トーマ達はヒイロと共にアルトセイム中央空港に来ていた。
そこには…
「あ、遊星!クロウ!アキ!」
先に遊星達が来ていた。
「お前ら…」
「ヒイロ、お前だけを行かせるわけにはいかないからな」
「私も。遊星や皆の力になりたいの」
「ジャックにも連絡は入れたぜ。モスクワで合流するってよ!」
「…勝手にしろ」
ヒイロ達が話をしている間、シュレイダー財団職員が全員のDホイールを飛行機に収容する。
また、リリィのためにフェイトのDホイールにサイドカーが取り付けられる。
「不動さん。Dホイール及び半日分の物資の収容は完了しました。しかし…良いのですか?我々を置いて…」
「ええ。今回の事件はこれまで以上に恐ろしい戦いになります。巻き込むわけにはいかない。それに、ヒイロは飛行機の操縦ができます」
「…。分かりました。では、せめてこちらを」
遊星に2枚のカードが渡される。
「これは…」
「シュレイダー・トイズ社が開発したカードです。本来なら発表は2週間後でしたが、今回の事態を重く受け止められたジークフリード社長の御意志により、あなた方にお預けします」
遊星の手に渡されたのは《TGスクラップ・トレーダー》と《ドラゴニック・ストリーム》だ。
「ありがとう。必ずヒイロとトーマに渡します」
「わあ…すごく広い…」
「本当に飛行機の中かよ?ここは」
飛行機の中はまるで一つの部屋のような構造になっている。
椅子はファーストクラスの物となっていて、机、コーヒーメーカー、ケトル、テレビなどがある。
「きっと、金持ちが道楽のために買うタイプの飛行機だろうな」
「遊星、コーヒーいる?」
「ああ…ブラックで頼む」
「分かったわ」
「あ、俺のは砂糖入れてくれ!…ってあれ?ヒイロとトーマはどこだ?」
クロウは周囲を見渡すが、ヒイロとトーマがいない。
「ヒイロさんとトーマなら…」
「おお…これが飛行機の操縦席…」
機長室の中にヒイロとトーマがいる。
トーマが助手席、ヒイロが操縦席に座る。
「けどヒイロ、本当に操縦できるのか?」
「問題ない。免許はないが操縦は学んでいる」
「免許がない…!?(だ、大丈夫なのかな、この人??)」
平然と無免許だと口にするヒイロにトーマは冷や汗をかく。
そんな彼を気にすることなく、ヒイロは通信機で客席に放送を入れる。
「これからモスクワへ出発する。念のために言っておくが、非常口から降りるとすぐにDホイール収容庫に入れる。いざという時はそれを使って脱出してくれ」
それだけ言うと、慣れた手つきで発進準備を始める。
(もう免許取ればいいのに、この人…)
それと同じくらいの時間帯のモスクワでは…。
「くっそーー!!離せ、離せよ!!」
黒ずくめに拘束されたルカスが連れて行かれたのは旧ロシア宮殿で大統領邸でもあるクレムリンだ。
そして、本来国の主がいる部屋には1人の男性がいる。
緑がかった黒い髪で緑色の目、そしてメガネをかけた黒スーツの男。
「待っていたぞ、坊や」
笑みを浮かべながら、男がルカスに近づく。
「この野郎!!さっさと俺を解放しろ!!この町の人たちの居場所を教えろ!!」
「まったくわんぱくな坊やだ。ああ、これだよこれ。我々が欲しいと思っていたものは」
ルカスのポケットに手を入れ、そこからカード状の石版を取り出す。
「…!?これは…俺が拾った…!」
「そう!!この石版には強力な力を持つ精霊が眠っている!!これまで集めた精霊のカード、人々の魂、そして究極の地縛神!!これさえあれば、古代神ケイランが蘇り、私が預言者となる!!!」
「ふざけたことを言うんじゃねえ!!このクソ野郎!!」
「全く…年上の人には敬語で話せと教わらなかったのかな?坊や…」
石版をケースにしまうと、男の拳がルカスの鳩尾にめり込む。
「がぁ…!!」
激しい痛みが襲い、意識を失っていく。
「フフフ…ちょうどいい。まずはテストしたいと思っていたところだ。ケイラン様復活の前にな…。それには健康な肉体が必要だ…」
ケースを再び手にした後、懐から携帯を取り出す。
「私だ。故あって予定を変更する。これからケイラン様復活の前にあるテストを行いたい。詳細は先ほどメールで送った通りだ」
(は…しかし須郷様。それを行うには健康な…)
「肉体の都合はできた。私が来たらすぐに開始する。いいな」
(…。はっ。すべては我らが神復活のために)
携帯をきると、気を失っているルカスが黒ずくめによってどこかへ連れて行かれる。
そして、須郷はグラスにウォッカを注ぐ。
「ツァールスカヤ…かつてはロシア皇族や貴族だけの最高級のウォッカか。だが、これ我らが神の復活を祝う私だけのものであればいい」
ツァールスカヤを飲む須郷の目はなぜか赤く光っていた。
「ふぅーーー!食った食った!!」
食事を終え、満足そうにクロウが腹をさする。
「クロウ、行儀悪いわよ」
「もうロシアに入ったか…」
窓から外を見る遊星がコーヒーを口にしながらそうつぶやく。
「はあぁ…。アイシスと一緒に、こういう緊急事態のとき以外に飛行機に乗りたかったなー」
「仕方がありません。アイシス殿には治療に専念していただかなければ」
「大丈夫大丈夫!夏休みにみんなで飛行機に乗ろー!」
「クロード…マナ…」
《ブラック・マジシャン》の精霊であるクロードと《ブラック・マジシャン・ガール》の精霊であるマナが落ち込むリリィを励ます。
「うらやましいわ。精霊が見えるのって」
アキがリリィの隣の席に座る。
「アキさん…」
「私達にも精霊が見える仲間がいるのよ。2人を見てると、私も精霊を見てみたいって思ってしまうの」
「ふぅん…。それで、その2人って誰なの?」
「ヒイロと龍可、今では恋人同士なの」
「へー…って恋人同士!!?」
リリィの大声が飛行機内に響く。
「で…でも、ヒイロさん、恋人持ってそうな雰囲気全然なかったけど…」
「はくしょん!!」
操縦席に座るヒイロがくしゃみをする。
「どうしたの、ヒイロ。風邪ひいた?」
「いや…鼻に埃が入っただけだ」
隣の部屋からの声は聞こえない2人。
ヒイロについての話題になっているとは思っていなかっただろう。
「ニャーン…」
スカーレットは長い間機長室の中で退屈したのか、トーマの膝の上で丸くなる。
「そいつはお前の精霊か?」
「え…?ヒイロ、精霊が見えるの?」
「ああ…。こいつらだ」
「クリクリー!」
「こんにちは!」
《プチクリボー》と《マリンフォース・ドラゴン》が現れ、トーマに挨拶をする。
「ニャ!?」
「クリクリー」
「ニャン!!」
スカーレットと《プチクリボー》はちょっと放しただけで仲良くなったのか、機長室の中で遊び始める。
「他にも精霊がいるな?」
「うん。けど、時間が時間だから、もう寝てるよ。ヒイロにももう1人精霊がいるだろ?」
「ああ。同じ理由で今は出ていないがな」
自動操縦に切り替えると、少し前にアキが運んできた機内食を口にする。
「それで、精霊たちの名前は…?」
「名前?そういえば、カード名で呼ぶだけだったな」
「それはちょっとかわいそうだと思うよ?名前を決めて呼ばないと」
「…」
沈黙したまま、機内食を口にする。
「…コロと…アクア」
「ん?」
「精霊の名前だよ。《プチクリボー》がコロで《マリンフォース・ドラゴン》がアクア…なんてどうかな?」
「…。決めるのは俺じゃない。こいつらに聞け」
「クリー!」
「うん。名前を付けてもらったの初めて!!マスター、これからは僕のことをアクアって呼んでよ!」
「ああ…。コロ、アクア」
少しうんざりしながら空になった皿をお盆に置く。
「ふーん…じゃあ、龍可さんって子は今はイギリスにいるんだ」
「ええ。龍亜って双子のお兄さんがいて、とっても仲がいいのよ」
アキから龍可について教えられる中、リリィの中にふと疑問が浮かぶ。
「でも、ヒイロさんさびしくないのかな?大好きな人と会えないでもう5年でしょ?それに、龍可さんも…」
「…。そうね、本心では会いたい、一緒にいたいと思っているはずよ。だけど、その人との大切な思い出、そして必ずまた会えるって思いがあるから、きっと大丈夫よ」
「そんなものなのかな…?」
「一度恋をしたらきっとわかるわ」
クロウと会話する遊星にアキが少し目を向ける。
すると…。
「キャアア!!」
「うわぁ!?なんだよこの揺れは!?」
急な揺れが飛行機を襲う。
クロウはすぐに通信機で機長室に連絡を入れる。
「おいヒイロ!!一体何があったんだ!?」
(外を見ろ。大変なことになっている)
「何…!?」
通信を切らないまま、クロウが外を見る。
「な…なんだありゃあ!!?」
「どうした、クロウ!?」
「一体何が見えるの?」
「遊星、アキ、リリィ!!こいつは…とんでもねえぞ!!」
動揺するクロウはうまく解説することができない。
そんな中、遊星とアキが窓から外を見る。
「ええ…!?」
「そんな…バカな!!?」
「一体何が見えるんですか!?」
リリィが別の窓から外を見る。
「え…えーーーーー!!?」
モスクワの周囲に6体の地縛神の炎の地上絵が描き出される。
そして、上空には前にヒイロが戦った《地縛神スカーレッド・ノヴァ》が生み出したのと同じ裂け目が生まれようとしている。
その光景を須郷はクレムリン地下に造った実験室から見ている。
彼の装いは緑色の宝石が埋め込まれた金の冠と緑色の神官をイメージさせる服、そしてマントだ。
「もうすぐ私は預言者となる。預言者は最強でなければならない…」
彼の目の前には巨大なプールがあり、そこには緑色に光る水がたまっている。
プールの周囲にある大量のカプセルから緑色の光が放出され、ルカスが持っていた石版を介してプールに注がれている。
そして、気を失ったルカスが入ったカプセルがプールに沈んでいる。
「最強となるためには私に虫刺され程度のダメージを与える存在であっても排除しなければならん。そして、その者達は今ここに集っている…」
彼の背後では老いた信者たちが集まっている。
「さあ、老い先短き我らが神の下僕よ!!その衰えし体を捨て、神の軍勢として生まれ変わるがいい!!」
「古代神ケイラン様万歳!!」
「預言者よ、我らが神の御言葉を!!」
須郷の言葉にこたえるように、信者たちが歓声を上げる。
そして、全員の首に取り付けられたリングから即死レベルの電撃がその忠実なる信者たちに注ぎ込まれた。
わずか十数秒で、信者たちの声が聞こえなくなった。
「さあ…神の軍勢完成は近い!!」
黒ずくめ達が遺体を次々と回収し、隣の部屋へ持っていく。
テレビ画面を切り替えると、そこの光景が映し出された。
遺体の脳が黒ずくめによって摘出され、起動していない黒ずくめの頭部に収容される。
常人なら嘔吐する光景だが、須郷は自分の大好きなゲームのPVを見る子供のようにそれを見つめている。
そして、信者の脳が入った黒ずくめが隣の部屋から須郷の元へやってくる。
「おめでとう、これで君は立派な神の兵士だ!!光栄に思うがいい!!」
須郷の手から3枚の機皇帝とそのパーツとなるカードたちが入ったデッキが渡される。
受け取った黒ずくめはそれをケースにしまうと、静かに出て行った。
「さあ…我が神復活を邪魔する蠅を叩きのめせ!我らが最強の下僕よ!!」
プールの水が徐々に動き始め、ルカスのカプセルを中心に巨大な渦が生まれる。
そして、それを中心に徐々に水が赤く染まっていき、目や腕、翼や牙が形作られる。
最終的にはその姿は赤き龍に似たものとなり、ルカスのカプセルはその体内に取り込まれた。
「おお…我が神は偉大なり!!赤き龍をも我らが手中に…」
その竜の目が須郷に向く。
すると、彼の体が赤く輝き始めた。
「おおおお!!見える…見える!!そして聞こえる!!我らが神の姿とお言葉が!!ハハハハ…ハーーーハハハハハ!!!!」
狂喜の叫びが部屋中に響き渡った。
「地上絵が…モスクワ周辺に…」
「ものすごく嫌な予感がする」
機長室からモスクワの光景を見るヒイロとトーマもこのような異常事態に動揺する。
「マスター…」
ユウキとアクアがおびえながら、互いの主のそばに現れる。
「どうした…?」
「あの町から感じるんだ…」
「赤き龍の力を…」
「赤き龍…?」
クレムリンの中庭が崩れ落ち、そこから赤き龍に似た姿の龍が地上に出てくる。
「赤き龍だと…!?」
「ううん、持っている力はそっくりだけど…だけど、あれは赤き龍じゃない!!」
「精霊の力と地縛神の力で生み出した贋物…!」
偽りの龍が空へ舞いあがり、ヒイロ達が乗る飛行機をじっと見る。
そして、空に向けて咆哮すると裂け目から隕石が召喚され、飛行機に襲い掛かる。
「これは…《スカーレッド・ノヴァ》の!!」
バレルロールなどをして回避していくが、隕石は次々と召喚される。
そして、巨大な飛行機には回避しきることができるわけがなく、翼に隕石の一つが接触する。
「うわあああ!!」
翼の一部の破損と同時に、エンジンにも被害が発生する。
「このまま飛んでいても、隕石にやられる。脱出するぞ!」
自動操縦に切り替え、アナウンスを始める。
「全員聞こえるか?この飛行機はこれ以上持たない。全員Dホイールに乗れ。それで脱出する」
アナウンスを聞いた遊星たちはすぐに動き始める。
「おいおい、隕石が降るわ赤き龍みたいな竜が出てくるわ…今日はどうなってんだ!?」
頭を抱えながら、クロウはブラックバードを起動する。
「リリィ。シートベルトはつけた?」
「うん!でも…Dホイールでどうやって脱出を?」
シートベルトをつけたリリィはそれを疑問に思いながら、デュエルディスクを装着する。
アキはいざという時のために、《スターダスト・ドラゴン》と《ブラック・ローズ・ドラゴン》のカードを手にする。
(お願い…。遊星たちを守って…)
「全員、準備はできたか!?」
機長室から出てきたヒイロとトーマもそれぞれのDホイールに乗る。
「これからハッチが開く。それと同時に俺の《マリンフォース・ドラゴン》が水の道を作る。それを通れば少なくともモスクワまで脱出できる!」
「水の道だと…!?そんなことができるとでも…」
「無茶や無鉄砲は今に始まったことじゃない。だが…」
「…?どうかしたのか?ヒイロ」
「2週間の間で俺が乗っている飛行機が墜落したのは2度目だなと思ってな…」
無表情のままそう語ると、周囲は少し脱力する。
「…二度と、ヒイロと一緒に飛行機は乗りたくない…」
全員の思っていることをトーマが口にする。
「安心しろ、これからは自粛する。いくぞ!」
《マリンフォース・ドラゴン》をデュエルディスクにセットすると同時にハッチが開く。
「よーし、頑張るぞー!」
相変わらず無邪気なアクアが翼を動かす。
すると空気中の水分が集結し、飛行機から地上への道を作り出した。
「行くぞ!!」
遊星を先頭、ヒイロを最後尾にして全員が水の道を疾走する。
(この感覚…思い出す)
遊星の脳裏にアーク・クレイドル突入の時の光景が浮かぶ。
チーム・5D's全員とブルーノで虹の橋を渡り、未来を変えるために進んだ。
「あ…!飛行機が…」
リリィの言葉と同時に、隕石が飛行機の機長席に直撃する。
制御を失った飛行機はそのまま墜落していった。
それでも、水の道はヒイロ達が無事に地上に到着するまでその形を維持し続けた。
「よし…全員無事だな」
ヒイロが全員の無事を確認する。
今全員がいる場所はクレムリンから少し離れた住宅街だ。
「ここに…あの龍を生み出した奴らが…」
「絶対に助けないと…ルカス君を」
「ルカス…だと?」
リリィの言葉にヒイロが反応する。
「ん?どうかしたの、ヒイロ」
「あ…いや、なんでもない(そんなはずがないな。ルカスはあの時にもう死んでいる。偶然同じ名前の奴なだけだ)」
「クリー…」
コロが心配そうにヒイロを見つめ、頬擦りする。
「…!?おいおい、何だよこいつら!!?」
「やはり…ここに集まってきたか」
ヒイロ達をすでにロボットたちが包囲している。
彼らはデュエルディスクを展開すると、機皇兵たちを召喚、実体化させる。
「何!?こいつらは…」
「奴らはイリアステルのカードをコピーしていたのか!?」
機皇兵たちがエネルギー弾をヒイロ達に向けて発射する。
「《スターダスト・ドラゴン》、《ブラック・ローズ・ドラゴン》!!」
アキが2体の竜を実体化させる。
2体の竜が即座に放ったブレスが次々とエネルギー弾を破壊していく。
しかし、すべての弾丸を破壊できたわけではなく、弾丸がリリィを襲う。
「キャアア!!」
「リリィ!」
「…ストライクチェイサー」
ストライクチェイサーのテンキーに5ケタの番号を入力し、ヒイロはすぐにそれから降りる。
すると、前タイヤとブースターが背中にセットされ、左タイヤが左腕のシールドに、そして右腕にマシンガンを装備した2メートルくらいの大きさで黒い人型ロボットに変形し、弾丸を受け止める。
「人型に変形した!?」
「ヒイロ、ストライクチェイサーに何を…!?」
「旅先で改造した。自衛のためにな」
弾丸を盾で受け止めたストライクチェイサーは装備していたマシンガンでロボットたちを破壊していった。
しかし、破壊されると同時にすぐに倍の数のロボットが集まってくる。
そして、即座にヒイロ達のデュエルディスクがバトルロイヤルモードに切り替わる。
「バトルロイヤルモード!?」
「あいつら…俺たちをなぶり殺しにする気だぜ!?」
「遊星!!」
アキは即座に《スターダスト・ドラゴン》を遊星に投げ渡す。
「ヒイロ、トーマ、先に行け!!」
「仕方ないわ…ロボットたちは私たちがひきつけるわ。私のターン、ドロー!私の墓地にモンスターが存在しないとき、このカードは手札から特殊召喚できる。来て、《エアトス》!!」
「はあああ!!」
背中に白い羽を生やした民族衣装風の服装をまとい、頭に鳥の顔を模した帽子をかぶった女性、《ガーディアン・エアトス》が現れる。
ガーディアン・エアトス レベル8 攻撃2500
「先にいけっと言っても、俺たちはどこへ行けば…!?」
「クレムリンだ…」
「クレムリン?そこってロシアの宮殿じゃあ…」
「俺が見たとき、そこからあの贋物の龍が現れた。そこに何かがある」
銃弾が尽きたストライクチェイサーが近づくロボットたちを盾で薙ぎ払う。
「フェイトがやるなら私も!!アタシのターン!私は《トライデント・ウォリアー》を召喚!」
トライデント・ウォリアー レベル4 攻撃1800
「このカードの召喚に成功した時、手札からレベル3モンスター1体を特殊召喚できる。アタシは《X-セイバー・エアベルン》を特殊召喚!」
X-セイバー・エアベルン レベル3 攻撃1600(チューナー)
「レベル4の《トライデント・ウォリアー》にレベル3の《エアベルン》をチューニング!天駆ける雷よ、雲海を切り裂き、その蹄を地上に穿て!シンクロ召喚!轟け、《ボルテック・バイコーン》!」
ボルテック・バイコーン レベル7 攻撃2500
「もうやるしかないわ…。トーマは絶対にやらせない!相手フィールド上にのみモンスターが存在するとき、この子は手札から特殊召喚できる!わたしは《黒魔術の入門者》を特殊召喚!」
《ブラック・マジシャン》と同じ帽子をかぶり、漫画のような書き方の魔導書を呼んでいる青いTシャツ姿の少年が現れる。
黒魔術の入門者 レベル3 攻撃800
「この子の特殊召喚に成功した時、このカードをリリースすることでデッキからブラック・マジシャンと名のつくモンスター1体を特殊召喚できる。来て、クロード!!」
「お任せを…」
《黒魔術の入門者》が消えると同時に最強の黒魔術師、《ブラック・マジシャン》が現れる。
ブラック・マジシャン レベル7 攻撃2500
黒魔術の入門者
レベル3 攻撃800 守備800 効果 闇属性 魔法使い族
「黒魔術の入門者」の(2)の効果は1ターンに1度しか発動できない。
(1):自分フィールド上にモンスターが存在せず、相手フィールド上にモンスターが存在するとき、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードの特殊召喚に成功した時に発動できる。このカードをリリースすることで、自分のデッキから「ブラック・マジシャン」モンスター1体を特殊召喚する。
「エアトス!トーマのために道を作って!」
「クロードも、お願い!!《拡散する波動》!!」
「《ボルテック・バイコーン》!!」
「分かりました…」
「お任せを」
エアトスの手から風の球体が、クロードの杖から漆黒の光線が進路上の機皇兵たちを薙ぎ払う。
更に《ボルテック・バイコーン》ががら空きとなったロボットたちを足蹴にする。
「俺たちも援護する!カード、ドロー!俺は手札から《シンクロン・キャリアー》を召喚!」
背中に黄色いクレーンを装着したデフォルメされたオレンジ色の人型機械が現れる。
シンクロン・キャリアー レベル2 攻撃0
「このカードが存在する限り、俺はもう1度だけシンクロンモンスターを手札から召喚できる。俺は手札から魔法カード《調律》を発動。デッキからシンクロンチューナー1体を手札に加え、デッキトップからカードを1枚墓地へ送る」
デッキから墓地へ送られたカード
・ソニック・ウォリアー
「そして俺は手札から《ジャンク・シンクロン》を召喚!」
《シンクロン・キャリアー》のクレーンが起動し、遊星の手札に存在する《ジャンク・シンクロン》をモンスターゾーンに置く。
そして、《シンクロン・キャリアー》の隣に《ジャンク・シンクロン》が現れる。
ジャンク・シンクロン レベル3 攻撃1300(チューナー)
「このカードの召喚に成功した時、墓地からレベル2以下のモンスター1体を守備表示で特殊召喚できる。俺は《ソニック・ウォリアー》を特殊召喚!」
《ジャンク・シンクロン》の手からオレンジ色の光線が遊星の墓地に向けて放たれる。
すると、フィールドに緑と白を基調とした細身の戦士が現れる。
ソニック・ウォリアー レベル2 守備0
「更にこのカードは俺の墓地からモンスターの特殊召喚に成功したとき、手札から特殊召喚できる。《ドッペル・ウォリアー》を特殊召喚」
ドッペル・ウォリアー レベル2 攻撃800
「更に俺は手札の《レベル・スティーラー》を墓地へ送り、《クイック・シンクロン》を特殊召喚」
クイック・シンクロン レベル5 攻撃700(チューナー)
「すごい…たった1ターンでモンスターを5体も!?」
「俺はレベル2の《ソニック・ウォリアー》にレベル3の《ジャンク・シンクロン》をチューニング。集いし星が新たな力を呼び起こす。光さす道となれ!シンクロ召喚!いでよ、《ジャンク・ウォリアー》!」
ジャンク・ウォリアー レベル5 攻撃2300
「更に、《レベル・スティーラー》の効果を発動!このカードは俺のフィールド上のレベル5以上のモンスターのレベルを1つ下げることで墓地から復活させることができる。《クイック・シンクロン》のレベルを1つ下げる」
《クイック・シンクロン》の頭上に現れた5つの星の1つが黄色い星を1つつけたテントウムシのようなモンスターに変化する。
レベル・スティーラー レベル1 攻撃600
「《シンクロン・キャリアー》の効果。戦士族か機械族シンクロモンスターの素材にこのカード以外のシンクロンモンスターを使用し墓地へ送った時、《シンクロン・トークン》1体を特殊召喚する」
「そして、《ソニック・ウォリアー》の効果発動。このカードが墓地に送られた時、俺のフィールド上に存在するレベル2以下のモンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる」
シンクロン・キャリアー レベル2 攻撃0→500
レベル・スティーラー レベル1 攻撃600→1100
ドッペル・ウォリアー レベル2 攻撃800→1300
「そして、《ジャンク・ウォリアー》はシンクロ召喚に成功した時、俺のフィールド上に存在するレベル2以下のモンスターすべての攻撃力を得る!」
3体のモンスターから力を受け、《ジャンク・ウォリアー》は内なる力を解放していく。
ジャンク・ウォリアー レベル5 攻撃2300→5200
「攻撃力5200!?」
「まだだ!俺はレベル2の《ドッペル・ウォリアー》とレベル2の《シンクロン・キャリアー》にレベル4の《クイック・シンクロン》をチューニング。集いし希望が新たな地平へいざなう。光さす道となれ!シンクロ召喚!駆け抜けろ、《ロード・ウォリアー》!」
黄金の鎧と飛行機のカタパルトのようなものを背中につけた貴族のようなモンスターが現れる。
ロード・ウォリアー レベル8 攻撃3000
「《ドッペル・ウォリアー》の効果。このカードをシンクロ素材として墓地へ送った時、《ドッペル・トークン》2体を特殊召喚する」
《ドッペル・ウォリアー》そっくりだが、そのモンスターの半分未満の大きさでぬいぐるみみたいな容姿となっているトークンが現れる。
ドッペル・トークン×2 レベル1 攻撃400
「更に俺は手札から魔法カード《魂の調律》を発動。俺のフィールド上に存在するモンスター1体をリリースすることで、墓地からシンクロンチューナー1体を特殊召喚する。《ドッペル・トークン》をリリースし、《クイック・シンクロン》を特殊召喚する」
《ドッペル・トークン》がフィールドから消え、《クイック・シンクロン》が入れ替わるかのように現れる。
クイック・シンクロン レベル5 攻撃700(チューナー)
魂の調律
速攻魔法カード
「魂の調律」は1ターンに1度しか発動できない。
(1):自分フィールド上のモンスター1体をリリースすることで発動できる。自分の墓地から「シンクロン」チューナー1体を特殊召喚する。
「2度もシンクロ召喚をした後に、まだシンクロ召喚を!?」
何度シンクロ召喚をやるつもりなのか?
遊星のすさまじい召喚劇にロボットたちも唖然とする。
「レベル1の《ドッペル・トークン》とレベル1の《レベル・スティーラー》にレベル5の《クイック・シンクロン》をチューニング。集いし思いがここに新たな力となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!燃え上がれ、《ニトロ・ウォリアー》!」
ニトロ・ウォリアー レベル7 攻撃2800
「《ロード・ウォリアー》の効果発動。1ターンに1度、デッキからレベル2以下の戦士族・機械族モンスター1体を特殊召喚できる。俺はデッキから《ジェット・シンクロン》を特殊召喚」
大型のジェットを取り付けた青い飛行機が《ロード・ウォリアー》が両手で持ったカタパルトから出撃する。
ジェット・シンクロン レベル1 攻撃500(チューナー)
「そして、《ニトロ・ウォリアー》のレベルを1つ下げることで墓地から《レベル・スティーラー》を特殊召喚」
レベル・スティーラー レベル1 攻撃600
ニトロ・ウォリアー レベル7→6 攻撃2800
「レベル1の《レベル・スティーラー》にレベル1の《ジェット・シンクロン》をチューニング。集いし願いが新たな速度の地平へ誘う。光さす道となれ!シンクロ召喚!希望の力、シンクロチューナー、《フォーミュラ・シンクロン》!」
フォーミュラ・シンクロン レベル2 攻撃200(チューナー)
(…ここまでやるか?遊星…)
これでこのターン4回目のシンクロ召喚。
アキがプレイできるのはいつになるのか?
「《フォーミュラ・シンクロン》の効果。このカードのシンクロ召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドローする。《ジェット・シンクロン》の効果。このカードをシンクロ素材として墓地へ送った時、デッキからジャンクモンスター1体を手札に加えることができる。そして手札から魔法カード《シンクロ・クリード》を発動。フィールド上にシンクロモンスターが3体以上表側表示で存在するとき、デッキからカードを2枚ドローする。そして、《ニトロ・ウォリアー》の効果発動。俺のターンに俺が魔法カードを発動したターン、このカードの攻撃力はそのターンのダメージ計算時のみ1度だけ1000ポイントアップする」
ニトロ・ウォリアー レベル6 攻撃2800→3800(ダメージ計算時のみ)
デッキから手札に加わったカード
・ジャンク・ジャイアント
「いけ、《ニトロ・ウォリアー》、《ジャンク・ウォリアー》、《ロード・ウォリアー》!!ヒイロ達の道を切り開け!トリプル・ウォリアー・フィストォ!!」
3体のシンクロモンスターの怒涛の攻撃が機皇兵もろともロボットを粉々に砕いていく。
「本当に…いつまで待たせるのよ。遊星は。私は《夜薔薇の騎士》を召喚」
夜薔薇の騎士 レベル3 攻撃1000(チューナー)
「このカードの召喚に成功した時、手札からレベル4以下の植物族モンスター1体を特殊召喚できる。私は《ロードポイズン》を特殊召喚」
ロードポイズン レベル4 攻撃1500
「レベル4の《ロードポイズン》にレベル3の《夜薔薇の騎士》をチューニング。冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け!シンクロ召喚!現れよ、《ブラック・ローズ・ドラゴン》!」
ブラック・ローズ・ドラゴン レベル7 攻撃2400
「《ブラック・ローズ・ドラゴン》で攻撃!ブラック・ローズ・フレア!」
漆黒の薔薇から放たれた無慈悲な黒い炎が道を切り開く。
「おいおい!俺の出番を忘れるなよ!!相手フィールド上にのみモンスターが存在するとき、このカードはリリースなしで召喚できる。《BF-暁のシロッコ》を召喚!」
BF-暁のシロッコ レベル5 攻撃2000
「更にこいつらは俺のフィールド上に他のBFが存在するとき、手札から特殊召喚できる!《白夜のグラディウス》、《疾風のゲイル》と《黒槍のブラスト》を特殊召喚!」
BF-白夜のグラディウス レベル3 攻撃800
BF-疾風のゲイル レベル3 攻撃1300(チューナー)
BF-黒槍のブラスト レベル4 攻撃1700
「いくぜ!!《疾風のゲイル》の効果発動!1ターンに1度、相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力・守備力を半分にする!」
《BF-疾風のゲイル》が翼を動かすと、黒い羽根が数十本が弾丸のように動く。
そして、なおも行く手を阻む《機皇兵ワイゼル・アイン》の急所に次々と突き刺さる。
機皇兵ワイゼル・アイン レベル4 攻撃1800→900
「俺はレベル3の《グラディウス》にレベル3の《ゲイル》をチューニング!シンクロ召喚!《BF-星影のノートゥング》!!」
カラスのような頭部で黒い曲刀を持つ戦士がクロウの頭上で飛翔する。
BF-星影のノートゥング レベル6 攻撃2400
「《ノートゥング》の効果発動!このカードの特殊召喚に成功した時、相手に800ポイントのダメージを与え、相手モンスターの攻撃力・守備力を800ポイントダウンさせる!舞い戻る剣(ホーミング・ソード)!!」
《BF-星影のノートゥング》の曲刀が《機皇兵グランエル・アイン》に向けて放たれる。
その刃はそのモンスターの頭部を切り裂き、更にプレイヤーであるロボットの右腕を切り裂く。
機皇兵グランエル・アイン レベル4 攻撃1600→800
ロボット
ライフ4000→3200
「更にこいつがいる限り、もう1度だけBFを手札から召喚できる!俺は《BF-銀盾のミストラル》を召喚!」
BF-銀盾のミストラル レベル2 攻撃0(チューナー)
「レベル6の《暁のシロッコ》にレベル2の《ミストラル》をチューニング!黒き疾風よ!秘めたる思いをその翼に現出せよ!シンクロ召喚!舞い上がれ、《ブラックフェザー・ドラゴン》!」
ブラックフェザー・ドラゴン レベル8 攻撃2800
「わぁ…《ブラックフェザー・ドラゴン》!!アイシスにも見せたかったなぁ…」
「いけぇ!!俺のBF!!」
《BF-黒槍のブラスト》が弱体化した《機皇兵ワイゼル・アイン》を貫き、《BF-星影のノートゥング》がメインカメラを失った《機皇兵グランエル・アイン》を真っ二つにする。
そして、《ブラックフェザー・ドラゴン》の黒いブレスによって障壁を壊す。
「よし…!道は開いた」
「いけぇ!ヒイロ、トーマ!!」
「信じてるわ!」
「必ず帰ってきてね…トーマ!!」
「絶対に!!」
「生きて…帰ってきて」
「…。当たり前だ。いくぞ、トーマ」
「ああ!!」
バイクに戻ったストライクチェイサーに乗ったヒイロとアクセル全開のドラゴンバードに乗ってトーマが包囲を突破する。
ロボットが追撃しようとすると、《ジャンク・ウォリアー》によって一撃で砕かれた。
「お前たちの相手は俺たちだ!!」
「リリィ…フェイト…アルフ…」
「急げ、今の俺たちにあいつらを心配する余裕はない」
「けれどヒイロ…!!」
「前を見ろ、クレムリンだ」
ヒイロの言うとおり、目の前にクレムリンが見えてくる。
そして、クレムリンの前で須郷が2人を待っていた。
「フフフ…蠅のくせによくここまで来たものだな…」
「お前がエデンの親玉か?」
「そんなわけがないだろう?私は須郷、ただの預言者。我らが神の言葉を伝える預言者に過ぎない。見たまえ…我らが神最強の下僕の優雅な姿を…《アルティマヤ・ツィオルキン》の姿を!!」
上空には赤き龍の贋物が飛んでいる。
そのモンスターが咆哮すると同時に、周囲に展開されていた地上絵の力が吸収されていく。
「これほどの力…どれだけ魂を吸収してきた!?」
「ふん…我らが神復活のためなら命など惜しくない。役に立たぬはずの命がこれほど偉大な計画に貢献できるのだ。魂たちもさぞ喜ぶだろう」
「貴様…」
悪魔を見るような目でヒイロが須郷を睨む。
そして、銃を彼の頭部に向ける。
「ほう…」
「お前は生物のルールから完全に外れた。貴様を殺し、魂を解放する」
「ヒ…ヒイロ…」
あの時のロボットといい銃といい、ヒイロはチーム・5D'sの中でもすさまじく異質な存在に思えた。
そんな殺意のこもった銃を向けるヒイロを見下しながら、須郷が言葉を並べる。
「預言者を撃つか…?なら、やってみるがいい」
「言われなくともな…」
ためらいなく、ヒイロは引き金を引く。
銃弾は一撃で須郷の脳を撃ちぬいた。
「な…!?」
銃弾を受ける人間を初めて見たトーマが激しく動揺する。
そして、ヒイロも頬に冷や汗を一筋流す。
「貴様…」
「生物のルールから完全に外れた…と言ったな?」
脳を破壊されたはずの須郷がにやりと笑いながら立っている。
額から銃弾が盛り上がると、それは地面に落ち、傷が消えていく。
「そう…私は人を越えた!!我が神に最も近き存在となった!!私は…私は我らが神に任ぜられ、この世界を支配する…現人神だーーーーー!!」
狂喜の叫びをあげると地面が激しく揺れる。
「うわああ!!」
「こいつは…」
ヒイロ達がいる場所、そしてクレムリンが浮遊を始める。
それだけでなく、遠くにあるビルが地面に沈み、周囲の瓦礫まで浮遊を始める。
「な…何がどうなって…」
「ちっ…」
「それだけではない。ゆけ、神の軍勢よ!!」
遊星たちが勇戦している場所に向けて、数百のロボットがクレムリンがあった場所から移動を始める。
「神の軍勢だと…?」
「そう!彼らは神より授かりし新たな軍勢!!ゴミ共を掃除するために今ここにいるのだ!!」
「ゴミだと…?」
「リリィ達がゴミだと…?お前ぇ!!」
トーマが純粋に怒りをぶつけ、ヒイロは静かな怒りを見せる。
といっても、拳に力が入っているが。
「ほう…ならば現人神である私と戦うか?我らが神に選ばれしこの私と…!!」
左腕に黄金のデュエルディスクとデッキが創造される。
「貴様を殺し、このばかげた戦いを終わらせる!」
「絶対に負けない!!みんなのためにも!!」
ヒイロとトーマもデュエルディスクの準備を整える。
「「「デュエル!!」」」
須郷
手札5
ライフ4000
トーマ&ヒイロ
手札
トーマ5
ヒイロ5
ライフ4000
「スクラップ・フィストォ!!」
《ジャンク・ウォリアー》が新たに現れた《機皇帝ワイゼル∞》を撃破する。
「まさか機皇帝まであるなんてよぉ…」
「けれど、私たちがいつまでも機皇帝に敵わないわけがないわ」
アキの言うとおり、この5年の中で遊星たちのデュエルは進化を続けてきた。
今となっては機皇帝は過去の遺物だ。
「…あ、あれ!!」
「どうしたんだよ、リリィ!!」
「宮殿が…宮殿が浮いてる!!」
「!!?」
遊星たちがリリィが指差した方向を見る。
そこには空に浮かんでいる瓦礫とクレムリン、そしてデュエルを行うヒイロ達の姿がある。
「あれは…ヒイロ!?」
「トーマもいるわ!」
「あいつら…こんなところで誰とデュエルを…!?」
「おそらく、今回の事件の首謀者とだろう…。(ヒイロ、トーマ…)」
「私の先攻、ドロー!!」
須郷
手札5→6
「私は手札を1枚墓地へ捨て、《THEトリッキー》を特殊召喚」
THEトリッキー レベル5 攻撃2000
手札から捨てられたカード
・スクラップ・ソルジャー
「更に手札から魔法カード《死者蘇生》を発動。その効果で私は墓地から《スクラップ・ソルジャー》を特殊召喚!」
スクラップ・ソルジャー レベル5 攻撃2100(チューナー)
「レベル5のチューナー!?ということは、レベル10のシンクロモンスターを…?」
「落ち着け、《スクラップ・ソルジャー》はスクラップシンクロモンスター以外のシンクロ素材とすることができない」
「ふふふ…本当にそうかな?私はレベル5の《THEトリッキー》と《スクラップ・ソルジャー》を供物とする!!」
2体のモンスターが宙に浮き、上空の《アルティマヤ・ツィオルキン》に捕食される。
「《スクラップ・ソルジャー》と《THEトリッキー》が…!!」
「このカードはレベル5以上で同じレベルのチューナーとチューナー以外のモンスターを1体ずつ墓地へ送ることで、エクストラデッキから特殊召喚できる!!古代に眠りし精霊と闇の力で生まれしまがい物の龍よ、汝は我らが神の下僕なり。我らの手足となり、法則を破壊せよ!!《アルティマヤ・ツィオルキン》!!」
「ギャアアアアア!!」
2体の供物によって力を得た《アルティマヤ・ツィオルキン》が浮遊するクレムリンの周囲を旋回する。
アルティマヤ・ツィオルキン レベル0 攻撃0
「レベル0のシンクロモンスター!?けど、攻撃力0…?」
「フフフ…我らが力を侮るな。カードを1枚伏せることで、《アルティマヤ・ツィオルキン》の効果発動!1ターンに1度、私のフィールド上に魔法・罠カードが伏せられたとき、パワー・ツールシンクロモンスター、もしくはレベル7・8のドラゴン族シンクロモンスターをエクストラデッキから特殊召喚できる!」
「何!?」
「カードを伏せるだけで…!?」
《アルティマヤ・ツィオルキン》の方向と共に、裂け目が大きくなる。
そして、そこから《閃珖竜スターダスト》が現れる。
閃珖竜スターダスト レベル8 攻撃2500
「あれは…《スターダスト・ドラゴン》!?」
「いや、あれは過去の《スターダスト》の姿。貴様…!!」
「そうだ。私のデッキには貴様らシグナーの竜、そしてシグナーの力を分析し、生み出した竜が入っている。そして《アルティマヤ・ツィオルキン》は私のフィールド上に他のシンクロモンスターが存在するとき、相手の攻撃対象にも効果対象にもならない。更にカードを1枚伏せてターンエンド」
須郷
手札6→1
ライフ4000
場 アルティマヤ・ツィオルキン レベル0 攻撃0
閃珖竜スターダスト レベル8 攻撃2500
伏せカード2
トーマ&ヒイロ
手札
トーマ5
ヒイロ5
ライフ4000
場 なし
(カードを伏せただけでエクストラデッキからシンクロモンスターを…!!?こんなモンスターがいるなんて)
攻撃力0とはいえ、この破格な効果にトーマは驚きを隠せない。
「落ち着け、あいつは確かにエクストラデッキからシンクロ素材無しにシンクロモンスターを特殊召喚した。だが、それはシンクロ召喚ではない」
「シンクロ召喚じゃない…そうか!蘇生制限!!」
「ああ。いったん破壊すれば蘇生するのは難しくなる。できるとしたら、せいぜいデッキに戻してから効果を発動して再び特殊召喚するくらいだろう」
「だとしたら、まずは《スターダスト》を倒す!!俺のターン!」
トーマ
手札5→6
「相手フィールド上にのみモンスターが存在するとき、このカードは手札から特殊召喚できる。《TGストライカー》を特殊召喚!」
TGストライカー レベル2 攻撃800(チューナー)
「更にこのカードはレベル4以下のモンスターの特殊召喚に成功した時、手札から特殊召喚できる!《TGワーウルフ》を特殊召喚!」
TGワーウルフ レベル3 攻撃1200
「レベル3の《TGワーウルフ》にレベル2の《TGストライカー》をチューニング。シンクロ召喚!《TGハイパー・ライブラリアン》!!」
TGハイパー・ライブラリアン レベル5 攻撃2400
「ふん…せっかくシンクロ召喚したが攻撃力はたったの2400。攻撃力2500の《スターダスト》は倒せんぞ?」
須郷の言うとおり、《アルティマヤ・ツィオルキン》を攻撃対象にできない以上、トーマは攻撃力が《閃珖竜スターダスト》を越えるモンスターを出さなければこの状況を打破できない。
その点ではこのわずか100ポイントの攻撃力の差が痛い。
「まだだ!俺はまだ通常召喚をしていない!俺は《TGサイバー・マジシャン》を召喚!」
TGサイバー・マジシャン レベル1 攻撃0(チューナー)
「このカードをTGシンクロモンスターのシンクロ素材とするとき、他の素材となるモンスターを手札のTGモンスターから選択できる。俺は《TGラッシュ・ライノ》にレベル1の《TGサイバー・マジシャン》をチューニング。シンクロ召喚!《TGワンダー・マジシャン》!」
TGワンダー・マジシャン レベル5 攻撃1900(チューナー)
「《ハイパー・ライブラリアン》の効果発動。シンクロ召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドローする。そして、《ワンダー・マジシャン》の効果発動!このカードのシンクロ召喚に成功した時、フィールド上の魔法・罠カード1枚を破壊する!」
《TGワンダー・マジシャン》の手から光線を放ち、須郷の伏せカードを破壊しようとする。
「ブァカめ!《スターダスト》の効果発動!1ターンに1度、私のフィールド上のカード1枚に障壁を張ることができる。波動音壁(ソニック・バリア)!!」
《閃珖竜スターダスト》が両翼を動かすと、《TGワンダー・マジシャン》が破壊しようとした伏せカードに風の障壁を張る。
「そして、その障壁はこのターン1度だけ破壊から守る」
光線が風の障壁によって相殺され、伏せカードは無傷のまま残る。
「ハハハハ!!その程度で私の下僕に立ち向かおうというのか??」
2体のTGを見て、高笑いする須郷。
しかし、トーマはニヤリと笑う。
「そうだ。俺はこいつらでお前の《アルティマヤ・ツィオルキン》を倒す!!」
「何?」
「俺は手札から魔法カード《TGX300》を発動!俺たちのフィールド上のモンスターの攻撃力はTGモンスター1体につき300ポイントアップする!」
TGハイパー・ライブラリアン レベル5 攻撃2400→3000
TGワンダー・マジシャン レベル5 攻撃1900→2500
「何ぃぃぃぃ!!?」
攻撃力が《閃珖竜スターダスト》と同等以上となった2体のシンクロモンスターに驚く。
「これで俺は《閃珖竜スターダスト》と《アルティマヤ・ツィオルキン》を倒せる。バトルだ!!俺は《ハイパー・ライブラリアン》で《閃珖竜スターダスト》を攻撃!!」
《TGハイパー・ライブラリアン》の本から機械でできた《閃珖竜スターダスト》が召喚される。
そして、機械の竜は風のブレスを放ってまがい物の竜を葬る。
「ぐううう!!」
須郷
ライフ4000→3500
「わ…私に手傷を負わせただと!?貴様ぁぁぁぁ!!」
相当プライドが高く、自信を持っていたのかそれとも格下と見下していたのか。
自らにダメージを与えたトーマに怒りの目を向ける。
「《ワンダー・マジシャン》!!赤き龍のパクリモンスターを倒せ!!」
《TGワンダー・マジシャン》が上空を飛ぶ《アルティマヤ・ツィオルキン》に向けて突撃する。
すると裂け目の隕石が彼女に向けて降ってきたが、華麗にかわしつつ、赤き龍のまがい物に肉薄する。
「やらせん!!罠発動!《シンクロ・リピドー》!!私のシンクロモンスター1体を選択して発動する。これにより、このターンそのモンスターは戦闘では破壊されず、私が受ける戦闘ダメージも半分となる」
《TGワンダー・マジシャン》が《アルティマヤ・ツィオルキン》にビンタをする。
するとその竜は大きく態勢を崩して近くの瓦礫にぶつかりながらクレムリンに落ちていくが、ギリギリのところで態勢を整える。
須郷
ライフ3500→2250
「《アルティマヤ・ツィオルキン》の力を過信していたようだな…」
「くっ…!!更に《シンクロ・リピドー》の効果。バトルフェイズ終了時にデッキからカードを1枚ドローする」
須郷
手札1→2
シンクロ・リピドー(漫画オリカ・調整)
(1):自分フィールド上のSモンスター1体を選択して発動できる。このターン、選択したモンスターは戦闘では破壊されず、そのモンスターの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは半分になる。
(2):このカードを発動したターンのバトルフェイズ終了時、自分はデッキからカードを1枚ドローする。
「更に私は速攻魔法《ご隠居の猛毒薬》を発動。ライフを1200回復する」
須郷
ライフ2250→3450
「なら俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド!」
須郷
手札2
ライフ3450
場 アルティマヤ・ツィオルキン レベル0 攻撃0
トーマ&ヒイロ
手札
トーマ6→0
ヒイロ5
ライフ4000
場 TGハイパー・ライブラリアン レベル5 攻撃3000
TGワンダー・マジシャン レベル5 攻撃2500(チューナー)
TGX300(永続魔法)
伏せカード2
「ごめん…。《アルティマヤ・ツィオルキン》を倒すことができなかった」
「謝ることじゃない。少なくとも奴に手傷を負わせ、厄介な効果を持つ《スターダスト》を潰すことができた。見ろ、奴の顔を…」
今の須郷の表情は憤怒に満ちている。
トーマの攻撃によって、余裕の態度を崩されたのだ。
「貴様…この私に手傷を!!下衆な攻撃で…聖なる目的もないその下劣な攻撃で!!!いい気になるなよ!?貴様らにとって最も残酷な手でつぶしてやる!!!」
「そうだ。あいつの先ほどまでの余裕な態度は仮面だ。今の姿がこいつの本性だ」
「私のターン、ドロー!!!」
須郷
手札2→3
「私はカードを1枚伏せ、《アルティマヤ・ツィオルキン》の効果発動!!現れよ、《琰魔竜レッド・デーモン》!!!」
再び《アルティマヤ・ツィオルキン》の方向と共に裂け目が広がり、そこから《琰魔竜レッド・デーモン》が現れる。
琰魔竜レッド・デーモン レベル8 攻撃3000
「そして、私は《アルティマヤ・ツィオルキン》を守備表示に変更」
アルティマヤ・ツィオルキン レベル0 攻撃0→守備0
《アルティマヤ・ツィオルキン》を特殊召喚する際、彼はそのモンスターを守備表示で置くこともできた。
しかし、あえて攻撃表示にしたのはヒイロとトーマを見下したうえでの、全く戦略性のない判断によるものだ。
その行動が自らに余計な被害を与えたのだ。
「私は《レッド・デーモン》の効果を発動!1ターンに1度、このカード以外の表側攻撃表示で存在するモンスターをすべて破壊する!」
「何!?」
《琰魔竜レッド・デーモン》の右手のひらがトーマ達のフィールドに向けられる。
「真紅の地獄炎(クリムゾン・ヘル・バーン)!!」
フィールド全体を覆うほどの大爆発が発生する。
その爆発の中に2体のTGが飲み込まれていく。
「ハハハハハハ!!壊れてしまえぇぇぇぇ!!そして、がら空きになった貴様らに《レッド・デーモン》が…」
「それはどうかな?」
「何…?」
爆発が収まり、発生した煙が風に払われていく。
すると、そこにはブレイブが立っていた。
「な…何ぃ!?なぜ貴様らのフィールドにモンスターがいる!!?」
「《TGワンダー・マジシャン》の効果を使ったんだ!このカードは相手ターンのメインフェイズ時にシンクロ召喚を行うことができる。その効果で俺は《ハイパー・ライブラリアン》とこのカードをチューニングして、《ブレード・ガンナー》をシンクロ召喚したんだ!」
「そして、お前の《レッド・デーモン》の効果は守備表示モンスターを破壊することはできない」
TGブレード・ガンナー レベル10 守備2200
「き…貴様らぁ!!!」
再び計算を狂わせたトーマの行動に怒りを見せる須郷。
彼らを排除するために、次の手を打つ。
「ではそのモンスターを先に始末してくれる!!《レッド・デーモン》よ、《ブレード・ガンナー》を切り裂け!!」
《琰魔竜レッド・デーモン》の灼熱の拳がブレイブを襲う。
しかし、守備力2200のブレイブは真正面からそれを銃剣で受け止めている。
「何!?」
「罠カード《シンクロ・リピドー》!!これで俺のブレイブはこのターン、戦闘では破壊されない!」
「この程度の拳で私は倒せん!」
「そして、バトルフェイズ終了時に俺はデッキからカードを1枚ドローする!」
ブレイブを倒せなかった《TGブレード・ガンナー》が悔しそうに須郷のフィールドに戻っていく。
「どこまでも…どこまでも私の計算を狂わすなぁぁぁ!!私は手札から《ダーク・リペアラー》を召喚!」
ダーク・リペアラー レベル2 攻撃1000(チューナー)
「ここでチューナーモンスターを…?」
「レベル8の《レッド・デーモン》にレベル2の《ダーク・リペアラー》をチューニング!!死者を束ねし怨念の声を聞け!!シンクロ召喚!《冥界濁龍ドラゴキュートス》!!!」
上空の裂け目から腹部に巨大な頭部を持つゴム状の死肉と骨でできた不気味な竜が現れる。
冥界濁龍ドラゴキュートス レベル10 攻撃4000
召喚と同時に再び大きくなった裂け目からヒイロ達に向けて隕石が降ってくる。
「何!?」
「うわああああ!!」
近くに飛び移れる岩場は無く、このままでは隕石につぶされてしまう。
「ハハハハハ!!このままつぶれてしまえぇぇ!!」
「ここでつぶれるわけにはいかない」
「主!!」
隕石が落下するギリギリのところでヒイロをロボットに切り替わったストライクチェイサーが、トーマを実体化したブレイブが救い出す。
そして、足場になりそうな浮遊している瓦礫まで2人を送り届ける。
「ありがとう、ブレイブ!!」
「主のためならば…」
「須郷、まだ俺たちのデュエルは続くみたいだな」
「ええい…私は《ダーク・リペアラー》の効果により、デッキトップのカードを確認し、それをデッキボトムへ置くことができる」
須郷がカードを確認すると、にやりと笑みを浮かべる。
「(このカードか…やはり私は神に選ばれている!!)私は確認したカードをそのままにする。これでターンエンド」
須郷
手札3→1
ライフ3450
場 アルティマヤ・ツィオルキン レベル0 守備0
冥界濁龍ドラゴキュートス レベル10 攻撃4000
伏せカード1
トーマ&ヒイロ
手札
トーマ0→1
ヒイロ5
ライフ4000
場 TGブレード・ガンナー レベル10 守備2200
TGX300(永続魔法)
伏せカード1
「ハアハアハア…」
「あと…どれくらいいるのよ…?」
一方、遊星たちは大量のロボットといまだに相手をしている。
すでに百数体撃破しているがそれでも数多くのロボットたちが遊星たちを包囲している。
「このままだと俺たち…」
「弱音を吐くなよ!!アタシはまだまだやれる!!」
「そうだクロウ!貴様が先に弱音を吐いてどうする!!」
どこからか聞き覚えのある男の声がする。
「その声は…」
《レッド・デーモンズ・ドラゴン》が守備表示になっている機皇兵もろとも《機皇帝スキエル∞》を炎の拳で打ち砕いていく。
そして、遊星たちの元へホイール・オブ・フォーチュンが突入する。
当然、それに乗っているのは彼しかいない。
「ジャック!!」
「久しぶりだな、貴様ら!」
「ジャック…お、おれは弱音なんて吐いてねえよ!!」
「ふん…ならば俺たちの力でデュエリストの魂無きくず鉄どもを破壊する!!俺はレベル8の《レッド・デーモンズ・ドラゴン》にレベル3の《クリエイト・リゾネーター》とレベル1の《アタック・ゲイナー》をダブルチューニング!!王者と悪魔、今ここに交わる。荒ぶる魂よ、天地創造の叫びをあげよ。シンクロ召喚!出でよ、《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》!」
《地縛神スカーレッド・ノヴァ》の力を奪いしバーニング・ソウルはシグナーの力が消えた後も健在で、《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》は裂け目のある空に向けて咆哮する。
「《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》!!俺たちの邪魔をする隕石を破壊しろ!!」
ジャックの命令を受けた紅蓮の竜は炎を纏って上空を旋回し、次々と隕石を破壊していく。
「さすがだ…ジャック。俺はレベル8の《ロード・ウォリアー》にレベル2の《フォーミュラ・シンクロン》をチューニング!集いし力が拳に宿り、鋼を砕く意思と化す!光差す道となれ!アクセルシンクロ!現れろ、《スターダスト・ウォリアー》!」
「《スターダスト・ウォリアー》!?」
「《シューティング・スター・ドラゴン》じゃないの!!?」
新たな遊星のアクセルシンクロモンスターに驚きを隠せないクロウとアキ。
「おーー、なんだか勝てる気がしてきたな、フェイト!!」
「ええ…アルフ」
「トーマ、大丈夫かな…?」
ロボットたちに攻勢に出る中、アイシスはトーマの身を案じていた。
「俺のターン!」
ヒイロ
手札5→6
「ヒイロ、俺のカードを!」
「ああ。俺は永続罠《リビングデッドの呼び声》を発動。その効果で俺は墓地から《TGワンダー・マジシャン》を特殊召喚する」
TGワンダー・マジシャン レベル5 攻撃1900→2500(チューナー)
「そして、俺は手札から《幻獣ミュージックケット・シー》を召喚!」
幻獣ミュージックケット・シー レベル3 攻撃1200→1800
「レベル3の《ケット・シー》にレベル5の《ワンダー・マジシャン》をチューニング。深海に眠りし破邪の水龍よ!敵の技を無にし、激流の如く邪悪を薙ぎ払え!シンクロ召喚!出でよ!《マリンフォース・ドラゴン》!」
マリンフォース・ドラゴン レベル8 攻撃2600→2900
「トーマ君、マスター!僕の力を使ってよ!」
「ああ…。俺はアクアの効果を発動。1ターンに1度、フィールド上のカード1枚を手札に戻す。マリン・パニッシュ!」
「はあああ!!」
アクアの翼が大きく動き、《冥界濁龍ドラゴキュートス》を飲み込むほど巨大な波が発生する。
「チィ!!私はカウンター罠《天罰》を発動!!手札を1枚捨て、モンスター効果を無効にし、破壊する!」
「だが俺の《マリンフォース・ドラゴン》はカード効果では破壊されない」
大波が水の球体に変化し、アクアを包み込む。
そして、天から放たれた雷を弾いた。
手札から墓地へ送られたカード
・絶対王バック・ジャック
「私は手札から墓地へ送った《絶対王バック・ジャック》の効果発動!このカードが墓地へ送られた時、デッキトップから3枚のカードを確認し、好きな順番に並べ替える!そして《絶対王バック・ジャック》を除外し、効果を発動!私はデッキトップのカードを確認し、それが通常罠カードならフィールドにセット、それ以外のカードならばそのまま墓地へ送る!」
「そんなカードを仕込んで…!!」
「あいつはデッキ操作を行った。おそらく、デッキトップにあるカードは…」
須郷は笑いながらカードを引き、確認しないままセットする。
「私が確認したカードは《くず鉄のかかし》。そのままこのカードをセットする。そして、この効果でセットされたカードはこのターンでも発動できる。更に《アルティマヤ・ツィオルキン》の効果発動!我が元へ現れよ、《月華竜ブラック・ローズ》!!」
裂け目から《ブラック・ローズ・ドラゴン》にそっくりな姿を持つ黒薔薇の竜が現れる。
月華竜ブラック・ローズ レベル7 守備1800
「《ブラック・ローズ》の効果発動。このカードの特殊召喚、もしくは相手がレベル5以上のモンスターの特殊召喚に成功した時、相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター1体を手札に戻す。退華の叙事歌(ローズ・バラード)!!」
「何!?」
ブレイブの周囲を黒薔薇の花びらが包み込んでいく。
「そうはさせるか!!俺は手札から速攻魔法《超融合》を発動!!手札を1枚墓地へ送ることで、フィールド上のモンスターを融合させる!」
「ブレイブ!!」
アクアの水のブレスが黒薔薇を薙ぎ払う。
「アクア殿!」
「ブレイブ、力を合わせよう!」
2体のモンスターが上空に現れた渦の中に取り込まれていく。
「水の力と騎士の力重なりし時、嵐を切り裂く王者が現れる。融合召喚!現れろ!!」
ヒイロのエクストラデッキが輝き始め、そこから新たなカードが創造される。
「《TGポセイディア・ブレーダー》!!」
「はああああ!!」
渦の中から機械的のものとなった《マリンフォース・ドラゴン》の翼とそれを模した兜をつけた青い《TGブレード・ガンナー》が現れる。
装備されていた銃剣は2丁になり、彼の両手に装備された。
TGポセイディア・ブレーダー レベル10 攻撃3800→4100
手札から墓地へ送られたカード
・幻獣クロスウィング
「攻撃力4100だと…!?」
「バトルだ。俺は《ポセイディア・ブレーダー》で《ブラック・ローズ》を攻撃。アクア・ダブルブレード」
ブレイブの2丁の銃剣が《月華竜ブラック・ローズ》を真っ二つに切り裂き、破壊する。
「ぐううう!!」
「《ポセイディア・ブレーダー》は戦闘を行う相手モンスターの効果を無効にする。更にこのカードが攻撃している間、相手は魔法・罠カードを発動できない。そして、1ターンに2度相手モンスターを攻撃できる」
「何!?」
「《ドラゴキュートス》を葬れ、《ポセイディア・ブレーダー》」
ブレイブは《月華竜ブラック・ローズ》の消滅を見届けると、即座に《冥界濁龍ドラゴキュートス》に狙いを定める。
そして、2つの頭部を水が宿った銃弾で撃ちぬいた。
頭部を破壊された《冥界濁龍ドラゴキュートス》は地上へ転落し、消滅した。
「お…己ぇぇぇ!!!」
須郷
ライフ3450→3350
「どうした?まだ俺たちのライフは減っていないぞ?」
「うぐぐぐ…」
ヒイロの言うとおり、須郷はこれまで何度も強力なシンクロモンスターを素材無しで特殊召喚してきた。
しかしヒイロ達のライフを一向に減らすことができず、ダメージを受けているのは自分だけだ。
「俺はカードを2枚伏せ、ターンエンド」
須郷
手札1→0
ライフ3350
場 アルティマヤ・ツィオルキン レベル0 守備0
伏せカード1(《くず鉄のかかし》)
トーマ&ヒイロ
手札
トーマ1
ヒイロ6→1
ライフ4000
場 TGポセイディア・ブレーダー レベル10 攻撃4100
TGX300(永続魔法)
リビングデッドの呼び声(永続罠)
伏せカード2
TGポセイディア・ブレーダー
レベル10 攻撃3800 守備3300 融合 水属性 戦士族
「TGブレード・ガンナー」+「マリンフォース・ドラゴン」
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚できる。
(1):このカードが相手モンスターと戦闘を行う時、そのモンスターの効果はターン終了時まで無効化される。
(2):このカードの攻撃宣言時、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
(3):このカードは1度のバトルフェイズ中に2回まで相手モンスターを攻撃できる。
「そんな…バカな…」
須郷の口から弱音が出てくる。
自分の手札は0でフィールドには《アルティマヤ・ツィオルキン》と《くず鉄のかかし》しかない。
次にドローしたカードが魔法・罠カードでなければ《アルティマヤ・ツィオルキン》はこのまま《TGポセイディア・ブレーダー》によって破壊される。
「か…神よ…我らが神よ…私に力を…」
がたがた震えながら、助力を求め始める。
その瞬間、彼のデュエルディスクから黒いオーラが発生する。
「な…こ、これは!!?」
「デュエルディスクからオーラが!!」
そのオーラはゆっくりと須郷を包み込むと、わずか数秒で霧散する。
「…私のターン…」
すると先ほどまでのおびえた姿がなくなり、須郷は無表情でカードをドローする。
須郷
手札0→1
「私は手札から魔法カード《貪欲な壺》を発動…。墓地のモンスター5体をデッキに戻し、デッキからカードを2枚ドロー…」
須郷
手札1→2
墓地からデッキに戻ったカード
・月華竜ブラック・ローズ
・閃珖竜スターダスト
・冥界濁龍ドラゴキュートス
・琰魔王レッド・デーモン
・スクラップ・ソルジャー
「そして…私はカードを2枚伏せ、《アルティマヤ・ツィオルキン》の効果発動…。その効果で私は《月華竜ブラック・ローズ》を特殊召喚する…」
月華竜ブラック・ローズ レベル7 守備1800
「《ブラック・ローズ》の効果発動。退華の叙事歌(ローズ・バラード)…」
《月華竜ブラック・ローズ》の黒薔薇がブレイブを包み込もうとする。
「カウンター罠《エルニーニョ・カウンター》を発動。俺のフィールド上の水属性シンクロモンスターを対象とした相手のモンスター効果を無効にし、破壊する」
発動と同時に、《月華竜ブラック・ローズ》の体内の水が沸騰する。
高温となった自らの体に耐えられず、黒薔薇の竜は消滅する。
エルニーニョ・カウンター
カウンター罠
(1):自分フィールド上に存在する水属性Sモンスター1体を対象とするモンスター効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にし、破壊する。
「私はこれで…ターンエンド…」
須郷
手札2→0
ライフ3350
場 アルティマヤ・ツィオルキン レベル0 守備0
伏せカード3(うち1枚《くず鉄のかかし》)
トーマ&ヒイロ
手札
トーマ1
ヒイロ1
ライフ4000
場 TGポセイディア・ブレーダー レベル10 攻撃4100
TGX300(永続魔法)
リビングデッドの呼び声(永続罠)
伏せカード1
「何かがおかしい…」
「確かに…急にあいつの態度が変わった…」
ヒイロとトーマは彼がなぜ豹変したのか分からずにいる。
唯一の手がかりはあの黒いオーラだけだ。
「用心しろ、トーマ。奴にはおそらく他にも手がある」
「分かってる。俺のターン!」
トーマ
手札1→2
「手札から魔法カード《マジック・プランター》を発動。俺のフィールド上に存在する永続罠カード1枚を墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローする」
用済みとなった《リビングデッドの呼び声》が消滅し、トーマはカードをドローする。
「バトル。俺は《ポセイディア・ブレーダー》で《アルティマヤ・ツィオルキン》を…」
「本当にいいのかな…?」
須郷の口から全く別の声が発せられる。
「声が変わった!?」
「何者だ…お前は…」
須郷から突然放たれるプレッシャー。
それは先ほどまでとは大きく異なり強烈なもので、遠距離からも感じ取ることができる。
「ククク…《アルティマヤ・ツィオルキン》の中に何があるかわからないか?」
「《アルティマヤ・ツィオルキン》の…」
「中…?」
ヒイロ達の目の前に来た《アルティマヤ・ツィオルキン》の口が大きく開く。
するとその中にはカプセルがあり、カプセルの中には…。
「ルカス…!!」
(あいつが…ルカス…)
ヒイロの記憶にあるルカスは大人の彼しかいない。
しかし、その少年から感じる懐かしさが彼がルカスだということをヒイロに教えている。
「今、《アルティマヤ・ツィオルキン》の中には少年がいる。もしも《アルティマヤ・ツィオルキン》を倒したら彼はどうなるか…」
「そんな…卑怯だぞ!!」
「卑怯…?神にそのようなものは存在しない」
「神…まさか!!」
「そうだ、我はケイラン。こやつらが我らが神と呼ぶ存在だ」
須郷の右頬から赤い鉱石のようなものが浮かび上がる。
更に右目が赤く染まり、右腕の爪も赤い鉱石に変化する。
「ふん…この程度の肉体ではここまでがやっとか。だが、この木偶の棒のおかげである程度力が戻ってきた…」
「本当にケイランが存在するとはな…」
「さあ…どうする?この子供を犠牲にしてまで《アルティマヤ・ツィオルキン》を倒すか…?」
「…。俺は…モンスターを裏守備表示で召喚し、ターンエンド」
須郷→ケイラン
手札0
ライフ3350
場 アルティマヤ・ツィオルキン レベル0 守備0
伏せカード3(うち1枚《くず鉄のかかし》)
トーマ&ヒイロ
手札
トーマ2→1
ヒイロ1
ライフ4000
場 TGポセイディア・ブレーダー レベル10 攻撃4100
裏守備モンスター1
TGX300(永続魔法)
伏せカード1
「フフフフ…小僧1人の命惜しさに勝利のチャンスを逃すとはな…私のターン」
ケイラン
手札0→1
「私は罠カード《ケイランの宝札》を発動。私のフィールド上に存在するモンスターが《アルティマヤ・ツィオルキン》のみの場合、デッキからカードを2枚ドローする」
ケイラン
手札1→3
ケイランの宝札
通常罠カード
「ケイランの宝札」はデュエル中1回しか発動できない。
(1):自分フィールド上に存在するモンスターが「アルティマヤ・ツィオルキン」1体のみの場合に発動できる。デッキからカードを2枚ドローする。
「そして、手札から魔法カード《神の融合》を発動。《アルティマヤ・ツィオルキン》と絵k数虎デッキの《スカーレッド・ノヴァ》を融合」
「《スカーレッド・ノヴァ》だと!?」
「フフフ…《地縛神スカーレッド・ノヴァ》の真の使い方を教えてやろう。融合召喚!!」
数多の隕石を降らした裂け目が突然大爆発を引き起こす。
爆発と共に浮遊していた建造物や瓦礫が次々と吹き飛ばされていく。
「「うわああああ!!」」
ヒイロ達が乗っていた瓦礫が砕け、足場を失った彼らが吹き飛ばされていく。
すると、どこからともなく赤き龍がモスクワの空に現れる。
「あれは…赤き龍!!」
赤き龍が彼らの背に乗せると、そのまま足場となって空を飛ぶ。
「また助けられるとは…」
「俺たちはまだ戦える!」
「ふん…運よく救われたか。だが…」
クレムリンが砕け、ケイランが浮遊を始める。
そんな彼の足元に体中に紫色に描かれた地上絵が刻まれている《アルティマヤ・ツィオルキン》が現れる。
その竜の腹部にはルカスのカプセルがある。
「この竜の名は《不滅竜》。今、私がそう名付けた」
不滅竜 レベル0 攻撃0
「攻撃力0…」
「更にレベルも0。一体どんな効果が…」
「私は《不滅竜》の効果を発動。1ターンに1度、私のライフを4000にする」
《不滅竜》が咆哮すると、ケイランの体にある鉱石が赤く光る。
ケイラン
ライフ3350→4000
「ライフを4000に戻す効果が…」
「そして、相手フィールド上に存在するモンスター1体の攻撃力を0にし、効果を無効にする」
「何!?」
《不滅竜》の体にある巨人の地上絵が光ると、《地縛神Ccapac Apu》の幻影が現れる。
そして、目の前にいるブレイブを掴む。
「この程度、突破して見せ…!!?」
握られると同時にブレイブの肉体から力が抜けていく。
TGポセイディア・ブレーダー レベル10 攻撃4100→0
「そして、この効果を発動するたびに《不滅竜》の元々の攻撃力・守備力が1000ポイントアップする」
不滅竜 レベル0 攻撃0→1000 守備0→1000
神の融合
通常魔法カード
(1):自分フィールド・エクストラデッキ・墓地に存在する「アルティマヤ・ツィオルキン」と「地縛神スカーレッド・ノヴァ」を1体ずつ除外することで発動できる。自分の墓地・エクストラデッキから「不滅竜」1体を特殊召喚する。
不滅竜
レベル0 攻撃0 守備0 融合 闇属性 ドラゴン族
「アルティマヤ・ツィオルキン」+「地縛神スカーレッド・ノヴァ」
このカードは融合召喚でのみ特殊召喚できる。
「不滅竜」はフィールド上に1体しか存在できない。
(1):このカードは相手のカード効果では破壊されない。
(2):相手はこのカードを攻撃対象に選択できない。
(3):1ターンに1度、フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。自分のライフを4000にし、選択したモンスターの攻撃力をターン終了時まで0となり、効果も無効となる。
(4):(3)の効果を発動するたびにこのカードの元々の攻撃力・守備力は1000ポイントアップする。
「《ポセイディア・ブレーダー》の攻撃力が…!!」
「さあ、《不滅竜》よ。その愚かな反逆の牙をへし折るがいい!!」
《不滅竜》が咆哮すると、上空からマグマのような液体が降り、《ポセイディア・ブレーダー》を貫いた。
「「うわあああ!!」」
トーマ&ヒイロ
ライフ4000→3000
「空からマグマ…!?」
「いや、マグマが空から降るはずがない。…トーマ、今何時だ?」
「え…??」
なぜこんな時に時間を聞くのかわからないまま、デュエルディスクの時計機能を見る。
時計は午後7時48分で、空は昼のように明るい。
「ええっ!?なんで、こんな時間なのに明るいんだ!?」
時差調整されていないのかと思い、もう1度見るが、デュエルディスクは自動で時差を調整する機能があるため結果は同じだ。
「まさか…」
「そう、私はもう1つの太陽を生み出した。神であれば造作もないことだ」
「ということは…あの太陽から高熱のレーザーを放ったということか」
「そうだ。我は手札から永続魔法《劫火のヴェール》を発動。このカードは1ターンに1度私のフィールド上の闇属性モンスター1体を破壊から守る。更にカードを1枚伏せ、ターンエンド」
ケイラン
手札3→0
ライフ4000
場 不滅竜 レベル0 攻撃1000
劫火のヴェール(永続魔法)
伏せカード4(うち1枚《くず鉄のかかし》)
トーマ&ヒイロ
手札
トーマ1
ヒイロ1
ライフ3000
場 裏守備モンスター1
TGX300(永続魔法)
伏せカード1
劫火のヴェール
永続魔法カード
このカードは自分フィールド上に1枚しか存在できない。
(1):1ターンに1度、自分フィールド上に存在する闇属性モンスター1体が破壊されるときに発動できる。その破壊を無効にする。
「くそ!!《不滅竜》を倒さないといけないのに、もし倒したらルカスが…!!」
ライフはまだ3000残っているが、《不滅竜》がこのまま強化されていけば意味がなくなってしまうだろう。
そして、《不滅竜》に囚われているルカスを助けなければ破壊することすらできない。
「落ち着け、トーマ。今は耐えながら、どうすべきか考える。俺のターン」
ヒイロ
手札1→2
「(神と名乗るやつのことだ…おそらくアクアのマリン・パニッシュでもルカスに被害を及ぼすだろう)俺はモンスターを裏守備表示で召喚。ターン終了」
ケイラン
手札0
ライフ4000
場 不滅竜 レベル0 攻撃1000
劫火のヴェール(永続魔法)
伏せカード4(うち1枚《くず鉄のかかし》)
トーマ&ヒイロ
手札
トーマ1
ヒイロ2→1
ライフ3000
場 裏守備モンスター2
TGX300(永続魔法)
伏せカード1
「ふん…裏守備モンスターに対しては《不滅竜》は効果を発動できない。しかし、その程度で神の竜を止められると?私のターン」
ケイラン
手札0→1
「私は罠カード《停戦協定》と《聖なる輝き》を発動」
「何!?」
「これで我々はモンスターをセットすることはできない。そして貴様らの裏守備モンスターはすべて表側守備表示となる」
2体の裏守備モンスターが突然突きつけられた文書を見ながら、しぶしぶ表側守備表示に変化する。
TGラッシュ・ライノ レベル4 守備800
幻獣サンダーペガス レベル4 守備2000
「更に、我々のフィールド上に存在する効果モンスター1体につき500ポイントのダメージを与える」
《停戦協定》から放たれた電撃が2人を襲う。
「「うわあああ!!」」
トーマ&ヒイロ
ライフ3000→1500
(く…!これで俺たちは2つの選択を迫られることになったか…。一つは《不滅竜》のダイレクトアタックを受けること。もう1つはモンスターを壁にする代わりに《不滅竜》に力を与え、更に奴のライフを4000にすること…)
どちらの選択肢も2人にとってメリットのあるものではない。
2つの選択の行きつく先はなぶり殺しだ。
「そして私は《不滅竜》の効果を発動。《サンダーペガス》の力を奪う」
次は《地縛神Uru》が現れ、紫色の雲の糸で《幻獣サンダーペガス》を捕縛する。
不滅竜 レベル0 攻撃1000→2000 守備1000→2000
幻獣サンダーペガス レベル4 守備2000→0 攻撃700→0
「くっ…!」
「更に私は永続罠《竜の逆鱗》を発動。これでこれで私のドラゴン族モンスターは貫通効果を得る」
「何!?」
これで攻撃力2000となった《不滅竜》が《幻獣サンダーペガス》を攻撃したら、2人の敗北となる。
「死ぬがいい…。《不滅竜》で《幻獣サンダーペガス》を攻撃!」
《不滅竜》が再びもう1つの太陽からレーザーを発射する。
「罠発動!《幻獣王の大旋風》。相手が俺のフィールド上に存在する幻獣を攻撃対象としたとき、互いのフィールド上に存在する魔法・罠カードをすべて破壊する」
《幻獣サンダーペガス》が最期の力を振り絞り、上空に雷雲を生み出す。
そして、落雷が互いの魔法・罠カードを焼き尽くしていった。
「そして、俺たちは破壊した魔法・罠カード1枚につき、300ポイントライフを回復する」
トーマ&ヒイロ
ライフ1500→3000
破壊された伏せカード
・炸裂装甲
幻獣王の大旋風
通常罠カード
(1);自分フィールド上に表側表示で存在する「幻獣」モンスターが攻撃対象となった時に発動できる。フィールド上の魔法・罠カードをすべて破壊する。その後、破壊したカード1枚につき300ポイントLP回復する。
「このターンの敗北をしのいだか。だが、《サンダーペガス》は破壊される」
雷雲が消えると、レーザーは《幻獣サンダーペガス》を貫いていった。
「私は手札から魔法カード《フォロー・ドロー》を発動。フィールド上の魔法・罠カードが3枚以上破壊されたターンのメインフェイズ2にのみ発動でき、私はデッキからカードを2枚ドローする」
ケイラン
手札1→2
フォロー・ドロー
通常魔法カード
「フォロー・ドロー」は1ターンに1度しか発動できない。
(1):フィールド上に存在する魔法・罠カードが3枚以上破壊され墓地へ送られたターンのメインフェイズ2にのみ発動できる。自分はデッキからカードを2枚ドローする。
「そして、私は手札から装備魔法《ビッグバン・シュート》を《不滅竜》に装備。これで再び《不滅竜》は貫通効果を得、更に攻撃力を400ポイントアップさせる。そしてカードを1枚伏せ、ターンエンド」
ケイラン
手札2→0
ライフ4000
場 不滅竜(《ビッグバン・シュート》装備) レベル0 攻撃2000→2400
トーマ&ヒイロ
手札
トーマ1
ヒイロ1
ライフ3000
場 TGラッシュ・ライノ レベル4 守備800
「間一髪かぁ…ふぅ…」
トーマはゆっくり息をしながら、冷や汗をぬぐう。
先程、仮に《不滅竜》が《TGラッシュ・ライノ》の守備力を0にし、そのまま《竜の逆鱗》を発動して攻撃していたら自分たちが負けていたのだ。
ある意味では賭けに出ていたの同然の奇襲対策だった。
「確かにこのターンはしのいだが…《ビッグバン・シュート》で《不滅竜》はまた貫通効果を得てしまった…」
「くそっ…破壊するにもあのカプセルをどうにかしなければ…」
2人はフィールドの支配者たる《不滅竜》をじっと見る。
「う…うん…」
カプセルの中でルカスが目を覚ます。
「ここ…は…?…そうだ!!早くここからって!!」
自分がカプセルの中にいることに気付いたルカスはそこから外を見る。
そこは地上まで百数十メートルあり、落ちると即死するのは目に見えている。
「けど、俺なんでこんなところに…お???」
彼の目に赤き龍とそれに乗っているトーマとヒイロの姿が映し出される。
「トーマ兄ちゃん!!けど、隣にいるおっちゃんは誰だ??」
(ルカス…ルカス…)
「ん?こいつは…」
急に自身の胸元から声が聞こえ、服の中に手を突っ込む。
そして、なぜか服の中に入り込んでいた石版を手に取る。
「これは…あの野郎にぶんどられたはずの…」
(ルカス…僕の声が聞こえる?)
石版から幼げな声が聞こえる。
「あ…ああ…」
(良かった。僕が…君を助けてあげるよ)
「な…助けるだって!?」
石版の言葉にルカスは耳を疑った。