≠ハサウェイ   作:なべを

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閃光のハサウェイ(下)
1. 電撃作戦


俺達が「壁」と呼ぶのは、アデレード東側に連なる山脈のことを指す。

山脈を隠れ蓑にして、戦力を移動させていたのだ。

 

夜明け前に起きる。

先日の戦闘で精神がやられていたのか、悪夢を見たようで汗をかいている。

精神安定剤を水で飲んで気分を落ち着かせ一呼吸してから、テントを出る。

テントの外では、もうみんな起きていて作戦の最終確認をしているところだった。

 

テントの前で、ギギがコーヒーカップを持ち、慌ただしく動いているみんなを見ている。

「ギギ、大丈夫か?」

「うん、大丈夫」

 

俺は気になっていることを聞いてみた。

「どうして、こっちに来たんだ?ケネスの所にいても良かったのに」

「なんとなく、ハサウェイの方がいいかなって」

「そっか。なんとなくか」

「うん」

「これからの作戦どうなると思う?」

「成功するかどうかってこと?」

「そう」

「ハサウェイの思う通りになると思うよ」

「そっか、ありがとう」

 

そう、話していると、エミールとガウマンがこちらに向かってくるのが見えた。

 

「おう、起きたか」

「ああ、で、どこまで進んでる?」

 

ガウマンが報告してくれる。

「プロパガンダ放送は無事に放送出来たし、内湾での陽動は成功した」

「うまくいってるって事だな」

 

エミールが怪訝な顔をしながら心配ごとを確認してくる。

「だが、本当に早朝に襲撃するのか?」

「あの法案は連中が何が何でも通したいやつだ。こっちが動いたとみると強引に採決するだろう。だから早朝の襲撃なんだよ」

「連中がやりそうなことだな。…あそこにクワック・サルヴァーが居たらどうする?」

「その場合は、運が悪かったと思って諦めてもらおう」

 

こちらの作戦に文句を言うかもしれないが、その覚悟が無くマフティーを作ったはずは無いだろう。

 

クェスもこちらに気付いたのか近づいてくる。

「ハサウェイ、起きたの?」

「ああ、クェスの調子はどうだい?悪い感じはしないかい?」

「うーん、今のところはしないから大丈夫だと思う」

「なら、大丈夫そうだな」

 

ギギとクェスから悪い言葉が出なかったということは、成功する目算が高いという事だ。

作戦への集中が高まる。

 

そうして、作戦の準備が整い皆が集まる。

その皆を見渡してから告げる。

 

「かなり厳しい作戦になると思う。が、みんなの命を預けてくれ」

 

皆で頷き合って作戦へと向かう。

 

俺は、Ξガンダムに乗り込み、指定のポイントへ移動させる。

心配そうに見上げているギギが見えたが、頭を切り替える。

 

 

*****

 

 

Ξガンダムは指定ポイントに着いた。

場所はアデレード空港から数十キロ南の海上。

 

タイマーがゼロになる。

スロットルを全開にしてガンダムが加速していく。

加速途中で前方にビームバリアを展開して、空気抵抗を軽減させ、音速を超えてさらに加速する。

 

アデレード空港が近づき、滑走路から建物に近づいた時、ガンダムが急停止をする。

急停止したことで、音速を超えた際の衝撃波が、建物が震わせ、窓を割っていく。

 

それを背景にガンダムは、空港の格納庫に向けてミサイルをばら撒く。

格納庫が火柱を上げなから爆発していく。

火柱を合図に「壁」からギャルセゾン3機が、閣僚達が集まっているであろうフェスティバル・センターへ向けて進む。

 

その間、空港にいるMSが対応しようと動き出すが、ガンダムが優位側なため、すぐさま行動不能にされる。

 

そして、フェスティバル・センターにメッサーがミサイルとビームライフルを撃ち込み、爆発が連鎖していく。

更に、閣僚が泊まっているであろうホテルに、サイコ・ドーガが閣僚がいるであろう場所が理解っているような精度でビームライフルを撃つ。

 

それが、終わった頃に撤退のタイマーが鳴る。

 

空港とフェスティバル・センター周辺へ攻撃を成功させたマフティー軍は鮮やかに撤退していく。

連邦軍は、混乱したままで追撃が出来ないでいた。

 

奇襲と撤退の電撃作戦は成功した。

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