術式【龍魂珠(アントマ・タン・ゲンド)】   作:大トロろ

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デュエマのルールを呪術に落とし込むのが楽しいんだけど、クッソ大変ですわ。解釈不一致な所は多分あるかもだけど許して♡
あと、アニメキャラ全然出せなくてごめんちゃい♡

まあ、読者が読んでくれてるからね。

批判受けてもまだまだ頑張らせてもらうよ。

余談だけど新弾に新規ディスペクター収録されてておったまげました。


手札

 

 

 

木々が風に靡き、ざわざわと揺らめく。

 

 獣道と呼ぶのが妥当だろうか。人がほとんど立ち入らない道を、俺は一人で歩いていた。

 枯れ葉を踏みしめる音だけが、やけに大きく耳に残る。

 

 向かっているのは、街の外れの山道の中にある廃墟。

いわゆる“出る”と噂されている心霊スポットだ。

 

 もっとも、俺の目的は幽霊じゃなく呪霊だけどな。

 

 

 勿論、術式を自覚したあの時の廃墟ではない。

 

 あの廃墟は記憶の限りではドルファディロムが瓦礫の山に変えてしまった。あれだけ暴れ散らかしてしまった以上、警察沙汰になっている可能性もある。別の場所で術式を試す必要がある。

 

 術式を本格的に試すなら、休日しかないと考えた俺は午前九時から数年ぶりとも言えるチャリンコを漕いで目的地に向かった。ここにくるまでニ時間もかかった。いや、遠いわ坂道キツいわ、で散々であったがどうしても試したい事があった。

 

 手札、墓地、マナ、シールドの術式の解釈、そして式神(ディスペクター)の試運転だ。

 

 

 そのために、俺はここまで来た。

チャリンコを降りて獣道を歩くこと、約三十分。

 

目的地に到着した。

廃病院と言ったところ…だろうか。

 

 正直に言ってしまえば面影をまるで感じない。外から見て分かるほど荒れ放題というのが分かる。

壁にスプレーで落書きされ、窓ガラスは叩き割られており、床はコンクリートや、ガラス、ポイ捨てしたであろうゴミが散乱している。

 

そして分かる事がある。

 

 

 

いる。

 

 間違いなく。

あの廃墟にいた奴ほどではないのは確かだ。

おそらく二級程の呪霊がいる気がする。

 

 ここ最近、呪力を自覚し術式を扱う様になってからこう言った呪い関係のものに対して研ぎ澄まされていく感覚を覚える。

 

 俺は建物に入る前に自身の"手札を確認して"一枚のカードを出現させて式神を召喚する。

 

『──『腐聖 ブラッドウ-2』、召喚』

 

黒い霧が噴き上がり、床を這う。

 

 その中心から現れたのは、

全身が鈍い銀鉄で構成された死霊騎士。

 

 青い焔が鎧の隙間から漏れ、

その身を支えるのは、同じく鋼鉄の馬。

 

 馬の額には、札。

文明を示す紋様――光と闇が刻まれている。

 

先手必勝である。先に保険として召喚させてもらった。そして、

 

『登場時効果により自分のデッキ(術式)から一枚をドロー(補充)する。』

 

 

俺の"生得領域"内にある手札にカードが加わる。

 

ドローされたカードは…なるほどな、このカードか。

 

俺は手札に加わった《覚醒連結 XXDDZ》のカードを確認する。

 

これが俺の解釈、手札である。

 

 術式を起動すると最初に5枚のカードが手札に配られる。これは完全にランダムなのだが、法則性がある。必ずディスタスとディスペクター、あとはディスペクター専用のアタックチャンス呪文も必ず一枚は含まれている。

そして、時間経過で一枚ずつ手札が増えていく。

 

 前世ではゲームだった。しかし、今世では手札事故は命の危機に関わる重要な問題。この仕様は正直助かる。

 

 

更に俺は手数を増やすために、縛りを結んだ。

 

術式起動(ゲーム開始)時のシールド5枚を全て破棄し、代わりに手札に加える。』

 

【鬼タイム】もびっくらポンの縛りだ。

鬼タイムのデッキを使ったことないから分からんが、泣いて喜ぶのだろうか。

 

 

なぜこんな縛りを結んだのか。

 

 実は言うと少し前に街中の路地裏にいた4級程の呪霊と交戦していた。理由はシールドが存在するのか確認したかったからだ。

 

EXライフが俺の元に来ると言うことは俺自身にシールドがある筈なのだ。

なら、俺が攻撃された時に確率でシールド・トリガーが発動する。そして、術者のダメージ軽減がシールドの役割ではないか。

 

そう俺は考えていた。

 

 

…しかし、結果はシールドが全くと言っていいほど機能しなかった。

 

 普通に俺にダメージが入ってしまうのだ。

シールドが割れた感じも無かった。手札は増えたが、これではシールドの意味がない。

 

しかし、『EXライフ』は違った。

 

 手札も増え、ダメージを肩代わりしたのだ。シールドが割られた感覚もあった。

 しかも、シールド・トリガーを持ったディスタス、ディスペクターを使用出来たのだ。

 

 最初の5枚のシールドが何故、機能しないかは正直に言って分からない。

俺の解釈がまだ足りないのかもしれない。

 

元々存在しない…いやそれはない。

 実際、攻撃を受けた時に手札は増えている。だとしても、トリガーも全くないのは不自然だ。ディスペクターはまだしもディスタスにはシールド・トリガーを持ったクリーチャーはいる。G・ストライクだってあっていい筈なのだ。

…運が悪い?いや、それでは説明が付かない。回数にすれば50枚程シールドがブレイクされている。呪霊を変えたりして試した。日も変えて試したが全く効果なし。

 

……ここについては保留にするしかない。

 今の現状ではEXライフしか確率でトリガーしない、という事実を受け止めるしかない。

 

 こういう理由があって縛りを結ぶことにしたのだ。縛りを結んだことにより、術式起動(ゲーム開始)時の『手札』枚数は5枚ではなく10枚からスタートと言うわけだ。

 

 

 

命懸けで戦うのだ、選択肢は多い方がいい。

 

手札は手段。

 

 

俺にとっての強さとは"質と手数"だ。

 

 

 

 

『命懸け』

 

 

ふと、俺の脳内に一つの単語が浮かび上がる

 

 

 

『真のデュエル』

 

 

 少しだけだが、『真のデュエル』について知識がある。

真のデュエリスト同士がデュエルする事で発生する特殊なデュエル。

シールドブレイクされた時にプレイヤーにもダメージが入っている描写があった。

 

まさか、それなのか?

 

 確かに今の状況は非常に『真のデュエル』に似ている。

クリーチャーは実体化し、負ければ死あるのみ。

 

 

正に命懸けのデュエル

 

 

⦅『ーーこれは…"命懸けのデュエル"なのです!』⦆

 

 

 

ーー誰の言葉だったか。

 

 アニメはディスペクターメインの時しか観ていなかったから、覚えていない。

 

『……行くか』

 

 俺は思考を胸の奥に押し込み、

荒れ果てた廃墟へと足を踏み入れるのであった。





『鬼タイム』
お互いのプレイヤーのシールドが全部で6枚以下になることで真価を発揮する効果。
『G・ストライク』
シールドから手札に加える時に発動出来る。相手に見せることで相手のクリーチャー1体を攻撃できなくする。

亀投稿でごめんちゃい♡
次は戦闘描写入れたいねぇ

追記:誤字脱字報告ほんまありがとう!
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