文明の栄華を偲ばせる遺構の数々。
天を衝く程の高層ビルが林立していた大都会は、かつて起きたとされる大破壊により、今やその殆どが瓦礫と砂で覆われていた。
緑の大部分が枯れ果て、何処も彼処も荒涼とした景色が続く大地には異形の生物が蔓延り、相喰らい合い、時に人に仇なしては恐れられる。
そんな過酷な世界に生き延びた人類とその末裔は、残された僅かな恩恵と共に小さなコミュニティに分かれ、細々とした日々を送っていた。
今は『旧時代』、『旧文明』と呼ばれるかつての世界がなぜ滅びたのか。
大破壊がどんな理由で引き起こされてしまったのか。
そしてそれがどれ程の惨劇をもたらしたのか。
最早誰にも知りえなかった。
だがそんな世界に生き残った人々の中に、ハンターと呼ばれる存在が生まれていた。
荒野を跋扈する異形──モンスター。
秩序を捨て荒野の更に奥を生きる賊──レイダー。
そして秩序に仇なした結果、その首に高額の金が懸けられた賞金首。
彼らと相対する存在を狩り、荒野に点在する文明の跡で「遺物」と呼ばれるかつての道具等を探す事を生業とした者。それがハンターだ。
そしてこの過酷な大地に必要不可欠な存在として、彼らの秩序を保つ為にハンターギルドという組織が作られてもいた。
当然そこには多くのハンターが所属しており、レオナもその中の一人である。
そんな彼女は今、拠点にしているターマという町の酒場で、昼間から安酒に満ちたグラスを呷っていた。
「遺物を持ってっていいって言うから期待してたのに……あ~あ」
『獲らぬ狸の皮算用』
「黙っててミラ。言われなくても分かってるから」
レオナが己の内から響く声に返事をしていく。それは攫われた少女を救出した、先の一件の事だった。
ハンターと民間人の斡旋をしているギルドを通した依頼ではなく、受けていた仕事の帰り際、たまたま通りがかった所を義侠心から手を差し伸べたのだ。
そんな経緯だっただけに報酬等はそもそも期待などしていなかった彼女だったが、それでもいざ礼を貰ってしまえば浮き足立つのが人情という物。
しかし町の商人に見せてみれば何とも言えぬ顔をされ、告げられたのは微々たる額だったというオチが付いたのである。
「こんな安酒に消える程度だなんてね……」
「さっきから一人でぶつぶつとうるせえな。文句あんなら飲むんじゃねえ」
酒場の店主である男が、眉を顰めてカウンターの中からジロリと睨んでいる。
だが、レオナはそれにそっけない様子で返していった。
「いいじゃない、事実なんだから」
「チッ」
「客に舌打ちしないでよ。こんな安酒だって飲んでると気分良くなってくるんだから嫌いじゃないし?」
その態度は店主にとって見れば腹立たしいものだったのだろう。これ以上言う事はないと顔を背けてしまった。
しかしレオナはまるで気にする様子もないまま、再び安物の合成酒へと手を伸ばしていく。
店内の喧噪を聞き流しては、ちびちびと酒を舐めて頬赤らめていく美女。
そろそろもう一杯といった頃合で、一人の男が近寄ってきた。
「姉ちゃん、隣失礼するぜ」
大柄な男がレオナのすぐ横に腰掛けた。
体を覆う服には至る所に継ぎ接ぎの跡があり、それは服だけではなく体にも残っている。
この荒廃した大地を生き抜いてきた者だと一目で見てとれた。
「席は取ってないからお好きにどーぞ」
「で、いくらだ?」
「……話が見えないんだけど?」
切り出された言葉にレオナが首をかしげるが、それに対し男も怪訝そうにしていた。
「客探してんだろ?」
「もしかして何か勘違いしてない? アタシは娼婦じゃないんだけど」
「そんな格好してか? お高く止まってんじゃねえよ」
「そんな格好……かなぁ?」
レオナが何とも言えぬ顔で自分の身体を見下ろしていく。
彼女が纏うのは特殊合皮の薄いボディスーツだ。青色のスーツは隙間なく彼女の身体を包んでおり、そのしなやかで豊満な体をこれでもかと強調している。
しかし娼婦が着ている様なドレスではなく、スーツの上に軍用かそれを模した戦闘用のタクティカルポーチやホルスターを装備しており、確かにハンターの装いになっていた。
だが、やはりそのシルエットのせいか、彼女の姿はどこか煽情的に映るのだろう。
椅子に座るレオナの尻や体にぶらさがる胸は、服の上からとはいえあからさまにその形を想像できる物であった。
それを男は珍しい娼婦と勘違いしてしまったのだろうか。
あるいは、一夜の男を探す女ハンターとでも思ったのだろうか。
いずれにせよ、男はレオナの返答に苛立ちを隠さなかった。
『推奨、着替え』
「うっさい」
「あぁ?」
「なんでもない、こっちの話」
レオナは自身に聞こえてきた声に返事をしたのだが、男がそれを知る術は無い。
それを侮辱されたと勘違いしたのか、男の腕がレオナに伸びていった。
「下手に出てりゃ生意気な口を利きやがって」
力ずくでレオナを掴もうとする男。
その腕が彼女の身体を掴むよりも早く、彼女の手が逆に男の腕を捻り上げていった。
「よっ、と」
「いでで! 何しやがる!」
「こっちの台詞だってば、無理やりってよくないよ?」
その細い腕にどれほどの力があると言うのか、男の抵抗を物ともしないレオナ。
確かに彼女の身体はしなやかに鍛えられた物であったが、それでも男の太い筋肉の腕と比べれば技や術理でどうとでもなる差ではなかった。
ましてや関節を極めているわけでも無く、ただ伸ばされた腕を捻っているだけなのだ。
しかし、それでも男は腕を動かす事もすら出来ず、ただ痛みに耐えるしかなかった。
「分かった、分かったよ。放してくれ!」
「はいはい。次からはちゃんと相手見て声掛けてね」
『提言、トラブルの元。対象の排除を推奨します』
「やらないっての、こんな程度で」
解放され荒く息を吐く男は、レオナの力の強さとよく分からない独り言を不気味そうに見て、足早に去っていった。
その背中を見送りながら、レオナは溜め息混じりに呟く。
「これ着替えた方がいいのかなぁ……店長はどう思う?」
「知るか。何で俺がお前の服に意見してやらなきゃなんねえんだ」
「それもそうか」
身も蓋も無かったが、ただの客と店の関係でそれ以外にある訳ないかと納得し、もう一度溜め息を吐くレオナ。
溜め息と共に感情を吐き出しては、また酒を舐めていく。
すると、その背後からスッと手が伸ばされると、豊かな胸が無骨な手に鷲掴まれ、驚いたレオナの口から琥珀と共に艶のある悲鳴が上がっていった。
「きゃあっ!? ちょ、ちょっと何!?」
「いいねいいね、相変わらずいい乳してんじゃねえか」
「人の胸に挨拶してんじゃないクソ親父。セクハラすんなって言ってるでしょ」
手の主である中年の大柄な男に対し、レオナは嫌悪を乗せながら罵倒と鋭い眼光を向けてその手を振り払っていった。
そんな彼女へ下品な笑みを浮かべながらも、男は言葉を返していく。
「ハハハ! ついだよつい。ほれっ、これでも食って我慢しろって」
「何がついだっての。この前もそんな事言ってやってきたでしょ、この変態」
謝罪のつもりか、男が酒の肴にしていたのだろうナッツの類いを差し出してくる。
しかしレオナも不快さが先立ったのか、それを受けとろうとはしなかった。
機嫌を斜めにした彼女を後目に、男もカウンターに座っては再び杯を傾けていく。
彼女の胸を鷲掴みにした大男の名前はブラッド。この男もレオナと同じくハンターだ。
40歳程と見られ、ハンター歴も長く、それに相応した経験の豊富さからターマの町においてもかなりの腕利きとして名を馳せていた。
親友や男女の仲という程ではなかったが、レオナとの付き合いはそれなりにある男でもあった。
「ったく、もうちっと触らせやがれ」
「お断り。自分の歳を考えてよ」
「こんな歳だからこそ、ご褒美をだな」
「いい歳して一回り以上も下の女にちょっかい出してくんな、馬鹿」
「あん? お前、自分の歳も分からねえんじゃなかったのか?」
「あ~……でも見た目で分かるでしょ。このアラフォー親父が」
「なんだそりゃ? だがなんか言われてるのは分かるぞ、このデカケツ女」
「なによ」
「なんだよ」
二人のやりとりは、何度となく繰り返されたという雰囲気を醸し出していた。
お互い何の遠慮もへったくれもなく憎まれ口を叩いているのはその証左だろう。
周りの客はと言うと、いつものかと言わんばかりに全く気に留めてなどはいなかった。
目の前で聞かされている店主にとっては良い迷惑だったのだろうが。
『何か用件があるのでは? 同様のパターンで協力を仰がれた事例が四件』
「……あー、そうだったかも」
そんな事もあったなぁ、とレオナが思い起こしていく。
『提案。早期の対話』
「はいはい。……まったく、それで何?」
「あん? 何がだ?」
「だから、用事でもあったんじゃないの? 大体何か言ってきてたじゃない、人の胸触ってくる時はさ」
ちびちびと酒を舐めながら、呆れた様子でレオナが促していく。
「いいや? 別にねえぞ?」
「は?」
「相変わらずくそでけえ乳してたからな、つい揉みたくなっただけさ。たまにゃいいだろ?」
「……死ね! このエロ親父!」
「わはははは!」
あっけからんと告白する男にレオナがグラスを投げつける。
だが、ひょいと躱されてしまい、古ガラスの割れる音を虚しく奏でただけに終わっていた。
それで二人のやりとりも一段落したのか、レオナは憤懣やるかたないとばかりに顔を背けていく。
ブラッドの方もそれ以上突けば藪蛇と感じたのだろう。
店主からの迷惑そうな視線を受けながらも、大人しく酒を楽しむだけになっていった。
「あーもう! 店長、お勘定!」
「ん? もういいのか?」
「こんなクソ親父がいない場所に行くに決まってるでしょ! お釣りはいらないから取っといて」
「おいおい、つれねえな」
「あんたは黙ってて」
店に居座れば、それだけこの男と会話してしまわなければならない。
無視をしたところで余計なちょっかいを出され続けるのだろう。
レオナは経験からよく学んでいた。
不満をぶつける様に代金をカウンターに放ると、すぐさまその場から去ろうと立ち上がる。
だがしかし、その足はすぐに止まる事となった。
「足りねえよ馬鹿」
「あいたっ」
金の頭を、店主が手にした空き瓶で小突いていく。
まるで子供が悪戯をしたのを叱る様なそれ。
レオナの口が文句をつこうとしたが、店主からの視線を受けて思わずたたらを踏んでいた。
それでも理由を聞かずには居られなかったのか、彼女は頭を擦りながら聞き返していく。
「いったいなぁ、何するの」
「これじゃ足りねえつってんだよ」
店主がそうはっきりと断言してきた。
「いや、飲んだ分は置いてるんだから足りてるでしょ? 一杯200クレジット、いつも変わらぬお手心価格。味もだけど」
「割ったグラスの分が足りない」
「……へ?」
「お前忘れた訳じゃないだろうな? 割れば弁償しろって何度も何度も何度も言わせやがって。十や二十じゃききゃしねえだろ。とっとと金置いて出てけ」
店主が呆れ半分に告げてきたそれに、レオナはぽかんと口と目を丸くした。
だが、抗弁しようにも割ったのは自分なのだからと諦めがついたのか、不承不承といったていで不足分を支払うと、そのまま足早に店を後にする。
立ち去る背中に、野太い声の笑いだけが届いていた。
◇◇◇
「ったくもう! あいつのせいで無駄に出費しちゃったじゃん!」
『疑問。グラスを投げなければ問題なかったのでは?』
「じゃあなに? グラスで殴りつければよかったの?」
『それでも割れていたものと推測しますが』
「当てるつもりなんだから割れるに決まってんじゃない」
酒場からの帰り道、店から離れたところで悪態をつくレオナ。
憤慨に堪えないという有様で、酔いが回り始めた時の上機嫌っぷりはどこにもなかった。
「今からでも戻って文句の一つでも……はぁ、どうせ無駄か」
『肯定。忘れるのが吉』
「はいはい。明日にしようと思ってたけど、報告行ってくるかな」
しかし、すぐに諦めも付いたらしい。
深々と息を吐き出し気持ちを切り替えると、レオナは通りに向かった。
そのまま辺りを見回しては何か面白い事でもないかと冷やかしつつ歩いていくと、やがて一軒の建物に辿り着いた。
そこはハンターギルドと呼ばれる施設で、文字通りにハンターたちが集まる場所。
そして彼らにモンスター討伐や遺物探しを始めとした、様々な仕事の仲介を行っている場所でもあった。
当然ながら、レオナもこの場所の常連の一人である。
「はーい、こんにちは」
「こんにちはレオナさん。今回はまた早かったですね」
「配達に行っただけだからね。まあ、帰りにちょっと色々あったけど」
中へ入ると、気楽な態度でカウンターにいる受付嬢と言葉を交わしていくレオナ。
「はいこれ、受け取りのサイン。後はよろしく」
「今確認しますね。少し待っててください」
差し出された物を受け取った受付嬢が、それに軽く目を通していく。
『全て電子で済ませられれば効率がいいのですが』
「無理言わないの」
レオナがぼそぼそと誰かに向けて喋るのはいつもの事の様で、受付嬢の方も特に気にする素振りもない。
「はい結構です。報酬はどうします? 端末に振り込みますか? それとも現金で?」
「振り込みで」
「分かりました。それじゃあ少しお待ち下さい」
受付嬢が手元にある端末を操作し始める。
それを待つ間に、レオナもポーチの中から小型の情報端末を取り出していった。
端末はこの荒野では広く使われている物で、ハンターやギルドだけではなく、商人から町を守る軍人気取りの自警団まで、全ての人間にとまではいかないものの幅広く普及している道具だ。
かつての名残であるネットワークの断片を使い、主にこうして金銭のやり取りの為に使用されていた。
旧文明の物と比べてしまえばジャンクという言葉にふさわしい代物だったが、それでもこの荒野では便利な道具として扱われている。
元になった遺物を再現出来ていれば当然それだけでは無かったのだろうが、これが今の人類の限界だった。
『入金を確認。差異はありません』
「覗き見しないの。それと勝手にアタシの手からアクセスもしない」
『サポートの為、貴女の体には私へ一部権限が委ねられています』
「そういう事じゃないっての」
程なくして手続きは終わったのか、受付嬢はレオナへと顔を戻していく。
「お待たせしました。入金が完了しましたので確認をお願いします」
「了解っと……オッケー、確かに」
レオナが自身の端末を操作すると、口座に報酬が入った旨のログが出ていた。
「そうだ、アタシに何か連絡来てる?」
「いえ、特には」
「そっか。何か来たらよろしくー」
「はい、お疲れさまでした」
受付嬢に手をひらつかせた後は、その足取りも軽やかにギルドから歩き出していく。
依頼の報告後にさっさと引き上げようとするのは、レオナの常だった。
◇◇◇
ギルドを出た後、借りている宿に戻るとレオナはすぐに横になっていく。
安物の合成酒は気分を高揚させるものの、後に残る味と酔いが翌日に残る事を彼女は舌と頭でよく学んでいた。
勿論、この合成酒は本来の意味での合成酒ではない。
文明崩壊後、酒にしろその他の飲料にしろ、かつての製造や栽培技術はその殆どが失われていた。
今では僅かに残っている保存された現物を探し出すしかないのが実情だ。
それでは当然、需要の全てに足りはしない。
そんな人々の舌を慰めるために生まれたのが、この合成酒だった。
恐らく工業用ではないアルコールに、荒野でも育つ旧文明の頃とは別種になった穀物や果物を加えて、出来るだけかつての酒に似せようと苦心された代物。
飲めればいいと言うような酒でしか無かったが、今の時代にあってはこれでもマシな方と言えた。
少しでも酔いと疲れを残さない様に体を休めていくレオナ。
そんな彼女の耳に聞き慣れた声が入ってくる。
『よろしいですか?』
「どしたのミラ?」
『提案、ハンターギルドへの顔出し』
「また? さっき行ってきたばっかりじゃん」
『今月の依頼達成数は一件。財政及び貴女の評判への懸念があります』
「あ~……面倒だからパス。また明日ね。別にSランクなんとかを目指してる訳じゃないんだし、休みなしで働いてもいい事ないよ」
レオナが脳裏にある何かを思い起こしながら、じっと目を閉じている。
しかし、それはミラと呼ばれた声の主には知る由もなかった。
薄暗い部屋の中、差し込む光が埃に反射してかすかに瞬くと、ふいに彼女が口を開いた。
「そうだ、あんた最近着替えろってうるさくない? 前は着替えようとしたら、非推奨非推奨ってしつこかったのにさぁ」
レオナが目線だけで自身の身体を検めていく。
青いスーツは生地の薄さもあってか、彼女の胸の形や尻の丸みをあからさまにしている。
男をあからさまに挑発しているような格好だ。
そもそも何でこんな格好をしなきゃならなかったのか。
レオナの顔にそんな不満が浮かんでいった。
しかし、そんな彼女を抑揚のない声が切り捨てていく。
『否定。現状バリアスーツより安全な装備は確認できていません。当時の貴女の生命を守るには何時如何なる時も脱ぐ事は推奨できませんでした。ですが現在であれば、町の中、非戦闘時に限り、着替えても問題ないかと思われます』
「……我慢して着続けたらこれだよもう。これ以上に便利なのが無いのは分かるけどさ」
バリアスーツと呼ばれた物の生地を摘まんでは、同じ様に口を尖らせていくレオナ。
『疑問。何故そこまで嫌がるのですか?』
「こんなピチピチのスーツ喜んで着るのなんて居な……居ても特殊な趣味がある人くらいだって」
『否定。戦闘用のインナーとしては当時の最先端の筈です。多くの兵士がこれに類するスーツを装備していました』
「アタシはそんなの知りません~」
『私も貴女の時代の世情や風俗の事はデータ以上の物はありません』
「うっわ、腹立つ」
端から見れば、歯抜けのやり取りをしているレオナ。
だがその中身と言えば、随分と慣れた様子の軽口と皮肉の応酬だった。
そして、やり取りの中で出てきた時代や当時と言った言葉。
まるで彼女たちが、今とは異なる時を生きていたと言っているかの様でもある。
言葉遊びに飽きたのか、レオナが欠伸をしながら切りあげると、再びベッドに身を預けていく。
「ほんと、どうしてこうなっちゃったかなぁ……」
目を閉じたその顔には、諦念か後悔の様な物が浮かんでいる。
だが、それを知る者は彼女以外に誰一人としていない。
レオナの意識が次第に自身の深層へと入っていく。
過去に浸る様に、記憶を確かめる様に、静かな寝息を立てて眠りに落ちていった。