体育の授業で、五種族の力を持つ身体能力がついに公に証明される。
チャイムが鳴り、2時間目が始まる。
「さあ、席に着け。次は体育だ。凛馬くん、獣人になって初めての体育だな。楽しみにしてるぞ」
「にゃ!体育にゃ!凛馬の身体能力、みんなに見せつけるにゃ!」
体育館へ向かう途中、廊下ですれ違う他クラスの生徒たちが凛馬を見て囁き合う。
「あれが噂の虹色獣人...?」「すごい...本当に五種族の特徴を持ってのかな?」
「凛馬くん、学校中の有名人ね。明日には全校集会で紹介されるかもよ?」
「...校長が黙ってないだろうな」
体育着に着替えた凛馬。獣人用の体育着は尻尾を出せる仕様で、虹色の尻尾がふわりと揺れる。
「にゃ!凛馬、体育着も似合ってるにゃ!」
「よし、今日は短距離走と跳躍の記録を取る。凛馬、お前の能力を試す良い機会だ」
「凛馬くん!一緒に走ろう!」
「ふふ、私は記録係ね。凛馬くんの活躍、しっかり見てあげる」
こうして、凛馬の獣人としての体育の授業が始まった。
「よし、まずは50m走だ。凛馬、お前が先頭だ」
スタートラインに立つ凛馬。虹色の耳がピンと立ち、尻尾が緊張で揺れる。周囲のクラスメイトが注目する中―
「位置について...ヨーイ...ドン!」
凛馬の体が弾けるように飛び出す。猫族の俊敏性と豹族の野性が融合し、地面を蹴る速度が尋常ではない。風を切る音が体育館に響く。
「にゃああ!凛馬、速いにゃ!」
「す、すごい...!僕より全然速い...!」
凛馬がゴールに到着。タイムは―
「4.9秒!?これは...学校記録更新だぞ!」
体育館がどよめく。
「4.9秒って...プロ並みじゃん!」「やばい...凛馬くん、化け物だ...!」
「ふふ、さすが五種族の力ね。予想以上よ」
「...悪くない」
「次は走り幅跳びだ。凛馬、やってみろ」
凛馬が助走をつけ、踏み切り板を蹴る。兎族の跳躍力が爆発し、体が宙を舞う。
「す、すごい...!まるで飛んでるみたい...!」
凛馬が着地。砂場に深い跡が残る。
「10.5m...!?これも学校記録だ...!」
「にゃ!凛馬すごすぎにゃ!私の弟が一番にゃ!」
「凛馬くん、本当にすごいよ!僕、感動した!」
「最後は懸垂だ。熊族の力を見せてみろ」
凛馬が鉄棒にぶら下がり、体を引き上げる。
熊族の力が腕に宿り、スムーズに体が上がる。
「10回...20回...30回...」
「100回!?まだ続けるのか...!?」
凛馬が150回を超えたところで降りる。息も切れていない。
「ふふ、完璧ね。凛馬くん、学校のヒーローになっちゃうわよ?」
「...お前、調子に乗るなよ」
「にゃ!凛馬!無双してるにゃ!」
クラスメイトたちが拍手と歓声を送る。凛馬の獣人としての圧倒的な身体能力に、誰もが驚嘆していた。
「にゃ!凛馬はヒーローにゃ!私の自慢の弟にゃ!」
ミケが凛馬に抱きつき、虹色の耳を嬉しそうに撫でる。
「凛馬くん、本当にカッコいいよ!僕も頑張らなきゃ!」
「凛馬、お前の記録は全校に発表する。五種族の力を持つ獣人...学校史上初だからな」
その時、体育館の扉が開き、校長が姿を現した。
「凛馬くん、噂は聞いていたが...まさかここまでとはな」
白いたてがみを持つライオン族の校長が、凛馬をじっと見つめる。
「明日の全校集会で、君を正式に紹介する。『五種族の力を持つ、初の混血獣人』としてな」
「あら、やっぱり全校集会ね」
「...注目されるぞ、凛馬」
「凛馬くん、頑張ってください」
「では、体育を続けてくれ。凛馬くん、期待しているぞ」
校長が去った後、クラスメイトたちが再び凛馬を囲む。
「凛馬くん!サイン欲しい!」「僕も!僕も!」
「写真撮らせて!」
「にゃあ...凛馬が遠くなっちゃう気がするにゃ...」
5人は凛馬の耳や尻尾が動くたびに、心臓がざわつき、なんだか、胸が熱くなる気がした。凛馬の虹色の尻尾がミケの手を優しく撫でた。
「にゃ...凛馬...ありがとうにゃ...」
ミケは“英雄”となった凛馬を誇らしく思うも、少し寂しく感じるのだった。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
凛馬の力が、ついに公に認められました。次回、全校集会の前に放課後ちょっとしたハプニングがあるようです、、、