目覚め
目を覚ます。頭が少し痛い、周囲を見回しても何も無く自分が地べたに寝ていたことに気づいた。
「ってか裸じゃん…。」
別に寒くは無いが何か嫌だ。少し部屋の中を歩き回るとこちらに足音が近づいて来た。
男「おはようございます。身体の調子はどうですか?」
「誰?」
入ってきたのは1人の男、綺麗なスーツにフェドラハットを被る紳士と呼ぶのがふさわしい大人だった。ただし顔が見えない。
男は私の返答を聞き、帽子を取ると胸に当て軽く礼をした。
男「名乗っていませんでしたね、私の名前はジェントル。簡単に言えば貴女の生みの親で
す。よろしく。」
帽子を外したジェントルの首から上は無く、首から黒いモヤが上がってるだけだった。
ジェントルは帽子をもどすとこっちに服を差し出した。
ジェントル「サイズは合っていますのでこれを着てください、外で待っていますので着替えが終わりましたら出て来てください。」
ジェントルが出ていった。渡された服は半袖のTシャツとジーンズ、そしてポンチョ。確実に年頃の少女に着せる服じゃない。着た後、外に出ると無機質な廊下が広がっていた。
ジェントル「終わりましたか、とても似合っていますよ。」
「これ貴方の趣味?」
ジェントルは顎に当てるように帽子のつばに手を当て少し考えると苦笑を浮かべ、
ジェントル「そうなのかもしれませんね。」
と返した。
「あっそ。」
数秒の沈黙の後ジェントルは
ジェントル「では行きますか、着いてきてください。」
と言い歩き始めた。
無機質な廊下を歩く中、静寂を破ったのはジェントルだった。
ジェントル「調子はどうですか?」
「頭が痛い」
ジェントル「そうですか、それは神秘のせいですね」
「神秘?」
ジェントル「キヴォトスの生徒がみな持っている不可思議な性質です。貴女の神秘は現状不安定でして…。」
「不安定って…これ、まあまあウザいんだけどどうにかならないの?」
頭を押さえながらの不満げな問いに対しジェントルは少し気分が乗ったようで少しテンション高く返した。
ジェントル「それについて説明するために今向かっているのですよ。」
「そ。」
少し沈黙が流れる中歩くと初めの部屋と同じような扉の前に着いた。ジェントルが手をかざすと自動で開いた扉の中には金髪の少女が立っていた。
「この娘が私の頭の痛みを止めてくれるわけ?」
ジェントルは少女の隣に行くと少女の頭をなでながら苦笑した。
ジェントル「そう焦らないでください。彼女が直接直すことはできませんがその手伝いをしてくれるのですよ。」
少女に目をやると少女と目が合った。表情は真顔。二人が見合っているのを見たジェントルは少女の紹介を始めた。
ジェントル「彼女はイース。貴女を守ってくれるお姉ちゃんです。イース、あなたの妹ですよ。」
ジェントルの紹介を受けた金髪の少女イースは「妹」という単語を聞いた瞬間、目の色を変えた。
イース「あなたが私の妹なのか!?」
「そうらしいね」
イース「うれしいな。これからよろしく!」
「う、うん。よろしく…。」
ジェントル「仲良くできそうで安心です。では、本題に入りましょうか。」
ジェントルが手をたたくとイースは静かになった。
「で?どうすれば頭の痛みが止むわけ?」
ジェントル「それを話すにはまず貴女の神秘について説明しなければなりませんね。」
「不思議な性質だっけ?」
ジェントル「ええ、キヴォトスにおいてそれが大きく表に出ているサンプルは多くはないですが、貴女には明確に「力」と呼ぶべきモノが秘められていますよ。」
小さく「まあそういう風に私が作ったんですけどね」と呟いたが咳払いをし、再度はじめた。
ジェントル「貴女の力、それは見た目の模倣です。」
「はぁ?」