夜の闇に紛れて「へそ」と呼んでいる、エアーズロックを目指す。
光通信で合図を送ると、返答が返ってきたので先行部隊も着いているようだ。
「途中で接敵しなかったか?」
「ああ、特に何もなかったよ。ルートは正しかったみたいだ」
そうして、無事エアーズロックに付いた俺達は、軽い打ち合わせをして夜を越した。
だが、夜が明ける辺りになると慌ただしく動き出した。
一機のケッサリアとMS2機がこちらに向かってきているのだ。
「見つかってないはずじゃ!?」
「いいから動くんだよ!」
慌ただしく、キャンプからの撤退を始める。
「皆は先に!殿は俺が務める!」
そうしてΞガンダムに乗り込む。
こちらの動きを察知したのか、MSが飛び出して向かってくる。
他の連中に注意が向かないように、キャンプをビームで燃やして注意を煽る。
2機のグスタフ・カールが上下の連携を取りながらこちらに迫ってくる。
上を抑えられたと思ったら、下から攻撃が来る。
「やり手の連携だな」
だが、ミノフスキー・フライトの優位性は圧倒的で、上に上がったMSの更に上にいき、撃ち落とす。
動力炉を撃ち抜いたのか、核爆発が起こった。
それに、あてられて下にいたMSの動きが止まったので、降下しながらサーベルで切り落とす。
再度、核爆発が起こり、火柱が煌々と立ち上がる。
その、火柱を突っ切るように、見慣れない影が通過していくのが見えた。
その影から、ミサイルがこちらに向かってくる。
「っ!新型のMS…アリュゼウスか!」
ミサイルを躱しながらそのアリュゼウスに近づこうとするが、こちらと同等かそれ以上に加速出来るようだ。
だが、細かいターンは出来ないようで、戦闘機のような大きなカーブを描きながら肉薄してくる。
「加速性は同等だが、機動性はこちらが上だな」
そう言い、Ξガンダムを加速させていく。
ビームライフルが、アリュゼウスに直撃し外装が剥がれていくが、それでも向こうは加速していく。
痛々しくてみていられない。
終わらせる。
最大加速して、ミサイルを叩き込む。
並走しているところに当たったので、外装が全部はがれおちていった。
中にあったMSが現れる。それは、見慣れたMSだった。
「量産型νガンダムがなんで!?」
それは、「シャアの反乱」時に自分が乗っていた、量産型νガンダム。
その時の記憶が呼び起こされたのか、量産型νガンダムに白いνガンダムがダブって見える。
その白いνガンダムを見ていると、アムロさんの声が聞こえてくるようだった。
『ハサウェイのやり方では、何も変わりはしない!政治的な変革をするんだよ!』
「それが出来ないから、こういう手段を取っているんだ。パイロットだけしていた、あなたとは違う!」
『それが、悪手だと言っているんだ!』
「悪手だろうが、変革を起こさないと誰も興味を引いてくれない!理想論では人は動かないんだよ!だから、動いているんだ!」
アムロさんの幻影と会話をする。
アムロさんは正論を言うが、正しい方法は言ってくれない。
その、イライラを眼の前の量産型νガンダムにぶつけてしまう。
過剰にミサイルをばら撒いて目眩ましをして、背後から足を切り落とす。
そのまま、コックピットにサーベルを突き立てようとした時、ケッサリアから緊急通信で投降を呼びかけてきた。
『こちらは投降する!パイロットは殺すな!』
そこに、少女の声が割り込んでくる。
『私はバウンデンウッデンゆかりのもの。良き人質になりましょう』
「…こちらには、それを証明する手立てがない」
『あなたが神になれば良い』
「ギギ…」
ケッサリアから、乗員を下ろし操縦席を撃ち行動不能にしておく。
そして、ギギをマニピュレータに乗せて、その場から離れる。
コックピットから外に出ると、ギギがマニピュレータにしがみついていた。
「こっちに身を投げ出すんだ!」
「怖いわ!」
「大丈夫だから!」
ギギを引き上げると、そのまま抱きついてきた。
そうして、その流れのままコックピットへ流れていく。
バイザーを下ろしていたから、泣き腫らした目を見られることは無かった。
(中)はこれで終了です