覇種の使い魔~輝輝臨臨~   作:豚煮込みうどん

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みなさんお久しぶりです。明日から仕事なのに今週のFはイベント盛りだくさんでますます執筆出来なくて困ってるうどん(肉)です。
今後がくっと更新速度落ちますが勘弁してください。

シルゴルの巣を今後『領域』と呼称します。


募集してないのにパーティーに入ってくる系地雷が増えてたけど又最近減った気がする件

~ルイズside~

 

「ロマリアからの使者ですか?」

 

姫様からエミットを預けられてから3日、その案件を持ってきたのはミス・ロングビルだった。

因みにエミットがミス・ロングビルに会った時は知り合いだったらしくマチルダと呼んでいた…詳しくは聞いていないけど色々あるのかも知れない。

 

「はい、シルとゴルの噂を聞いたロマリアからの調査団という話です。先触れが来たのがつい先程ですので直に到着するかと。

一応例のルーンの件はまだ伝わってはいないと思いますがトリステイン国内ではあの子達は始祖ブリミルが遣わした神獣扱いですからね、表向きにはそれに相応しいかどうかの認定という話ですが。

正直色々ときな臭い気がします…最低でも教会として認定するから寄付金を納めろといった要求もあるかも知れません。」

 

ミス・ロングビルがうんざりした表情で話す内容を聞いて私も思わず苦笑いを浮かべてしまう。

本意では無かったけれど私はもうトリステイン有数の個人資産家だ。故にスパルタ的に財政について知識を叩き込まれた…その中には賄賂や裏金といった知識も当然含まれていた、というよりも私がそう言った物に知らず知らず利用されない為にと言う事でそう言った事が中心だった。

その中でみんなが口を揃えて語っていたのが『光の国』と呼ばれるブリミル教の総本山のロマリア、そこの神官達のがめつさだった。ブリミルの威光を盾にされ異端の烙印を受ければ例えそれが王族とてハルケギニアでは生きてはいけない。

そんなある種の特権階級の人間が得るお金こそがなんやかんや理由を付けて貴族から徴収する寄付金なのだからミス・ロングビルの言った不安も当然だ。

 

「とはいえ、現在貴女達は正式にトリステイン王国から保護対象とされていますからそう無体な真似はされないと思いますけどね。」

 

「分かりました。」

 

今更だけど当たり前の如くミス・ロングビルも私が虚無だという事を知っていたりする。

 

 

その後暫くが経って昼を廻った頃、神官服を纏った一団が学院の職員の先導を受けて『領域』にやって来た。

 

「おぉっこれは素晴らしい。」

「何という神々しさだ…これは一考せねばなるまい。」

 

シルとゴルの姿を見て全員が驚きの声を上げる。

と、そんな中一団の先頭に一匹の白い風竜がふわりと舞い降りる。シルフィードよりも一回り大きい身体、一目で良い竜なんだと分かる…まぁ私の使い魔を前にしたら霞むけど。

そんな事を考えていると風竜の背中から一人の若い男が颯爽と飛び降りてきた。白い風竜に倣った礼装風の白い神官服、美麗な雰囲気を醸し出す金髪に甘いマスクはギーシュと一緒だけれどより洗練された感じ…一言で言えばイケメンだわ。

今日の話を聞いて見学に来ていた私の友人達の中から黄色い声が上がる…勿論その中には色ボケキュルケが入っていたんだけど…モンモランシー貴女は彼氏が隣に居るのにそれで良いの?

 

「初めまして、ミス・ヴァリエール…僕の名前はジュリオ、ジュリオ・チェザーレこの視察団の代表をヴィットーリオ猊下より任命された神官です。始祖に感謝しなくてはいけませんね、貴女の様な美しい女性に出会わせて下さった奇跡に。」

 

そう言っていきなり私の手に唇を落としてきたジュリオの手を思わず振り解く。

 

「わ、私は手を許した覚えは無いわっ!!」

 

「これは失礼。」

 

態とらしい位に笑って謝罪の為に腰を折るジュリオ。改めて見れば彼の切れ長の目は左右で色が違う月目で又それが彼の怪しげな魅力を引き立てていた。

 

「ジュリオ殿、この領域で不用意にミス・ヴァリエールを刺激しないで頂けますか?最悪の場合死者が複数出る事となりますので。」

 

私の傍に控えるエミットの言葉に周りのこっち側の全員がうんうんと深く頷く。私としてはこんな嫌な一体感を発揮して貰いたくない。

 

「それは君が杖を抜く…という訳では無さそうだね…」

 

言葉の途中で何かに気が付いてジュリオが表情を引き攣らせたので振り返ると私の直ぐ後ろで立ち上がったシルが珍しく牙を剥いてジュリオに威嚇していた。

きっと私の手にキスをしたジュリオに嫉妬したんだろう…可愛い奴め!!

でもそれに慌てているのは後ろの神官団の方達だけでもう表情を引き締めてジュリオ自身は落ち着いた様子でシルの事を真っ直ぐに見つめる。

そのままジュリオは暫くシルを観察するように視線を向けていたけれど満足したようにようやく視線を私に戻した。

 

「いやはや君の使い魔は凄いね、僕も何度か我が使い魔こそ始祖の御使いだと声高に叫ぶメイジとその使い魔を見てきたけど君の使い魔は格が違う…彼等の様な偽物じゃあ無い。本物だよ。」

 

ジュリオのその言葉に一斉に周りがざわめく、彼の言葉をそのまま受け取るならロマリアとしてシルゴルを始祖の使いと認定するという事なのだから…

 

「ジュリオ殿、そんな勝手に決めて良い事ではありませんぞ!!それもそんなあっさりと!?」

 

「この件については僕は猊下から直々に全権を預かってるんだけど?それとも君は納得出来ない?」

 

自分より明らかに年上の神官の言葉にそうあっさりと切り返すジュリオ、その内容からも神官が何も言い返せず引っ込んだ所から彼が普通の立場の人間じゃ無い事が覗えた…

 

「とは言え、あくまでも僕がこの場で認められるのは精々神獣認定位かな?それ以上ってなるとトリステイン国内だけじゃ無くてブリミル教全体に対する貢献次第って所だろうね?」

 

そう言ってバツが悪そうに軽く笑いながらこっそり私に見える様にエキューマークを指で作って見せるジュリオ…

 

(やっぱりそうなるのね…)

 

とはいえ予想は出来ていた事なので私も苦笑いで了承の意を伝える。ぶっちゃけてしまえば私としては認定なんてされなくても構わない。そもそもこの件もロマリアから言い出してきた話だと言う事を思えば私がお布施をする必要が無いはずだし。

まぁそれでも幾らかは献金しないと無用なトラブルが起きそうだし…ほんと困った物だわ…

 

 

 

~ジュリオside~

 

この話が僕の所に来たのは数日前、僕の主人…ロマリアの教皇にして虚無の担い手ヴィットーリオ様からだった。

僕の右手に宿るルーン『ヴィンダールブ』こそは始祖の使い魔の一角、あらゆる獣を使役する神の笛…その力を持って最近噂のトリステインの守護獣を見聞せよと言う事らしい。

 

 

そして今日、愛竜アズーロと幾人かの神官と共にトリステイン魔法学院を訪れ噂のミス・ヴァリエールにご挨拶をしたのだけれど…

 

 

「それは君が杖を抜く…」

 

護衛と思わしき女性の冷たい声、それだけで肝が冷やしながら必至で軽口を返そうとしてその背後の光景に一瞬喉が詰まった…

 

(何という使い魔だ…)

 

実際さっきまで伏せっているその巨体は見ていたし話にも聞いていたけれど…さっきのあの手への口づけ…まぁ多少驚かせたし無礼だったかも知れないけれど…その次の瞬間、銀の個体から僕へとぶつけられた敵意、僕の身体が竦まず体裁を何とか保てたのは本当に運が良かった。

 

同時に手袋に隠したヴィンダールブのルーンを発動させる。このルーンの力ならば本来なら例えそれが他人の使い魔でも一時的に使役する事が出来る。

例外としては韻竜の様な極めて高い知能や理性を持つ生物くらいだ。けれど目の前の使い魔シルがそれに該当するとは思えない…ルーンの効果を乗せた視線を合わせてじっくりと観察する…

 

(効果無し…か…)

 

こちらの様子を警戒しながら伺っていたミス・ヴァリエールへ視線を向ける…事前調査では魔法が失敗ばかりするという話だったけれど…これはもう間違いなく彼女がトリステインの虚無だという事を示している。

 

「いやはや君の使い魔は凄いね、僕も何度か我が使い魔こそ始祖の御使いだと声高に叫ぶメイジとその使い魔を見てきたけど君の使い魔は格が違う…彼等の様な偽物じゃあ無い。本物だよ。」

 

そう…始祖の使い魔ヴィンダールブの力を受け付けもせず、胸に刻まれているルーンは僕のヴィンダールブと同系統の形。状況から考えるに間違いなく彼等は『リーヴスラシル』

その使い魔がなぜか2匹であるとか色々気になる部分があるけれども基本的にロマリアにさえリーヴスラシルの伝承が残ってない以上は分からない…

 

僕の発言で周囲が騒がしくなると同時に半ば強引に付いて来た神官の一人が声を上げるけど気にしない。訳にも行かない…面倒だけどヴィットーリオ様の周りの枢機卿何かの口を塞ぐには必要な働きもある。

 

「とは言え、あくまでも僕がこの場で認められるのは精々神獣認定位かな?それ以上ってなるとトリステイン国内だけじゃ無くてブリミル教全体に対する貢献次第って所だろうね?」

 

自嘲気味に寄付金の催促をミス・ヴァリエールに行う。

 

(うわぁ…嫌そうな顔されたなぁ…まぁ当然か。)

 

僕も何かあったら神の威光を盾に寄付金をせびる今のロマリアに思う所はあるけれど今は許して欲しいと思う…

 

 

____________

 

「お帰りなさいジュリオ、どうでした?」

 

「はい、恐らく間違いなく彼女こそ虚無の担い手、そしてその使い魔はリーヴスラシルです。」

 

ロマリアに戻った僕を政務室で迎えたヴィットーリオ様へ報告を行うとヴィットーリオ様は満足そうに笑いながら頷いた。

 

「成る程。成る程。…そうなるとやはり神聖アルビオン帝国対トリステインとゲルマニア連合軍の闘いは一気に流れを変える事になりそうですね。」

 

「しかし、ミス・ヴァリエール自身は虚無魔法に目覚めた様子はありませんでしたけどね…」

 

僕のその意見にヴィットーリオ様はまたしても可笑しそうに笑う…

 

「フフフ…それはあまり関係ありませんよ。思い切った手を打ちましたよトリステインは…いやここはマザリーニ枢機卿はと言った方が正しいでしょうかね?」

 

そう言って机から取り出されたトリステインからの正式な書状、その内容を読み返しヴィットーリオ様は笑った。

 

 

 




この小説読んでモンハンフロンティア始めてみようかなって思った人、今ならポータブルセカンド位のプレイ内容は無料だよ。神ゲだからやってみよう。
G級に上がって気が付いたらその評価がクソゲに変わってるけどそこからが本番なんだ!!

それと分かってるだろうけど地雷行為は簡便な!

最も危険な罠、それは『地雷』
募集に乗じて仕掛けられたPTの闇に眠る殺し屋。
それは突然に剥ぎ取りを始め、ハットトリックを決めて来る。
メゼポルタは巨大な街
そこかしこで、ハチミツ欲しがる新人が目を覚ます。
次回『罠』
うどんも巨大な核地雷。
自爆、誘爆、ご用心!!

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