軍での在籍はおよそ3年ほどだった。
結果として、自分は「ニュータイプ」とは判定されず、強化人間ほどだ、というもの。
晴れて軍属から離れることが出来たのだが、父さんにかなり辛い条件を飲ませたようで、頭が上がらなくなった。
その後、軍から離れたい気持ちもあったので、「史実」通り、植物観察官を目指すことに。
意外にもクェスが一緒に目指したいと言ったので、2人で地球に降りたり、宇宙に上がったりと平和的で優しい時間が流れていった。
そんな時、マンサン教授からクワック・サルヴァーと名乗る人物を紹介された。
精悍なその人から、マフティーという組織を教えられ、名前の由来は俺の昔のゲームネームだとも教えてくれた。
彼は、現状の連邦政府によるマンハンターの虐殺、特権階級の腐敗など地球の現状を教えてくれ、そして、きっぱりと、こうも言った。
「君にも活動に参加してほしい」
と。
その話はクェスと一緒に聞いていたのだが、意外と大人しく聞いていた。
その後、地球の海辺で二人歩きながら、先程の提案について話をすることになった。
「どうするの?ハサウェイ」
「…個人的には参加したいと思ってる」
「…それは、シャアやアムロに憧れているから?」
彼女のその質問は実際に2人を見たからだろう。
あの2人は確かに英雄的な雰囲気とそれに伴う実行力を持っていた。
「少しはあるけど、ちょっと違うかな。最後に見たあの『光』、強さと同時に優しかった。それが皆に伝わってないのが残念なんだよ」
「…うん、そうだね」
「だからといって、シャアのように戦争を仕掛けるのはやりすぎる。でも、行動しないと何も変わらない、ジレンマだね」
クェスが隣で俺の二の腕を触りながら問いかける。
「それでも、やろうとするんだね」
「うん、誰からも忘れられるかもしれないけど。戦わない俺は俺を好きになれない気がするから」
「そっか…、ハサウェイがそういうなら私も戦おうかな?」
「クェスが無理することはないよ」
「だって、私が居ないとハサウェイは何にもできないでしょ?」
そう言って、まっすぐにこちらを見て笑みを返してくれる。
…ここ数年でクェスは人間的にとても強くなった気がする。
これじゃまるで、自分が子供のように思えてちょっと恥ずかしくなった。
「じゃ、これからもよろしく」
「うん、よろしくね!」
そうして、二人で握手を交わす。
これからあるであろう困難を超えていこう、という誓いだった。
それを破るつもりは無い。
U.C 100。
ユニバーサル・センチュリーが一世紀経った時、電波ジャックに乗ってそれは布告された。
「皆様、はじめまして。私は「マフティー・ナビーユ・エリン」と申します」