≠ハサウェイ   作:なべを

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15.包容と覚悟

外から整備員の声が聞こえるが、コックピットから動けなかった。

膝を抱えながらうずくまったままだった。

 

『ハサウェイ!ハサウェイ!』

 

クェスがコックピットを叩いて俺を呼んでいる。

扉を開けると、こちらに縋ろうとしていたクェスが膝を抱えた自分を見みると、優しく俺を抱きしめてくれた。

バイザー越しに心配する声が聞こえる。

 

「ハサウェイ、大丈夫?つらそう…」

「ケーラさんが死んだんだ…俺ならなんとか出来るはずだったのに…」

「うん…」

 

俺は子供のように涙ながらにそれまでのことを話した。

クェスは俺の独白とも愚痴とも取れる言葉を聞いてくれる。

 

「ハサウェイはよくやってるよ…」

背中をさすりながら優しく言葉を掛けてくれる。

戦場に出て宇宙の広さに、コックピットの狭さに孤独感を感じていたのか、クェスのその優しさがとても心に染みた。

更に涙が止まらなかった。

 

まるで世界の中心にいるように、なんでも出来る気がしてた。

なんて子供だったのだろう。

なんて傲慢だったのだろう。

現実が俺の思い通りにいかないことなんて「元の世界」でちゃんと理解ってたはずなのに。

 

…「現実」をちゃんと見よう。

「史実」とかそんなの関係無くここが俺の「現実」なのだ。

ここで生きていかなければならないのだ。

「ハサウェイ・ノア」という仮面を外し、きちんと「俺」が生きていくのだ。

それを忘れるな。忘れたらまた俺の周りの誰かが居なくなってしまうのだ。

それは容認出来ない。認められない。

「今」こそが覚悟する時で、独り立ちする時なのだ。

 

「…ありがとう。クェス。俺、頑張るよ。なんとかするよ」

「…ハサウェイ‥」

「怖いけど、辛くなるかもしれないけど頑張るよ。だから、見てて」

「うん…わかった…」

そのまま、ブリーフィングが始まるまで、スーツ越しで感じ取れるわけ無いがクェスの暖かさに身を任せていた。

 

 

ブリーフィングが始まりアムロさんが、アクシズの断面図を元に作戦を説明している。

 

まずは、核ミサイルによる艦砲射撃でアクシズの破壊を目指す。

それが駄目なら、内部に入り坑道にそって爆破させ分断する。

作戦の方向は決まった。最後に父さんが締めくくる。

 

「すまんが、皆の命をくれ」

 

全員が立ち上がり、敬礼を返す。

俺も立ち上がり、慣れない敬礼を返す。

 

父さんと目が合った。

悲しみが一瞬見て取れたが、俺は強い意志を持ってそれを返し父さんは軽く頷いてくれた。

 

覚悟は決まった。後は実行するだけだ。

見せてやるよ。本当の「救世主」ってやつを。

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