一番星の子   作:孤独なバカ

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第12話

「……キング!!見た?見たわよね!?」

「かな先輩、テンション高いですね。」

「何で落ち着いてるのよ」

「……学校でも褒められすぎて少し冷静になったんですよ。」

 

翌日の撮影。学校でも腐るほど称賛聞き飽きたので流石に少し冷めてしまった。

初回終了後YouTubeにあげたМVも順調に撮影回数を伸ばしていることもある。

 

「それにマネージャーがスケジュール聞いたんですけど撮影時間予備日ギリギリになりそうなの……かな先輩もしかして聞いてませんか?」

「…?ごめん。私、今事務所の移籍先が決まったからマネージャー居ないのよ。」

「移籍するんですか?」

「…うん。もしかして聞いてないの?私も苺プロに入ることになったんだけど。何なら貴方の推薦って」

 

いや、確かに本部の方に推薦かけたけど、……こんなに早く決まるの?

 

「…入ってほしいとは思ってましたけど、こんなに早くに移籍になるって。それにうちの事務所子役契約じゃないし」

「それにママやパパにも交渉してたって貴方のマネージャーから聞いたわよ。」

「……壱護さん。余計なことを」

「事実なんだ。」

「…壱護さんなんですけど、元社長なだけあってかなり優秀なんですよ。特に営業とスケジュール管理は上手いんです。だから、かな先輩の知名度ほどになれば確実に壱護さんなら仕事を選んで持ってきてくれます。正直俺が役者としてやっていけてるのは壱護さんのお陰です。」

「……えっ?でもマネージャーって一人一人につくんじゃ。」

 

多分だけど役者部分としてマネージャーは同じになるだろうし、言っておく。

「かな先輩それ最大手のトップ女優とか俳優クラスだけです。基本的には2、3人掛け持ちするのが基本です。ついでに税理士とかは専属で雇ってるんで、確定申告とかもだいぶ楽ですよ。」

「…聞きたくないんだけど。」

「嫌でも聞くことになりますよ。」

「まぁ、そこの坊主の言う通りだ。」

 

すると壱護さんが入ってくる。即ち役者部分として雇うことができるってことは

やっと完済したんだな。5年ってことは大分早そうではあるけど

 

「しかし、よく引き抜けたもんだ。お前もしかしたらスカウトも向いてるんじゃないか。」

「…あっ。それはあるかも。」

「有馬は気を付けな。こいつ天性のたらしだから。」

「ですよね。」

「……あの、堂々と悪口いうのやめてもらえます?」

「お前ほどいつかは刺されるって思った奴は居ないだろ。ミヤコも心配してたぞ。」

「…俺皆にどう思われてるんですか?」

 

突っ込む俺に壱護さんは苦笑いする。

 

「…ところで撮影はいつクランクアップ迎えるんだ?」

「…今週末あたりかな。何事もなければ。」

「何事もなければって……」

「ただでさえ既に撮影日おしてるんで。」

「……お前。学校いけてるだろうな。」

「今日は行きました。」

「……お前。成績いいとはいえそんなんじゃ友達とか。」

「やだなぁ。殆ど行ってないから居ないに決まってるじゃないですか。俺基本的行っても午前で早退ですよ?何なら行ってもこの人はどうだったとかでアクアとルビーのところに逃げ出しますから。」

「………あの、もしかしてキングって。」

「ボッチだけど!!かな先輩以外の子役は全員疎んでくるし、学校では子役のキングとしていなくちゃいけないから気を許せないし。」

「お前。相当拗らせてるな。」

「いいんです。この世界を辞める気はさらさらないので。最悪歌で生きていけるので。」

 

実際、かな先輩以外の同世代近くの友達は居ないのだから仕方がない。

 

「…かなちゃん!!キングくん。もうそろそろメイク室入ってくれるかな?」

「……あっ、はい。」

「今日もよろしく。キング。」

「はい。よろしくお願いします。先輩。」

 

そしてメイク室へ向かう。そしてここから1週間は追加されたシーンの撮影、そして俺たちの最大の見せ場のシーンに撮影になるのだから

 

 

「…何で、貴方ばっかり!?」

 

子役の一人がかな先輩を壁に叩きつける。このシーンは舞台も終盤の終盤。かな先輩の演じているキャラが嫉妬が合うシーンである。

 

「…私の方があんたより可愛いのに、何であんたばかり。」

 

てかこの子役の人めちゃくちゃ上手い。感情が乗ってるし、嫉妬への演技が見える。

……でも目立ってなかったのに。ちゃんと目立っている。

 

「…壱護さん。あの子誰?」

「ん?気になるのか?」

「いや、演技上手だなぁって。乗ってるかな先輩に食いついてる。」

「…えっと、不知火フリルって書いてあるぞ。これが初出演らしい。」

 

マジか。あの不知火フリル?子役でも不知火フリルって活躍してたんだ。

 

「多分あの子売れるだろうね。今スグじゃないかもしれないけど……今度番組呼んで恩売っとこうかな?」

「……お前な。言った矢先にこれかよ。」

「酷くない?」

 

その言葉にあきれ顔の壱護さん。でも、原作知っていたとはいえ、原作でルビーの友達ってイメージが強く、不知火フリルの前世では演技は見れる機会が少なかったけど……特に間の取り方が本当に上手い。

 

「……ふぅ。」

「…本当いい顔してるよ。お前。」

「そうっすか?」

「……スイッチちゃんと入ったようだな。」

 

監督もディレクターも壱護さんも俺の使い方よくわかってるよな。

こういう時が一番燃えやすいし楽しめると。

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