朝日が窓から差し込み、凛馬の虹色の耳を照らす。
「にゃ!凛馬!起きるにゃ!朝にゃ!」
ミケが凛馬の頬をぷにぷに押す。
「今日は凛馬の初めての『獣人としての登校日』にゃ!遅刻できないにゃ!」
「凛馬くん、ミケ!朝ごはんできたわよ!」
「にゃ!行くにゃ!」
テーブルには、トースト、目玉焼き、サラダ、そしてフルーツが並んでいた。
「さあ、いっぱい食べて。今日は大事な日だもの」
「にゃ!凛馬、あーんするにゃ?」
ミケがフォークにトーストを刺し、凛馬の口元に運ぶ。
「ふふ、凛馬が獣人になっても、あーんは続けるにゃ♫」
「……他の誰にも、させないにゃ」
朝食を終え、二人は制服に着替える。
鏡の前に立つ凛馬。獣人用の制服は、尻尾を出すための穴が開いており、虹色の尻尾がふわりと揺れている。耳もピンと立ち、完全に獣人の姿だ。
「にゃああ!凛馬、すっごくカッコいいにゃ!制服似合ってるにゃ!」
ミケが興奮気味に凛馬の周りをぐるぐる回る。
「ふふ、本当に素敵よ、凛馬くん。虹色の耳と尻尾が、制服に映えてるわ」
「にゃ!じゃあ、学校行くにゃ!お母さん、行ってきますにゃ!」
「行ってらっしゃい。凛馬くん、頑張ってね」
家を出ると、朝の爽やかな空気が凛馬の獣耳をくすぐる。音がよく聞こえ、匂いも敏感に感じ取れる。
「にゃ!凛馬、尻尾ちゃんと出てるにゃ?引っかからないように気をつけるにゃ!」
通学路を歩いていると、前方からアオ、コハク、ヒョウカ、ミナの4人が待っていた。
「あ!凛馬くん!おはよう!わあ、制服姿カッコいい!」
「ふふ、虹色の尻尾、制服から出てるわね。可愛い♫」
「…似合ってる」
「凛馬くん、おはようございます。今日から、本当の仲間ですね」
「にゃ!みんな揃ったにゃ!!じゃあ、学校行くにゃ!」
6人で並んで歩き出す。途中、すれ違う獣人たちが凛馬を見て驚く。
「あれ…?あの虹色の耳と尻尾…!」「もしかして…あの人間の子!?獣人になったの!?」
「ふふ、注目の的ね、凛馬くん」
「学校着いたら、もっと騒ぎになるよ!」
校門をくぐると、すでに多くの生徒たちが登校していた。
そして一斉に視線が集まる。
「え!?あれ、凛馬くん!?」「マジで!?獣人になってる!」「虹色の耳と尻尾・・!すごい…!」
あっという間に、凛馬の周りに生徒たちが集まってくる。
「にゃ!みんな落ち着くにゃ!凛馬が潰れちゃうにゃ!」
「…おい、距離を取れ」
その中でも、ミケだけが少しだけ不機嫌そうに耳を伏せていた。
教室に入ると、すでに多くのクラスメイトが席についていた。凛馬が入ってくると、一斉に視線が集まる。5人が無意識に凛馬の周りに集まる。
「にゃ!凛馬、頑張るにゃ!」
ミケが凛馬の背中を優しく押す。
「静かに。今日から、凛馬くんは正式に我がクラスの一員となった。そして、見ての通り…獣人になった」
教室がざわつく。
「マジで!?どうやって!?」「人間が獣人になれるなんて…!」
「詳しい経緯は後で説明する。まずは、凛馬くん自身から挨拶をしてもらおう」
担任が凛馬に教壇を譲る。凛馬が教室の前に立つと、虹色の尻尾が緊張で小刻みに揺れた。
凛馬が深呼吸をして、クラス全体を見渡す。
一瞬、誰も声を出さなかった。
そして、口を開く―
「改めて、紅葉凛馬です。元々は人間として、この世界に迷い込みました。でも、昨日…ミケ、アオ、ミナ、コハク、ヒョウカの5人と血の契約を結び、獣人になりました」
教室が静まり返る。みんなが凛馬の言葉に聞き入っている。
「正直、最初はこの世界に戸惑っていました。でも、みんなが優しくしてくれて…家族ができて、友達ができて…今では、この世界が大好きです」
―それが、怖いと思うくらいに。この居場所を、絶対に失いたくないと思った。
凛馬の虹色の耳がピンと立つ。
「これからは、獣人として、みんなと一緒に学校生活を送ります。まだまだ慣れないこともあるけど…よろしくお願いします!」
凛馬が深々とお辞儀をする。その瞬間―
教室が大きな拍手に包まれた。
その拍手の中で―
凛馬だけは、自分の心臓の音がやけに大きく聞こえていた。
「にゃああ!凛馬、すごくいい挨拶だったにゃ!」
ミケが涙を浮かべながら拍手する。
「僕も感動した!凛馬くん、最高だよ!」
「ふふ、堂々としてたわね」
「…よくやった」
「凛馬くん…素敵でした…」
「よし、では凛馬くん、席に着きなさい。今日から、正式な授業を受けてもらう」
凛馬の席の周りに、クラスメイトがわらわらと集まってくる。
「凛馬くん!耳触っていい!?」「尻尾も!尻尾ふわふわそう!」「虹色って珍しいよね!どんな感触?」
「にゃ!ちょっと待つにゃ!耳はダメにゃ。そこは…凛馬のだからにゃ」
「そうよ。急に触られると驚くんだから。みんなもそうでしょ?」
「ご、ごめん!じゃあ、優しく…」
生徒が恐る恐る凛馬の虹色の耳に手を伸ばし、優しく撫でる。
「わあ…ふわふわ…!」「僕も!僕も触りたい!」
次々とクラスメイトが凛馬の耳や尻尾を撫で始める。凛馬の耳がくすぐったそうにピクピク動く。
「みなさん、凛馬くんが疲れちゃいますから、ほどほどに…」
そんな中、廊下から見知らぬ女子生徒が顔を覗かせる。
「ねえねえ!噂の虹色の獣人って、ここのクラス!?」「マジで!?見たい見たい!」
「あらあら、他のクラスからも来ちゃったわね」
「にゃあ…凛馬が大人気にゃ…」
こうして、凛馬の初めての獣人としての学校生活は、賑やかにスタートした。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
獣人としての学校生活が始まりました!ここから少しずつ波紋が広がります、、、?