ハイジャックされた際に機体に損傷を負ったようで、急遽ダバオへ降りる事になった。
到着後、脱出スライドを使って乗客達が降りていく。
そんな中、ハイジャック犯を一緒に見守っているシオンに言われる。
「お前、やり過ぎ」
「いや、体が勝手に動いたんだよ」
「だからといって、一人で解決とか。…彼女のせいなのか?」
そうしたとき、タイミングが合ったのか、その少女がちょうど降りるところだった。
こちらを一瞥してから、降りていった。それを見た後で告げる。
「それは…解らないな…。感じ方がクェスとも違うし」
「ニュータイプとは違うってことか」
「クェスは受け取る力が強いけど、彼女は動かす力が強いのかもしれない」
乗客を案内していたケネスが、こちらに近づいてくる。
「どうやらこいつらは、オエンベリに集まったマフティーの私設軍隊のようです」
「オエンベリか。最近きな臭いところだな」
そう話しているとダバオにいる軍人さん達が入ってきて、シオンたちに指示を伺っている。
「俺は行っても?」
「ああ、調書を取るからロビーにいてくれ」
そういって、スライドを使って空港に降りていく。
重力と湿気をはらんだ風を身に受けて、地球に降りてきたという実感が湧いてきた。
ロビーに着くと、乗客たちから英雄的な扱いをされてしまった。
もみくちゃにされた後、空港が一望できる窓際に向かう。
頼んでおいたジンジャーエールを飲みながら、ダバオ空港の全容を確認していく。
「思い出しましたぞ。ハサウェイ・ノア君」
そう、ハンドリー・ヨクサン長官に声をかけられる。
調書を取らせて欲しいという事と、明日までダバオに居てほしいということだったので、それに了解した。
再び、外を見ていると視線を感じ、振り返る。と、あの少女がこちらを見ていた。
相席を促されたので、隣の席に座る。
「改めて、初めまして。ギギ・アンダルシアと申します」
「ハサウェイ・ノアだ。よろしく。…さっきはなんで、マフティーの連中じゃないって見抜けたんだ?」
「人は体に現れますもの…。『マフティー・ナビーユ・エリン』、正当なる預言者の王、それはあなた、どう?」
身を乗り出して聞いてくる。
「どうして?」
「人は自分の事になると馬鹿になるって本当ね。あの身のこなしを見てそう思わない人は少なくないでしょう?」
「ははっ、それは面白いね」
「その笑い方好きじゃないな…」
『この子は嘘が解るのか…』
やはりクェスとは違うが、感じとる力も相当なんだろうな。
「…言葉で人を殺せるということは覚えていたほうが良いね」
「それ最近解るようになった…」
そして、会話がなくなった頃にギギが調書に呼ばれていった。
その後、自分も呼ばれて一連の事を確認された。嘘をつく必要もないので状況を説明していく。
「結構です。今日のところはこれで」
そうすると、もう一人がホテルのカードを渡してくる。
ダバオにいる限りは無期限だそうだ。そりゃ凄いが連邦政府の影響が強いことも明らかだった。
そうして、指定されたホテルに向かおうとすると、空港の入口でギギがピンクのリムジンの前で待っていた。
「ホテルが一緒だから一緒に行きましょ?」
「ああ…」
こうして、危険な少女と一緒にホテルへと向かった。