≠ハサウェイ   作:なべを

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10.対話

騒動の後、アムロさんとクェスと一緒に、ラー・カイラムへ戻った。

アムロさんは苛立ちが見えるし、クェスは考え事をしているのか話さないしちょっと重たい空気だった。

 

艦についたら着いたらアムロさんは父さんのところに向かって、俺とクェスが部屋に取り残された。

沈黙を破ったのはクェスからだった。

 

「ハサウェイさ…?言ったよね。みんなが縛られてるって」

「うん」

「それ、私ずっと考えてたんだよね。なんで理解んないんだろうって、理解ってくれないんだろうって」

 

無重力の中、膝を抱えながら言葉を続ける。

 

「だからさ、ハサウェイが言った時に気づいたんだよね。私も縛られてたんだって…。『言葉は人類の叡智』だっけ?あれ本当だよね。なんにも言葉にしてなかったって気づいたんだ」

「お父さんの事?」

「うん…。私がもっと言葉にしてたら何か変わってたのかな…?」

「難しいよね…。伝えてるつもりでも理解ってもらえなくてさ。『ニュータイプ』なら違うかなと思ったけどあの2人を見たらそうとも思えないし」

「…」

「本当に大事なこと、大切なことって言葉にしないと伝わらないと思うんだ。良い感情でも悪い感情でも。でもクェスは気付いたでしょ?」

 

うずくまって彷徨っていた目がこちらに向く。

 

「気付いたなら大丈夫だよ。これから言葉にしていけばいいんだから。少なくとも俺はその言葉を聞くよ」

「ありがとう。ハサウェイ…」

 

沈黙に戻るが先ほどとは違い、その空気は少し温かいものだった。

 

 

…クェスはもう大丈夫かな。一旦答えを得たようだし。

さて、次の対話を始めようとしますか。まぁ、怒られると思うけど。

 

 

「お前は何を言っているのか理解っているのか!」

 

艦長室に父さんの怒声が広がる。

まぁ、自分の息子が戦場に出たいです!なんて言ったら普通怒るよね。

 

「シミュレータでいい成績が出たから調子に乗っているのか?戦争はお前が考えてるようなゲームの話とは違うんだぞ!」

「理解ってるよ」

「理解っていない!」

 

ドンッ!と机を叩いて否定する。

 

「ゲームと一緒にしているわけじゃないよ。ただ、この戦争には参加しないといけない気がするんだ。ラー・カイラムだって戦力があるには越したことは無いでしょ?」

「…それはそうだが。…何か感じているのか?」

「うん。感じるというかこの先の最前線に居ないといけない焦燥感みたいなのがある」

「だからといって…!」

 

そこで、アムロさんが口を挟む。

 

「ブライト、ハサウェイの言う通りこれからのことを考えると戦力はあったほうがいい」

「だが、子供だぞ」

「俺も似たような年齢で戦場に出たんだ。なんとかなると思うし、ハサウェイが戦場にいたほうがいいと俺も感じている」

「…」

「せっかく『あれ』を持ってこれたんだから、ここは賭けてみようじゃないか。面倒は俺が見るからさ」

「…わかった。アムロが責任を持って面倒を見ろよ。ハサウェイもアムロから離れるな」

「ありがとう!父さん!」

「それじゃ、ハサウェイ。格納庫まで来てくれるか」

 

まだ納得していない顔の父さんを後ろにアムロさんに付いて、格納庫に向かう。

そこにはνガンダムが2機並んでいた。

 

「νガンダムが2機?」

「一方は量産型の試作機さ。そっちをお前に任せたい」

 

それは、ところどころフレームが露出したいかにも試作機とわかる状態だった。

「これに俺が…」

 

主人公と「ガンダム」が出会った初めての瞬間だった。




主人公が試作機に乗るシチュエーション大好きです。
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