セクハラ提督と大淀先生のちょっとためになる話 作:同人誌は純文学
横須賀鎮守府、執務室。
いつものように書類の山と格闘していた大淀の背後に、気配を殺した(あるいは単にだらしない足音を無視されていた)提督が音もなく忍び寄る。
提督「大淀ちゃーん!俺のジーニアスブレインをスーパージーニアスブレインにする方法を教えて!」
ガバッ、と。遠慮も躊躇もなく背中から抱きついた提督は、大淀の肩に顎を乗せて、蜂蜜みたいにとろとろ甘いのに、後味だけがしつこく舌に残る声で囁いた。
大淀「……提督。まず、その形容詞の渋滞した脳みそを整理するのと、私の腰から手を離すの、どちらを先に済ませたいですか?」
(ああ、また始まった……。というか、この人、抱きつく時の重心の預け方だけは無駄に上手いんですよね。……少し石鹸の匂いがするのが余計に腹立たしいというか)
大淀は眼鏡のブリッジを指で押し上げ、溜息をつきながらも、突き放すことなく手元のタブレットに視線を戻した。もはやこの程度のスキンシップは、彼女にとって「日常業務のノイズ」レベルにまで慣らされていたのだ。
提督「えー、相変わらず冷たいなあ。俺は真面目に『地頭』を良くしたいんだが。そしたらもっと効率よく仕事して、大淀とデートする時間も増えるだろ?」
大淀「デートの時間を捻出するために脳を強化しようという発想、その一点においてのみ、貴方の思考回路は非常に独創的だと言わざるを得ませんね。」
提督「だろ! ほら、教えてよ、大淀先生!」
大淀「いいでしょう。そこまで仰るなら、論理的思考力、多角的視点、そしてメタ認知を向上させるための『スーパージーニアス』な特訓メニューを今すぐ作成します。」
提督「おっ、さすが大淀! 話がわかる!」
大淀「まずは……そうですね。本日分の未決済書類、約50件。これを『一切の誤字脱字なく、かつ関連法規をすべて暗唱しながら1時間以内に処理』してください。脳への負荷は最大級ですよ?」
提督「……えっ、あ、いや、そういう筋トレ的なやつじゃなくて、もっとこう……なんか食べたら賢くなる飴ちゃんとかないの?」
大淀「あるわけないでしょう。 ほら、地頭を良くしたいなら、まずはその『甘えた根性』を叩き直すのが先決です。はい、席について!」
提督「ひえぇぇ……大淀の目がマジだ……。スーパージーニアスブレインへの道は険しい……」
大淀「……ふふっ。でも、そうやって私を頼りにしているうちは、まだ『伸びしろ』があるということにしておいてあげます。……さあ、始めますよ?」