塩の魔神のしょっぱい備忘録   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ゴールデンウィークなのに昨日も今日も仕事してます。帰って原神するときほど心休まるときはありませんね。

今回はお尋ね者長司VSモンド大体オールスターズ。楽しんでいただけると幸いです。


お尋ね者はつらいよ

「待ちなさい!この断罪の皇女フィッシュル・ヴォン・ルフシュロス・ナフィードットが!悪しき逃亡者を!断罪してやるわ!」

 

「エミ……じゃなかった、フィッシュル!あいつ、右に逃げたぞ!俺がこのまま追いかけるから先回りして……あいたあ!?」

 

「エミと呼ばないで!?……って、ベネット!?なんで躓いただけで荷車に頭突っ込むのよ!?」

 

『お嬢様、お言葉が崩れていらっしゃいます』

 

 

 ハクアがいたらファデュイに目を付けられて騎士団に迷惑をかけるので、仕方なく長司として動いていたら普通に指名手配されてた件について。それに気づいて身を隠しながらモンド城を出ようとしていたら、まさかのベネットとフィッシュルの冒険者コンビに見つかってしまった。なんか一人は長々と名乗って立ち止まっていて、もう一人は私は何してないのに持ち前の不運からかなにもないところですっころんで荷車の藁の山に頭が突き刺さっているので、簡単に逃げられそう……。

 

 

「こらー!待ちなさい!【天空】のライアーを返しなさい!」

 

「ほわっ!?」

 

 

 とか思ってたら、仮面すれすれを掠る火の矢に急停止。周りを見渡して、最後に空を見て度肝を抜くことになった。

 

 

「な、なんで“風の翼”を出しながら攻撃できるんですか!?」

 

「モンドの飛行チャンピオン、舐めないでよね!」

 

 

 “風の翼”で滑空しながら弓を引き絞って火を纏った矢を弾幕として飛ばしてくるアンバーがいた。普通“風の翼”は落下攻撃しかできないんですけどねえ!?バランスとるために両腕伸ばさないといけないから、アンバーはそのバランスを弓を引きながらとってるってことですかねえ!?たしかに、できることは増やしたほうがいいとは助言しましたけど!……あれ?つまり私のせいか?

 

 

「厄介な……おおう!?」

 

「逃がしません…!」

 

 

 さらに、目の前から顔目掛けて横薙ぎに振るわれた大剣を、イナバウアーの要領で大きく体を逸らしてスライディングして回避。見れば、騎士ではないが西風騎士団の騎士見習い兼メイド、初心者の頼れる仲間でもあるノエルが立っていた。こちらも、躊躇を無くさないと敵に付け込まれるとは教えましたが、だからって不意打ち大剣は如何なものかと。あ、これも私のせいか?

 

 

「私も舐められたものですね……こんな若手で相手が務まるんですか?」

 

 

 せめてもの、蛍たちに疑いが向かないように煽ってみる。アンバーとノエルにフィッシュルとベネットが合流しても、言うて若者4人だ。付け入る隙はいくらでもある。これでも私はちゃんと覚えてないけど数百年生きた、武神モラクスの弟子だ。この程度切り抜けられなきゃ、嘘だろう。

 

 

「たしかに……彼女たちで君を相手にするには力不足のようだ。微力ながら僕たちも加勢しよう」

 

「どっかーん!してもいい?スクロースお姉ちゃん!」

 

「私が爆風を抑えるから、今回は大丈夫!今は別行動しているジン代理団長からも許可はとってあるから!」

 

「それはちょっと待って?」

 

 

 そこに駆けつけた三人を見て、固まる。さすがに待った。五大罪人の一人【黄金】レインドットの被造物たる錬金術師【白亜の申し子】アルベドにその弟子スクロースに、アルベドの妹分であるクレー……実力的にも、ゲーム的な性能な意味でもモンドトップクラスが来るのは聞いてない。

 

 

「なにが待ったなんだ?なめられて憤慨していたのはそちらだろう?」

 

「また会ったわね……この恨み、晴らさせてもらうわ」

 

「おおん……」

 

 

 さらに騎兵隊長ガイアに、遊撃隊長エウルアまで来ちゃった。ほぼほぼ西風騎士団オールスターズである。しかも、周りには西風騎士団の兵士が包囲してる。オワタ。いくらなんでも国宝を盗んだ犯人相手とはいえやりすぎじゃないですか?もう正体明かして降参していいかなあ。

 

 

「ただの盗人に、本気出しすぎてません?」

 

「門番の誰も稲妻人なんて入門させた覚えはないという。稲妻は鎖国しているから当たり前だろう?なのに、お前は現れた。しかも警備の手薄を狙って侵入し、あまつさえ逃げおおせた。俺達の手の内を知っている……つまり、正体は身内の誰かだ。そして、龍災の関係者もしくは犯人の可能性が高い。俺達が本腰上げるのも仕方ないんじゃないか?」

 

「ごもっともです」

 

 

 まあ犯人はファデュイで盗もうとしたのは蛍で、私は虚言を吐いてるだけなんだが。なんなら警備の穴、ルネウには関係なかったし、ウェンティにも把握されてるんだよなあ。こちらからしたら見当違い甚だしい。いやまあ身内なのは合ってますけど。 

 

 

「断罪の皇女フィッシュル!ここに完全復活したわ……っあ。き、騎士団の皆様……し、失礼したわ」

 

「気にすることないぜエミ!じゃなかったフィッシュル!今のかっこよかったぜ!」

 

「そ、そう?」

 

「……なんか締まらんが。西風騎士団の総力を持って、お前を捕縛させてもらうぞ」

 

 

 途中、フィッシュルとベネットがやってきて雰囲気がほんわかするが、ガイアの一言と共に気が引き締められる。いやあ、これどうしよう。アンバー、ノエル、フィッシュル、ベネット、アルベド、スクロース、クレー、ガイア、エウルア……兵士はなんとかなるとして、プレイアブルが9人はさすがに無理ぃ。仕方ないので覚悟を決めて、【理屈責め】を取り出す。塩の権能使わずに切り抜けたいけど無理そう。

 

 

「クレー!上だ!」

 

「うん、アルベドお兄ちゃん!どっかーん!!」

 

 

 双方共に隙を伺ってたら、アルベドが錬金術……元素スキル「創生術・擬似陽華」を発動。私の足元に岩元素で構成された花が形成されてエレベーターの様に私が持ち上げられてしまう。本来は自身を持ち上げて落下攻撃に用いるスキルだけど、これは……と判断する間もなく、空中なため道に被害が及ばないクレーのボンボン爆弾が放たれていた。私はとっさに体勢が崩れながらも【理屈責め】を振り抜き、野球でもするかのようにボンボン爆弾を打ち上げ、空中で爆発させる。それが開戦の狼煙となった。

 

 

「はあ!」

 

「せい!」

 

「ぐぬっ……はあ!」

 

 

 着地の隙を狙って斬り込んでくるノエルとエウルアの攻撃を、【理屈責め】と右手の指先で受け止める。ノエルの方はやはり人間相手だと躊躇が出たから素手で受け止めることはできた。利き腕じゃない左手で【理屈責め】を持ってエウルアの一撃を受け止めた手がプルプルしてるけど。二重の意味で重い…!

 

 

「ノエル、エウルア!離れて…!雨のような、矢を……!」

 

「影の鴉が、幽夜を求めている……!」

 

「お嬢様の仰せのままに!」

 

「無相の風、シュミレート!」

 

 

 そこに、アンバーとフィッシュル、スクロースが元素爆発。火を纏った矢の雨と、使い魔である烏のオズに変身して雷元素を迸らせる突撃、さらに蝶を模した風元素の塊が過負荷反応が拡散させ、私はとてつもないダメージを受けて黒焦げでなんとか離脱する。しかしそこに、炎を纏った片手剣を手にしたベネットが落ちてきた。

 

 

「全力攻撃だ!!……ガイアさん!」

 

「任されたぜ。ーーー風邪引くなよ」

 

 

 まずい、原神でも最高峰のバフ技……ベネットの元素爆発『素晴らしい旅』と、原神でも屈指の氷付着に優れたガイアの元素爆発『凛列なる輪舞』を使われた。炎のフィールド内で複数の氷柱を回転する衛星のように展開させたガイアによる怒涛の溶解攻撃が繰り出される。

 

「この程度…!」

 

「背後がお留守だぜ」

 

「ぐうあっ!?」

 

 

 怒涛の剣戟を耐え凌ぐも、ガイア特有の敵の背後に回り込む攻撃を受けて、背中を斬りつけられる。まずい、モンド勢を全然使ってなかったからモーション覚えてない……ベネットとかフィッシュルとかスクロースは使ったことあるけど、基本的にスキル撃って元素爆発してすぐ交代だから、本当になにもわからない!タルタリヤとかボスならたくさん戦ったから思い出さなくても動きが読めるのに!抜け出せない……!?

 

 

「その仮面を剥いで正体を見させてもらうぜ…!」

 

「くうっ…!?」

 

 

 デタラメに放った私の突きを受けて体勢を崩したガイア。しかし、剣を手放して消失させ、手をついてブレイクダンスのように立ち上がり体勢を立て直したかと思えば、その手に剣を出して逆手持ちで私の首筋……狐面の下に剣先が添えられる。まずい、ファルカとの契約もある……ここで私がハクアと同一人物だと知られるわけには……!

 

 

「!? みんな、逃げて!」

 

 

 すると、何かに気づいたアンバーが警告を上げる。その声に刃を止めたガイア、上空を見て、表情を引きつらせた。私もそれに釣られて視線を向けて、絶句する。

 

 

「おいおい、マジか」

 

 

 それは、太陽だった。あまりにも純粋な熱量の光源が、徐々にこちらに近づいてきていて。アルベドが壁を駆け上がって城壁の上に立ち、何事か唱えて、モンド城を覆える巨大な疑似陽華を展開。落ちてきた火球を防ぎ切る。

 

 

「こっちだよ、ヘウリア」

 

「え、あなたは……」

 

 

 私は呆然とそれを見上げていると、誰かに手を握られそのまま手を引かれてその場をあとにする。あれは陽動ってことは、そんなことできる知り合いは2人だけ。そのうち1人はナタを離れられない、だとすると答えは1つ。

 

 

「ここなら大丈夫かなー」

 

「どういう用件ですか、一応敵ですよね?私たち。……グレメリー」

 

「ああっ!もっとあてしの名を呼んで!ヘウリア!」

 

 

 件の人物、相変わらず灰のワンピースを着た燃える目を持つ少女が自分の体を抱えて悶えていた。もうこの反応にも慣れたや。

 

 

「ってそれどころじゃないの!助けてヘウリア!?」

 

「助けてほしいのはこっちですよ……騎士団にファデュイにアビス教団……どれだけ敵がいると。どういう意味ですか?」

 

 

 ジト目で尋ねると、グレメリーは右手で頭をかきつつ、笑った。

 

 

「ドゥリンが、よみがえっちゃった。えへっ」

 

「はい?」

 

 

 えへってなんだよ!ってパイモンの叫びが聞こえたような気がした。




モンド勢って癖強いけどちゃんと使いこなしたら強いのすごいし、なんなら戦力的な意味では七国トップクラスまであるよね。

まさかの助太刀グレメリー。本当に切羽詰まってる模様。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

現在へウリアと旅人のW主人公制ですが……

  • ヘウリア視点メインで進める
  • 旅人視点メインで進める
  • 今みたいに交互にそれぞれの視点を進める
  • 交互だけど同じ時間軸じゃなく、進めていく
  • 作者の塩梅(ノリ)でやってどうぞ
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