お嬢様狂想曲~或いは国内のこんな出来事~   作:elfte

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  この小説は拓銀お嬢様こと「現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変」の二次創作小説になります。
 尚、「内容はすべてフィクション」であり「実在の人物とは一切関係ありません」。
 ということにしておきましょう、怖いから。
(モチーフのネタはありますが、現実にはありえないので本気でお願い致します)
今回は現代(2026)のやきゅうネタ。
と言うか岡崎と河原がだべっているだけです。


お嬢様狂想曲~或いは国内のこんな出来事~ 外伝其の一

「で、今日のご機嫌は?」

「エヴァさんはアーチャーズがそれなりに勝ち越しているから機嫌はいいっすね、ディスカバリーズの話題を振ると地雷ですが」

 なんて野球の話題で盛り上がる岡崎と河原。

 喫煙ルームの前で電子タバコを咥えながら与太話に話が弾む。

 密偵の真似事も板についてきた河原が、建物内の変化を振ったのがきっかけでは在るのだが。

 なんてことはない、米国のメイドさんの動きが露骨に変わっている件である。

「シカゴとトロント近郊のメイドさんがステップ踏んでるんだけど、どうしたのってお嬢様に聴かれたよ」

「シカゴは浦上を取ったおかげで我が世の春、逆にボストンやニューヨークの出身者は野球の話題が禁句ですからねぇ」

 大暗黒期のブラックソックスが神宮の球団から日本人を獲得したことで、日本での活躍を知る米国メイドと言う名の諜報員達は地元のチームに罵詈雑言を吐きまくったのが昨年末のこと。

 そして今年の球春の始まりとともにそれぞれの機嫌の乱高下が進行中で、シカゴ近郊のメイドたちがステップを踏みながら職種に励む様子がお嬢様に目撃されていたりする。

 逆に某球団の近郊出身者は「オーナーやめろ」抗議が炸裂した次の日に、「御嬢様に買い取ってもらえないか陳情してくる」と血迷ったメイドが出たほどである。

「で、天満橋のおっさんは我が世の春状態だしなぁ」

「あそこも昨期から調子いいですからねぇ、うちは鯉のぼりすら上げれないんでどうすれば良いのかと」

「応援できるだけ良いと思うんだけどなぁ」

「なまじ地元に3つもプロの球技集団があって、どれもこれも調子が悪ければ嫌な顔になりますわ」

 ちなみに河原の故鄕は広島である。

 その故鄕も野球はBクラスが定位置になりかねないほどの不振ぶり、サッカーはここ数年一桁順位台とは言えアジアで存在感が出たかと言われると微妙。

 唯一気を吐いて3年前には優勝もしているバスケも、今年はCS出場を逃すと良いことなしな故鄕持ちに聴く話題でもない。

「というか、地元は?」

「居住地に近いのはサッカーなんですが、治安が悪すぎて絡みたくないんですよ」

 流石に河原もダービーと言えば聞こえが良いものの、地域間対立の権化みたいな地元の話題には絶対に触れたくないらしい。

「というか、今年は北米でワールドカップがあるだろうに」

「アレに関しても炎天下でやるって言ってるんで94年みたいに地獄確定でしょうよ」

 前回の北米ワールドカップの時の教訓が一切生かされていない運営に、げんなりしながら本題に入る河原。

「で、予想通り大型契約だらけだったんで、やっている馬鹿が大量に出てきました」

 所謂スポーツ業界を使った、大型洗濯機の真似事である。

「でも、アレは移籍金や年俸は表に出てくるよな?」

「そっちは撒き餌ですからねぇ、本命は出てこない代理人の取り分ですよ」

 そう、大型年俸やそれに伴う移籍金はどうしても表に出てきてしまうが、その際に生じる「代理人の取り分」というのが肝なのだ。

「契約金の10%が取り分の所を12%支払ってその差額を行間にか」

「その逆もしかりですからねぇ、大型年俸そのものと代理人の年収の比較をしても関係者が口裏を合わせて帳簿を改竄すれば逃げ切れる……ってところなんでしょうがね」

「実際の金の流れを追っかけている連中からしてみれば、怪しい所満載でツッコミどころ複数なんだがなぁ」

「それが通用すると思っているからこそ、カルチョ・スキャンダルや野球賭博絡みの騒動が絶えないんですよ」

 巨額の大金が動くということは、それだけ危ない話も大量に出てくる。その最たる例がイタリアのカルチョ・スキャンダルやそれに付随する騒動の数々だ。

「まあ、連中達が小さな金でやらかす分には問題ないんだがなぁ」

「その小さな金で人身売買なんかで裏社会に金が流れて、巡り巡ってこちらに飛んでくるミサイルランチャーに化けるから、オレなんて半端者ですら張り付かなきゃならなくなるんですけどね」

 幾つかの金の流れを追跡し、ベイルート等の闇市場で危ない武器に変わらないかをチェックする。

 それが今の河原の仕事であり、本来在宅であるはずの人間が体の不調を御してここに来た理由でもあったりする。

「あの時壊れてなけりゃ常駐スタッフだったろうに」

「それが叶わないからこそ、こうやって非常勤で雇ってもらえたんですよ多分」

 そう言うと報告は終わったとばかりに退出する河原。

「ある意味羨ましいな」

 立ち去る河原の背中からポツリと漏らした岡崎のつぶやきが耳に入りながらも、それを聴かなかったふりをして立ち去っていくのであった。




 はい、可能性としてifだらけ確定の番外編。
 という訳で、本来書くはずだったネタと違うものが降りてきたので、投下。
 何が悪いって米国の白い靴下の民が浄化されているのが悪い(爆笑中)。
 まあスポーツ選手の破産者が多いってのは割と定番のネタでは在るんですが、同時に「大型契約時の代理人の取り分が割と明示されてねぇなぁ」ってのが今回の種。
ついでにチームの元ネタも。アーチャーズはテキサスのあのチーム、ディスカバリーズはヒューストン、ブラックソックスはシカゴの白い方。
 後は内紛が起こっているスペイン某クラブとか、未成年売春をやらかした長靴半島とか見てて「こういう所で消えた金が、多分ベイルートやウクライナのブラックマーケットで武器に変わってるんだろうなぁ」ってのも。
 ちなみに河原が「精神障碍者」になっているのは不可避です。何せアレを避けれる道筋が当方に浮かばなかったので。
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