塩の魔神のしょっぱい備忘録   作:放仮ごdz

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どうも、暑さでずっとダウンして全然書けてなかった放仮ごです!7月23日でハーメルンで活動して13周年なので他の小説も書かねばと思ってるのだが、身体が弱すぎる。それでもしっかり月は探索終えて神子さんを迎えました。いつかメインの話を書きたいね。

今回はついに二大武神、激突。楽しんでいただけたら幸いです。


私が神を撃ち落とす日

 誰かと話す用があると言っていた鍾離と別れて望舒旅館を後にした私達は南下する。道中でかつて仲間達と共に生きた都市の跡地を横切った。もはや見る影もないが、璃月港ができるまでは一番繫栄していた都市だった。兵どもが夢の跡、とはよく言うが。そんな場所を、宝盗団が好き勝手に跋扈しているのは、なんというか、むかついた。

 

 

「と、いうわけで。帰離原に陣取っていた宝盗団全員です。連行をお願いします」

 

「あ、ああ……俺達千岩軍も手を焼いていた相手だったのに、すごいな」

 

「すごいな」

 

「ああ、もう!真似するなよ!!」

 

「真似するなよ!!」

 

 

 旅人とパイモン、ヴィーが野営をしている間にちょっと本気を出して帰離原中を駆け巡って我がもの顔で住み着いていた馬鹿どもを全員一撃でのして、星火とエコウという、帰離原の入り口を見張る千岩軍に引き渡す。エコウは過去に魔女会の魔女Aことアリス、つまりクレーの母のせいでオウム返しを繰り返すようになったらしい。地味に原神リリース当初からアリスのヤバさを際立てていたNPCである。どうにかしてあげたいが、どうしようもないからなあ……。アリス本人も忘れてそうだし。

 

 

「いや本当に助かった。実は最近宝盗団が増えていて……」

 

「どうしてですか?」

 

「どうしてですか?」

 

「なんでも、誰かがとある遺物を見つけたら大金を払うって噂を流しているらしいんだ。俺達も詳しいことは知らないが、実際にもらった人間がいたらしい」

 

「……なるほど?」

 

 

 なんだろう、嫌な予感がした。原作に逆さ神像関連の話で宝盗団がなんかしてたのは知ってるけど、絶対それとは違う。調べたいところだけど、生憎と迎仙儀式は明日だ。急いで蛍たちのもとに戻って璃月港に急がなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数刻後。蛍たちと合流した私達は、璃月港と海が一望できる丘まで来ていた。

 

 

「見えてきましたよ。あれが璃月港です。ギリギリ、七星迎仙儀式に間に合いましたね」

 

「うん、たしか……岩神と謁見できる一年で唯一の機会、だよね」

 

 

 まあ既に岩神とは会ってるのだけど、とは言わんとこう。海沿いの坂道を下り、顔見知りの千岩軍の門番に挨拶して璃月港に入ると、目を輝かせるパイモンとヴィー。

 

 

「おお、すごいな!都会だぞ!」

 

「でかいのです…!」

 

「港町だからか規模がモンド城とは桁違いだね……塩ヶ宮と違って縦にも広いなんて」

 

「岩神たるモラクスが作った街です。塩ヶ宮よりも歴史がありますからね」

 

 

 塩ヶ宮は私が死んだ直後にできたらしいから、歴史からしたら誤差かもしれないけどね。

 

 

「おい白亜……お前、璃月の生まれなのにそんな友達みたいに自分の国の神を呼び捨てにするのはどうかと思うぞ」

 

「どういうこと?パイモン」

 

「岩神モラクスのことを璃月の人間が岩王帝君って呼んでるんだ。オイラたちみたいな余所者が岩神の名をそのまま呼んだら、すぐに無礼な余所者扱いされるから気を付けろよ。ちなみにオイラたちが使ってる「モラ」はその神の名前が由来なんだぜ!」

 

「そうなんだ。塩ヶ宮も璃月港も商売が盛んみたいだし、その中心地なのかな」

 

「おお、パイモン!ガイドっぽいのです!」

 

「ふふーん!そうだろうヴィー!あ、ちなみに岩王帝君と同格とされてる塩神ヘウリアは塩華女帝と呼ばれてるらしいぞ。塩ヶ宮で聞いたんだ!」

 

「帝君と女帝なんだ。夫婦なのかな」

 

「そんなわけないでしょう」

 

 

 やめてよね。モラクスと私が夫婦だなんて考えただけで違和感がすごい。モラ帰以外私は認めないぞ!私は当然として、原作のヘウリアだとしてもモラクスの相手だとは認めないぞ!!私達は友人であって、恋愛感情なんて存在していいわけがない。そら前世からの推しだけども違うじゃん?

 

 

「あ、璃月人からしたらそれは常識なんだ。ごめん」

 

「あ、いやそういうわけでは……蛍が先ほど考察していた通り、璃月はテイワットの商売の中心地です。モンドは「自由」の国でしたが璃月は「契約」の国。商業と貿易を重要視していて、そのまとめ役を担う璃月七星となります。モンドで言う西風教会に当たりますね。その経営方針を導く一年に一度の機会、それが七星迎仙儀式なんです。去年、神託の十七の言葉を受けたのは璃月七星の「玉衡(ユーヘン)」……建設と土地管理のトップです。彼女からしたら複雑だったでしょうが」

 

 

 今でこそモラクスのガチオタクとして知られる「玉衡」こと刻晴だが、それは璃月編終了後のことで、現時点では岩神の庇護と神託によって成り立つ今の璃月の治世に不満を抱いている、璃月では珍しい反岩王帝君派である。去年の迎仙儀式では岩王帝君と謁見した際に、神の統治をいつ失われるかも分からず人から向上心を奪うものと見切りを付けて、正面切って異議を申し立てて甘雨の顔がすごいことになっていた。

 

 あ、どうでもいいことではあるが、何故か塩華女帝は全力で支持している。なんでもグレメリー&シトリウスの襲撃事件の際に武器を渡して民にも立ち上がる力を与えてくれた、と好感を抱いていると甘雨から聞いた。ちょろすぎませんか?*1

 

 

「しかし国の管理者と言っても、ほとんどの民にとっては頂点は岩王帝君であることは覆りません。そして璃月の民はモラク……岩王帝君が七神最古の神であることを誇りに思っています。帝君の言葉なら間違いない、と妄信できるわけです。バルバトスが不在でありながら自由に生きていたモンドとは逆に神と共にある国、と言えますね」

 

「最古の神と共にある国……お兄ちゃんについて何か聞けるかも」

 

「では急ぎましょう。迎仙儀式が行われる、玉京台へ」

 

「あ、そうだ。迎仙儀式の日に願い事をしたら叶うって聞いたぞ。蛍も試さないか?」

 

「絶対に会えるとも限らないし、試す価値はあるかもね」

 

「なのです!」

 

 

 私が先導して玉京台まで案内する途中、視線を感じた。この角度は……北国銀行かな。ということはタルタリヤだろうか。噂の旅人でも見ているのだろうか。原作にいなかったから大丈夫だとは思うが【傀儡】はいないことを祈ろう。今の私は彼女に大きな借りがあるから何か言われたら従わざるを得ないし。

 

 

「おや、見えますかね蛍。あそこに立っているのが璃月七星の一人で律法の管理を担う「天権(テンチュエン)」、凝光…様です。岩王帝君を除けば実質的な璃月のトップは彼女となります」

 

「……忙しそうだね?」

 

「そらそうでしょう。岩王帝君が姿を現した際に起きるであろう騒ぎを止める準備も必要でしょうし」

 

「それは……人気者だから?」

 

「いいえ、違います。そうか、知らないんですね。璃月に住まう仙人の多くは獣の形をとります。岩王帝君も仙人の一人でして、公式の場では半分麒麟で半分龍の姿で現れるのです。知っていてもその迫力は凄まじいものですよ。もしそれで騒ぎが起きて帝君の機嫌を損ねたら神託をいただけないかもしれませんからね。そりゃあ入念に準備もしますよ」

 

 

 凝光には悪いが、今年の迎仙儀式の喧騒はかつてないものとなるだろう。10年前にドットーレから助けて以来、私を支持してきた*2彼女は、これから凶行を行う私を軽蔑するだろうか。

 

 

「ふむ、準備ができたみたいですね。人混みがすごいですが、謁見したいなら前に行った方がいいかもしれません」

 

「なら、急がないと!」

 

 

 蛍がパイモンを引き連れて人混みをかき分けて前に進み、それに続こうとしたヴィーを引き留める。蛍とパイモンは……よし、人ごみに隠れて見えないな。

 

 

「……?どうしたのです?ご主人さま」

 

「ヴィー、肉体の変形はできないんですよね?」

 

「なのです。アルベド様に固定されたのです」

 

「なら、今から渡すものを持って、おつかいに行ってくれませんか?」

 

「なのです……?」

 

 

 そう言って私は謎空間から取り出した四角く塩を固めたキューブをヴィーに手渡した。ヴィーが変形出来たら服みたいに纏って傍に置くことも考えたが、それならそれでこれを持って行ってもらおう。

 

 

「いいですか、璃月港が見えたあの丘の上です。そこまで持っていったらこのツマミを回してください。貴女にしか頼めないんです。いいですね?」

 

「なのです!」

 

 

 キューブを手に、スタタタ!と駆け足で来た道を戻っていくヴィー。これで、よしと。恐らく蛍とパイモンは私達が人ごみに飲まれたように見えてるはずだ。その間に、人ごみから抜けて建物の裏まで移動する。“器”から出した塩を操り、天女の羽衣の様な礼装を形作って身に纏い、取り出した真白空我真君の面を被る。グレメリーの灰の服から着想を得た衣装だ。これなら、まあ私なんかでも神に見えるだろう。原作ではタリタリヤが見てたらしいから、注意しつつ岩王帝君……モラクスが暗雲から降りてくるその時を待つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして程なくして。玉京台の上空に集まった暗雲が割れ、半分麒麟で半分龍の巨体が姿を現した。原作では無様に堕ちてきたその巨体が、荘厳な雰囲気を醸し出しつつ降りてくる光景に、ああ私が歴史を変えたんだなと少し嫌な気分になる。この鬱憤、晴らさせてもらいますよ。

 

 

「……よし」

 

 

 深呼吸。私は、ふわりと舞い上がり、空中に塩で一瞬だけ足場を作って天まで駆け上り、しっかりした塩の足場を踏み込んで全身をばねにして跳躍。空中でくるりと回転し、飛び蹴りの体勢を作ってモラクス目掛けて一直線に飛び込む。その姿は煌めく流星の如く!*3

 

 

「!?」

 

 

 どうやって奇襲するかは聞いていなかったモラクスもこれは予想だにしていなかったのか面食らい、その頬に私の右足が直撃。着弾直後に足裏に棘が生やして二段構えの衝撃を放ち、民を巻き込まないようにするべくモラクスの巨体を天高く打ち上げた。

 

 

「帝君!?いったい、だれ、が…………え?」

 

 

 飛び蹴りの反動で宙返りして玉京台に降り立った私を視界に入れた凝光が、信じられないとばかりに困惑の声を上げる。民衆も、襲撃者たる私が塩華女帝だと気付いたのかどよめいている。まだ半信半疑です?じゃあ、そうですね。悪役っぽく振る舞いましょう。今この場においては、岩王帝君こそが正義だと信じられるように。両手を広げて、歓喜の笑い声をあげる。

 

 

「あはははっ!岩王帝君!!ずっと、ずっと!その面、殴りたいと思ってたんですよ!!!」

 

 

 嘘を信じ込ませるには、ちょっとの真実を混ぜればいいらしい。まあこの場合、「ずっと」が嘘で、「殴りたい」が真実だ。よくも私を生き返らせてくれて残酷な真実を淡々と語ってくれたなありがとう!!!!!!!!*4

 

 

『お前か……ヘウリア、何故だ……!』

 

「何故もへったくれもあるもんですか!むしろ、あれだけのことをして私に恨まれてないとかどんなお花畑な頭してるんですかァ?」

 

 

 迫真の演技を返してきたモラクスに内心礼を言いつつ、右手にメイスを、左手に大剣を握って空中に飛び出す。ああ、勝てるとは思ってない。だけど、だけど。一矢報いるぐらいはしてもいいですよねええ!!!

 

 

 天が割れる。地が鳴動する。さあ、神話を始めようか!

*1
人の手により死してもなお人と共に歩もうとする(様に見える)ヘウリアの実態のせい

*2
ヘウリアは勘違いしているが、元々財や商いを司る神として勘違いされているヘウリアの教え(生きやすくするための策)が商人にとっては常識なのである。ドリーとかと同じ

*3
※もしかしなくてもムテキゲーマー

*4
さすがに根に持ってた




割と復活直後のことを根に持ってたヘウリアVSそれはそうと本気で戦えるのが嬉しいモラクスVS信じる二神がガチの殺し合いするところを見せられる七星以下璃月の民、ファイッ!!!

以下定型文になりますが、割と真面目に感想に飢えているのでどしどしいただけると本当に嬉しいです。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

ヘウリアとモラクスの関係でしっくりくるのは?

  • 友人
  • 師弟
  • 夫婦
  • 恋人
  • 二大武神
  • 共犯者
  • 戦友
  • 相棒
  • 問題児と保護者
  • 問題児二人、ただし最強
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