まさかの来客。楽しんでいただけたら幸いです。
不卜廬から離れ、緋雲の丘の埠頭までやってきた私達。屋台が立ち並ぶ様は圧巻である。鍾離は別行動らしいペルヴェーレたちと
「あっ!
「あ、胡桃。それに白亜さん。そんな大所帯でどうしたんだ?」
「白亜さん。久しぶりですね。最近忙しくされてたそうですが、やはり白亜先生なのでは……?」
「やっほー、胡桃!それに白亜さんも!こっちに美味しい屋台あるよ!」
桃ちゃんと合わせて幼馴染四人衆。既に顔見知りである。行秋からは初対面の時「白亜?もしや、あの白亜先生…!?」と勘違いされて焦った。完全に忘れてたけど確かに白亜ってアルベドのペンネームだったんだよね。でもこれは帰終からもらった名前だから変えたくない。香菱は万民堂に通っているからお得意様扱いしてくるが、初対面だと何故か塩の匂い?を感づかれて食材扱いされるところだったので地味にトラウマである。
「私に芸術家なんて無理ですよ」
「え、そうかな?でも白亜さん、造形はかなりの腕じゃない?ね、ペルヴェーレ」
「そうだな。瞬時に武器を形成できるのは、神の目を手にして使い続けた今だからわかるがかなりの高等技術だ」
「いやあれは適当で……」
「ほっほ。白亜は昔から造形センスを帰終……からくりを作るのが趣味の友人から褒められたもんじゃ。わしも、白亜の造形センスには嫉妬したもんじゃよ」
「おや。ばあやがそう言うなんて、よっぽどみたいだね?」
「いやあの、私本当に芸術には疎くて……」
クリーヴとペルヴェーレとピンばあやと煙緋が褒め称えているけど、関係ない人がいるからぼかしているけど十中八九、塩で武具やらを形成する能力のことだろう。これはなんというか、自然にできるというか。意識してやってるわけじゃないんですよね。
「あ、師匠もいたんだ!どうしたんですか?」
「なあに、古い友人の案内じゃよ。そうだ、グゥオパァーは元気かい?」
「うん、今日も美味しそうにピリ辛蒸し饅頭を食べてたよ!」
「……ピンばあや?グゥオパーとは、もしや」
もしかして私がいない間にあのイベントやってたりする?と思って視線を向けると、ピンばあやは微笑んで、ちらりと香菱の腰の狸の顔みたいなポーチに視線を向ける。そ、そっかあ。フォンテーヌに行ってる間にグゥオパー……竈の魔神マルコシアスが眠りから目覚めてたかあ。あとで会いに行かないとなあ。災害と疫病を鎮めるため大地に自身の力を捧げて力を失った彼と違って私は民を結局死なせてしまったから本当に頭が下がる思いだ。足向けて寝れない。
「今日はお父さんの店も繁盛してるみたいだから、あとで手伝いにいくんだ!」
「ほう、それはそれは。よければ手伝いますよ。私達、往生堂フォンテーヌ支店として飲食店を営んでますので」
「……ねえ胡桃?往生堂って飲食店だったっけ?」
「私に聞かないでよお……ねえ、今からでもいいから改名しよ?白亜姉」
「私一応往生堂所属なので変える気はありません。それに、本店の方にもお客さんも増えたでしょう?」
「それはそうだけどお!!!がっかりしたついでにお仕事頼まれるの複雑なのお!」
私に肩車されながら頭を抱える桃ちゃん。いいじゃないですか、お客増えたなら。支店長としては誇らしい限りですよ。あれ、クリーヴもペルヴェーレもなんで頭を押さえて首を横に振ってるんです?もしかして手伝うの嫌ですか?そういや、私の里帰り兼一応休暇でした。でも行きつけの店のピンチは助けねば。マルコシアスが目覚めたなら猶更。
「じゃあ、お手伝いお願いしようかな!私、先に行ってお父さんに伝えてくるね!あ、行秋くん!私の分も屋台の料理、売り切れる前に買っといてね!モラはあとで払うから!」
「香菱!?まったく……飛雲商会の次男坊と知りながら僕をこき使うのは君ぐらいだ」
「お坊ちゃま扱いされたいのか?」
「そうなのー?行秋ぼっちゃま?」
「やめてくれ2人とも」
璃月幼馴染四人が尊い件について。ここに申鶴とかぶちこんだらどんな化学反応を見せるんだろう。というか去年に続いて申鶴も参加してくれているといいんだけども。来てるかな?甘雨とか閑雲辺りが誘ってくれてると思うのだけども。そんなことを考えながら歩いていたら、目の前に人だかり……が?え?あれ?んんん????
「どうしたの?白亜姉……あれま。凄い人だかりだ。たしか甘味の屋台だったかな」
「璃月の甘味ってどんな味なのかしら。私達も食べましょう、クロリンデ!」
「いや、待てナヴィア。どうやら、そこの屋台のは食べられそうにない」
人だかりに飛び込もうとするナヴィアを、ペルヴェーレが止めた視線の先には、屋台の前で皿に山ほど詰まれた「良茶満月」を凄い勢いで食べている人物がいた。正体を隠しているつもりなのだろう、白無垢を思わせる白いフードを被っていて服装もいつものではなく庶民的な稲妻衣装に身を包んでいるが、その満面の笑みを浮かべている顔には覚えしかない。桃ちゃんを下ろし、私はずかずかと人ごみに入って、その人物に詰め寄った。
「……らいでっ………あなた!!こんなところでなにしてるんですか!?」
「璃月の甘味は美味しいです……おや?貴方はヘウ……」
「白亜です!!!ちょっとこっち来なさい!」
「は、はい…?」
「お、お客さん!まだモラをもらってないよ!」
「ええい、おつりは結構!ほら、行きますよ!」
「ま、待ってください、もう一口だけ……あぁぁぁ~~」
問答無用で引っ掴み、周囲を見渡して人気が少ない裏路地を見つけて、そこに入る。入る前にみんなの方を向いて、ごめんなさいという意を伝えるために半合掌を向けるのも忘れない。さて、この御仁……雷電将軍……ではなく、何故か現世に出ている重度の引きこもり甘党たる雷電影はどうしてくれようか。名前は知ってるけどまだ聞いてないから知らないことにしないとか。さすがに私も学んだぞ。
「もう、ヘウリア。なんだというのです。まだ6個も残っていたのに、食べられなかったじゃないですか」
「まず確認なんですけど、貴女は雷電将軍じゃなくて、あの時変な世界に引き込んで私と剣を交えた中の人、ですよね?」
「中の人とは失礼な。私には雷電影という名前があるのですよ」
「なんっで、外に出てるんですか!?」
「いえ、貴女と剣を交えたくなったので、璃月が祭だという話を聞いて会えるのではと思い来てみたのです。璃月の食文化は素晴らしいですね。特に良茶満月と杏仁豆腐は気に入りました」
「……原因私かあ……」
頭を抱える。いや貴女、原作では一応、旅人に負けるまで外に出てこないはずだったんですけどねえ…!私と戦った時も一応精神世界だったからまあいいか、となってたのに。なんで、出てきちゃうんですかね!?私のせい!?スメールでまた顔を合わせちゃったせいでしょうけど、私なんかより隊長とかそっちを狙いなさいよ!!!
「ああ、そうだ。もう一つ。貴女の娘に私の息子が世話になっている様で」
「私の娘?」
ペルヴェーレか?いやクリーヴかリネかリネットか……って雷電影の息子?それってスカラマシュ……え、認知してるの?嘘ん……。でも私の娘たちは同じ執行官のペルヴェーレ以外は関わってないと思うんですけど。
「ほら、大賢者になった」
「それ私の分身体!!!」
「おや、人形じゃないのですか?あの子と同じで貴女の影武者かと……」
「頭が痛くなってきた……息子って【散兵】のことですか?もしかしてスメールでお話に?」
「いえ、話す理由がなかったので」
「すみません、同じ人の親として貴女を殴りたいんですがよろしいでしょうか」
「お、剣を交えますか?いいですよいいですよ!」
「ところでおつきの人はどこに?黙って連れてきちゃいましたけど」
「ああ、ご安心を。私一人で来たので。あとは九条家の……えっと、名前を思い出せませんが任せました」
「あ、はい」
今頃稲妻は大混乱しているだろうなあ……私のせい?考えないようにしとこう。すると、物音がして咄嗟に身構える私。雷電将軍が璃月に来ていることがバレたら不味い!と思ってのことだったのだが。
「ぐうっ……」
「魈!?どうしたんですか!?」
そこにいたのは、壊れた木箱の残骸に埋もれて気を失っている様子の魈だった。いったい、なにが……。
雷電影、参戦。ヘウリアと戦いたくて諸々を部下(沙羅ではない)に任せて単身璃月に来てました。この人だいぶアグレッシブだと思うんだ。何故かスカラマシュをちゃんと認知してますが、事情は後程。不器用なのは変わりません。
胡桃の幼馴染組登場。既にヘウリアと知り合ってたっていう(タリタリヤ関連の時系列事情により璃月編書いてた頃はまだ生まれてない想定だったので出せなかった裏事情)。胡桃の姉貴分として認識されてます。そして、フォンテーヌに行ってる間にグゥオパー復活してました。ヘウリアとも知り合いです。地味にヘウリアができなかったことを成し遂げている凄い魔神である。
そして幕間の続き。次回、海灯祭に異変が……?次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
旅人の話は……
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旅人視点でモンドの最初から
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白亜視点でモンドの途中から参戦
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旅人視点で璃月で白亜と初遭遇
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白亜視点で旅人の旅路をモンドから見守る