塩の魔神のしょっぱい備忘録   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。なんか思ったより評価もらえてるので更新しまっす。

自己肯定が地の底より低いヘウリアVS滅茶苦茶評価してるしなんなら好ましいと思っている周りVSダークライ、ファイッ!


※魔神戦争の時代に間違いがあったので修正しました


塩華女帝ってなんですか?

~【塩華女帝】塩の魔神ヘウリアについて~

 塩華女帝または塩の魔神ヘウリアとは、璃月に伝わる二大武神の一人である。もう一人の二大武神、岩王帝君と肩を並べる女傑であり、髪や瞳、肌に服まで全てが純白の美女として戦場に現れ、儚げな姿とは裏腹に無双の限りを尽くしたと伝えられている。

 

 伝承によれば魔神戦争の折、敵の魔神の配下の軍勢に対して同盟関係だった岩王帝君の軍勢の窮地に現れ、虚空から武具を生み出して敵軍を薙ぎ払う初陣を飾ったとされる。それより以前は他の魔神に対し貢物を行い戦いを避けていた姿が確認され、最弱の魔神だと噂されていたが、無益な戦いを避けていた優しい人物であることがうかがえる。

 

 岩王帝君と当時覇権を争っていた【渦の魔神】オセルとその妻【渦の余威】跋掣(ばっせい)を同時に相手して単身足止めし、岩王帝君の破天の槍でオセルを海底につなぎ止めての封印に繋げ、自らも跋掣を追い払ったとされ、オセルと跋掣によって発生した大規模な津波から救われた璃月港の民は岩王帝君と並ぶ塩華女帝と称するようになり、璃月の英雄たちの一人に数えられている。

 

 塩の魔神だけあって料理にも秀でており、特に現代では璃月で最も人気な軽食である揚げ切り芋(フライドポテト)は塩華女帝が自ら考案、調理して璃月の民に振る舞ったものであり、驚くべきことに何も改良することなくずっと人気を有している料理である。岩王帝君や三眼五顕仙人(さんがんごけんせんにん)たちの好物ともされ、気楽に手軽に作れることもあって国民食として親しまれている。

 

 魔神戦争において上位の実力の持ち主とされていたが、自分の民に対しては決して手を出すことができず、その弱点を突いた塩華女帝の都市最後の王に殺害され、その亡骸は塩の花となったとされる。しかし死後もその力が土壌に影響を及び、今代に至るまで豊富な岩塩資源による利益を璃月にもたらしている。それもあってか、璃月で一年に一度行われる海灯祭にて祭られる英雄たちの中では、塩華女帝は岩王帝君に並んで人気であり、霄灯(しょうとう)に塩の華が描かれているのも珍しくない。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「なに、これ?」

 

 

 そんなことが記された書物を渡され、しぶしぶ読み終えた私は困惑するしかない。なんで最弱の魔神が岩王帝君……モラクスと同格扱いされてるのか。これがさっぱりわからない。

 

 

「お前のことについて璃月の民が記したものだ。よくできているだろう?」

 

 

 そう告げるのは、湯呑に入れたお茶を両手で持って一服していたモラクス……今の名を、鍾離(しょうり)。璃月港の葬儀屋、往生堂(おうじょうどう)に客卿として籍を置く、どこか浮世離れした凛々しい男性……として振る舞っているこの男の手で、私が蘇ったのがつい先日。私が死んで魔神戦争が終結してから数千年ほどの時が経ったらしい。原作で往生堂の堂主である胡桃(フータオ)が6歳ぐらいなので、つまり原作開始の十年ほど前である。なんで?

 

 

「なんで、今更私を蘇らせたのです?モラクス」

 

「契約しただろう。お前の願いに協力を惜しまない、と。お前が民の手で殺される直前に言っていただろう。「私はこれから殺されるが、平和となった後に、よろしくお願いします」と。平和な世となった時に生き返らせてほしい、ということではなかったのか?」

 

 

 それは、私の遺物とかを原作通りに処分してほしいってことですねえ!なにしてくれたんだ。この、目の前で心底不思議そうに首を傾げているモラクスは。ムカついたので嫌がらせをすることにした。

 

 

「ソルトスプラッシュ」

 

「ぐあっ!?目が……!?」

 

 

 かざした掌から塩の噴霧を行い目に直撃を受けたモラクスは目を押さえてひっくり返って悶え苦しむ。前世で読んだ漫画の記憶から編み出したただ塩をすごい勢いで振りかける技だが、目つぶしぐらいはできる。悶えるモラクスから話を聞いてみれば、私の死骸……塩の花に残されていた魂をこの男が回収して純粋な岩塩の塊に宿して保存していたのだとか。モラクスがかつて岩元素生物を彫刻して生み出した私の友人の一人でもある若陀龍王(じゃくだりゅうおう)と同じ手法で長年かけて彫刻して、今の私の体……純白の岩塩で形作られた少女の形をした岩人形……現代風に言えばゴーレムか?を生み出したのだとか。無駄に労力をかけてるのはなんでだ。

 

 

「私はあのまま死ぬつもりだったのですが。まさか生き返るとは……魔神戦争的にいいんですかねこれ」

 

「お前が岩と親和性が高い塩の魔神だったからできた裏技だ。帰終は……お前のことを託して散っていった。「平和」がどの時のことかわからずその契約さえなければ、すぐにでも復活させていたのだがな。衝動を抑えるのが大変だった。自分に隕石を降らしたこともあったな。あの時は仙人たちが大騒ぎだった」

 

「そんな契約したつもりはなかったんですがね。そこまでして私に会いたかったんですか?モラクスともあろう者が、まさか寂しかったとか?」

 

 

 モラクスが淹れてくれたお茶をありがたくいただきながらそう問いかけると、目の前の最強の武神は穏やかな笑みを浮かべて頷いた。

 

 

「ああ。寂しくなかったといえば嘘となる。仙人たちを除けばかつての友人たちも、もうほとんど残っていない。かつてのお前の生き写しの姿で復活させることができたことを、嬉しく思うぞ。よく、帰ってくれた」

 

「私としてはこのまま死んでてもよかったんですけどね。ちゃんと殺されましたし。あ、そうだ。聞き忘れていました。私の民は無事でしたか?特に、私を刺した王は至近距離にいましたし、私の力を受けて塩像になったりなどは……」

 

「ん?ああ。あの者たちならば、あの場にいた全てが自刃した。俺が岩喰いの刑に処す前に、自ら命を絶った。それ以外の者は俺の庇護を求めて璃月に移住し、塩業を専門とする八門の銀原庁を生業としている」

 

「はえ?」

 

 

 なんでもないこと、まるで当然だと言わんばかりにそう告げたモラクスに思わず呆ける。え、なんで。だって、私は、私の民が死なない様に、強く、なって……。え、なんで。

 

 

「なんでっ」

 

「民を守るために強くなろうとしたお前を裏切った者たちだ。当然の末路だろう。それよりもだ。なぜ、お前はみすみす死にに行った?」

 

「え。なぜって……」

 

「お前が死ぬと聞いて、その覚悟に満ちた顔を見て、俺はそれほどの相手と戦う死地へ赴くのだと、そう思っていた。だがお前は、無抵抗で、いやむしろ受け入れるように最後の王に刺されて死んだと聞いた。なぜだ、民を殺せなくても逃げればよかっただろう。そのことを、幾千年ずっと聞きたかった。なぜだ、お前は、なぜ、生きることを諦めた」

 

 

 そう真剣に告げるモラクス。なるほど、確かに理由を告げずに死にに行ったのではこの武神でもモヤモヤは残るものだろう。ならば、答えるしかあるまい。

 

 

「私はあの時、民に殺されるべきだった。故に抵抗も何もしなかったのです。なんなら自分から刺さりにいきましたもん」

 

 

 その言葉に、モラクスは珍しく動揺を見せた。前世のモニター越しでもそんな顔、見なかったかもしれない。なんでそこまで動揺するのか。何も言わなくなったので、とりあえずお茶を口に運ぶ。ふむ、お茶が美味い。




ヘウリアの見た目は服を着たFGOのガラテア、をイメージしてます。

※原作のヘウリアはあくまで「力が比較的弱くて」「戦う意思も見せない」「心優しい魔神」なので弱かったけど、日本というどんな微妙な能力でもなんか強くするいろんな戦法がある漫画やアニメという前世知識があって、武神とされるモラクスのもとで武を学んで積極的に戦い、死にに行くために頑張る狂人な主人公が宿ると、どうなるかは自明の理。


・ソルトスプラッシュ
「モブサイコ100」の登場人物、霊幻新隆の必殺技……とは名ばかりの、ただの食塩ひとつかみを投げつける技。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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