今回はアルレッキーノの里帰り。楽しんでいただけたら幸いです。
二週間後。ペルヴェーレが抜けながらも、
「――――というわけで、執行官【召使】アルレッキーノの名を氷の女皇から賜った」
「どういうわけですかあ!?」
「「?」」
「え、あ、ペルヴェ……え?」
全力でへし折ったフラグがまた建てられた件について。ほら、リネとリネットはよくわかってないけど、クリーヴなんか私と同じで飲み込めてなくて持ってたお盆をコップごと落としちゃったじゃん。ガラスじゃなくて璃月風の木製コップでよかった。って、そうじゃない!
「なんで、ペルヴェーレが【召使】引き継いでるんですか!?隊長、まさか洗脳を!?そんなことしないと信じてたのに!いや、まさか【博士】か!またあいつか!スネージナヤに乗り込んで限界以上に無限の塩をあの減らず口しか叩かない口に注ぎ込んでくれようか!」
「落ち着いてくれ、白亜さん。私は私の意思でファデュイに入ることを選んだんだ。【隊長】はそのまま私を返そうとしていたから彼を責めないでやってくれ。理由はいろいろあるが、テイワット中の
怒り狂っていると、アルレッキーノの説明を受けて、ひとまず納得する。確かに、その問題があった。アルレッキーノを助けたら、リネとリネットがひどい目に遭うかもしれない、という少し前までの心配と同じことだから、否定することができない。正直
「でも、それって「お母様」を引き継ぐってことなんじゃ……ペルヴェーレ、辛くないの?」
「いいや、クリーヴ。安心してほしい。私は「お母様」を引き継ぐつもりはない。だから、「お父様」になることにする」
「なんで!?」
「子供たちを守れる大黒柱になろうと思ってね。服も男装にしてみた。スネージナヤの仕立て屋に頼んで誂えてもらったのだが、どうだろう?」
そう言って外套を脱いで、私の知るアルレッキーノ……を少し幼くしたような衣装が現れる。クリーヴを喪わなくても、子供たちのために「お父様」になる、というのは……なんというか、然るべき場所に落ち着いたような、そんな感覚だ。親離れした感じがして寂しいけど。
「こんなに早く親離れするなんて寂しいです」
「白亜さん、多分心の声が出てる」
「おや、嬉しいな。白亜さんは私達を自分の子供だと思ってくれていたのか」
「貴方たちが危険な目に遭わない様に、全力を尽くすつもりでしたよ。私がこうして蘇ったのはこのためだとも思ってました」
「……やはり、こうして正解だったな。安心してくれ、休暇ができたらこの店を手伝うつもりだ。私が仕事をしている間にも社会勉強として、
「ペルヴェ……今はアルレッキーノだっけ。なんというか、
「休暇の時はちゃんと休んでくださいね、アルレッキーノ」
「……名前を変えることになったが、やっぱり少し寂しいな」
クリーヴと私の声を受けて、少し寂し気に苦笑するアルレッキーノ。その顔を見て、クリーヴが、私が、リネが、リネットが、一斉にアルレッキーノ……じゃない、ペルヴェーレに駆け寄って抱き着く。
「ペルヴェーレ!ごめん!ごめんね!?私が拗ねてるのに、貴女が寂しくないわけないもんね!?貴女は執行官になっても私の大親友だから!」
「ああ、ペルヴェーレ!鉄面皮だろうが貴女は心優しくて可愛い私の子供です!ここは貴女の家ですからね!帰った時だけでも甘えてください!」
「僕たち、ペルヴェーレ姉が大好きだよ!」
「ん、私も。ペルヴェーレ姉がいないと寂しい」
「みんな……ありがとう、元気が出たよ」
私達四人に抱き着かれても嫌な顔せず、満足げに微笑むペルヴェーレ。もう原作とか関係なくこの子を
「ああ、そうだ。遅くなったが……いいよ、入ってきなさい」
そうペルヴェーレが促すと、そこまで広くない店内に次々と子供たちが入ってくる。ずっと外で待ってたのなら、申し訳ないなあ。あれ、最後に入ってきた子はもしや…。
「右からリュドヒカ、ブソリカ、藤田、多恵、カタリナ、ニコライ、トロフィン、オレスト、グルント、ディアンドラ、フレミネだ。まだ動かせない年少組とその世話をしている年長組以外はみんな連れてきた。みんな、ここが“お父様”の実家だ。彼女はクリーヴ。私の……一番大事な人だ。リネとリネットは私の弟と妹だと思ってほしい。そして白亜さん。私たちの母親、になるかな?」
「お父様のお母様……?」
「ということは、僕らにとってはお婆様……?」
「お婆様、綺麗!」
「お婆様、お人形さんみたい!」
「待って。その呼び方は待って」
いや確かに私数世紀生きてるからそこんじょそこらのお婆ちゃんよりお婆ちゃんだけどちょっと待って。あとなんか聞き覚えのある名前ばっかりだなあ!?主に層岩巨淵とかで!
「おおう……こんなにたくさんいるなんて。リネとリネットより大きい子もいるし……あ、最後に紹介されてた……フレミネくん?はリネとリネットと同年代だね。遊んで来たら?」
「いいの?クリーヴ姉」
「お兄ちゃん、緊張してるみたい」
「じゃあ簡単なマジックでも披露しようか!」
フレミネを始めとした子供たちがリネとリネットのマジックに目を丸くしてる。可愛らしいことである。……何人かは確かサブクエで命を落としたり行方不明になったりだった気がする。無視はできないなあ。
「ペルヴェーレは、立派に“お父様”をできてるみたいですね?」
「そうだと、嬉しいな」
「うん、ペルヴェーレはよくやってるよ!私も、みんなに“お母様”って呼ばれるよう頑張ってみようかしら!」
「私が“お父様”でクリーヴが“お母様”だと、私達が夫婦と言う事にならないだろうか…?」
「え。あ、え、ん、や…………私じゃダメ、かな?」
「んんっ!?」
ペルヴェーレが返すとそこまで考えてなかったのか赤面し、人差し指を合わせながら消え入りそうな声で告げられた言葉に、心臓を押さえて倒れ伏すペルヴェーレ。なんだなんだと子供たちが駆け寄って見下ろしているその顔は、満面の笑みだった。クリーヴは顔を真っ赤にしてそっぽを向いている。あー、なんだろう。浄化される気分である。
「ペルクリてえてえ」
「おや?」
それから数日後。早朝、スチームバード新聞を配達員のクロックワーク・マシナリーから受け取り、目を通しているととある記事が目に入って首を傾げる。
「……スメールにて、スラサタンナ聖処からクラクサナリデビが失踪?賢者たちが血相を変えて捜索中……?」
あんれ。こんなイベント原作に遭ったっけ。クラクサナリデビ……草神ナヒーダがスラサタンナ聖処から解放されるのって10年後の旅人が来た時が初めてじゃ……あれえ?賢者……アザールのくそ野郎どもが血相を変えてるなら本当っぽいけど。
「なんか、嫌な予感がしますね?」
というわけで、今回にて10年前フォンテーヌ編はひとまず終了になります。本当は名前だけ出した幼少期シャルロットとかシュヴルーズ、あと10年前だとなにやってるかわからないエミリエとかも絡ませたかったのですが、やりたい話は今回で全部やれたのでそろそろ舞台を移すべきと判断しました。シャルロットとか間違いなく10年後で本領発揮できるキャラですし。フォンテーヌでヘウリアがカーレスと組んで頑張ってた「一世一代の大芝居」は結構後に種明かしする予定です。
今回出てきた子供たちの名前は、憶えてる限りの壁炉の家出身者だと明言されてるモブファデュイの名前となります。カタリナとかは覚えてる人も結構いるのでは。まあ中には先代召使派の過激派もいるのが怖いところ。
最後はスメールにて前代未聞の大事件発生。その真相は?
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
現代編は……
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できるだけ早くやってほしい
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もう少しフォンテーヌ編やって欲しい
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なんなら魔神戦争時代に戻ってもいい
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他の国も行きながら過去編やってほしい
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作者のペースでいいよ