している。
「それより…」
トーマは停止したアンノウンに駆け寄り、彼のエクストラデッキから《BF-アーマード・ウィング》を取る。
それだけでなく、数多くのシンクロモンスターカードがそのケースの中には入っている。
「ウググ…」
煙を出しながら、アンノウンが起き上がる。
ケースを手にしたまま、トーマは警戒レベルを最大限まで高めて少し距離を置く。
「コレデ終ワリデハナイ。我ラガ計画ハ続イテイル。オ前達偽リノ神ノ下僕共ニ止メルコトハデキ…ナイ…」
それだけ言うと、アンノウンは機能を停止した。
それと同時に損傷した右腕が外れる。
「ええ…!?」
「これは…ロボット!?」
アンノウンの正体に困惑する3人。
そんな中、ドラゴンバードの通信機が鳴る。
相手はリリィのようだ。
「どうした、リリィ」
(大変トーマ!!ルカス君が…ルカス君が黒ずくめの男にさらわれちゃった!!)
「な…!?」
「ルカス君がさらわれたですって…??」
「どういうことだよ!?」
フェイトとアルフがリリィに詰問する。
(トーマ達がアイシスを襲った人を探している間に突然病院で停電が起こって、急に黒ずくめの男たちが石版…石版って言いながらルカス君を…)
彼女の言葉を聞きながら、トーマはアンノウンが最期に言った言葉を思い出す。
「計画は続いているというのはこのことだっとのか…。だが、なぜルカスが…?」
困惑する3人とは真逆に、空は雲一つなく、太陽は既に上っていた。
リリィと合流したトーマ達はカフェ・シュガルへ向かう。
情報屋とコネのある高木なら、何か情報を持っていると知っているからだ。
病院の方は電気の復旧は完了しており、アイシスの治療も終わっている。
「黒ずくめの男とあのロボット…」
「それに、石版という言葉も気になるわ。そして計画も…」
「う~…ごちゃごちゃでよくわからないよ~ってあれ?」
カフェ・シュガルの前にDホイールが1台止まっている。
そのDホイールはこの町では見かけない、どちらかというとネオ童実野シティで牛尾が乗っていたDホイールと似た形のものだ。
「誰のだろう?」
それを気にしながら、トーマ達が店に入る。
「いらっしゃい、トーマ」
高木がホットケーキをカウンター席に置いている。
そして、そこでホットケーキを口にしているのは…。
「え…えーーー!?」
「この人、もしかして…」
「そう、チーム・5D'sの1人、ヒイロ・リオニスだ!!」
「あまり大声で言うな」
不機嫌そうに自身を紹介した高木を見るヒイロ。
「けど…なんでここへ?」
「遊星からお前たちが協力してくれると聞いたからな。それに、こいつを追っているんだろう?」
黒ずくめの男の首を持ち上げ、テーブルに置く。
「キャ…キャーーーー!!!?」
突然のことにリリィが悲鳴を上げる。
「安心しろ。こいつはロボットだ。まさか、この町にいたとは思わなかったがな…」
「ヒイロさん、このロボットは一体…?」
「奴らはエデンが開発したロボットだ。奴らは古代神という訳の分からない奴を復活させるために動いているカルト教団だ。それと、ヒイロでいい」
「カルト…教団?」
聞きなれない単語にトーマ達は少し混乱する。
そんな中、臨時ニュースが流れる。
(臨時ニュースをお伝えします!!モスクワで政府容認を含めた住民が全員失踪するという事態が起こりました!!イスタンブール、エルサレル、エジプト、アレキサンドリアに続き、これで5回目です。現場には上本レポーターがいらしてます!上本さん!!)
(はい!!こちらはモスクワです。町中を歩いても人気はおろか、野良犬野良猫の姿もありません。そして、町中にはビラが貼られていまして、ロシア語で古代神ケイラン、そしてエデンをたたえよ、偽りの神に縛られし愚か者たちよと書かれています!!ケイラン…エデン…これは一体どういうことなのか?国連も調査団を派遣していますが、全く全容が見えてきません)
「モスクワか…」
ホットケーキを食べ終え、代金をテーブルに置いたヒイロが立ち上がる。
「ヒイロ!?」
「ついて来い。お前たちの助けが必要だ」
トーマの肩を軽くたたくと、ヘルメットをつけ、外に停めてあったストライクチェイサーに乗る。
「俺たちの助け…?」
ヒイロの言葉に困惑しながら、触れられた肩を見る。
なぜか腕にできていた傷が消えていた。
2人の主人公が合流!!
はたして古代神ケイランとは何者なのか?
そして、消えてしまった住民はどうなるのか???