おっぱいでかすぎんだろ…。
学園都市キヴォトス。
ヘイローという名の神秘を持った生徒達が銃器を片手に青春を謳歌する巨大都市。
学園都市という名の通り多くの学園が存在し、それぞれが自治権を持つ連邦制の形が取られている。
この制度によって一部の学園間がかなり仲が悪かったり、クーデターが起きて生徒会長が失脚したりする事もある素晴らしい都市である。
だが今、それは重要ではない。
問題はキヴォトスの生徒はほぼ全てが女子であるということである。
しかも全員美少女、最高かな?
故に今、隣でキーボードを叩いているエイミ先輩も美少女であることは言うまでもないだろう。
しかしおっぱいがでかすぎる(幼児退行)。
その胸についているジッパーって何に使うんだよ、痴女かよ。
体を冷やすためとか言ってたけどそれ開けたら丸見えだろ。羞恥心とかないんか?
そう心の中で思い、バレない様に横目で見ながらキーボードを叩く。
仕事もする。胸も見る。どっちもやらなくっちゃあいけないのが後輩の辛い所だぜ…。
「アルマ。」
「ハイ。」
「こっちを見るのもいいけど手も動かして。」
「すんません。」
俺は ミレニアムサイエンススクール1年特異現象捜査部所属
このキヴォトスの平和を守る仮面ライダーだ。
※
「終わったあぁぁ…。」
「お疲れ様。」
地獄の様な事務処理を終え、座っていた椅子の背もたれにもたれかかる。
「エイミ先輩、この報告書なんなんですか。めちゃくちゃ面倒だったんですけど。」
「前にアルマが戦った時に壊した建物とかインフラとかの修理費用を書き出した報告書。これ出さないとセミナーから予算降りないから。」
「正義のヒーローがすることなんですかこれ。連邦生徒会とかに丸投げできません?」
「前に丸投げしたらこれ以上仕事を増やすなって苦情が来た。最近のヒーローは書類仕事も
活動の内らしい。」
「世知辛い世の中だ…。」
ため息をつきながら体を起こす。
隣を見るとエイミ先輩が椅子に座ったまま体を反らせるようにして伸びをしていた。
うおっデッカ、これもう芸術品だろ。
「最近でないね。」
「でてるじゃないですか(胸が)。」
「……なんの話してるの?」
思考が引っ張られた…だと。
これはまさか視覚情報によるマインドコントロール…!?くそっなんて卑劣な…。
「最近スマッシュでないねって話なんだけど…。」
「あぁ、そっちか。確かにでないっすね。」
スマッシュ。突如としてキヴォトスに現れ始めた怪人。
こいつを倒すために俺はキヴォトス中を縦横無尽に駆け巡っていたりするのだが。
「でないならいいことじゃないですか?それだけ平和ってことで。」
「…そうだね。」
エイミ先輩がどこか思案顔でそう言う。
「…何か心配事でも?」
「うん。敵が誰かは知らないけど、不気味だなって。」
「敵ってヒマリ部長が言ってただけじゃないですか。そもそも存在するかも怪しいですよ。」
「部長が言った事は大体当たるから…多分。」
敵、ヒマリ部長が言っていたスマッシュを生み出している首謀者。
…確かに居るとすれば不気味だとは思うが、情報元が部長だからなぁ…。
「警戒しておくに越したことはないと思う。」
「…そうっすね。気を抜くなって意味で部長も言ったのかもしれませんし。」
「そういうこと。」
※
「そういえば。」
書類仕事も終わり、そのままのんびりお茶を飲んでいると、ふと思い出したかのようにエイミ先輩が話しかけてきた。
「なんすか。」
「シャーレって知ってる?最近有名な。」
シャーレ、培養皿のことですか?
…流石にこんなしょーもない冗談言ったら怒られるな。
エイミ先輩だし手は出して来ないだろうけど蔑んだ目で見られそう。
え?むしろご褒美だろって?
(俺はMじゃないのでご褒美じゃ)ないです。
「知ってますよ。連邦生徒会長の愛人が所属してるっていう噂のシャーレでしょう。」
「言い方。」
「冗談です。『先生』ですよね。」
「そう。」
連邦捜査局シャーレ、連邦生徒会長が失踪したと同時に突如として現れた謎の組織。
噂によるとありとあらゆる学園の管理地区に出入りでき、捜査や介入ができる「特権」を
持っているのだそうだ。
先生というのはそこの顧問、いわゆる組織の中のトップに位置する人なのだが…。
「俺が聞いた話だと、いきなり生徒の足を舐め出したとか。」
「…有名だからね、そういう根も葉もない噂も出るもの。」
「ですよね。流石に無いとは思いますよ,俺も。」
先生って名前してんのに生徒の足舐めるのはいかんでしょ。常識的に考えて。
デマにしたってもうちょっと捻れよな…。
「その先生が、近い内にミレニアムに来るんだって。」
「うちに?なんでまた。」
「部活の視察らしいよ。セミナーが呼んだらしいけど、詳しいことは不明。」
「はえー。」
キヴォトス中を賑わせている噂の渦中の先生がうちに来る、と。
…面白そうな気配がするな!
「いいじゃないですか。面白くなってきましたね。」
「うん。あとね。」
「なんです?」
「視線、もうちょっと隠した方がいいよ。どこ見てるかバレバレだから。」
………。
やっぱ先輩には敵わんな。
そう思いながら俺は会心の土下座を披露するのだった。