初めは嬉しかった。
「転生」した時点でチートだと思ったし、宇宙世紀でもなんとかなるだろうと思った。
ただ、現実はそうは行かなかった。
生まれは連邦政府の事務方。それも「史実」では聞いたことがない。
意外と何も出来ないことに気付いたし、「史実」のキャラと会う方法も無い。
一縷の望みをかけて自身が「ニュータイプ」なのでは?とも思ったが、それも違った。
コックピット型のゲームで無双する事が出来なかったから。
結構詰んだと思ったね。
そんな中、現実逃避の一つとして遊んでいたゲーム内ランキングにありえない名前を見た。
「マフティー・ナビーユ・エリン」
この名前を使うやつはアホなのか?と思った。
「この先」に出てくる名前を「今」使うやつがいる。
なので、俺と同じやつがいるのか…?と気づくまで時間が掛かった。
そして、自分を主張するためにプレイヤー名を「グラハム・エーカー」に変更した。
「マフティー・ナビーユ・エリン」はランキングをものすごい勢いで駆け上がっていくので
プレイヤー内では話題になっていた。
いろいろ情報収集すると、自分の近くに要ることがわかり付近のゲームセンターを転々とした。
そして見つけた。
「マフティー・ナビーユ・エリン」というより「ハサウェイ・ノア」を、だ。
それはそれは衝撃を受けた。
今まで「画面越し」に見ていた人物が「そこ」にいるのだ。
「お前が「マフティー・ナビーユ・エリン」か?」
そう口に出すにはとても勇気が必要だった。
そしてその勇気は間違ってなかった。
場所を移して話をしていると、ほんとにアホなのか?と疑う。
一応「史実」の知識はあるが、それに対して何もしてないように見える。
これから起こるであることに対してとても受け身だ。
それを話すと、眼の前の人物はこう言った。とても簡単なことのように。
「確かに知識があるからいろいろ考えることはあるけど、大切なのは「その時」に動けるかどうかじゃない?」
その言葉は自分の中の壁みたいなものを壊した気がした。
確かに「転生」して「史実」の知識があるからいろいろを考えてきた。
考えることに逃げてたかもしれない。だから動けなかったかもしれない。
「まぁ、「その時」に動けるかもしれないし、動けないかもしれない。でも、動ける自分でいたいと思うよ」
とても大事な事をさも当然のように言う「ハサウェイ・ノア」を見て、これが本当の「転生者」ってやつなのかなと思った。
その後、あいつと遊ぶようになってアムロの戦法とかいろいろMSについて細かいことを教えた。
そのおかげか、あいつはゲーム内ランキング1位にまで上り詰めた。
「ニュータイプ」かどうかはわからないが、少なくともMSへの適性は高いと思うので本当になんとかしそうな気配がある。
そして今。
『シャア・アズナブルが…』
とTVから流れてくる。その時が来たのだ。
「この先」を考えるともう自分が助けれることは無い。
けど「この先」の「先」に対しては自分も動けることはある。
「まずはケネス・スレッグにどう接触するかだな…」
「この先」も辛いけど、その「先」が一番きつそうなあいつのために自分も動こう。
「その時」に動ける自分でいるために。
じゃないと「転生」した意味がないからな。
あいつがいつも言っているハッピーエンドを目指してみるかぁ。
タグって他に何をつければいいんだろうか…