「…キングちょっと来てもらえるかしら。」
「……えっと、もしかしてまた何かやらかしました?」
アルバムが発売して既に数日が経過したある日のこと。俺はまた呼び出しをくらったのだった。
「……やらかした自覚あるの?」
「ないですけど……呼ばれること自体が珍しくないですか?」
「……まぁ、それはそうなんだけど……安心しなさい。悪い知らせではないわよ。」
「……えっとアルバムの件ですか?」
「えぇ。重版決定したわ。」
「……早くないですか?」
その一言に俺は呆れてしまう。その一言にミヤコさんは首を振る。
「違うわよ。売れすぎなのよ。SNSサイトでバズってたでしょ?」
「しばらく収録重なっていたの、とライブ練習重なって見えてないんだけど……バズってたの?」
「えぇ。知らなかったの?……まぁ、めちゃくちゃ良い意味でバズってたわ。音楽番組からもオファー来てるわよ。」
「……ん?何の曲でバズったんだろ?」
俺は少しだけSNSサイトを開きエゴサしてみると……アルバムが品切れになったことと……
「あ~?この曲がバズるの?」
「えぇ。正直貴方は予想外でしょうけど。」
「…予想外ですけど……よりにもよってかぁ。」
……いやまさか『ようこそジャパリパークへ』がここまでバズるとは。
というのもこの曲は元はアニソンだったがこの世界ではこの世界でサファリパークのCMとして起用された曲になっている。
「一時的ですかね?」
「そうとは限らないわよ。今後もCMとして2年は使うらしいわ。」
「……まじっすか?」
「それと『栄光の架け橋』は夏の高校野球のテーマソング。恋空はアニメ、今日は甘口でのエンディング曲に内定だから、忙しくなりそうだけど……」
「別に仕事がないよりかはマシじゃないですか?」
「……そういうところよ。前に休みとったのっていつよ。」
「……えっと、オーディションは含めないですよね?それなら……かな先輩とご飯行った時以来だから……3ヶ月前?」
「………貴方働きすぎよ。」
「まぁ、自覚はありますけど…それでも学校にいくよりは幾分もマシですし。」
「…貴方の学校嫌いも相当ね。」
呆れたようにしているけど……それでも、俺はこっちのほうが気が楽である。
「……まぁ、そういうことで重版が決まったわけなんだけど……武道館ライブなんだけど……」
「ん?」
「反響が大きくて少しだけどやってみたいことがあるんだけど。いいかしら?」
「……?どういうことですか?」
「ライブをネット配信したいのよ。正直貴方がここまで反響が大きいのは予想してなかったというか。」
「……別にいいですけど、これ初ライブでここまでしますか?売れなくても知りまさんよ。」
「…完売したのよ。」
「……えっ?」
「完売というよりも予約の倍率が3倍になってるのよ。」
「……えぇ?なんでそんなことに。」
「それがKINGがやってきたことだ。」
俺のことにため息をつく壱護さん。その一言はマネージャーとしてではない。
「相当脳焼かれてないですか?」
「そんなもん当然だろ。この事務所にいてお前に脳焼かれて居ないやつなんて居ねぇよ。」
「……それはそうね。」
「えぇ…」
「……そういうのを覚悟してるんだろ。お前は。もう一生この世界で骨を埋める覚悟はしてるんだろ?」
「それはそうなんですけど」
「精一杯楽しめ。仕事が楽しいのは今のうちだからな。」
その一言に俺は頷く。武道館ライブは予想外の反響でそして初ライブ。どんなものになるのか楽しみなのは違いなかった。