グレメリーの本当の正体判明。楽しんでいただけたら幸いです。
数刻前。グレメリーと激突する中で、「私」の一人称を思わず出したらしいグレメリーに、違和感を抱く。そもそも「あてし」なんて、原神……そればかりか崩壊:スターレイル、ゼンレスゾーンゼロなどを含めたいわゆるホヨバではかなり珍しい、というかまずない一人称だ。それ以外で考えてもそんな一人称、私の知る限り、知らない。「あてぃし」……がギリ近いだろうか。だが「私」の方が素であれば、「あてし」あと多分「やははっ」という笑い方は演じているということであり……………んん?なんか聞くたびに、マラカス持ったぼったくり*1を思い出すむかつく笑い方だなあとは思っていたのだけども。もしかして。
「えっと……グレメリー!」
「やはっ!また名前呼んでくれた!もっと呼んで!」
「コログってワードに聞き覚えありますか!?」
「やはっ。………え」
そう尋ねると、動きが止まった。両手に出現させていた熱線が収縮し、焼失して呆然と立ち尽くすグレメリー。その反応は、まさか正解なのか。そもそも私と初めて会った時の奇襲の直前まで、彼女の気配をまるで察知できなかったのもおかしい。そこから考えると、透明になるか、もしくは……そうだな、例えば……仮面ライダードライブのフリーズ・ロイミュード*2、仮面ライダーセイバーのアメイジングセイレーン*3、ONEPEACEのメモメモの実*4、あとちょっと違うかもだけどBLEACHのブック・オブ・ジ・エンド*5みたいな記憶の改竄とか?しかも、今あげたものと違って、わざわざ目立つ一人称と笑い方をしないといけないぐらい、不可抗力の力を宿している証左だ。
「……なんで?モラクスの日記を読んだの?でも、さっきまで私とは初対面で……記憶が戻ったの?」
「ああ、やっぱり……自分の意志関係なく記憶を消すとかそんな感じですか。モラクスの日記のことを知っていたり、コログってワードを知っている辺り、……貴女は昔、私の友人だった。それも、かなり親しい……貴女の言うところの「親友」だったってことですかね」
「ああ、やっぱり……!私に気付いてくれた!ヘウリアの言ったとおりだった!変な一人称や笑い方にすれば目立つって!」
空中で逆さまになりながらも嬉しそうに顔を綻ばせるグレメリーに、敵意は感じない。
「私を襲ったのは、私に気付いてもらうため……とかですかね?」
「や、それもあるけど……えっと、とりあえず私の眼を見ないでほしいな……」
「貴女は私をガン見するんですね?」
「だって、もう見れないと思ってた顔なんだもん……私の目の前で崩れてしまったヘウリアが、そこにいるんだもん」
「…………もしかして、王に刺された時にいました?」
そう尋ねると、コクッと頷くグレメリー。死に際まで傍にいたってことは、マジで親友だったんだろうなあ。
「それは……えっと、ごめんなさい?でも、なんで璃月を襲うんですか?私とモラクスと友人なら、この地は……」
「ああ、うん。それなんだけど……王子からケムリン……シトリウスの護衛を頼まれててね?王子には目覚めてからお世話になりっぱなしだから頭が上がらなくてさ。シトリウスを復活させた腕の化石も私が昔ケムリンを迎撃した時に残ってたから提供した奴だから私責任者で……姫様だから断れなくって……そしたらシトリウスのモラクスとヘウリアへの恨みが強すぎて璃月港にまで手を出すからどうしようかと。とりあえず、璃月港の被害はなんとかなりそうだからせめてヘウリアを足止めして役割を果たそうと思って」
「待ってください!?王子?姫様?……貴女の今いる所属ってもしかして」
そう尋ねると、グレメリーはきょとんとした顔を浮かべた後、「あー」と何かに納得したのか頷いて、笑って一礼した。
「申し遅れました。あてしは灰の魔神グレメリー。共に天理打倒を目指す、アビス教団……その王子の伴侶、姫様をやらせていただいてます」
「………はい?」
「やははっ。なぜか王子君、私のことを忘れないんだよね。魔術師たちはすぐ忘れちゃうのにねー。そんな人から求められたら手を貸すよねー。目的一緒だし?」
「……目的?」
嫌な予感がして、尋ねるしかない。グレメリーが、アビス教団の姫。つまり旅人の片割れは男主人公の空で、その伴侶ってことはつまりその目的は。なにか、ダメな勘違いが横行している直感がした。
「ヘウリアが死ぬ理由になった魔神戦争なんてものを引き起こした天理の抹殺だよ。ヘウリアが復活したのは嬉しいけど、また同じことにならないとは限らないもんね。それに、あてし見てたよ?すーぐ、身内のために命を懸けてさー……また魔神戦争なんて起きたら、躊躇なく自害するでしょ。そういう人だってのは、よーくわかったよ」
いやすいません。私が死んだの別に魔神戦争関係なくて、ただそうなるべきだからそうして、少しでも被害を減らしたかっただけで……。いやまあ、最終的に生き残っちゃったら躊躇なく自害してた気はしますけど。だって私本来いるべきじゃないんですよ?当然ですよね。だから天理は関係なくて、ですね?むしろ怒らせると旅人が来る前に詰む可能性すらあってですね?
「ちょっ、まっ……」
「あてし達の目的は天理だから、ヘウリアと敵対する気はないから安心してね!あ、でもシトリウスさすがにやりすぎだからモラクスと合流していいよ!みんなで作った璃月港に被害出すのはやっぱり嫌だもんね。王子さまにはいい感じに伝えとくから!じゃあねーい。あ、そうだ。これからも末永く、よろしくね?」
止める間もなく、グレメリーは空に舞い上がり姿を消していて。見れば、なんかでっかい船が龍の姿のモラクスを巻き込んで落ちてくるのが見えて。
「まずはあっちですかね!雷電影にも協力を要請しましょうかね……」
そうして私達はシトリウスを討ち倒した。シトリウスは奮闘したが、被害を考えなくてよくなったモラクス相手に勝てるわけがなくて。最終的に石像にされた後に拳で粉砕されていた。………んん?あれ?もしかして、今回のシトリウスってもしかしてアビス教団製だったりする?アビス教団が博士の技術を手に入れたってこと?それ不味くない?
「……まーたやること増えましたね」
一心浄土から出て、海上でも伝わるほどの勝鬨が上がる璃月港を見て、決意する。あと10年、いや9年か?旅人が来るまでおよそそれぐらいだ。それまでに、不確定要素はできるだけ取り除こう。往生堂フォンテーヌ支店を続けつつ、その裏でカーレスと例の計画を進めて、毎年海灯祭に戻ってきて、その合間にアビス教団を見つけて少しでも妨害する、およびグレメリーを説得する。王子さまはまあ放置。どうせ私なんかに興味の欠片もないだろうし。あと目狩り令のタイミングになったら助けなきゃいけない人もいることを忘れてはならない。
やることが..やることが多い..!!けど全部やらないといけないのが、転生者……転移者?の辛いところですね。分身の方が大賢者でナヒーダに好かれてるとか勝ち組なのは納得いかないからシオンも巻き込んでやる、と私は決意した。私相手ならどれだけ迷惑かけてもいいのはありがたいですね!
「ぶえっくしょい!」
「あら。どうしたの、シオン?」
「いや、なんか嫌な予感が……」
「あ、見えて来たわよ璃月港。海灯祭に間に合ったかしら」
「私にも“契約”が反映されてたら不味いので来たけど……なんかあったんですかね?」
「なんでもいいわ。本家大元のポテトをいただくわよ!まずはワタシが!いやわたくしが!」
「二人とも平等に買ってあげるから一人喧嘩しないでください」
そんな会話が璃月港の入り口であったとかなかったとか。
そして、時は経ち。始まりの砂浜を見下ろせる崖の上で、その光景を見下ろしている人物が一人。白い髪に白い肌、白い衣装と白づくめ。その視線の先には、白い装束なれど、視線を引きつける鮮やかな金髪を短くまとめた旅人の少女と、謎の妖精がちょっとした崖を上っているところだった。
「そろそろだと思ってきてみれば、おやドンピシャでしたね。さて、どうしたものか」
▼塩華の章【塩の魔神のしょっぱい備忘録】~完~to be continued?
▼序章【二匹の魔龍と金髪の異邦人】NEW!
というわけで、グレメリーは現アビス教団の姫、空の伴侶でした。シトリウスが「姫君だろ」と言ってた理由であり、シトリウスが復活した理由となります。空がなんで能力が効かないのかは後々。
とりあえずグレメリーのことを認識して、忘れずに済んだヘウリア。生憎と一度忘れてしまったら思い出などは後付けするしかないので、かつての記憶を取り戻すのは不可能なのだ。焼いたものは戻せませんからね。
そしてついに旅人参戦。舞台は原作時間軸に。過去話のこぼれ話はまた番外編みたいな感じで思い付き次第書いていく予定です。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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