BEAST BLOOD   作:ruemtrnmdxxx

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皆が「友達」として前へ進もうとする中、アオの想いだけは消えずに残り続ける。距離を保とうとするほど、凛馬は気付かないフリを始めるのだった。


41話 気付かないフリ

6人は新しくできたカフェに到着した。店内は温かい照明と木の香りが漂い、落ち着いた雰囲気だった。

「わあ!ここ、すっごくおしゃれにゃ!」

ミケが目を輝かせる。

「ねえねえ、何頼む?私、パンケーキにしようかな〜」

コハクがメニューを覗き込む。

「……俺はコーヒーでいい」

ヒョウカが短く答える。

「私は紅茶をいただきます」

ミナが穏やかに注文を決める。

「僕はホットココア……凛馬は……何にする……?」

アオが恥ずかしそうに凛馬を見上げる。その琥珀色の瞳は、じっと凛馬を見つめていた。

凛馬は少しだけアオの視線に戸惑いを感じたが、すぐに笑顔で答えた。

「俺も……ホットココアにしようかな」

口にしてから、少しだけ引っかかった。

どうして同じものを選んだのか、自分でもよく分からなかった。まるで、無意識に合わせてしまったみたいだった。

けれど深く考える前に、凛馬は笑った。

「……えへへ……一緒だね……凛馬……」

アオが嬉しそうに頬を赤らめる。その青緑色の尻尾が、ぶんぶんと揺れ始めた。

「あ、じゃあ私もホットココアにしようかな!みんなで同じの飲むの、楽しいにゃ!」

ミケが明るく笑う。

「あらら〜、じゃあ私もホットココアにしようかな〜」

コハクがニヤニヤしながら言う。

「……お前ら、流されすぎだろ」

ヒョウカが呆れたように言うが、その口元には小さな笑みが浮かんでいた。

「ふふ、皆さん仲が良いですね」

ミナが優しく微笑む。

カフェで楽しげな会話が続く。その空気は、いつかのぎこちなさが嘘のようだった。

「そういえば凛馬!来月の学園祭、クラスで何やるか決まった?」

ミケがホットココアを飲みながら楽しそうに話しかける。その赤い猫耳がぴょこんと揺れた。

「あ〜、まだ決まってないけど、カフェ案出てるらしいよ〜?」

コハクがニヤニヤしながら言う。

「まあ、お前の接客なら客呼べそうだな」

ヒョウカが肩を竦める。その表情は穏やかだった。

「私は装飾のお手伝いをする予定です。皆さんをサポートしますね」

ミナが優しく微笑む。

「僕は……準備係に立候補したんだ。凛馬も……一緒にやってくれたら嬉しいな……」

アオの声は、どこか期待を隠しきれていなかった。その青緑色の尻尾がそわそわと揺れていた。

「じゃあ、一緒にやろうか」

凛馬はふと、さっきのホットココアのことを思い出す。

偶然だと思っていたはずなのに、胸の奥に小さな違和感が残っていた。

――もしかして。

そう考えかけて、すぐに思考を止めた。

気づいてしまえば、また今まで通りではいられない気がした。

「……本当……!?やった……!凛馬と一緒だ……!」

アオが顔を上げ、満面の笑みを浮かべる。その琥珀色の瞳がキラキラと輝いていた。

「よーし!じゃあみんなで頑張ろうにゃ!」

ミケが拳を突き上げる。

6人は学園祭の話で盛り上がり、笑い声が絶えなかった。まるで、あの混乱が嘘のように、6人の関係は自然で温かいものに戻っていた。

ただアオだけは、時折、凛馬を見つめる視線が少しだけ違っていた。

――気づかないふりを、いつまで続けられるだろう。

 

カフェを出た後、6人は帰路に近づいていた。

「あ〜、楽しかった!また来ようね〜」

コハクが伸びをする。

「うん!今度はみんなでご飯も食べに行きたいにゃ!」

ミケが嬉しそうに尻尾を揺らす。

「……まあ、悪くなかったな」

ヒョウカが頷く。

「では、今日はここで解散しましょうか。皆さん、気をつけて帰ってくださいね」

ミナが微笑む。

「あ……凛馬……少しだけ……話せる……?」

アオが恥ずかしそうに凛馬の袖を引っ張る。その青緑色の尻尾が緊張したように小さく揺れていた。

それが何を意味するのか、凛馬は考えないようにした。考えてしまえば、何かを選ばなければならなくなる気がしたからだ。

でも――

気づかないふりは、もう限界だった。もう、選ばないではいられない。

 




最後まで読んでくださりありがとうございます!
次回、もう隠しきれない想いが、ついに溢れ出します。
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