今回はヘウリアVSグレメリー勃発。楽しんでいただけたら幸いです。
「やははっ!遅いよ!ヘウリアァ!」
「ちい!」
すぐにシトリウスを見つけないといけないため、最初から本気を出して灰の魔神グレメリーと名乗った少女を迎撃する。散弾ソルトスプラッシュを乱射しながら空中にばらまいた塩の粒子を足場に空を駆るが、灰の魔神と名乗っただけあって灰の様に風に乗るグレメリーを捉えきれず、彼女の振り回す熱線で手足を切り裂かれ、そのたびに塩で応急処置して追いかける。熱線で焼かれた塩を分離して、新しい塩で継ぎ足ししてるだけだけど、またモラクスに直してもらわないと。
「ほらほら!ちゃんと見てないと、あてしを見失うよ!見失ったら璃月のみんな燃やしちゃうよ!!」
「ええい、なら動くな!殴られなさい!」
「やははっ!やだよ!ヘウリアの拳、塩が塗りつけてて痛いんだもん!」
「当たり前でしょうが私は弱いんだから!」
「まだそれ言ってるのー?やははっ、やっぱり面白いー!」
そう言って熱線を消したかと思えば、自身の周囲に複数の火の玉……どちらかというと鬼火か?を形成。そこから熱線レーザーを放ちながら空を舞うグレメリー。私はそれを、密度を思いっきり固めた塩の槍を手にして受け止め、受け止めた熱線は塩の槍に直撃して焦がすことしかできず、分散して飛んで行き、私はそれを繰り返して、階段状にばらまいた塩の粒子を駆け上り、近づいた途端私の体が炎上するが、その胸ぐらを掴むことに成功する。
「捕まえました!」
「やははっ、すごいすごい!普通の人はあてしに触れることもできず死んじゃうのに!ねえ、もっと抱きしめて?そこだと崩れちゃうよ?」
「え……?」
瞬間、確かに掴んでいたはずのグレメリーの襟が灰となって崩れ、伸ばした手が空ぶった私は足を滑らせ、落下する。触れることすらできない、つまりは近づいたものは炎上するということで……あの服に見えるのはそれっぽく見せているだけの灰ってことか?つまり全裸……考えない様にしよう、とか悶々と考えていたら背中から石畳に叩きつけられる。痛い。ここは……総務司の前か?
「千岩兵は民の避難を!帰離原には被害は及んでないわ!そこに避難を促しなさい!神の目所持者は、あの獣人の対処を!油断しない様に!スネージナヤやフォンテーヌの銃器で武装しているわ!」
「了解!仙人が出る幕もないわ!」
「申鶴、申し訳ありません。せっかくの海灯祭だったのに……」
「大丈夫だ、甘雨。我の力がこの璃月港の助けになれて、我は嬉しい」
「凝光!この貸しは高くつくよ!」
「文淵、商華、武沛!散開しなさい、不意を突いて少しでも戦力を削るわ!」
「「「御意!」」」
見れば、凝光を筆頭に刻晴、甘雨、申鶴、北斗、夜蘭とその部下と思われる面々が千岩軍と共に獣人兵相手に奮闘しているのが横目に見えた。……はは、若者たちが頑張っているのに、老人が休んでいるわけにはいきませんね!
「
「あ、貴女は塩華女帝!?」
「ヘウリア様!ご無事で!私の間違いでなければあの兵隊は……」
「はい、煙の魔神シトリウスの尖兵です。シトリウスを倒さない限りあの煙から無限に湧き出てきます。なので……」
凝光に呼びかけ、甘雨の質問に答えながら「器」をひっくり返し、溢れ出た塩を片っ端から剣やら槍やらに形成していく。
「私の武器を授けます!以前戦った際はこれで刃が通り、怯んでいました。千岩軍に配ってください」
「し、しかしそれでは塩華女帝が弱体化するのでは……」
「私とモラクス……岩王帝君だけでは犠牲者を出してしまいます。今こそ、人々の助けが必要なのです。いいですか、天権。………神がいなくとも、国を守れるようになりなさい」
「え。それはどういう……」
「はっ。借りるわ。言われなくても……神様だけに任せているのはうんざりなのよ!」
「刻晴!?不敬ですよ!?」
私の用意した塩の片手剣を引き抜き、己の剣と共に二刀流で駆け抜けていく刻晴。ふむ、10年早いが、まあこの国には必要なことだ。これで少なくとも、千岩軍も対抗できるようになったはずだから神の目所持者が足りなくて負ける、なんてことは防げたはずだ。問題は……。
「やははっ。相変わらず、民が大事なんだねー。終わったー?」
「待ってくれてありがとうございます。やりましょうか」
「塩華女帝?誰と会話を……」
「凝光!なんだい、あれ!」
「やった!じゃあ、これでもくらえー!」
視線を向ければ満面の笑みを浮かべ、熱線を二本生成して両手で握り、槍投げの如く投擲してくるグレメリー。その二本の熱線はみんなにも見えている様で、全員防御体勢になっている。なるほど、私が防がないと民が死ぬ、ということか。とことん私の地雷を踏み抜いてくるやつだ。そんなもの……!
「武装。はああああっ!」
両腕の肘まで塩で覆い、ぴっちり張り付く薄い手甲を形成。私は熱線二本と凝光たちの間に立ち、両手一本ずつで受け止める。
「ぐうっ……!?」
「塩華女帝、手が……!」
「どこに敵がいるかはわからないが、我も加勢を……!」
「いりませんよ、申鶴…!あなたたちは、民を守りなさい…!」
受け止めた手甲が徐々に黒く焼き焦げて灰化していくのを見て凝光が悲鳴を上げるが、申鶴が助けを断り、私は熱線を握りしめて身を捻り、跳躍。空中でぐるんと一回転してから二本とも投げ返した。
「……やははっ。まじい?」
さすがにあの焦熱の防御では熱線までは防げないのか、上空のグレメリーは呆気に取られて引きつった笑みを浮かべながら頬を掻き、直後に直撃。大爆発が璃月港を照らした。
「よし。私はシトリウスを狙います。私の方に来ないということは、恐らく岩王帝君のもとです。巻き添えになりかねないので増援はいりません。ですが、恐らくはこの分散された敵兵は私達を疲弊させるためのものです。なので……理水畳山真君、留雲借風真君、削月築陽真君」
そう呼びかけると、すぐさま獣の姿で仙人三人が姿を現し、恐らく各地で戦闘していたのだろう、その身体が焦げている三人に、モラクスの代わりとして指示を下した。
「岩王帝君の代行として命じます。降魔大聖は負傷していて、恐らく参戦は難しいと思います。彼等と共に、雜兵を任せます。いいですか、誰一人犠牲者を出さないでください。もちろん貴方達もです」
「「「御意」」」
いやあの、私貴方たちの友人でしかないんだから頭は下げないで?後ろの凝光たちや千岩軍もさあ!?それに本当に死なないでね?10年後まで生きてもらわなくちゃ本当に困るのだから。いやその後も死んでほしくないけども。そんなことを考えながら跳躍し、塩の粒子に乗って璃月港の上空を走る。さっきから隕石の類が見えないことから、恐らくモラクスは以前のシトリウスとの対決と同じように、本気を出せていない。私が加勢しないと不味いかもしれない。必要ないかもだけど、あの得体のしれないグレメリーといい、なんというか……【博士】の感じがしない。恐らく別勢力の……!?瞬間、空が煌めいて飛んできた熱線を瞬時に形成した手甲で防いで弾く。見れば、少々焦げてこそいるもののぴんぴんしているグレメリーが浮いていた。
「やははっ!死ぬかと思ったじゃん!でもそれでこそだ、ヘウリア!やっぱりあいつに渡すのはやめやめ!あんな戦争バカじゃヘウリアのよさがわかるはずないし!あてしが独り占めしてやんよ!」
「グレメリー……あれで死んどきなさいよ、お約束でしょうが」
「ええー?前にヘウリアが、爆発は生存フラグ!とか言ってたじゃんー?あてし記憶力いいんだよー?」
「はい?」
え、私がそんなメタメタ発言をいつ言った?そんなこと、モラクスにすらふざけてるときしか言わないのに。
「ねえ、名前を呼んでー?」
「……グレメリー」
「やははっ!ああ、興奮するぅ!あてしの名前を呼んでくれる、ヘウリア…、ヘウリアヘウリア!記憶に焼き付くまで殺し合いしようよォオオオオオ!!!」
「一人で燃え尽きてなさい!」
両腕に光輝く灼熱を纏い、殴りかかってくるグレメリーに対し、塩の手甲を装備し更に塩を増量。空中、拳の応酬が始まった。私の癖が読まれて…?
「お前はいったい何なんですか!グレメリー!」
「もっと私の名前を呼んでえええ!」
ギラギラと、その目が燃える。恐ろしさと、懐かしさを同時に感じた。
相変らず味方に武器を渡した方が強いヘウリア。今回は格闘戦まで披露。お前は何を持ちえないんだ……!(by某火山頭)
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
旅人の話は……
-
旅人視点でモンドの最初から
-
白亜視点でモンドの途中から参戦
-
旅人視点で璃月で白亜と初遭遇
-
白亜視点で旅人の旅路をモンドから見守る