前回前書きで行ってたカラス、目撃証言をもとに見に行ったらマジでいてビビった。オズは召喚獣だけど雷鳥カパッチリが烏の魔神って解釈することにしました。結構自由ならオリジナル魔神も考えやすくなって助かる。
今回はヘウリアVSタルタリヤ。大人げないお姉さん(数千歳)VS生意気戦闘狂ともいう。楽しんでいただけたら幸いです。
今ファデュイは、ある噂で持ち切りだ。あのいけすかない執行官第二位様が負けたんだって。
相手は噂によれば魔神戦争の敗北者なんだって。岩神と肩を並べて塩華女帝と呼ばれながら自分の民に殺されたんだって。
どんな魔神なんだろう。師匠より強いんだろうか。塩って強そうに思えないけど。
どんな顔してんだろう。塩の魔神らしいけど、顔も塩っぽいんだろうか。
そう、期待を込めて有給使って璃月の海灯祭まで行って意外に楽しんでいたら、明らかに気配が違う女性を見つけた。ぴっちりしたタイツの上からゆったりとした袖が広い白い着流しを身に着けた、異様に白い肌の儚げな細いながら女性なのが一目でわかる肢体に、真っ白い髪を肩まで伸ばした、海の様な蒼い瞳の女性だった。身長は160ぐらいかな?
これだけなら幻想的な美しい女性だ、とはなる。だけど、違うんだ。師匠や「隊長」にも感じた、ぞわりとする寒気。強者の気配が、彼女から感じたのだ。ちらり、とお面越しに視線を向ければ彼女はこちらに視線を向けた。ああ、やっぱり、と。お面の下で破顔する。貴重な休みを使ってまで来た甲斐があった。
「俺になにか用かな?おねーさん」
「………ここは昔幽霊が出たと噂の廃屋なんですよ。そこに向かう子供を見かけたので注意に来ただけですよ」
「またまた。俺に気付いてきたんだろ。え、なんで真顔?え、幽霊とかマジ?ちょっと待ってそれは聞いてないんだけど」
「嘘です。簡単に騙されるなんて可愛いですね?」
「可愛くない!俺はもう大人だ!って違う!そうじゃない!服装は変えて来たけど、俺がファデュイだって気づいたんだろ?あの襲撃に関わったやつが「落伍者」だったとしても、今の璃月はファデュイを警戒してる。特に、あの夜「博士」と戦ったあんたは!」
「はて。私が戦う様に見えますか?」
誘ってるのに。とぼけた顔で話をはぐらかす女性は、それでも俺から視線を外さない。一挙手一投足に気を配っているな。俺から目を放した瞬間襲われると確信してるんだ。食えない女だ。
「気付いていないみたいだけど名乗ってやるよ。俺はただのファデュイじゃない。ファトゥス執行官第十一位「公子」タルタリヤさ。「博士」を倒したアンタは、無視できないはずさ!」
「はいどうも。これはご丁寧に。私は往生堂の白亜と申します。人違いなのでお引き取りください」
「人違いじゃないよ。俺が会いたかったのはアンタだ」
正直、ちょっと面食らった。他の人なら俺が「公子」だと言っても笑って嘘だと断じてくる。第三位「少女」曰く「可愛い顔」と背丈のせいだ。なのに、この白亜という女性はあっさり受け入れた。なんでだ?
「はあ。もしその「博士」とやらを倒した?のが私だとして、末席なのに私に勝てると思ってるんですか?」
「十一位だからって舐めるなよ。俺だって戦士だ!あんたも戦士ならわかるだろ?強い奴と戦いたいって気持ちが!」
「あ、すみません。それはマジでわからないです。週ボスも普通に素材だけ欲しいです。チェスとか強すぎて本当に嫌です」
「なんの、話だあ!」
掌を向けて首を横に振った白亜に、足元に転がっていた石を蹴っ飛ばす。しかし真っ直ぐ飛んで行ったそれは、白亜の顔に当たることなくその直前で何かにぶつかって弾かれた。なんだ今の?自動防御?神の目を使った?いや、彼女の装飾にそれらしきものは見えない。ならやっぱり、魔神だ……!
「魅せてくれるじゃないか、白亜ァ!」
「年上の女性を呼び捨てにするとは生意気です、よ!」
俺の水元素の神の目を使用し、使い慣れた水の短剣二本を手にして、宙返りして頭上を取る。もらった!と、完全に虚を突いたそれはやはり何かにぶつかって弾かれ、俺は白亜の背後に着地。すると白亜はその場で両手を地面について足払いしてきて、俺は跳躍して回避。しかし、落下したところに脅威の柔軟性ですくっと立ち上がった白亜の掌底が鳩尾に突き刺さり、予想以上の衝撃と激痛を上げながら壁を突き破り外に転がった。
「ぐうっ、ああっ……なんだ、今の……掌底なのに、ざりって……まるで鑢で擦られたみたいな、それになんて衝撃……」
「満足しましたか?まだ今の貴方では相手にならない、みたいですよ?」
そう言いながらひらひらと掌底した手を動かしながら小屋の外に出てくる白亜。本人も何故か驚いている様子だ。なめられてる、かと思えばそうでもない。「今の」ってことは、いつかの俺なら相手になるって、そういうことだ。だけど、だけどだ。こんなに強い相手だ、ワクワクが止まらない。ここで止まるなんて、もったいない!
「くくっ、アハハハハハッ!もっとやろう!やりあおうよ、白亜おねーさん!」
「嫌です」
今度は水の短剣二本を連結させて刃を伸ばし、ダブルセイバーにして足りないリーチを補う手法をとって連撃を叩き込む。しかし一撃目は必ず不可視のなにかに防がれて、そのまま畳みかける連撃は、紙一重で避けられる。数秒経ったらまた一撃だけ防がれることから、この不可視の防御は数秒間に一回、一撃だけ完全に防げるとかそういう類の技なんだろう。なら、相手の動きを読めば当たるはずだ。
「これでどうだ!」
「見慣れました」
にしてもずっと回避される。まるで、こちらの動き……というか型が読まれているみたいだ。楽しい、楽しいな!執行官以外のファデュイの大人たちじゃ相手にならなかったんだ!こんなに燃えるのは、師匠以来かもしれない!だけど、気に入らない。未だに武器を手に取らないのは、気に入らないな!
「俺が子供だからって遠慮してる?武器を使えよ、白亜!」
「さすがは、タルタル……さすがに無手で避け続けるのは、無理そうです……」
「俺は、タルタリヤだ!」
そう言って、瞬間的に片刃の出力を上げて追撃。リーチが一瞬だけ伸びたそれが、白亜のびろびろしている袖のすそを斬り裂いた。よし、一撃当たった!このまま……と、調子に乗ってすぐ怖気が襲う。空気が変わった。怒らせた……?
「せっかく帰ってくる道中で商人から買ったお気に入りだったのに……斬りましたね?」
「ふ、ふぅん!当たったぞ!これでちょっとは本気を……」
「お望みとあらば、見せてあげますよ」
そう言って、武器を取り出すのかと思ったら違った。足元に転がってる長めの枝を手に取る白亜。右手で握ったそれに左手をかざし、枝に沿う様に左手を動かす。何か変わったようには見えない。ただの枝だ。あれなら俺の水刃で斬れるから問題ない。
「レーザー竹刀*1……ではないですが。タルタル、人のお気に入りの服を斬っといて謝りもしない貴方はお仕置きしてやりますよ」
「そんな枝!」
「枝は人類最初の武器ですよ」
そう言って、無造作に片手で振られた枝と、水刃が激突して。斬れるはずが、斬れない。まるで岩でも斬ってるかの様な強度だ。なんだ?なにをしたんだ!?
「王手。飛車取り」
「ぐううっ!?」
またよくわからない言葉を言いながら、水刃が弾かれて一瞬で二回、右腕と背中に衝撃が走る。今の一瞬で二撃も叩き込んで……!?い、いたい!斬られたわけでもないのに、叩かれたところが沁みるように痛い!傷口に消毒液を付けられた時なんかとは比べ物にならない!無様に地面を転がることしかできない。めちゃくちゃ痛い!?
「つぅ、ぅううう!?」
「これで少しはこりましたか?私、弱いから。手加減できないんですよ……痛いだろうけどその痛みよりは怪我はひどくないはずですよ。まだやるつもりなら今度は三回どつきます」
「参った!降参!もうやめてくれえ!?」
枝をかかげて追撃をしようとしていたので、たまらないとばかりに降参する。斬られたり突かれるのは慣れてるけど、沁みる痛みは我慢できない。俺は長男だけど我慢できなかった。情けない。
「わかったならいいんです。あ、でも、屋台で買い食いしたいんですけど今モラの持ち合わせがないんですよね(大嘘)」
「え、はい?」
「困ったなあ。モラがないなあ。どこかに、親切なお金持ちいないかなあ?」
「あ、えっと……じゃあ迷惑料ってことで俺が払うよ?」
いきなり猿芝居を始めて困惑しながら俺がそう言うと、白亜は満面の笑みを浮かべて。
「満足したので帰ってもいいですよ!」
「なんなんだよ!?」
師匠とは別ベクトルで面白くて怖い女だな、と。そう思った。
ゲームのタルタルと嫌というほど戦ってたからモーションを覚えてた上に子供だから相手になるわけがなかった。調子に乗ってる天才少年ってことで冒頭は某ドブカスイメージしました。
地味にヘウリアのビジュも明確に描写したの初めてかな?黙っていれば儚げ美人。閑雲のタイツぐらいしか着替えが無くて、商人から買った着流しが気に入ってたという話。「俺が払うよ」大好きお姉さん。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
原作行く前にヘウリアに会ってほしい人物
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ドットーレェ!!(博士)
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判決を下す!(ディルック)
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吟遊野郎!(ウェンティ)
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荒瀧・唯我独尊・一斗(荒瀧一斗)
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俺が払うよ(タルタリヤ)
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グロシをかかげよ!(フリーナ)
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あらら~?(スカラマシュ)
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ハイドロポンプ(ヌヴィレット)