塩の魔神のしょっぱい備忘録   作:放仮ごdz

81 / 101
どうも、放仮ごです。個人的にめちゃくちゃぶっ刺さっていたゼンゼロのシーシィア、確保できました。あとは今やってる原神の方でナヴィアを引ければ完璧。アルレッキーノとクロリンデはいるので揃えばうちでいう幼馴染組が完成するのよな。

今回は今後長らく敵対することになるキャラの一人の正体が明らかに。楽しんでいただけたら幸いです。


あっはっは、笑うしかない。――――天敵だ

 エンジェルズシェアでオーナーであるディルックと合流し、ただのジンとしてやってきたジンも合流した蛍とパイモン、ウェンティを遠巻きに眺める。今は汐風騎士ハクアとしての姿だ。合流することも考えたのだが、私は旅人の旅路にメインキャラとして出たくないのでやめとくことにした。

 

 

「ファデュイが盗んだのは変わらないけど、盗人はあのルネウってマジですかー」

 

 

 扉が閉められていてさらに遠くなのでちゃんと聞こえないが、私は一応魔神。これぐらいならちょっとは耳に届く。聞こえてきた内容を繋げると、【天空】を盗んだのが雷蛍術師じゃなくてあの謎の魔神ルネウらしいのだ。あれ、もしかして今後もメインとしてアイツ出てくるの?私が知らないだけでもしかして原神アプデされて序章のストーリー変わってたりする?でもさすがに大まかな流れは変わってないと信じたい。

 

 

「ライアー【天空】を取り返すためにファデュイの隠れ家を探す、と。そのあとは各地にある涙の結晶を回収でしたっけ」

 

 

 悪く言うつもりはないけど、スメール以降に比べるとやっぱり寄り道が多い気がする。でも正直、手伝うのもなんか違う気がするのよな。私がやるべきはやっぱりルネウの調査と、アビス教団の動向を探ることだろう。というかよく考えたら序盤から、モンドとアビス教団とファデュイで三つ巴してたのか。ファデュイとアビス教団はよほどのことがないと一緒に出てこないのよな。なんか協定でもあったりするのだろうか。……ある気がしてきた。アビス教団側の旅人の片割れが氷の女皇と組んでてもおかしくないよね。目的はどっちも天理打倒のはずだし。

 

 

「天理、かあ」

 

 

 正直、10年も過ごしていたらなにかしら接触してくると思ってたんだけども。だって私、魔神なのに普通に復活して暴れてるし。七執政を決めることが重要で、魔神の生存までは気にしてないんだろうか。それはあるかもか。オセルとか封印されただけだし、マルコシアスも厳密には休眠してただけだしなあ。正直本当によくわからん。正体が第一降臨者のパネース?って人で、かつてテイワットを支配していた龍王ニーベルンゲンを打倒して支配者の座を奪ったということがナド・クライまででわかったぐらいだろうか。

 

 

「少なくとも蛍が天理の影の一人に襲われてはいるから活動してないわけではないですよねえ」

 

 

 原神の最初がそれだし、蛍から言質は取れてるから確定だ。もしかしなくても空の執政アスモダイだろう。パイモンと色合いとかいろいろ似ているくぎゅボイスの女性である。これもあってパイモンが黒幕とかいろいろ言われてたけど……実際会った感じ、私のことを怪しむことすらしなかったし、そんな感じがしないのがなあ。

 

 

「アビス教団とかスネージナヤを黙認してるっぽいですし、なにがしたいのかわからないのは本当に勘弁してほしいですね」

 

 

 七執政は何らかの契約みたいなものをしてるみたいだけど、モラクスに聞いても教えてくれなかったんだよなあ。あー、どうせ転生するなら情報全部持って転生したかった。じゃないと私どうしていいか本気でわからないんだけど。というかそもそも私も降臨者なのだろうか。肉体と記憶はちゃんとヘウリアで、前世を思い出してる状態だから何とも言えん。というか隠しているだけで私の他にも似た様なのいたりして。いや、ないか。それならヘウリアが生きてる時点で何かしら接触してきそうだし。

 

 

「あれ、いつの間にかいなくなってますね。ワープでもしましたか?」

 

 

 そうそう、この世界の蛍も普通にワープポイントを活用できるらしい。ちなみに私含めて他の人はできないので、旅人固有の能力っぽい。ウェンティにディルックとジンも消えてるってことは、近くの人間含めてワープできるのか。ティアキンのプルアパッドみたいに緊急離脱できそう。*1

 

 

「じゃあ私も動きますかねえ……で、何の御用でしょうか【淑女】さん?」

 

 

 屋根から跳んでモンド城の城壁から出たところで、私に視線を向ける人物がいたことに気づいたので問いかけると、その件の人物……【淑女】シニョーラが一人でモンド城外に立っていた。

 

 

「ルネウからあの旅人が【天空】を盗もうとしていたって聞いてね。相も変わらず神様たちが無駄なことをしていると思って警告に来たのよ。汐風騎士ハクア……いや、塩の魔神ヘウリアさん?」

 

「おや。バレました。仮面被ってるんですけどね」

 

「あの巨竜を撃墜できるなんてファトゥスでもなかなかいないわよ」

 

「御謙遜を」

 

 

 11位のタルタリヤでもあの呑星の鯨と戦えてたしどうとでもなるでしょうに。正直龍よりやばいよ?ペットらしいけど。いやまあタルタリヤは魔王武装使えるから実力的には上なのかもだけど。そこらへんの力感覚わからないよね。上位四人が明確に強いのはわかるんだけど、5位がおじいちゃんの【雄鶏】だからなあ……。知識からなのか、それとも本当に強いのか。

 

 

「璃月の魔神にしてフォンテーヌ一の有名店の店長様がこんな酒しかない国で騎士だなんて、驚いたわ」

 

「貴女の生まれた国でしょうに、もう少しいいところを探してみたらどうですか?」

 

「……私の過去を知ってるのね。役立たずの風神からでも聞いたの?」

 

 

 あれ、これ隠してるんだっけ。あのルネウにロザリー呼びされてるから隠してないと思ってたけど。シニョーラは氷の女皇から与えられた、ペルヴェーレで言うアルレッキーノに当たる偽名で、彼女の本名はロザリン・クルーズチカ・ローエファルタ。500年ほど昔のモンドの歌姫だった人物だ。魔龍ドゥリンがモンドを襲った災害時に彼女はスメールの教令院に留学していたため被害を免れたが、彼女の恋人である西風騎士団員……確か名前は、ルースタンだっただろうか、彼が亡くなった。

 大切な人たち、思い出の時間、輝く未来、その全てを失った彼女は復讐の炎を燃やし、「炎の魔女」となった。放浪の末に自らの身を燃やし尽くさんとしていた時にファトゥスの元締め【道化】と出会い、氷の邪眼を受け取り炎を自らの過去と共に封じ【淑女】となった。故に彼女は騎士という制度がある故に恋人が逃げることすらできなかったとモンドを憎み、そして何故ルースタンを救わなかったと、風神を憎んでいる。アトラスとの戦いでよく共闘できたなと今でも思う。多分、彼女と少なからず関わりがあるスメールが滅んでほしくなかっただろうからだけど。そうなのだ、彼女の苛烈さの根底には優しさが存在しているのだ。だから、もうここまで関わったなら止めれるものなら止めたいのである。

 

 

「風神からは聞いてませんよ。私と彼、そんなに仲良くはないので。こうして騎士団にいるのも、気まぐれです」

 

「どうだか。風神に任せていたらモンドは今度こそ完全に滅ぶわ。【天空】を奪いトワリンを殺さんとするのは私達の優しさなの。邪魔はしないでもらえるかしら」

 

「トワリンはドゥリンとは違う。貴女の憎悪を向けるべき対象ではありません。そもそもあれは、モンドの、風神の責任ではなくドゥリンを生み出した錬金術師の罪で……」

 

「貴女が何を知っていると言うの?数千年前に死に、たった10年前に復活しただけの部外者の貴女が!」

 

 

 瞬間、【淑女】にかかげられた手から氷柱が放たれ、私は咄嗟に塩の片手剣を生成して斬り飛ばす。ここで事を荒立てたくはないんですけどね…!

 

 

「ええ、確かに私は部外者ですとも。ですが、貴方は風神を敵視するあまり、私達の力を軽く見過ぎている!その様な腹積もりだと、足をすくわれますよ…!」

 

「神と呼ばれているだけで、貴方達に大した力がないことはわかってるわ!」

 

 

 【淑女】について特筆すべきは、ファトゥス初めての脱落者だということだ。時系列的には先代【召使】のクルセビナとかいるし、ファトゥスに限らなければ稲妻での彼や万葉の親友などがいるが、現代において固有の姿を持ちつつ死亡したのは【淑女】が最初だ。彼女はモンド、璃月、稲妻に渡って旅人を苦しめた最初の敵で、稲妻で真の姿を現し雷電将軍の【御前試合】にて決着をつけることとなる。【御前試合】は将軍の前で命を懸けて行う決闘。敗北した者は、例え生きていても将軍により死を与えられることとなる。

 そうなのだ、彼女は軽視していた神の一人である雷電将軍を侮り、斬られて物語から退場することとなる。私個人的に原神における分岐点の一つだと思う。こうなった原因は、ドゥリンを止められなかった……つまり大した力は持ってないとバルバトスを誤認したことに他ならない。邪龍ドゥリンは本当に洒落にならないバケモノだから止められなくても仕方ないのだが、それを知る由はないので仕方ないと言えよう。なんなら多分、璃月でモラクスが手を出さなかったせいでその力を見られなかったことも理由だと思う。だから私がするべきは、その認識の上書きだ。

 

 

「なら見せてあげましょう。二大武神とすら謳われた、神としての力を…!」

 

 

 力の差を見せつけ、神は油断ならないと教え込む。大丈夫だ、いくらファトゥスと言えど彼女は第八位。【隊長】クラスでなければさすがに戦える。そう考え、シニョーラの放つ氷柱の弾幕を全て斬り伏せつつ、距離を詰める。寸止めでいいだろうか。とにかくやるしかない。少しでも、悲劇を止める。そう意気込み、首に向けて振るった一撃を寸止めしようとし、……!?

 

 

「あの【召使】の義母である貴女を侮るわけがないわ。【博士】が言っていたわ。彼女は、塩の魔神ヘウリアがファデュイに敵対した場合の切札だってね」

 

「大丈夫?ロザリー?傷、ついてない?」

 

「これ、は……」

 

 

 背後から放たれたシャボン玉に包まれ、私の手から塩の片手剣が崩れ落ちる。いや、今の感覚。崩れ落ちるというよりは流されたような……。振り向けば、件の魔神……恐らく【博士】製の人造魔神であろうルネウが、私の背後で私を包んだシャボン玉を握った手を掲げて立っていた。私は脱出しようともがくがシャボン玉は形を歪ませるだけで割れる気配がなく。しかし、パン!と割れて解放されたかと思えばルネウが目の前で左手で握った右手を突きつけていて。

 

 

「ボクのロザリーを傷つけようとしたわね?」

 

「ちょっ、まっ……!?」

 

 

 ルネウから放たれた掌大のシャボン玉が、私に接触すると同時に起爆。中に内包された衝撃波が解放され、大爆発と共に吹き飛び、転がっていく私。落ちた仮面を拾い上げて被り直す。参った。咄嗟に塩の花弁を全力展開してなかったら四肢が吹っ飛んでた。

 

 

「……あー、痛い。一体何の魔神なんですかねえ」

 

「気になるかしら。名乗ってあげなさい、ルネウ」

 

「ボクは泡の魔神デミ・ルネウ。お前は塩を操るみたいだけど、そんなもの泡で洗い流せば無力化なんて簡単よ。お前の技は、ボクには通じない」

 

「あっはっは……なんですかそれ」

 

 

 笑うしかないだろうこんなの。正直どの魔神にも地力では勝てそうにないから小細工を弄して頑張ってきたのに、その小細工を無力化してくるこいつは……完全に、私の天敵だ。ヌヴィレットの水流に負けてるんだから、さらにきめ細かくなってる泡なんて。勝ち目なんてマジでない。

 

 

「というかアトラスで学ばなかったんですか。また人造魔神を作って……」

 

「ルネウは私の親友だから必要ないとは思うけど、私が起爆スイッチを持っている爆弾首輪を取り付けてあるわ。アトラスの二の舞はさせないようにと女皇自ら命令されたようね」

 

「ロザリー以外の執行官にはそれがあっても従う気はないけどね」

 

「これでわかったかしら。トワリンだろうとその偽物だろうと、風神がいなくたって勝てるのよ。降参して、この国から離れるなら見逃してあげるわ。大人しく子や孫と戯れてなさい」

 

「はいはい。降参です、降参。大人しく帰りますよ」

 

 

 両手を上げて降参の意を取る。いや本当に勝ち目がないし、まだ助ける予定の人がいるからここで死ぬわけにはいかないのだ。汐風騎士【ハクア】はこの国からいなくなりますよ。【ハクア】はね。私の返事に満足したのか、ルネウを連れて去っていく【淑女】。厄介なことになりましたね……。

 

 

「とりあえず、当分は【長司】として動きますかね。【ハクア】はお休みです」

 

 

 つまり、モンドからはお尋ね者で、蛍たちからしたら敵か味方もわからない謎の人で、ファデュイやアビス教団からは第三……いや第四勢力になるのかね。あっはっは、10年前からそうだけどハードモード過ぎません?

*1
ゼルダの伝説ティアーズオブキングダムのいわゆるメニュー画面やマップ画面に当たるアイテム。とあるムービーにてワープ機能を使って撤退したことがある




旅人組は原作の焼き増しにしかならないのでさすがにカット。そして本格的に【淑女】と敵対です。雷電将軍の時点でそれまでの神二人が本気を出してなかったせいもあると思うんですよあの結末は。なんならフリーナとか幽閉されているナヒーダも見てるなら猶更。ちゃんと表立って神様やってるのあの時点では氷神とマーヴィカと雷電将軍ぐらいですし。

そして判明、泡の魔神ルネウ。フォルネウスから名前はいただきました。正真正銘、ヘウリアの天敵です。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

現在へウリアと旅人のW主人公制ですが……

  • ヘウリア視点メインで進める
  • 旅人視点メインで進める
  • 今みたいに交互にそれぞれの視点を進める
  • 交互だけど同じ時間軸じゃなく、進めていく
  • 作者の塩梅(ノリ)でやってどうぞ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。