タサダイ・ホテルに到着すると、スウィート・ルームへ通された。
部屋からの眺めは抜群によく、海がよく見えた。
先程までいた空港は端の方に見えている。
その光景に見惚れていたら、
「ハサウェイの荷物もこの部屋でいいわ」
「ギギ!」
「こんな広い部屋に1人なんて嫌だもの。あっちの部屋を使ってね」
困り顔のボーイと顔を見合わせて、頷く。
ボーイは言われた部屋に荷物を置いて去って行った。
飲み物を飲みながら、プールサイドで体を休める。
少女は、プールに足をつけながらこちらへ問い正してくる。
「マフティーのやり方、正しくないよ…」
「他のやり方があるなら、教えて欲しいよ」
「あるよ。絶対に間違わない独裁政権の樹立」
「それができる人間がいるとすれば、それは神様だよ。ニュータイプとも言える」
少女はこちらに近づき、顔を寄せてくる。
「なら、あなたが神になれば良い」
「僕はニュータイプではないよ。ニュータイプはいないって学校で教わっただろう?」
「しつこいぐらいに」
「なら、そう言うことさ」
席を立ち上がり、
「外出するよ。少し地球に慣れておきたいからね」
「どうぞ、私もゆっくりするわ」
エレベータの中で回想する。
『ギギ・アンダルシア。感が良い所はあるし、考え方も大人だ。だが、妙な幼さもある。あの時のクェスと同じだな』
そうして、エレベーターは階下までおり、目的地へ向けて歩き出した。
ダバオ植物館。
「追っ手はないね?」
「はい。何度も確認しました」
そこで、同士とオエンベリの話を確認する。やはり、史実通り私設軍隊が集まっているようだ。
キンバレーの軍がすでに動いているとなると、まだ新司令との連携はできていないみたいだな。シオンは大変そうだ。
その後、細かい情報を確認して、植物館を離れる。
途中、マンハンターの摘発に遭遇したが、うまく回避してホテルまで辿り着く。
部屋に戻ると、ギギの姿は見えなかった。
日が暮れた部屋で食事をとっていると、ケネスが入ってきた。
「おいおい、英雄さんは1人寂しく食事かい?」
「あまり堅苦しいのは苦手なんだ。
そっちは?」
問いただすと、ケネスは顎をドアの外にしゃくった。
なるほど、手が早いな。
「あの『ハサウェイ・ノア』がどんな人物かと思っていたが、こんなに若く質素な生活をしているとは思わなかったよ」
「有名になりすぎたから、逆に質素になったんだよ」
「有名になるのも大変なんだな」
そう言って、ギギを伴って部屋を出ていった。
そうして、1人部屋に残された俺はつぶやく。
「シャアのようにしなければ世界は壊せないか?違うだろ、壊すんじゃなくて創ることも考えないと」
そうして、微睡の中に沈んでいく。
熱い衝動を感じて、目が覚める。
直後、リージェント・ホテルをビームライフルの光条が貫いた。