塩の魔神のしょっぱい備忘録   作:放仮ご百物語

128 / 131
どうも、放仮ごです。実は二話前の時点でヴェスナ当ててました。ヴォジャに続いてすりぬけなしはでかい。

今回はついにヴィーの居場所が明らかに。璃月最終決戦始まりぃ!!楽しんでいただけたら幸いです。


デカブツにはデカブツをぶつけるんだよ!!!!

「おおい!?なんだあれ!?いきなり出てきたぞ!!!」

 

 

 夜叉たちと戦闘する中で、パイモンが指さした先。いつの間にか雨が降り注いでいる空には巨大な影。否、影じゃない。陽光を受けて透き通ったそれは蒼く、そして雄大だった。海そのものといってもいいなにかが五つ、璃月港を見下ろしていた。夜叉たちの猛攻を凌ぎつつも視線を向けた白亜*1が驚いている。そこにいたのは、水でできた五つの首を持つ巨大な蛇龍だった。

 

 

「渦の魔神オセル……!?なんで、タルタルはここにいるんですよ!?」

 

「タルタル…?」

 

「おいおい……。夜叉もそうだけど、こんな前倒しするなんて聞いてないんだけど……」

 

 

 あれはオセルと言うらしい。タルタル、つまり【公子】がなんて?そう視線を向ければ、こちらもこちらで焦っている様だ。目論んではいたようだけど、この事態はファデュイも想定してないってこと……?真っ直ぐ襲ってきた巨岩を斬り捨てつつ、思考する。いったいこの璃月はなにに襲われているんだろう。

 

 

「帝君は……来ないか。まずいぞ、このままじゃ璃月港が海に沈む…!」

 

「どういうことなの、【公子】!?」

 

「この夜叉を何とかして、あのオセルをどうにかしないと璃月は滅ぶってことさ!!」

 

「オセルをどうにかって簡単に言いますけどねえ!」

 

「そんなの無理に決まってるぞ!?」

 

 

 タルタリヤの言葉に白亜とパイモンがキレる。その横で甘雨が気を引き締めて千岩軍に指示を送っていた。

 

 

「総員、直ちに避難を促してください!渦の魔神オセルはかつて、帝君と塩華女帝が死力を振り絞って打倒した魔神です!その二人がいない今、璃月港を捨てる覚悟もしなければ……」

 

「そんな覚悟、いりませんよ甘雨」

 

 

 口出ししたのは白亜だ。オセルを見上げながら覚悟を決めた顔で、自動盾(?)で雷夜叉の猛攻を防ぎつつ、準備運動を始めた。オセルは咆哮を上げ、水の隕石の様なものを口から吐いて降り注がせている。

 

 

「……ヘウ……いえ、白亜様*2。貴方が、それを言うのですか」

 

「はい。我ながら酷いことを言っている自覚はあります。ですが、私は“契約”によりこの街を守る責務がある」

 

 

 そう言って跳躍、飛び蹴りを雷夜叉の顔面に叩き込んで黒い靄へと変えながら*3海に向けて全速力で駆け出す白亜。なにを……!?

 

 

「なっ、待ってください!白亜様!?いくらあなたでも、無茶です!!」

 

「無茶だろうが通しましょう!この私は、この時のために作られたんですよ!!」

 

 

 そう言って跳躍し、錐揉み回転しながら海面に飛び込む白亜。すると数秒もせずに異変が起きた。白亜の飛び込んだ海面が泡立ち、巨大な影が飛び出したのだ。しかしその姿を見て、夜叉と戦いながらも首をかしげてしまう。

 

 

「なっ……あれ?」

 

「おい、これって……」

 

「………スライム?」

 

 

 でーんと。璃月港をオセルから守る様に現れたのは、巨大な水スライムだった。色は毒々しい紫色ではあるが、その角がちょこっと生えた真ん丸ボディを間違えるはずがない。でも、なんで?白亜が海に落ちたことと関係するのだろうか。

 

 

「ぶももももぉおおおおっ!!!」

 

 

 なんともいえない鳴き声?を上げながらのそのそとオセルに突進する水スライム。大きいためか割と速い。すぐにオセルと接敵する、がしかし。スライムはスライムでしかないのか。文字通り手も足も出ず、二つの首を交互に叩きつけるオセルに一方的にボコボコにされてしまっていた。スライムも涙目だ。

 

 

「ぶももぉおおっ!??」

 

「ええ……」

 

「なにしにきたんだあいつ……あのどんくささ、ヴィーを思いだすぞ……」

 

「今頃どこにいるんだろうね、ヴィー……」

 

 

 璃月港に来てから全然姿を見ない旅の仲間を思いだしつつ、夜叉たちと戦う私達。ボコボコにされていてもオセルの興味を引くことはできているみたいで、その攻撃は全部巨大スライムに向けられているのはありがたい。見れば、空からは群玉閣が飛来しさらには削月築陽真君の背に乗った胡桃(帰終)も含めた仙人たちが集まっているのが見え、璃月七星も黙って見ているわけじゃないことがわかる。私達も、夜叉たちを倒して合流しないと……。

 

 

「あれ、【公子】は?」

 

「え?あれ!?あいつどこに行ったんだ!?」

 

「あの執行官なら、先ほど部下と思われる人物からなにか報告を受けていたのは見ましたが……」

 

 

 そこで【公子】がいなくなったことに気づく。甘雨によればなにか報告を受けていたらしいが……まさか。これも、陽動?でも、このまま街を破壊しかねない夜叉たちを甘雨1人に任せて野放しには……!

 

 

「グゥオパァー、火を吹け!」

 

「古華奥義!栽雨留虹!」

 

「急急如律令!」

 

 

 すると炎を纏って回転する槍、水の剣、氷でできた大剣が夜叉たちに炸裂、大きく吹き飛ばして。現れたのは、香菱と知らない二人の少年だった。

 

 

「旅人、久しぶり!どこか、行きたいところがあるんだよね!」

 

「香菱!久しぶりだぞ!」

 

「ここは僕たちに任せてくれ。璃月は僕らの国だ」

 

「仙衆夜叉と戦うなんて恐れ多いが、自我がないならなんとかなるさ」

 

「旅人様!白亜様の……あの人の仲間だという貴方を、信じます!」

 

「……うん!ここはお願い!行くよ、パイモン!」

 

 

 三人と甘雨にこの場を任せ、パイモンを連れて西に向かう。ここを離れて【公子】が向かうとするなら、ファデュイが狙う神の心が、つまり帝君の遺体があるであろう場所……黄金屋だ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴィー、大丈夫ですか?」

 

「ボコボコにされてるのは吸収した水の部分だから平気なのです……」

 

 

 巨大なスライムとして私の中から解放されたヴィーの頭の上でこそこそ尋ねるが、まあいくら巨大とはいえスライムで戦うのは無理があったか。そうなのだ。この私、「白亜」または「ヘウリアに作られた眷属である真白空我真君」を名乗っていた私はもちろん本体ではない。ヴィーを逃がすときに持たせた「お守り」こと私が作成した「塩の匣」から某鉄男の五番目*4の如く変形してヴィーの体を覆うようにして生み出された分身体なのである。

 

 だから「ヘウリアが作った眷属」というのはあながち嘘でもない。ヴィーの意識は残しながら表面だけ操作させてもらっていたのだ。まあそのせいでヴィーの匂いが混ざったからか申鶴からは偽物扱いされるし散々だったが。ヴィーが主体なのでメイン武器も自然に大弓になってた。ヴィーはビビりだから弓が武器らしい。それでなんでこんな形にしたのかは私、ヘウリア本体の秘策だ。

 

 帝君暗殺事件(笑)を実行するにあたり、事前にモラクスから「璃月各地で仙衆夜叉が復活しているらしい」という話を聞き、ドットーレの関与を確信。原作通りの流れになる予感がしなかったので、オセルが原作より早く復活した場合に備えて、フレームさえあればドゥリン・ダスタリオのような巨体になれるヴィーを頼ることにしたのだ。璃月港の周りは海だ。ヴィーは水元素を吸収すれば質量を肥大化できる。この場合にはうってつけだ。ただし、いきなりすぎてスライムの形にしかなれなかったが……それを補強するフレームになるのが私の仕事だ。

 

 

「いいですか、ヴィー!私が今から戦闘に適した形の外装となります!貴方はただ、暴れればいい!」

 

「でも、モンドみたいに迷惑をかけたら……」

 

「いいえ、いいえ!今の貴方はアビス教団のダスタリオではない、私の眷属のヴィーです!たしかにモンドを滅ぼしかけたかもしれない、だけど!今度は、この、私がモラクスと共に築いたこの街を、守ってください!!」

 

「……うん、わかったのです!」

 

「よおし、行きますよ!」

 

 

 天高く、ヴィーの頭上から跳躍し、私は「塩の匣」から塩の膜を広げて巨大スライムに降りかかった。この私のコアたる「塩の匣」は生憎と「器」や「定規」の様に無尽蔵に塩を生み出せるわけではない。基本はシオンの様にあらかじめ圧縮し内包しておいた塩の残量をやりくりして戦うスタイルだ。だがその真価は、海と言う無限の塩が存在する場所での使用にある。「塩の匣」の権能とは、触れた塩の操作、その「伝搬」である。塩から塩へ、影響は伝搬し、結果的に大量の塩を操作できる。そうして巨大スライムの形を無理やり整えていく。

 

 

 基本はたぷたぷスライムボディだが、形を抑え込む様に塩の装甲として各所に装着し、形を整えたぶっとい恐竜を思わせる二本の足で海底を踏みしめ、立ち上がる。

 

 安定感ある足に対して両腕は少々細いながらもそれでもがっしりとていて白いごつごつとした鱗を纏った鋭い爪を備えたもので。

 

 安定させる意も込めている長い尻尾から首までかけてごつごつとした背鰭が生え揃い、頭部はくりりとした目と裂けた口が特徴のもので、今の私の意識もここにある。私の塩を使っているせいで白と紫が入り混じった姿になってしまったが、十分だろう。

 

 私の知る限り原神においてもかなりぶっ壊れた性能をしているオセル。その力は怪獣と言っても過言ではない。ではそれに対抗するにはどうすればいいか。それは簡単だ。

 

 

 怪獣には怪獣をぶつけるんだよ。それも、只の怪獣じゃないぞ。怪獣王をだ!!

 

 

「名付けてV(ヴィー)ゴジラ!!行きますよ!!」

 

「グゴアァアアアアアアアンッ!!!!!」

 

 

 オセルの首の一本を掴み、蹴り飛ばす。さあ勝負だ!!!

*1:
申鶴に偽物判定されてた方

*2:
白亜がヘウリアであることを理解しながら璃月港の危機であるため、まくしたてることはせずに泣きそうな顔で飲み込んでいる甘雨

*3:
何気に最強の夜叉を瞬殺しているが本人は「偽物だから」とこの程度判定

*4:
MCU「アイアンマン2」に登場する持ち運び式アタッシュケース型パワードスーツ「アイアンマン マーク5」




文字通りヴィーと一心同体だった白亜さん。申鶴戦で割れたところから漏れてたのはヴィーでしたと。あの時点で感想で何人か気付いてましたね。

そんで巨大スライム形態から「塩の匣」により変形、Vゴジラ。ガメラかで迷ったけどガメラは空中移動だったりバニシングフィストだったり能力ありきだからゴジラにしました。イメージはファイナルウォーズのが近いです。

以下定型文になりますが、割と真面目に感想に飢えているのでどしどしいただけると本当に嬉しいです。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

NEXTへウリアズヒント!!!!

  • いつのまにかフェードアウトしてる鍾離先生
  • 行方不明のタルタリヤ
  • 帰終と仙人、群玉閣へ
  • 内心複雑すぎる甘雨
  • いったいどこにいるんだい本体へウリア
  • 一番楽しそうだドットーレ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。