今回はドゥリン・ダスタリオVSモンド・ファデュイ・アビス連合。タイトルは某動物戦隊からです。楽しんでいただけたら幸いです。
一夜明けて。ドゥリン・ダスタリオが動き出した。目的はもうわからないが、偵察したミカによると「気に喰わないから殺す」的な発言をしていたらしいから、もう多分気分の問題なんだろう。私はそれを確認し、アカツキワイナリーを見下ろす丘*1からそれを確認して走り出すと、そこに空からグレメリーが飛来した。
「ヘウリア、モンドにいる魔術師みんなには通達して、例の場所に移動してもらったよ。でもよく思い付いたね?」
「ぶっちゃけ賭けにすぎませんがね!まずあそこまで誘き寄せることができるか微妙ですし!」
「でも、時間稼ぎ役を買って出ることはなかったんじゃない?」
「ただの人間だけじゃアレに数分耐えれていいところです!過去の遺物である私達魔神が体を張らない理由がありますか!」
「あてしとしてはまた死んでほしくないんだけど」
「ならしっかり援護しなさい!」
「あいあいさー。あ、あっちも無事飛べたみたい?」
見れば、緊急事態ってことでバルバトスとしての格好(顔はフードで隠している)をしているウェンティの加護を受けた騎士団が飛翔しているのが見えた。西風騎士団勢揃いは圧巻である。ファルカはこれ知ったらなんで俺は参加できなかったんだー!ってごねてそう。
「くらえーい!」
「クレー、もっと投げていいぞ!…風圧剣!」
「私達が届かせる…!吸引テスト開始!」
「お二人さん、こいつも送ってくれ!凍れ!」
「エウルア!ウサギ伯爵、いくよー!」
「この恨み、覚えておくわ!」
「判決を、下す!」
「風よ!」
空中からクレーがボンボン爆弾を投げつけ、それをジンとスクロースが風を用いてガイアの放った冷気ごと届かせ、さらに爆発するデコイであるウサギ伯爵を投擲したアンバーがそのまま火矢を連続で射出、投擲されたウサギ伯爵はエウルアが冷気を纏わせながら大剣でホームランし、さらにダメ押しとばかりにディルックが火の鳥を放ち、蛍が肉薄して右手に圧縮した風を開放して拡散させる。次々と全身で溶解反応が発生して悶えるドゥリン・ダスタリオ。
「目障りだあ!」
「おっと、させないよ。ノエル、君はまず自分の命を大事に、だ」
「心得ております!お掃除はメイドの仕事です!」
「あれに雷の通りは悪いから、結晶反応を起こすのはお姉さんに任せて」
ドゥリン・ダスタリオが毒の弾幕を放つも、それは岩元素で簡易的に地面を使わず再現したアルベドの擬似陽華と、元素爆発「大掃除」を発動した大剣を振り回すノエル、それに雷元素を付与して結晶反応でバリアを作ってみんなに配るリサが防ぐ。さらに溶解チームが猛攻を叩き込み、さらにはクレーのボンボン爆弾が風に乗って目に炸裂。悲鳴を上げたドゥリン・ダスタリオはたまらず急降下。清泉町付近まで迫る。
「やはり、降りてきました!皆さん、お願いします!」
「岩、出でよ!火力は上げたぞ!」
「いい娯楽だ!」
「凍ってしまうよ…!」
「バーベキューの時間だ~!」
「まだ始まったばかりだ!興ざめさせるなよォ!!」
「言葉は不要だ、仕事するのみ!」
「ど、どこにいたんだよお!?」
そこに、ルネウの透明泡で身を隠していたファデュイ先遣隊の皆さんがミカの指示で奇襲。岩に水に氷に炎に風に雷と、草以外の元素オールスターズで猛攻を仕掛け、たまらず西へ進路を逸れるドゥリン・ダスタリオ。攻撃が効いている様には見えないが、元が小心者のダスタリオだ。グレメリーのお墨付きであり、見た目が派手なら怯むなら誘導することはできる。
「ですが、さすがにでかいですね…!」
ただ進路を変えた余波で発生した突風で、空中の騎士団組は散らされてしまっている。地上のファデュイ部隊は機動力がないので、追いつけない。ここから遊撃隊である私と、彼女の出番だ。
「いけますね!【淑女】の懐刀?!」
「そっちこそ、ロザリーの期待に答えなかったらただじゃおかないわよ!」
丘を駆け抜けながら呼びかけると、シードル湖を高速で泳いで追従していたルネウが吠える。彼女は泡の魔神、つまり水元素だ。私の天敵でありながら、私の塩とは相性抜群である。
「いい加減、死ねえ!」
「おわっと!?」
地上を並走する私に気付いたドゥリン・ダスタリオがヘドロの様なブレスを放ってくるが、私は宙返りで回避。そのまま塩の足場を使って空を駆り、物理攻撃が効かないのは前回で学んだので、右掌を向け、ありったけを叩き込む。
「制限解除、ソルトスプラッシュ!!」
「うごごごごっ!?」
「ドラゴンスパインだと凍ったけど……その穢らわしい身体、洗い流してやるわ!」
「ううおおおおっ!?」
左からは私の塩塊のマシンガン、右からはルネウのバブル光線みたいな攻撃を同時に受け、やはり効いてはいないが、やはり怯んでそのまま真っ直ぐ突き進んでいる。純粋な水流じゃない泡と言えど私の時みたいに包み込めないから洗浄能力は半減するとは思ってましたが、ほぼほぼ効いてませんね!それはちょっと予想外。これじゃ、いくら派手でもすぐ慣れてしまって自分には効かないとわかってしまう。でも、そのためにわざわざウェンティとクレーに頼んでダメ押しを用意したんですよ!
「〈手を出すつもりはなかったが、ルピカの友と風神の頼みだ―――北風の王狼、奔狼の領主ボレアス。幻影のみだが助太刀しよう〉」
「貫け……!」
いつの間にか蛍たちは接触してたらしい北風の守護者ボレアスと彼に育てられた少年、レザーが参戦。吹雪とも称される風と氷元素を合わせた突風を浴びせ、そこに紫電の狼を背に展開したレザーの、超電導反応による一撃が、咄嗟にドゥリン・ダスタリオが防御せんと構えた左腕に炸裂。大きく体勢を崩すドゥリン・ダスタリオ。すかさず私は右手に塩の塊を形成、高速回転させていき、ルネウも泡の奔流を飛ばして感電や凍結反応を起こしていた。
「グレメリー!貴女の熱をよこしなさい!」
「いいけど、もしかしてあれ?」
「覚えてませんが、過去の私と貴女が親友なら提案はしてたでしょうね!」
私の右手に浮かばせた塩の楔の様な塊に、グレメリーが熱線で赤熱。それは高熱の渦を巻き、私が掲げた右手の先で業火の渦を巻く。やり方は全く違うが、単純な高出力の一撃として申し分のない、前世で読んだ漫画の呪霊操術と火山の呪霊*2の奥義の模倣…!疑似・
「【
「う、うわぁぁぁぁああっああああっ!?」
超巨大な業火の渦を隕石の様に叩き込む、ただそれだけ。だがしかし、ドゥリン・ダスタリオには及ばないもののかなりの規模のそれはドゥリン・ダスタリオの表皮を少し蒸発させるのが関の山だったが、ビビらせるには十分だったようで。その巨体は私達の目論見通り……風龍廃墟へと、逃げ込んだのだった。
「今です、グレメリー!」
「はいはーい。みんなー!調子に乗ってるダスタリオをわからせるよー。やっちゃえ!!」
私は風龍廃墟が見渡せる崖に降り立つと、傍に浮かんでいたグレメリーが叫ぶ。どうやらグレメリーを直視しない魔術かなんかを使ってるらしいアビスの魔術師たちにはその声が届くのだ。同時に、空に巨大な雨雲が発生する。水のアビスの魔術師と、水のヒルチャール・シャーマン。彼らに他のアビスの魔術師が力を送り、風龍廃墟の上空を覆い尽くす雨雲を形成しているのだ。
「今の声、姫様!?まさか、本当に私を……っ!?」
グレメリーの声に困惑していたドゥリン・ダスタリオ。雨雲に気づいて風龍廃墟から脱出しようとするが、そうは問屋が卸さない。蛍の浄化とファデュイ、そしてジンから要請を受けて駆けつけ、最初は戸惑いながらも尽力してくれたバーバラ。彼らの治癒を受けて、完全復活を遂げたトワリンが、戦士たちを乗せて飛来する。私も、展開される前に飛び込んだ。
「逃がさん!!」
「この、弱いくせにい!」
トワリンが起こした風龍廃墟を覆う竜巻の様な壁に阻まれ、脱出できず豪雨に晒されるドゥリン・ダスタリオ。対峙するトワリンの背から、蛍、パイモン、ウェンティ、ディルック、ジン、シニョーラが降りてきて並び立ち、私もそれに加わると、豪雨によりいささか縮んだ(それでも骨格が骨格だからトワリンの二倍ぐらいあるけど)様子のドゥリン・ダスタリオは気に入らないとばかりに吠えた。
「お前ら全員、ふざけるな!いがみ合ってたくせに!トワリンを殺そうとしていたくせに!私が強くなった途端、私が悪でお前たちが正義か!?ふざけるな!私が全員殺してやる!正義は勝者にこそあるんだあ!」
まあ、正論かどうかは置いておいて。元々トワリンを完全な悪役にするべく暗躍していたダスタリオ故の悲鳴だろう。グレメリーも思うところはあるのか気まずそうに頬を掻いてるし、シニョーラはどこ吹く風だ。殺意を増したドゥリン・ダスタリオに、蛍は剣を向ける。
「私は部外者だから、そんなに強くは言えないけど……それだけは否定する。私たちは、正義のために戦うんじゃない。私達は、このモンドに生きる人々の自由のために戦うんだ」
おや。なんか指輪の魔法使いの最終話の世界の破壊者*3みたいなことを言い出すね、蛍。嫌いじゃないわ!*4
「私の邪魔をして……お前らはいったい、なんなんだ!」
「その問いかけに対する答えは一つだけ、ですかね。―――通りすがりの旅人ですよ。私と、彼女はね」
「オイラは蛍の相棒の!「非常食じゃなくて?あ、私は蛍だよ」ち・がーう!ええい、パイモンだ!」
「モンドで一番の吟遊詩人にしてトワリンの友達、ウェンティさ」
「西風騎士団代理団長、蒲公英騎士ジン。参る」
「僕も名乗らないといけない流れかい?…今この場においては―――西風騎士団前騎兵隊長、ディルックだ」
「ファトゥス第八位【淑女】シニョーラよ。ドゥリンとして私の前に出てきたことを後悔なさい」
「……今この時は「四風守護」の一柱、東風の龍トワリンとして、我が友と共に戦おう」
問答している間にもドロドロと溶けていっているドゥリン・ダスタリオにそれぞれフリーダムに名乗る私達。何が言いたいかって?負ける気がしないってやつですよ!
戦いってのはなあ、ノリがいい奴が勝つんだよ!って赤鬼が言ってた。ナタでの戦いを思い出すと、やっぱりファデュイともちゃんと共闘したいよねって。ジェイドの任務で出てきた彼らもそうだけど、やっぱり憎みきれん。稲妻の彼の犠牲もあるから複雑ですが。
作戦としては、騎士団組で派手に攻撃を仕掛けてモンド城から引き離す→追い詰めた地点でファデュイが奇襲を仕掛けて進路を誘導→ヘウリアとルネウとルピカ親子で狩りの様に追い立てる→その間にトワリンがメインメンバーを回収→風龍廃墟に追いつめ、アビスの魔術師たちで豪雨を発生させて弱体化しつつ風の壁で閉じ込める→決戦。こんな感じ。作戦立案者はヘウリアです。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ダスタリオの末路は?(ストーリーに関わるかどうかは未定)
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新たな邪龍ドゥリンとして倒される
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倒されるも弱体化しグレメリーに回収される
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本音を吐露してヘウリアに同情されて救済
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博士に目を付けられてファデュイに鹵獲
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アルベドが何とかする
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グレメリーに処刑される