お嬢様狂想曲~或いは国内のこんな出来事~   作:elfte

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  この小説は拓銀お嬢様こと「現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変」の二次創作小説になります。
 尚、「内容はすべてフィクション」であり「実在の人物とは一切関係ありません」。
 ということにしておきましょう、怖いから。
(モチーフのネタはありますが、現実にはありえないので本気でお願い致します)


お嬢様狂想曲~或いは国内のこんな出来事~ 其の三

 車が全速力で疾走し、第一関門である古利根公園橋を通過する。

 

「助かった、ここに仕掛けられてたらどうにもならんかったからなぁ」

「迂回路を使うにしても、速度はぜったいおちるっしょ」

 

 そんなボヤキ混じりの会話をしながら、後部座席のお嬢様に意識を向ける“先輩”。

 ハンドルを握っている為直視するわけには行かないが、違和感は大きくなっていた。

 

(確かお嬢様には側近団が居たはずだし、北樺警備保障のまとめ役も近藤さんから連絡があった人の風貌と一致しなかった、何よりメイドが居ないってことは)

 

 そんな事をつらつら考えながらも信号を突破して、国道16号に到達する。

 思考を打ち切って16号線を右折し確実に始まるであろうカーチェイスに備えると、早速追手らしき車が視界に入ってきた。

 国道旧4号に面した古本屋から数台の車が飛び出してくることは想定していたが、16号の北側である青果市場から即座に車が飛び出してきたことは流石に想定外だったらしく、舌打ち混じりに呟く。

 

「これでプランBは厳しくなったが、どうにかなんのかねこれ」

 

 そう呟く“先輩”に対して後輩がミラーを覗いて笑えない言葉を発する。

 

「どうやらそれどころじゃないみたいっすよ」

「どした!」

「アイツラなんかロケット取り出してます」

「なにぃ!!」

 

 慌ててサイドミラーを覗くと、窓から乗り出した連中が携帯型ロケットランチャー、おそらく北日本政府から流出したであろうRPG-7を担いで発射する直前だった。

 

「ちっ!!」

 

 慌ててハンドルを切るが、ロケットは一直線に車体に吸い込まれる……のだが、爆発しない。

 同時に上空をお嬢様を追いかけていたヘリが旋回しているを見てソ連製の携帯式防空ミサイルシステムである9K32から弾頭が発射されるが、こちらもローターに当たったものの、爆発せずにヘリがフラフラするだけに終わった。

 ただ、空中での損傷で高度がみるみる間に下がっていくヘリがおそらく不時着するであろう展開に、“後輩”が呟く。

 

「連中、重武装の割に不良品ばっかりじゃね」

「大方直したとでも言われて、帳簿から弾かれた品でも掴まされたんだろうよ」

 

 そんなことを呟きながら先輩が車を駆るが、ロケットの代わりに飛んできた鉛玉に車体からカンカンという音が響く。

 

「流石にAKは不良起こさねぇみたいだ、こっちが防弾装備じゃなかったら今頃後部は蜂の巣か」

「んなこと言ってないで攻撃手段は?」

「んなもん用意できるか!この防具を北樺警備保障の演習からお下がりとして調達するだけで精一杯だっつうの!」

 

 移動手段と防具の確保を出来ただけでもほぼ奇跡に近い綱渡りであるのだが、雨あられと注ぐ攻撃には流石に堪えきれない。

 慣れない腕で四苦八苦するさなかに「バスッ」という音が響き、車体が少し傾く。

 

「クソ、いくら防弾タイヤでも数発食らうと無理か!」

「なんか手はないんすか!」

「仕方ねぇ、お嬢様抱えろ!」

「え、一体何を」

 

 其のお嬢様の言葉に答えず何やらボタンを押すと車全体が煙に包まれていく。

 

◆◆

 

「なんか煙上げ始めたぞ」

「今度こそこのロケットで仕留めりゃ良いんだ、行くぞ!」

 

 そんな追跡する連中の声とともに、逃走する車に対してもう一回RPG-7が発射される。

 ちょうど倉松川をわたり終わった車を捉えた弾頭は一直線に車に向かい、当たった瞬間に爆発炎上する。

 それを見た追跡社達は歓声を上げ、そのまま横を走り去る。

 其の影で何かが移動することすら気づかずに。




Q:なんでこいつらこんな重装備でお嬢様を襲ってんの?

A:本編でもあった複数のプレイヤーの混在。
 お嬢様がなんで狙われるのさと思うかもしれないが、理由がきっちりあるわけで。
 お嬢様は新常盤鉄道と埼玉縦貫地下鉄道を持っているので、今まで美味しい思いをしてきた帝東鉄道の労組貴族連中が逆恨みしているのである。
 東日本帝国鉄道に喧嘩は売りたくないが、自分のところの路線を使うなら害してしまえと暴発したわけで。
 野田線?お嬢様が路線を伸ばしたら影響受けるからそういう連中の暴発が早まるんだよ。
(新常磐鉄道は流山で野田線と交差、埼玉縦貫地下鉄道は岩槻で交差したうえで久喜まで延伸するって話がリアルで湧いているので、野田線にテコ入れがなかったら地元の目先の感情が暴発するわけで)

 今回の主な襲撃者たち
 某広域指定傘下の地元のヤクザ:一番上の親が鶯谷で襲撃の濡れ衣を着せられた報復&食券というマネロンを潰された&下記の連中にお嬢様を襲えと多額の金を積まれたので、北日本出身のチンピラを雇い入れる。
(地元商店街からのめかじめ料減少に繋がりそうなお嬢様に対する攻撃に、乗っちゃった馬鹿とも言う)
 各種鉄道会社の労組上がりの連中:計画に相乗りしてお嬢様を傷物に。
(千葉労組と縁が深すぎて、三里塚の闘争に悪影響を確実に及ぼすお嬢様を排除したい)
 幾つかの宗教組織:お嬢様に食券を使ったマネロンを潰されて、ついでにお布施のマネロンもかなり怪しくなったので危機感有りまくり。
(該当組織を当てはめてしまうと幾つか心当たり出来てしまう状況なので流石に暈すが、書けない程度の証言持ち)

 ここら辺のネタは00年代までのリアルな春日部である。
 春日部駅に南から突入する際に、横断幕として労組のスローガンが視えてたのが00年代前半までの当たり前の風景なわけで。
 00年代後半辺りに撤去されていたような気がするので、多分この辺が連中の影響力の最後のラインだったような。

 ちなみに装備は多分満州国の闇市か北日本から流れてきた不良品を整備し直したから使えると騙られて、騙されて購入したお馬鹿さんが居るはず。
 ついでに墜落したヘリは民間用に改造されたMi-24を想定。
 報道機関がお嬢様追っかけ用にチャーターしたら、ちょうど事故(!)にあって、いい機会だから撮影しちゃえと思ってたらミサイルぶっ放されたでござるというオチ。
 尚、武器の移動ルートは多分野田線。
 東日本帝国鉄道が桂華と仲が良すぎるので武蔵野線ルートが潰れたが、困ったことに成田経由で野田線で運ぶ方法が不可能ではないと言う。
(一応書く前にシミュレーション済み)
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