一番星の子   作:孤独なバカ

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第7話

「……お兄ちゃん。お姉ちゃん。ちょっと。」

「……キング?」

「…うん。何となく予想はしてた。」

 

全員寝静まった夜。アクアは大体予想してたのか付いてくる。ルビーも起き訳が分からないが付いてきた。苺プロの中で今日から暫くはお泊りになる。新居は暫くは使えないようになることと一応高級住宅街ではあるので一度事件が起こりセキュリティが強くなるとのこと。

 

「……さて、何から話そうかな。」

「……なぁキング。昼間に話したことってどこまで本当のことなんだ?」

 

アクアはやっぱりその情報を聞きたがるか。

 

「……全部本当だよ。」

「…本当か?」

「うん。俺が見た世界ではアクアは死んでいた。大学生になる前にね。」

「……そうか。」

「…言っとくけど……お母さんが好きとかそういうのも」

「そこら辺は心配してない。分かってるよ。」

 

正直あまり嘘が得意なわけではないから、正直助かる。

 

「ついでにアイの死について話さなかったのは……」

「そこら辺も分かってる。ミヤコさんにばれないように。」

「いや、お前ら母さんが死ぬって聞いたらすぐにでも犯人殺しにいこうとしてもおかしくないだろ。」

「……そこなの?」

「いや、アイオタクの二人が将来的にしてたこと知っていたら信用なんてできるかよ。俺が渡したかったのはこれ。」

 

俺は一つのアクリル製のキーホルダーを渡す。そこは二人にとって大切だと

 

「これって……」

「雨宮吾郎先生にさりなちゃんが渡したキーホルダー。殺人現場からこっそり持ち帰るの大変だったんだぞ。」

「……えっ?」

 

ルビーとアクアが驚いている。

 

「……ゴローセンセって死んだの」

「へ?そこから?あんなにニュースで流れてたのに。」

「……ニュース?ごめん。キングのことが心配してたから見れてない。」

「…それについては本当にごめん。でも、今回の事件は雨宮吾郎の殺人事件から全部繋がっていたんだよ。今回二人が殺人、そしてカミキまで検挙できたのは雨宮吾郎を見つけた発見者の叔父ちゃんに見つけてもらっただけだよ」

「……社長に?」

「そう。叔父ちゃんだけが母さん以外であの病院で雨宮吾郎のことを知ってたから」

 

元々はそこに繋がる。俺がカラオケ大会に参加していたのは、オリジナル曲であるなら地方にいける可能性が低いという点だ。

カラオケ大会なら地方でもあるし、無所属なら出れるものも多い。だからこそ暫くはカラオケ大会で実績を残していった。機械の大会でも正直前世で100連発できるくらいにはコツ分かっていたのが幸いし、コンテスト方式でも機械でも結果を出せるようになっていった。

そして宮崎に行ったときに元々お母さんが僕たちを産んでくれた病院があったと聞いていたと伝えて連れていってもらう。そうすることで泊まり込みになることは理解していたし、珍しく駄々をこねたら元々カラオケ大会と幼稚園以外は外に出れない俺である。地方であれば出歩きできることに気づいていた。

だから上手く迷子になった振りをして殺されていた雨宮吾郎を発見できたのだ。

まさかまだ犠牲者がいたことには驚いたし助けられなくて申し訳なかったけど……これが俺にできる最速だった。

とりあえず思い出のキーホルダーは抜き、損傷の少ない名前を書かれた名札を持ち、病院に持っていく。当然のごとくその名札の持ち主である雨宮吾郎について知っていたので骸骨さんが持ってたよといえば警察が来てくれることは予想できた。

そして、叔父ちゃんは唯一アイ以外に雨宮吾郎を知っている人物である。だから身元の確認はすぐに取れた。

叔父ちゃんに雨宮五郎がアイが俺たちが産まれた日に亡くなったことを知ってもらうためにこの出来事は叔父ちゃんでなければならなかったのだ。

 

「それで東京ドーム公演1週間前に新居に移転した。そこでお父さんに新居のことを連絡したって知らせることも知ってた。」

「もしかしてお母さんの嘘見抜いたのって。」

「実はお母さんの嘘見抜けるのは本当。大抵嘘付くときって本当にいつも俺達に向ける笑顔より少し違和感みたいなものがあるし、俺と似てるから八割方は分かると思う。でも嘘が見抜けるからって言ったって、何で父親に連絡したって分かるんだってこと。」

「……えっ?」

「…やっぱりおかしいとは思ってたんだよ、会うなって言っていたけど連絡したことをアイは言ってなかった。それなのにキングは連絡したって断定してたんだ。」

「そういうこと。」

 

ここまで来たら叔父ちゃんならすぐに理解できる。犯人は僕たちの父親が関与していて母さんを殺そうとしているって確実に伝えるために。それからドーム公演予定日5日前くらいかな。叔父ちゃんは早い段階で警察に通報してくれたんだ。

新野冬子とその恋人が殺人に関与してるかもしれないって。

後は殺人予定日に確実に新野冬子の恋人にカミキが関与したと吐かせるために生かして警察に引き渡すように俺がのこったくらい。

 

「…これが今回起こった全容かな。元々犯人を知っていたから後は辻褄を合わせたらよかっただけだけど。暗躍ってやっぱり難しいなぁって」

「なんかよく分からないけど。センセの殺した犯人を捕まえて、ママを助けたってこと?」

「違う。多分俺達家族を一人で守ろうとしてたんだよ。」

「…」

「まぁそうなんだけど、色々な夢を壊したり、傷つけた結果だけどな。B小町は正直解散は免れないだろうし、ドーム公演どころか多額の賠償金を支払わなければならない。なんなら雨宮吾郎という死体を使った形になった。それにどう考えてもルビーは苦しむと分かっていながら何も対応しなかったわけだしアクアがいれば何とかなるのはわかってたけど。」

「……そこまでは気にすることはできないだろ。なんなら何で話さなかったって」

「アクアのもルビーのもその後の結末を知っていたからかな。」

 

 

まぁ、その死体を使った罪悪感で持ってきたんだけど。全く知らなかったとは思いもしてなかった。

 

「てっきり報道しているにも関わらず前世の話になってないとは思ってなかったし、誤算だったけど。」

「……えっ?つまりアクアが……ゴロー先生!?」

「……もしかしてだけどさりなちゃん!?」

 

正直やってしまったと思っている。今回宮崎での殺人容疑に真っ先にB小町のメンバーが容疑に上がったから公表はされないと思っていた。だから絶対伝わると思っていたけど。まさか俺が刺されたってことになってるとは思ってなかった。

 

「…それじゃあキングは。」

「……俺はだから別の世界から転生しています。……正直いうと俺は推しの子って言う漫画の中に転生してます。」

「やっぱりそうなのか。小説とかじゃないんだな。」

 

アクアはこの世界が物語の世界だと分かっていたんだな。

 

「正直アクアが死んで生き残りがルビーだけのBadendだけど普通に面白かったです。漫画としては叩かれてたけど。でもアニメ化したり舞台化してたり人気の漫画だった。漫画の最終回叩かれてたけど……なんなら炎上もしてたし」

「「うわぁ~。」」

「それでも俺は好きだったけど……流石に身内になって、アクアもルビーも家族として見てるし」

「…それに関しては俺もだよ。」

 

アクアが苦笑するルビーは考え始める

 

「私は……推し?」

「推しって誰のだよ。」

「私はキング推し。私がママよりも早いキングのファン1号なんだ!!」

「弟として見てくれないの!?」

 

そんなことをいいながら夜は更けていく。

明日からはもっと大変になるだろうけど……それでも僕はこの世界で一番星の子として生きていくのだから

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