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要約すると時系列を間違ってたので胡桃が赤ん坊じゃなくなりました。具体的には時系列が十数年前から10年前になりました。マジで公式、時系列表作って欲しい。もしくは年齢公開してほしい。でもお陰で今回の話ができたっていう。
今回からフォンテーヌ編。楽しんでいただけたら幸いです。
フォンテーヌの第一村人
モンドから帰還後、胡堂主に「魔神の残滓が原因。西風騎士団と共に解決しました」と簡単に事後報告して、今日は講談を聞きに行ってる鍾離のもとを訪ねる。ちょうど休憩時間だったらしい鍾離は、人気のない離れでお茶を飲んでいて。私のボロボロの姿に眉をひそめた。
「その傷……またか白亜。お前は傷つかないと気が済まないのか?」
「今回は茨の魔神が相手だったんだから仕方ないでしょう」
「そうか。変死事件の原因はエリゴルスだったか……よく無事で帰ってきた。だがオロバシに続き、エリゴルスまでとは……」
「ドットーレ……「博士」とも呼ばれる男の仕業です。今回は自滅しましたが」
「今回は?そのドットーレとやらは複数いるという事か?オロバシの時もそいつだったということか。白亜、お前は何を知っている?」
やべ、失言した。そういえば説明がめんどくさかったからドットーレについて何も説明してなかった。冷や汗をだらだら流しながら視線を逸らす私を、鍾離はじっと見つめ、溜め息を吐いた。
「……わかった。今は、なにも聞かないことにする。この時代に蘇って間もないお前がなぜファデュイの執行官の名前について知っているかは興味深くはあるが、お前が人を騙せる悪人ではないということは知っている」
「騙すつもりは、なくてですね?でも、言えないんですよ……」
もし全て白状できればどれだけ楽なことだろう。だけど私は、璃月が最古の神を失いながらも立ち上がり成長し、稲妻の人々の思いで永遠の楔を打ち砕き、スメールの知恵を結集して新たな神を打倒し、500年続いたフォンテーヌの演目が果たされ、ナタの人々が希望を胸に深淵を照らし、ナド・クライにて偽りの月が堕ちる。その全てを知っている。
そのどれもが、なにかしら崩れるとそうはならなくなることも知っている。特にフォンテーヌは、水神の真実を誰か一人でも知ってしまえば天理に目論見がバレてご破算になってしまうのだ。そう考えると、心を読める草神のいるスメールだけは立ち入ってはならないな私。私がいるだけでもだいぶヤバいのに、これ以上狂わせてハッピーエンドを崩したくない。だけどそれでも、もしかしたら救えるかもしれない人々がいる。故に私は。
「ドットーレとやらの目論見を潰すのならば我等も手伝おう。仙人たちにも協力を要請して……どうした?白亜」
「鍾離。私は、貴方の知らないことを知っています」
「うむ、そうだな」
「故に何も聞かないでほしい。私は、フォンテーヌに行きたい」
「……甘雨が泣くぞ。申鶴も、お前に懐いている。
「ずっとフォンテーヌに永住するわけではありませんよ。そうですね、海灯祭には帰ってきます」
「ならばここに契約しろ。“何があろうと海灯祭には璃月に帰ってくる”そういう契約だ。破れば岩喰いの刑に処す。例えお前があの世にいようと、必ず引きずり戻して刑に処す。覚悟しろ」
「ははは……死んでもまた蘇らせてくれるなら、安心ですね。その契約、お受けします」
それは契約の国の神たる鍾離ならではの激励だったのだろう。死ぬなよ、と。さて、なんか話している間に岩元素を用いたのか傷が綺麗に修復されてる。あとは服を変えれば問題ないだろうか。
「胡堂主にはいい感じに言っておいてください」
「難題だな。茨の魔神の事件で気を病んで旅に出たということにでもしておこう。フォンテーヌで往生堂を開いてもいいかもな」
「それは……さすがに怒られるのでは?」
「宣伝と言う事にすれば問題ないだろう。それとも、フォンテーヌで何か、往生堂の名に傷がつくような悪事を働くつもりなのか?」
「見方を変えれば悪事、かもしれません。ですが。私はただ、私の正義を果たしに行くだけです」
そう告げると、鍾離はどこか満足げに笑っていた。
とまあそんなわけで、思い立ったが吉日。その日のうちに家の戸締りをして軽く荷物を纏めた私は璃月港を出て、璃月の北に位置する沈玉の谷を道なりに進んでいく。夜のうちに突貫する移動で夜が明ける頃には北端の港町「
「おお……!」
辿り着いたのは、他の国とは広大な淡水の広大な内陸湖で隔絶され、国土も高さ300mを超える巨大な滝の上の高地に成り立っている、この世界で最も技術が発展していると言っても過言ではない国。緑が目立つ島々と、広大な内陸湖の青の鮮やかさは璃月にはない景色だ。正義の国フォンテーヌに、来たんだ。
「さて、と。どうしたものか」
現地民に話を聞いてみたところ、フォンテーヌの首都たるフォンテーヌ廷には定期便で行けるらしいのだが。ゲームにおけるこの国の最大の特徴は、何と言っても水中を泳げるところだ。溺れることがないだけでも画期的である。なら試してみたいのが原神プレイヤーの性だろう。
「よっと」
荷物は謎空間に仕舞って、目の前の青に飛び込む。なんか思ったより水飛沫がでかかったのはなんでだ、と思ったのも束の間。すぐにその理由を理解する。失念していたが、今の私の体は鍾離製の塩人形である。いくら軽い塩と言っても、岩塩みたいなものである。さあどうなるか。
「ぶくぶくぶくぶく………」
結論:真っ直ぐ沈む。息はできるけど身動きとれねえ。あ、海流がやばい。思ったより強い。流されるぁあああああ!?
その後、ピタゴラスイッチみたいに岩やら遺跡やらいろんなものに激突した挙句、どっかの砂浜に打ち上げられた。目が回るし体内に水が溜まって気持ち悪い……傍から見たら「チーン」となってるだろう。これでも塩の魔神です。情けない。
「あ、見てみてペルヴェーレ!やっぱり!窓から見えた通り、人が倒れてたわ!」
「待て、クリーヴ。この大事な時期に抜け出していることが見つかったらお母様の罰が……」
なんか声が聞こえる。聞き覚えがあるような無いような名前……いや待て?フォンテーヌ、10年前、ペルヴェーレ、クリーヴ、ってまさか!?
「まるでお人形さんみたいに綺麗な人ね。ペルヴェーレには負けるけど」
「そもそも生きているのか…?」
ツンツンと細い指で突っつかれて、目を開ける。そこにいたのは、特徴的なモノトーンカラーで赤い×が浮かぶ黒い目の整った顔の少女と、桃色の髪をふんわりヘアーにして白いリボンで纏めている翡翠の目を持つ少女がいて。確信を得て、心臓(あるのか知らないが)が早鐘を打つのを感じた。いや、タルタルが中学生ぐらいぽいなと思ってたが、そうか、それがありえるのか。完全に失念していた。
「あ、起きた?ねえ、よかったらお名前を教えて?」
「……白亜と申します。あの、ここはどちらでしょう…?」
「白亜……璃月の名前かな。ここはフォンテーヌのリフィー地区だ」
「え、それじゃあもしかして外から来たの!?ね、ね。私達、あまり時間がないからまたあとで来るから、その時に外について教えてくれる?私はクリーヴ!この子は親友のペルヴェーレよ!」
そんな笑顔で言われなくても、存じております……。クリーヴは満面の笑みを浮かべているが、その笑顔の裏に、どれほどの絶望を抱いているのかを、私は知っている。厚着で隠してるその肌が傷だらけなのを、知っている。そして……親友であるペルヴェーレに決闘で殺されるのを受け入れて、約束を守れなかったことを謝罪して死んでいくのを。その絶望と怒りから、クリーヴの実母にして苦しめた張本人である先代「召使」を殺害し、その地位に上り詰めたペルヴェーレがアルレッキーノとなることを、知っている。
たしか、クリーヴを殺害した一年後に準備をしたのちに復讐を果たした、とあったはずだ。つまり。時間がない。なんなら、彼女たちが
「それはいいですけど……申し訳ないのですが、もし家が近くにあるなら連れていってもらえないでしょうか。身体が冷えてまして暖まりたいのです……」
「え、でも……どうしようペルヴェーレ」
「納屋に通すぐらいならいいんじゃないかな。ここよりはましだと思う」
「感謝します」
作戦変更。目の前の不幸を排除する。
今回の話になった経緯↓
タルタルの年齢問題に直面。10年前設定に変更したところでアルレッキーノの年齢に気付く。
6歳の時に約束→10年後、(今話の時系列はここ)ペルヴェーレがクリーヴを殺害。仕留める準備で一年後→先代召使殺害(恐らく17歳)。つまりギリ、行ける!!
たしかタルタリヤが最年少ファトゥスってのは明言されてたけどどっちが先とかはなかったはず……なので「今作では」タルタリヤがちょっとだけ先輩、という図式。かなり無理があるけど、こうすれば救える命があるんだ……!
本当はこのままフォンテーヌ邸に直行する予定だったけど、こうした方が後の展開の伏線ができるのでご容赦ください。とりあえず博士に孤児を渡して人体実験させてた共犯の先代召使は絶許ってことで。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
フォンテーヌを拠点にするヘウリア。役職は?(あくまで参考)
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往生堂フォンテーヌ支店
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特巡隊
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スチームバード新聞社
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裁判官
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決闘代理人
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ホテル・ドゥボールのシェフ
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ルキナの泉の清掃員
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メロピデ要塞の囚人
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メロピデ要塞の看守