BEAST BLOOD   作:ruemtrnmdxxx

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恋人として迎えた初めての日常。
凛馬とアオの関係は仲間たちにも祝福され、六人の絆は新しい形へと変わっていく。
変わったのは関係だけ。けれどその空気は、確かに少しだけ優しくなっていた。


46話 ここから、始まる

昼休み。

学食はいつもより少しだけ賑やかだった。窓から差し込む光がテーブルを明るく照らし、昼のざわめきが心地よく広がっている。

「皆、昼ごはんさ、久しぶりに学食行きたいな……」

アオが少し遠慮がちに言う。

「お、いいね〜!じゃあ学食行こうよ!」

コハクが即座に立ち上がる。金色の尻尾が楽しそうに揺れた。

「賛成にゃ!お腹空いたし、みんなで食べたいにゃ!」

ミケも元気よく手を挙げる。

「……まあ、悪くない」

ヒョウカが小さく頷く。

「ふふ、それでは皆さんでご一緒しましょう」

ミナが穏やかに微笑んだ。

「じゃあ……行こう……!」

アオが嬉しそうに凛馬の袖を軽く引っ張る。六人は並んで学食へ向かった。

 

学食でそれぞれ料理を選び、テーブルを囲む。

「凛馬は何食べるの〜?」

「私はサンドイッチにゃ!」

「僕は……おにぎりと味噌汁……」

「……シンプルだな」

「健康的でいいですね」

笑い声が自然に重なる。

その時、凛馬がふとアオの味噌汁を見た。

「それ、美味そうだな」

何気なく言いながら、自然な動きで椀を手に取り、一口飲んだ。

「……ん、うま」

一瞬空気が静まり返った。そして、凛馬の思考が遅れて追いつく。

――これって……

一方でアオの頭の中は一瞬で真っ白になった。

――間接……キス!?!?

二人の動きが同時に止まる。ゆっくり顔を見合わせた。

「…………」

「…………」

次の瞬間――

「「……あっ」」

声が重なった。アオの顔が一気に真っ赤になり、凛馬も慌てて視線を逸らす。

「り、凛馬……それ……僕の……!」

「いや、違っ……いや違くないけど!」

完全に動揺する凛馬。

「あははは!今気づいたの!?遅すぎでしょそれ!」

コハクが机を叩いて笑う。

「間接キスにゃ〜!!昼から甘すぎにゃ!!」

ミケが尻尾を揺らして笑う。

「……お前ら、周り見ろ。ここ学食だぞ」

ヒョウカが呆れながらも口元を緩めた。

「ふふ……とても仲がよろしいですね」

ミナが静かに微笑む。

「も、もう……凛馬……!」

アオがあまりの恥ずかしさに顔を隠す。それでも尻尾は嬉しそうに揺れていた。

凛馬は頭をかきながら、小さく笑う。

「あぁ、いや、……なんかさ」

少し照れながら続ける。

「こういうの、自然にやっちゃうくらい一緒にいたいなって。」

アオがそっと顔を上げる。

「……うん」

「前なら……こんな普通の昼、想像できなかった気がして」

アオがゆっくり笑った。

「えへ……僕も……凛馬が嬉しそうだと嬉しい……」

その言葉に、凛馬も自然に笑った。

「うわ〜、完全にイチャイチャモードじゃん。昼休みこれなら放課後どうなるの〜?」

コハクがにやにやする。

「でも凛馬がこんな顔できるようになったの、いいことにゃ」

ミケが満足そうに頷く。

「……まあ、悪くないか」

ヒョウカが短く言う。

「凛馬君、アオさんを大切にしてくださいね」

ミナが静かに続けた。

「……うん」

凛馬は素直に頷いた。前なら、照れて誤魔化していた言葉だった。今は違った。

アオが小さく手を差し出す。

「……凛馬……おにぎりも……一口、食べる?」

「いいの?」

「う、うん……!」

また笑いが起きる。

「あ〜あ!もう完全にカップルにゃ!」

「青春だねぇ〜!」

賑やかな声が学食に溶けていく。

「僕……凛馬と出会えて……本当に幸せだよ……」

アオがそっと手を握る。

「私もにゃ。今はもう家族にゃ!」

ミケが肩を寄せる。

「これからもずっと一緒だからね!」

コハクが笑う。

「……親友として、支える」

ヒョウカが静かに言う。

「私たちは皆の味方です」

ミナが微笑んだ。

朝でも特別な日でもない、ただの昼休み。

けれど――それは確かに、守りたかった日常だった。

窓から差し込む光が六人を包む。

恋になった想いも。届かなかった想いも。全部を抱えたまま。

六人の物語は、ここで終わりではない。

――ここから、始まっていく。

 




第二章最後まで読んでくださりありがとうございました!
この幸せムードは、長くは続かないようです。第三章始まります!
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