一番星の子   作:孤独なバカ

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第5話

「全く酒がうめぇなぁ。新居祝いの酒だ!!」

「…アイさんが20歳になるのは来週ですよ。」

 

新居に入り高級マンションに引っ越した俺たちは小さな新居祝いをしていた。

 

「来週にはドームもあるしアイが主演のドラマも絶好調。B小町全体の仕事もびっしり埋まってるしな!!」

「ご機嫌だね。社長。」

「そうだね。ドームでのライブは社長……いえ社員の夢であったから。」

 

と話をしている3人。仕掛けるならここしかない。

 

「大事な時期だ。スキャンダルなんてないように。くれぐれも父親に会おうとするなよ。」

「もちろん。」

 

と嬉しそうに言う。でも原作でも気づかなかった母さんが見えてくる。

 

「お母さん今嘘付いたでしょ?」

「……えっ?」

「嘘だよね。お父さんに連絡したんだよね。」

「…やだなぁ。キング私嘘なんて……」

「お母さん仕事以外で嘘付くとき、昔のお仕事のときのお母さんみたいになるの知ってる?」

 

その言葉に母さんは目を見開いた。多分アイドルではなく母さんとして、星野アイを見ていたせいか母さんの癖を気づけるようになった。

 

「おい!アイ!?」

「……ごめんなさい。前にアクアとルビーがお父さんが誰って声が聞こえたから。」

「……あっ。」

「…全くお前は。」

 

ガシガシしている社長。まぁ、そうなるのも仕方がない。

 

「…しかし、よくキングくん気づいたわね。」

「うん。だってお母さん分かりやすいし。特に笑い方。」

「そうなの?」

「だって僕と歌うときってお母さんはもっと綺麗だもん。アイドルのお母さんは可愛いってイメージだけど」

「…子供ってよく見てるね」

「…多分キングくんくらいじゃないかしら。お母さんとしてアイさんを見てるのは。」

 

驚いたように母さんとミヤコさんが話してる。そしてルビーを降ろし俺を持ち上げる母さん。

 

「…キングはお母さんのこと好き?」

 

この世界に来てから初めて感情面を聞かれた。でも、そんなこと決まってる。

 

「大好き!!」

 

間違えなく言える。ここまで育ててきてくれたこと、一緒に歌を歌ったりこっそりながら学芸会などにきてくれてることも知っている。アニメや漫画では分からないくらい愛されてるのを言葉にしなくても分かっていた。

 

「私も大好き!!」

「…僕も……」

「……ルビー。アクア。」

 

……そして腕に3人抱きしめられる。うっすら力が入っているのか少し痛いが母さんの目にはうっすらと涙が浮かぶ。

 

「…私も愛してるよ。ルビー、アクア、キング。」

「…アイ。」

 

社長が珍しく涙腺が崩壊しているのか一緒に泣いている。確かアイの事情を知っていたはずだ。

 

「やっと言えた。今まで言えなくてごめんね。でも、キングならわかるよねこの言葉は絶対嘘じゃないって。」

「……お母さん。」

「…ごめんね。3人とも。もうちょっとこのままで。」

 

嗚咽が聞こえてくる。……アクアとルビーは、お母さんのことを知らないから不思議そうにしている。

俺から話すのは簡単だ。でも、待っていよう。ずっとこの先も居られるように

ここが俺の正念場になるのだから

 

 

B小町東京ドーム公演初日。

インターホンが鳴り、俺はいつものドアを開ける。すると原作通りの白い薔薇を持った黒いフードの男性がいた。

 

「……」

「……ん?子供か?……アイは居るか?」

「アイならもう出てるよ。リョウスケさん。」

「……なっ!」

 

俺の言葉にため息を吐く。というよりも原作にはないことが判明した。

 

「……何をこのガキ。」

「薔薇の中に入ってるのはナイフ?」

「……っ!何でそれを」

「……ちょっと気になることがあって調べたの。最近お母さんのことを調べてたんだ。おじちゃんと一緒に。」

「えっ?」

 

ナイフを取り出すもチェーンで閉じていたため殺されることはないだろう。

最初に動いたのは3歳のころだった。俺が産まれた時の話を斎藤壱護さんにした事が原因で、二人で宮崎へ仕事ついでに見に行ったのが元だった。俺は病院にいき当時の担当医の雨宮五郎に会いに行く名目で山に入り、そして白骨化した遺体を見つけるように仕向けた。

 

「お母さんが担当してた担当医の人死んでいたんだね。」

「……」

「凄いよね。ニノさんと彼氏さんが人殺しなんて、明日のニュースは大変だ。」

「……何でそんなことを。」

「言ったでしょ。調べたって。」

 

その一言に初めてリョウスケさんは恐怖を覚えたらしい。そしてドアの奥から共有者の斎藤壱護さんが出てくる。そして下にはパトカーの音が響く。

 

「全く。小さいのに大した演者だよ。……そういうことだ。菅原良介。」

「はは。これで終わり?こんなガキに。」

「終わりだよ。てめぇも。俺もな。」

「……っ!」

 

するとへたりこむ犯人に俺は小さく息を吐く。

斎藤壱護さんには確認を取ってある。正直一番巻き込んで申し訳ないと思うし、苺プロの評価もB小町の評価もかなり暴落することになる。

暫くして花束の中から包丁が見つかり、犯人は取り押さえられる。

 

「……終わったのか?」

「分からない。」

「…分かんないことないだろ。」

「今回住所を知ってるのはここにいる人とカミキのみ。正直今後カミキを残すとお母さんもルビーもアクアも危険に晒すことになります。でも証拠がなさすぎる。」

「しかし、本当によく気づいたな。父親の件も恐らくビンゴだ。」

 

俺は小さく息を吐く。本当に悪魔のようなストーリーだ。まぁ、そこに惹かれ全話読んだのだけど。

 

「…東京ドーム残念でしたね。」

「だな。これで俺は終わりだよ」

 

早めに気づいたからこそ、今回の足はすぐに紐付いた。

 

「……逃げないの?」

「……あのな。逃げられるわけないだろ。……俺は、B小町…いやアイに出会ってから人生を変えられたんだ。本当にお前らとあって人生目茶苦茶だよ。」

「……ごめんなさい。」

「まぁ、事前に報告してたのが助かったけどな。損害賠償もある程度は抑えられる。もう1人のスターが居たら立て直せるだろ」

 

事務所での取引はある程度行っている。そして今回の件で知らないのは表の人でスポンサーにも関係者や逮捕の件は伝わっていたのだ。

そしてその1時間後、殺人の疑いでニノこと新野冬子が逮捕されたという速報が流れるのであった。

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