塩の魔神のしょっぱい備忘録   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。前回のアンケートがなんかすごいことになってますね。とりあえず、上位三つを優先することにしました。そろそろ旅人のターンだ。

でも今回はまずこれから。にぎやか里帰りです。楽しんでいただけたら幸いです。


璃月編 海灯祭事変
ただいま


「えーと、新人新聞記者シャルロットの大スクープ……ほう、シャルロットがついにデビューしましたか。肝心のスクープは……?」

 

 

 スメールでの大決戦から一週間後。支度を終えて優雅にナヴィアとクロリンデ、クリーヴを交えたティータイムをしながら、最近まだ子供ながら記者になったのだというシャルロットの記事が一面を飾っていたので、確認していたのだが、三度見した。黒髪と翡翠の瞳をした私と瓜二つの女性に口づけしているナヒーダの写真が載っていた。

 

 

「く、【クラクサナリデビ熱愛!?お相手は噂の新人美女大賢者!?】ァア!?」

 

「どうしたの?白亜さん」

 

「い、いや私の分身体が、あばばば、なひ、ナヒーダと不倫(??)を……」

 

 

 混乱して何言ってるかわからんくなってきた。目の前でテーブルトークシアターのネタ会議をしていた三人が顔を見合わせ、怪訝そうな表情を向けてきた。

 

 

「でも、私達も同行したから知ってるけど、白亜さんの分身が独立するのは白亜さんも了承してたわよね?なら、なにしようがあちらの白亜さん……えっと、シオンさんの勝手じゃない?」

 

「うぐっ」

 

「そもそもナヒーダ殿のためにスメールに残ろうとしていたはずだ、そういう関係になっていても違和感はないと思うが」

 

「ふぐっ」

 

「私とペルヴェーレの仲を応援しているくせに、今更じゃない?」

 

「はぐう!?」

 

 

 ぐうの音も出ず、チーンと擬音が出てそうな勢いで机に突っ伏す私。いやまあ、ナヒーダが10年早く外に出てあんな大事件になって、心配だったからシオンを置いてきたのは事実なんですが……手を出していいとは言ってないぞ!?!?!?

 

 

「シャルロットもすごいわねー。いきなりこんな特ダネを掴むなんて」

 

「アトラス事件が起きてからスメールは変革だらけでネタには困らないのだろうが、それでもすごいな」

 

「でもさすがにシオンさんと白亜さんが同一人物だってのは気づいてないみたいね。そもそも世間は塩の魔神ヘウリアの復活は知っていてもそれが白亜さんと気づいていないみたいだし」

 

「気付かれては困るんですよ……」

 

 

 ヘウリアとして活動するときは真白空我真君の格好をするしかなくなった身にもなって欲しい。というかフリーナ、私とシオンを見たはずだけど、全然疑問に思ってなかったな。さすがチョロイン。すると、奥の部屋へ続く扉が開いて、小綺麗な服でおめかしした双子が顔を出した。

 

 

「白亜さん!準備ができました!」

 

「準備、ばっちり……」

 

「ああ、私の可愛いリネリネ!ばっちし決まってますよお!」

 

「うわっ」

 

「きゃっ」

 

 

 荒んでたところにやってきた我が子二人に飛びついて2人纏めて抱きしめ、二人の頬に挟まれてむにむにする。ああ可愛い可愛い。この間エピクレシス歌劇場という大舞台でのマジックショーを成功させてから、垢抜けた感じがして本当に可愛い。

 

 

「私からしたら、ナヒーダさんに手を出したシオンさんと、今の白亜さんは大差ないと思うけど」

 

「同感だ。保護者じゃなかったら逮捕していたところだ」

 

「あとはペルヴェーレを待つだけね。あ、噂をすれば来たわね」

 

 

 カランカラン、と来客を告げるドアのベルが鳴る。今日は店は休みにしているので、入ってくるのは関係者だけ。そして今日は特別な日だ。

 

 

「待たせたかな。アルレッキーノと壁炉の家(ハウス・オブ・ハース)年少組、到着したぞ」

 

「久しぶり、ペルヴェーレ!スメールぶりね!」

 

「ああ、クリーヴ。寂しかったか?」

 

「うん、寂しかったわ!」

 

 

 入ってくるなり飛びついたクリーヴを受け止め抱き合うペルヴェーレに、年少組のみんながいつものことと言わんばかりに呆れ気味に笑ってる。リュドヒカ、ブソリカ、藤田、多恵、カタリナ、ニコライ、トロフィン、オレスト、グルント、ディアンドラ、フレミネ。私の娘であるペルヴェーレの子供達、つまり孫である。ううーん、グランドマザー…。

 

 

「白亜ばあちゃん、こんにちは!」

 

「お婆様、今日はお世話になります!」

 

「お婆様聞いて聞いて!さっきそこでフリーナ様に出会ってね!飴を配ってくれたんだ!」

 

「リネ、リネット。久しぶり……」

 

「お婆様、抱っこして!」

 

「はいはい。みんな揃って来てくれて嬉しいですよ」

 

 

 フレミネと再会を喜び合うリネリネから離れ、飛びついてきたカタリナを抱っこしながら笑顔を向ける。もうお婆様呼ばわりされるのも慣れた。慣れてきたら可愛いものである。まあ可愛がっている理由の一つに、ゲームでは見捨てた子が多いっていう負い目があるのも事実だが、かわいいものは可愛いのである。子供は人類の宝、間違いない。

 

 

「みんな揃いましたね。では璃月に出発しましょうか」

 

 

 そう、そして本日は里帰りの日。数日後は一年に一度の海灯祭、璃月に帰るとモラクスと契約した日なのである。手紙で家族全員で行くと伝えてあるので、旅館の準備はばっちりだ。金に物を言わせて望舒旅館の部屋を人数分貸し切りにしてある。海灯祭は国外からたくさん人が来るので、手段を選んでられないのだ。メンバーは私とクリーヴとリネとリネットはもちろん、ペルヴェーレとフレミネを含めた年少組の子供達、そして付き添いの保護者枠としてナヴィアとクロリンデだ。カーレスは例の対処があるのでさすがに誘えなかった。まあカーレスの言う通りに動ける私の分身(シオンみたいに自我は無し)を置いてるから問題はないだろう。

 

 

「カーレスから大型の船を借りているので、それに乗ってルミドゥースハーバーに向かいます。そこからは璃月北端にある遺瓏埠に渡って、南下して璃月港を目指します。いいですね、子供達。大人たちの目の届かないところに勝手にいかないでくださいね?」

 

「「「「「はーい!!」」」」」

 

「よろしい。では、出発です!」

 

 

 なお、フォンテーヌ廷をこんな大所帯で歩いて外に向かってたらめっちゃ目立って普通に恥ずかしかった。あの、やっぱり人前でお婆様呼びやめません?だめ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから、特に問題なく璃月港までこれた。魔物が襲って来ないかなと思ってたけど、私の魔除けの塩の効果がちゃんとしていたのか、なにも襲ってこなかった。まあよかった。望舒旅館にも荷物は置いてきたし、とりあえず璃月港前の丘の上でみんなには待ってもらって、あとはモラクス……いや鍾離と合流して、おや?

 

 

「待っていたよ、白亜。それに子供達」

 

「貴女は……歌塵浪市真君(かじんろういちしんくん)?モラクスからは隠居したと聞いてましたが……」

 

 

 璃月港の入り口から外れた海辺にいたのは、一見変哲もない普通の璃月人の老婆。しかして私は知っている。その人物が、帰終と一番仲良しで、共に日常を過ごした仙人の一人であると。

 

 

「ほっほ。今はピンばあやで通しておるよ。隠居していたんじゃがの、蟲の魔神の復活に伴って帝君に呼ばれての。久々に前線に立ったわい」

 

「ピンばあやが前線に立つとは、頼もしい限りですね」

 

「もはや老いぼれじゃよ。こんなにも姿が変わったというのにわしだとわかってもらえるとは……いや、お主なら不思議はないな。ああ、そうじゃ。知り合いから旅に出ている間に世話を頼まれての、帝君から迎えを頼まれたのは、この子に年相応の遊びを楽しんでもらうためもあるのじゃろう。少々特殊な生まれでな……ほれ、おいで」

 

 

 そう言ってピンばあやが手招きすると、璃月港から駆け寄ってくる少女がいた。歳は16ぐらいだろうか、私の知る彼女と背丈はあまり変わらないが、挙動やら表情が若く感じる。

 

 

「今行くよ、ばあや。貴女が噂の塩華女帝、かな?私は煙緋(えんひ)、しがない法律家見習いさ。今はフォンテーヌに住んでいると聞いたよ?ぜひ話を聞かせてもらいたいな!」

 

 

 そう挨拶したのは、間違いない。10年後の未来では稲妻からスメールへ続く物語に置いて超重要人物として出てくる、煙緋だった。半仙人というハーフであり、仙人と人間である両親が旅をしていてピンばあやが後見人をしているんだったか。私が塩華女帝と知りながら臆さない態度、気に入りました。

 

 

「こんにちは、煙緋。私のことは白亜とお呼びください。話ならいいですよ、この間裁判を見たばかりです。そんな話でよければいくらでも。ああ、現役の決闘代理人も同行者にいるのでその子から話を聞くのもいいですね?」

 

「ほうほう!それはそれは!ぜひ頼むよ!」

 

「煙緋や。今日は客人の案内だということを忘れてはいけないよ」

 

「わかっているさ、ばあや。法律に則り、完璧に案内してみせよう」

 

「現役ファトゥスとファデュイ候補の子供達がいるんですけど、大丈夫ですかね?」

 

「犯罪をしなければ問題はないさ。しかし凄い客人を連れて来たもんだね?」

 

「私の子供と孫たちですので」

 

「「???」」

 

 

 煙緋とピンばあやの疑問しかない顔、面白いな。さて、みんなを迎えに行って……まずいくべきは、あの子のもとだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりですね、(タオ)ちゃあああああああああああ!?」

 

 

 子供達をナヴィアとクロリンデ、ピンばあやと煙緋に任せて、往生堂フォンテーヌ支店の正規メンバーであるクリーヴ、ペルヴェーレ、リネとリネットを連れて往生堂を訪ねて扉を開けた瞬間、ロケット頭突きを喰らい、咄嗟にリネとリネットを抱えて両脇に避けたペルヴェーレとクリーヴの間を抜けて、柵に背中から激突。ひっくり返って川に落ちそうになったのを、何とか耐えると、お腹の上で胡桃がぷんすか怒っていた。見れば、往生堂の中には胡堂主と鍾離もいた。

 

 

「遅いよ、白亜姉!妹分が待ってるんだからいち早く来るべきだよね!?」

 

「いや旅館に荷物を預けたり、ですね?」

 

「それに、往生堂の支店を飲食店にした言い訳も用意してきたんだよね!?」

 

「あ、鍾離。お久しぶりです」

 

「うむ、先日ぶりだな白亜」

 

「無視するなあー!!」

 

 

 痛い痛い。お腹の上で跳ねて何度も頭突きしないで、避けられないから。さすがは未来の自傷アタッカー、自傷も辞さないとは恐るべし……。それでもその表情は怒り顔から嬉しそうなものに変わっていて。ああ、帰ってきたんだなあと実感する。

 

 

「桃ちゃん?」

 

「んー?なにー?」

 

「ただいま」

 

「にへへ、おかえりなさい!」




当時はまだ時系列関連の問題のせいで胡桃がいたりいなかったりしたので、本編での本格登場は初となります胡桃。同じく同世代のみんなも出していきたいところ。というか出せるキャラは全員出したいので、頑張りますよ海灯祭編。

ピンばあやと煙緋も登場。ピンばあやは隠居してたので出てこなかったと裏事情も発覚。え、実はあとから出そうと思ってたらフォンテーヌ編書くこと決まって機会を失ってたとかそんなわけないじゃないですかあ、あははは……はいごめんなさい。地味にモラクスの修行時代のヘウリアの友人の一人ですね。

煙緋は、両親がたびたび帰ってきて、旅に出ている時だけピンばあやが預かってるっていうことにしてます。明日のアプデでジンとバーバラのお父さんとか出てくるみたいだし、まだ顔見せてない身内キャラどんどん出てこい?

次回は出る機会を完全に失っていたあの子とその保護者の登場。七二三四、五六七七…………次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

旅人の話は……

  • 旅人視点でモンドの最初から
  • 白亜視点でモンドの途中から参戦
  • 旅人視点で璃月で白亜と初遭遇
  • 白亜視点で旅人の旅路をモンドから見守る
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