「あら、来たわね〜。おはよう、凛馬くん首輪似合ってるわよ」
「わぁ!本当だ!可愛い!僕も触っていい?」
「・・おはよう。学校に人間連れて行くの、大丈夫なのか?」
「おはようございます。校長先生には私が事前に連絡しておいたから、大丈夫よ。特別許可が出たわ」
「さすがミナにゃ!じゃあ行くにゃ!凛馬、大学楽しみにゃ〜」
ミナは学年代表らしい。それ故に許可されたのだとしたら納得できる。
一行は大学へと向かう。校門をくぐると、生徒たちがざわざわと凛馬を見つめる。人間が大学に来るのは前代未聞の出来事だった。
凛馬に無数の視線が刺さる。同時に恥ずかしさが込み上げてくる。
「あんまり見られるのは好きじゃない、恥ずかしい…」
「にゃ・・・そっか、恥ずかしいにゃね。大丈夫にゃ、私が守ってあげるにゃ!」
ミケが凛馬の手をぎゅっと握り、リードを短く持って寄り添うように歩く。
「あらあら、恥ずかしがり屋さんね〜。でも、人間が大学に来るなんて歴史的瞬間よ?みんな興味津々なのは仕方ないわ」
コハクがクスクス笑いながら、凛馬の背中をポンポン叩く。
「僕が前を歩くよ!そしたら、凛馬くんあんまり見られないかも!」
アオが凛馬の前に立ち、盾になろうとする。
「・・・騒がしい。早く教室行くぞ」
ヒョウカが無表情のまま先を歩く。
「みんな、凛馬くんを怖がらせないで。ほら、教室に着いたわよ」
教室に入ると、クラスメイトたちが一斉に凛馬を見つめる。ざわざわと騒ぎ声が上がる。
「え!?人間!?」「マジで本物じゃん!」
「みんな静かにするにゃ!この子は凛馬って言って、私のペットにゃ!今日から一緒に授業受けるにゃ!」
担任の先生が教室に入ってくる。
担任「おはよう。噂は聞いている。人間を連
れてきたそうだな、紅葉」
「は、はいにゃ!校長先生から許可もらってるにゃ」
「分かっている。凛馬くん、よろしく。席は・・・紅葉の隣でいいだろう。ペットだからな」
凛馬はこの学校に違和感を持った。
「大学、なんだよな?この大学は学部ごとにクラス制があるのか?それに担任までいる…獣人世界の大学は高校の制度と一緒なの、か?」
こうして凛馬の学校生活が始まった。授業中、クラスメイトたちは何度も凛馬を見つめ、休み時間になると一斉に質問攻めにされる。皆が好奇心で溢れている中、
「正直、ちょっと怖いかも…」
人間を怖がる人も一定数いた。
「ちょ、ちょっと!みんな囲みすぎにゃ!凛馬
が困ってるにゃ!」
と言うが、やはり凛馬はそうでもない様子だ。
「ありがとうミケ。でも大丈夫。俺に聞きたいことあったらなんでも聞いてね。」
「にゃ・・・凛馬、優しいにゃ・・・」
ミケが少し恥ずかしそうに耳を下げる。その時クラスメイトたちが一斉に質問を投げかける。
「ふふ、人気者ね〜。ねえ凛馬くん、人間の世界って獣人がいないってホント?じゃあ、誰がペットになってるのかしら?」
コハクが意地悪そうに笑いながら質問する。
「あ!僕も聞きたい!人間って何が好きなの?遊びとか!」
「・・・うるさい。授業中だぞ」
ヒョウカが質問攻めを止める。流れるようにミナも止めに入る。
「そうよ、みんな。休み時間にゆっくり聞きましょう。凛馬くんも疲れちゃうわ」
担任が黒板に向かい、授業を始める。しかし、クラスメイトたちの視線は凛馬に釘付けのままだった。授業が進む中、ミケが小声で囁く。
「にゃ、凛馬。お昼ご飯は一緒に食べるにゃ?お弁当作ってきたにゃ」
休み時間になると、再びクラスメイトたちが凛馬を囲む。
「ねえねえ、人間って飼い主に懐くの?」
「触ってもいい?毛がないってどんな感じなのか気になる!」
「あらあら、みんな積極的ね〜。凛馬くん、モテモテじゃない♫」
女の子達に囲まれて、凛馬の恥ずかしさは頂点に達する。
「獣人でも女の子にまじまじと見られるのはやっぱり恥ずかしい…」
「にゃにゃ!?凛馬の顔、真っ赤にゃ!可愛いにゃ〜」
ミケが凛馬の頬をぷにぷにと触る。周囲の女子生徒たちがキャーキャーと騒ぐ。
「あらあら、照れちゃって。こんなに可愛い反応されたら、もっといじめたくなっちゃうわね~♫」
コハクが凛馬の肩に手を回し、耳元で囁く。
「ねえ、凛馬くん。女の子に囲まれるの嫌い?それとも・・・本当は嬉しいのかしら?ふふ…」
「あ、あの!僕、男の子みたいだから、凛馬くんの隣にいても恥ずかしくないよね!?」
アオが必死に凛馬の手を握る。
「キャー!人間の照れ顔超可愛い!」「私も触りたい!ねえ、ミケちゃん、ちょっとだけ貸して!」
「ダメにゃ!凛馬は私のペットにゃ!勝手に触っちゃダメ!」
ミケが凛馬を抱きしめ、他の女子たちから守る。
「・・・騒がしい。凛馬、そんなに照れてたら、この先生きていけないぞ。この世界、女性の方が多いからな」
「みんな、凛馬くんを困らせないで!ほら、次の授業始まるわよ!」
ミナが学級委員らしく、クラスメイトたちを席に戻す。
「……凛馬は、私のペットだから」
そう言ったミケの声は、少しだけ震えていた。
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