BEAST BLOOD   作:ruemtrnmdxxx

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灰谷から、自分が「純血主義者」という組織に狙われていると知らされた凛馬。放課後、屋上に集まった仲間たちへその事実を打ち明ける。


49話 覚悟

「凛馬……!おかえり……大丈夫……?」

アオが心配そうに凛馬を見上げる。

「ああ、大丈夫」

凛馬は安心させるように、アオの頭を優しく撫でた。

「……何の話だったんだ?」

ヒョウカが小声で尋ねる。凛馬は少し周囲を見渡してから答えた。

「……後で、みんなに話す。放課後、屋上に来てくれないか?」

「……凛馬?何かあったのにゃ?」

ミケが不安そうに耳を伏せる。

「大丈夫。ちゃんと説明する」

「……わかった。放課後ね」

「私たちも一緒です」

五人が静かに頷いた。

凛馬は――自分の大切な人たちを守るため、覚悟を決めていた。

 

放課後。六人は屋上に集まっていた。夕日が校舎を赤く染め、風が静かに吹き抜ける。

凛馬は一度深呼吸し、灰谷から聞いた話をすべて伝えた。

「どうやら俺の存在が、『純血主義者』っていう組織に狙われてるらしい」

空気が静まり返る。

「……純血主義者……」

アオの表情が曇る。琥珀色の瞳に不安が浮かんだ。

「凛馬……それって……危ないってことにゃ……?」

ミケの猫耳が心配そうに下がる。

「俺一人の問題ならいい。でも……あいつらは手段を選ばないらしい。もう俺の周りも調べられてる可能性がある」

凛馬は少しだけ言葉を選んだ。

「……つまり、アオが恋人だってことも、もう知られてるかもしれない」

「……!」

アオの手がわずかに震える。

ヒョウカが腕を組み、冷静に口を開いた。

「……標的はお前だけじゃないってことか」

「ああ、そうかもしれない」

短く答える。

コハクが真剣な顔になる。

「じゃあさ、私たちも危ないってこと?」

「可能性はある……」

屋上に重い沈黙が落ちた。

その時――

アオがそっと凛馬の手を握った。

「……僕は……大丈夫だよ」

震えながらも、笑おうとする。

「凛馬が守ってくれるって……信じてるから……」

凛馬の胸が痛んだ。

「でも……無理だけはしないでね……?」

凛馬は小さく頷き、アオを軽く抱き寄せた。

「……ごめんな」

「謝らないで……」

そのやり取りを見て、ミケが一歩前に出た。

「凛馬、勘違いしちゃダメにゃ」

強い声だった。

「守るのは一人じゃないにゃ。私たちも一緒にやる」

「そうそう!親友でしょ?一人で背負うの禁止だからね!」

コハクが肩を叩く。

「……俺も同意見だ」

ヒョウカが静かに言う。

「お前一人に任せるつもりはない」

ミナも穏やかに微笑んだ。

「私たちは皆さんの味方です。どんな時でも」

アオが涙目になりながら皆を見る。

「……ありがとう……」

夕日が六人を包む。

笑い合う声。変わらない距離。守りたかった日常が、確かにここにあった。

「……ありがとう、みんな」

凛馬は静かに言った。

五人は当たり前のように笑った。

けれど――

凛馬はほんの少しだけ視線を伏せる。

(でも。)

胸の奥で、別の声が響く。

(絶対に……巻き込ませない。)

純血主義者。組織。迫り来る戦い。

全部、自分が背負えばいい。

この五人には、これまで通り笑っていてほしい。

危険なんて知らないまま、日常を過ごしていてほしい。

(俺が全部、止める。)

誰にも聞こえない誓いを、胸の奥で静かに結ぶ。夕焼けの光が、その決意を優しく隠した。

覚悟は――もう決まっていた。

 




最後まで読んでくださりありがとうございます!
日常は何も変わらないように続いていきます。けれど影はすでにすぐそこまで来ています。
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