BEAST BLOOD   作:ruemtrnmdxxx

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ミケの告白から逃げ出した凛馬は、森の奥へ走り続ける。
誰も傷つけたくない想いが、彼自身を追い詰めていく。


33話 選びたくない

凛馬は誰もいない森の奥まで走り続けた。虹色の尻尾が激しく揺れ、虹色の耳が風を切る。

どれだけ走ったのか、自分でも分からなかった。

大きな木の根元に辿り着くと、凛馬はその場に崩れ落ちた。

「くそっ…くそっ…!!」

凛馬の心の中で、様々な感情が渦巻いていた。

会いたいなんて、思っちゃいけない。

そばに居たいなんて、願っちゃいけない。

守りたいなんて――そんな資格、俺にはない。

誰か一人を想うってことは、誰かを切り捨てるってことだ。

アオも、ミナも、コハクも、ヒョウカも、ミケも。みんな、同じくらい大切なのに。

それなのに、胸が勝手に名前を呼ぼうとする。

「やめろ……」

これは恋じゃない。そうであってほしい。ただの勘違いで、一時の感情で、なんでもないものなんだ――

そう思わなきゃ、ここにいられなくなる。

アオへの恋心。

ミケの告白。

ヒョウカとの秘密。

コハクの笑顔。

ミナの優しさ。

誰も傷つけたくない。誰も失いたくない。

だから――誰も選べない。

「……無理だ。俺には……無理なんだ……!」

凛馬が叫ぶ。その声は森に響き渡った。

 

ミケが震える手でスマホを取り出す。

『凛馬が…走って行っちゃった…私、告白しちゃった…ごめん…』

送信すると、既読が一気についた。

「…ミケから連絡が来た。凛馬が…」

「凛馬…どこ行っちゃったの…!?」

「え…ミケが告白…?ちょっと、どういうこと…!?」

「皆さん、落ち着いてください。まずは凛馬君を探しましょう」

「…くそ。私が…もっと早く何とかしてやれば…」

ヒョウカが唇を噛む。その表情には、後悔と決意が混ざっていた。

「僕…僕、凛馬を見つける..!絶対に…!!」

アオが涙を浮かべながら走り出す。その青緑色の尻尾が激しく揺れていた。

「…凛馬。あんた、一人で抱え込みすぎなのよ…」

コハクが唇を噛みしめる。

「凛馬君…どうか無事でいてください..」

ミナが祈るように呟く。

凛馬は木の根元で膝を抱えていた。虹色の耳が垂れ、虹色の尻尾が力なく地面に横たわっていた。

「…俺は…どうすればいいんだ…」

その時、凛馬の全方位索敵能力が、複数の気配を感知した。5人が、こちらに向かってきている。

「…見つかる…」

凛馬は再び走り出す。豹族の倍の速度で、木々の間を縫うように駆け抜けていく。全方位索敵能力が、5人の位置を正確に捉えていた。

「…アオが一番速い。次にヒョウカとコハク…ミナとミケは少し遅れてる…」

凛馬の頭が冷静に状況を分析する。

――こんな時だけ頭が回る自分が嫌だった。

だが、心は混乱していた。

「恥ずかしいだろ…こんな姿…見られたくない…!!」

虹色の尻尾が激しく揺れる。凛馬は更に森の奥へと走った。

「凛馬…!どこ…!?凛馬…!!」

アオが必死に叫びながら走る。その青緑色の尻尾が激しく揺れ、熊族の力強さで枝を押しのけていく。

「…くそ。速すぎる。凛馬の奴、本気で逃げてやがる…」

ヒョウカが豹族の俊敏性を活かして木々を駆け抜ける。

「ちょっと待ってよ凛馬…!話を聞かせてよ…!!」

コハクが進路を予測する。

「凛馬君…!お願い…止まって…!!」

ミナが跳躍して追う。

「凛馬…ごめん…私のせいで…!!」

ミケが涙を流しながら走る。

森の最深部。凛馬は古い洞窟の前に辿り着いた。

息が切れ、足が震えている。視界の端が暗くなっていく。呼吸が焼けるみたいに痛い。

「…ここまで来れば…さすがに…」

だが、全方位索敵能力が告げる。5人は、確実にこちらに近づいている。

「くそっ…もう…限界だ…」

凛馬の膝が崩れる。虹色の耳が力なく垂れ、虹色の尻尾が地面に倒れ込んだ。

「…もう…逃げられない…」

その時――

「凛馬…!!見つけた…!!」

アオが洞窟の前に飛び出してきた。その顔は涙で濡れ、息が荒い。

「凛馬…!!もう…逃げないで…!!!」

 




最後まで読んでくださりありがとうございます!
次回、皆が凛馬に追いついてしまいました。そこで凛馬が取った行動は…?
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