一々報告のためだけに高専に行くのは面倒だったので、補助監督の“伊地知潔高”はついでにそのまま呪術高専にある霊安室に向かった。
最近は結構働きすぎて寝不足気味で、これじゃあ普通の社会人と何も変わらないなと苦笑する。
神社や寺といった古くから伝わる日本式建造物が立ち並ぶ高専の中、明らかに現代的で陰気臭さのある自動ドアをくぐって霊安室に入ると、ちょうどそこに医師らしき女性が手術室から出てきたところだった。白のマスクとゴム手袋を外しゴミ箱に放ると、口元を吊り上げながら『やあ君か』と挨拶を交わした。
「お疲れ様です、“家入さん”」
「うん、交流会後の飲み会以来だな。ただあまり大きな声を出さないでくれ。実は連続で徹夜して疲れてるんだ」
呪術高専常勤医師・“家入硝子”
常勤医師ということは医師免許を取得しているということになるが、実はズルをして手に入れている。国家試験はちゃんと受けたものの受験資格は適当にでっち上げているわけだが、本来六年かかるところを二年で取得している時点でも、並外れた頭の回転力の持ち主であることがわかる。
その証拠に、彼女の特技の一つ『反転術式』
負のエネルギーである呪力を掛け合わせることで生まれる正のエネルギーを利用し、様々な効果を発揮する力。
マイナスとマイナスを掛けるとプラスになるのと同じように、反対の反対は元に戻るという原理だ。
術式とついている為によく勘違いされているが、生まれつき体に刻まれている生得術式とは違い、反転術式はあくまで呪力操作であり、能力でなく技術である。
その腕前は本来理論上は可能であっても、実質不可能に近い他者への治療もできるほど。
習得が非常に困難で、扱える人物は一握りしかいない時点で、彼女は貴重な存在であると言って良い。
つまり彼女だけは失ってはならないということで、優遇された環境に身を置いている。
出てきた手術室。
そこを見ると、落ちくぼんだ暗い眼窩と背丈はざっと一五〇程度の小柄な裸体。だが人間のような姿はしていなく、体のあちこちが変形していて、呪霊のような見た目をした死体だ。呪霊は殺すと消失反応で塵になってしまう。生きている状態であれば捕獲はできるが、その後解剖なんかしたら何も残らない。
つまり、その死体は呪霊ではない。
「これは?」
「あぁ、見ての通り『改造人間』だよ。彼らは良い標本だからな。呪いの力もない人間に呪力を付与させる、そこから導き出せる呪いの原理。脳辺りを弄って呪いの力を発現させていることから、そこに一体何が眠っているのか、それをずっと徹夜で研究していたら寝不足になってしまったというわけさ」
そう言って、防腐処置が施された死体を見る家入。
研究と言っているが、その表情はどこかおもちゃで遊んでいた子供のように見えた。それをずっと相手にしてて寝不足だなんて、仕事で徹夜をして疲れている自分とはえらい違いだ。
「徹夜って······どれくらい寝ていないんですか?」
そう伊地知が問うと、家入はしれっと指を一本立てて見せる。
結構普通な数字だったが、それでも伊地知は呆れたようにため息を吐いて、
「徹夜なんてやめておいた方が良いですよ? せっかく綺麗なお顔ですのに、肌荒れなんてしたら」
いつも濃い隈をしているところを見ると、彼女の仕事は自分たちよりも相当ハードなのかもしれない。
心配してくれる伊地知に家入は鼻で笑う。
「褒め言葉と心配をどうもありがとう。まあ、一年間睡眠をとってないだけだからそこまでにはならんよ」
「いッ!? い、いいち、いいちいい············一年ッ!?」
一日どころの話ではなかった。
普通の人間が活動できる限界を超えて働き続けている家入に、仰天のあまり伊地知は言葉を失う。
家入はさほど問題なさそうに歩いていき、机の上に置いてあった缶を手に取る。よく見たら、同じようなラベルが貼られた空き缶がいくつも散乱している。どれもこれもカフェインの化物と呼ばれるようなものばかりで、一般的に魔剤と呼ばれるえげつない代物だった。
「ちょ!? 家入さん!?」
「? 何?」
「なんつー飲み方してるんですか!? 冗談抜きで死にますよ!?」
「大丈夫だよ、美味しいから」
「そういう問題じゃないですよ!?」
「飲むか?」
「飲みませんッ!!」
どうしよう、早くこの人何とかしなければ。
そんな使命感を抱きつつも、家入は全然大したことなさそうにして机の上に座り、
「それで? 何か用があって来たんじゃないのか?」
「え? あぁ、はい。実は家入さんに聞きたいことが─────」
伊地知はここに来た理由を思い出し、手に持っていた報告書を読み上げる。呪いについてかなり詳しい家入の意見が欲しかった。
その内容は─────
「ふむ───それはまあ、所謂『神隠し』というやつだろうな」
全身に疲労感が走り、肩を落とす。
家入は足を組み替えながら、座っている机の上で癖毛となっている髪をいじる。
「空間移動ができる術師はいるにはいるものの、それを発動できる術師が近くにいなかったことから呪霊か何かの仕業だと考えたいが、五条が気付かなかった時点でその可能性はないと言える。であれば十中八九、虎杖が回収しようとした呪物のせいと考えるのが妥当だろう」
「えぇ、私と五条さんもそう考えています。ですが呪物であるのならば、何かしら呪いの気配を感じてもおかしくはないはずなんです。五条さんの六眼が呪物から滲み出る呪いの気配を見落とすはずがありません。それで、虎杖君の捜索にあたっている術師達は皆こう考えております、『呪いではないのではないか』と」
家入は眉を顰める。
「呪物に篭っていたものが呪いではない、ということだね?」
「可能性の話です。現状、そんなものはないと思いますが────」
「何故そう言い切れる?」
「え?」
「この世界には呪いだけでなく科学という技術もある。科学技術の元を辿れば、始まりは全部自然から生まれている。元々は自然から発生している力を、私達は擬似的に再現しているんだ。神話でもよく語られているだろう? 天から落ちてきた雷によって地上に炎が生まれ、その炎がヒントになって人類の文明、知識、技術の始まりが象徴された、と。私達は機械を使って電気や火が使え、様々な効果を発動して生活しているわけだが、元は自然から生まれたものだ。それを上手く使おうとして人間は科学という力を生み出した············ならば、別の力があっても良いと思うが?」
「? と、仰いますと?」
家入はやれやれとでもいうように首を振ってから両手を広げた。
「科学や呪いが全てではないということだよ。それに呪いの集合体である呪霊だって元は自然発生物だ。人間の恐怖、憎しみ、絶望といった負の感情が溜まり、呪力となって蓄積されることで呪霊が誕生する。そこから考えるに、別の力が作用したらその性質が篭ったものだって生まれることもあるだろう」
「えっと············たとえばどのような?」
「幸せとか喜びとか、正の感情が篭った願いが合わさったら、負の集合体である呪霊とは真逆の存在が現れてもおかしくはない。たとえば、天使や神獣のような」
「そんなまさか────」
「無論、これはあくまで可能性だ。けれど、呪いとは別の力があることだけは知っておいて損はない」
全ては可能性。
でも、確かに全てのことを呪いに当て嵌めて考えるのは間違っている。
呪いではない別の力、たとえば『願い』というのはどうだろうか。
受験に合格したい、出世したい、大金持ちになりたい。そんな願いが原動力になることは確かだ。身も蓋も無いことを言ってしまえばそれらは全て努力という力だが、願いがあってこそできたことだ。
それに、誰しも神社などで神頼みしている。お守りを買う人だっているだろう。科学的根拠は一切なくても、何かの願いが叶った時に人は『あの時神社でお参りして良かった!』とか『お守り効果が発動したんだ!!』みたいなことを考え出す。
別にただの偶然かもしれないが、人は何でもかんでも奇跡やら神様というもののおかげだと勝手に思う。
呪術が中心となるこの業界ではどうしても『呪い』を軸にして考えてしまうが、可能性は無限大であり、そこには呪いではない別の力が確かに存在している。
そもそも、今呪術師が使っている『呪い』という力は、本当なら別の言い方で表現しても良かったかもしれない。
負の感情から生まれた力だから、それに相応しい力をどう呼ぶべきか迷ったところ、『呪い』という言葉が一番良かったからそれで説明することになったのかもしれない。
もし別の言い方があったらそっちの言葉になっていただろう。
たとえば、『魔法』とか。
もしそっちの言葉で表現されていたら、今頃呪術師は呪術師ではなく、『魔導師』とか『魔法使い』と呼ばれていたかもしれない。
まあ要するに、何でもかんでも呪いで片付けるなということである。
「呪いも、一般人から見れば架空の存在だ。普通の人には見えないし触れない、けど私達呪術師は当たり前のように日々触れている。だから忘れるんだろうな、この世界にあるのは呪いだけではない、と」
「確かに··········」
「と言っても、私自身も呪い以外の力なんて見たことはないが、もしそうならそれは実に興味深いことだよ。ほら、色々専門用語抜きで私なりの見解を解説してやったぞ。頭が堅い君でも、話の要点くらいはわかっただろ?」
なんだかんだ言って、やはりこの人は凄い。
当たり前すぎて気付かなかったことにすぐに辿り着き、呪い以外のことで考えて新しい可能性に行き着く。
やはり、五条悟とは同級生ということもあって、彼女は天才だ。
彼女の参考意見を聞いた伊地知は、腰を九◯度曲げて敬意を払うようにお辞儀し、
「貴重なご意見をいただきありがとうございます、家入さん」
「まあ、また何かあったら来るといい。私にできることがあれば何でもするからさ」
伊地知は失礼しますと言って霊安室から出て行こうとし、それを家入は軽く手を振って見送る。
そしてすぐに机の上にある魔剤に手を伸ばし、
「────って、何また飲もうとしてるんですか!?」
「なんだ、まだいたのか」
「それ以上飲んだら死にます!! 普通に休んでくださいッ!?」
「大丈夫だよ、気分が上がって正のエネルギーが生まれるから」
「流石に洒落になりませんからそれッ!!」
◇◆◇◆◇◆◇
今日の星座ランキング第一位は、五月二一日から六月二一日生まれの双子座の貴女!
今日は何をしても健康的でいられるでしょう! 金運も仕事運も恋愛運も何もかも上手く行く方に働きます! さあ、良い一日を元気一杯に過ごしましょう!!
「はやてちゃん。良かったわ、何ともなくて」
「えっと······すんません」
ランキング第一位、そして誕生日を迎えて早々の朝、めでたく八神はやては海鳴大学病院の病室に運ばれていた。
春先のためまだ寒いのでエアコンの温度は少し高めに設定されていて、しかし病人の健康面も考えてか窓も換気のために少しだけ開けられている。
天気予報みたいに流れるテレビの星占いなんていうオカルトなんてそんなもんだと思うが、誕生日早々に入院するとは思わなかった。
「······で、誰なの? あの人達は?」
「え······? あぁッ!?」
担当医の石田先生は、そんな八神はやてに鋭い目付きで後ろにいる四人を指差した。薄着の黒装束に身を固め、髪も違和感ありまくりの色に染め上げ、どこからどう見ても不審人物にしか見えない四人組がはやてを心配そうに見つめていた。
「どういう人達なの? 春先とはいえまだ寒いのに、はやてちゃんに上着もかけずに運びこんできて······変な格好してるし、言ってることは訳分かんないし、どうも怪しいわ」
「あぁ、えっと·······なんと言いましょうか·······ッ!!」
十中八九、はやては困る。
占いは外れ、誕生日はトンデモ展開を迎えて大ピンチ。この素敵なぐらいに運に見放された体質はもはや呪いじゃないかと思うくらいだ。
はやてが何とか説明しようと頭を悩ませていると、頭の中に言葉が浮かんできた。
『ご命令をいただければお力添えをできますが·····いかがいたしましょう?』
「へ?」
浮かんできたというよりかは、明らかに別の人の言葉。考えてもいない言葉が勝手に頭の中で鳴り響いた。
思ってもない訳もわからない言葉に目を見開いていると、
『思念通話です。心で、ご命令を念じていただければ』
「え、えっと·······」
よくわからないがこの声はピンク色のポニーテールをした女性の言葉のようだ。四人の中心に立っているし、彼女がリーダー的ポジションにいるに違いない。
はやては笑みを作り、彼女の目を見て頭に言葉を浮かべて語りかける。
『ほんなら、命令というかお願いや』
「ん?」
『ちょお私に話合わせてな?』
彼女は八神はやてのお願いの意図がわからず首を傾げるが、主となる者からの願いだ。ここは頷くしかない。
「······はい」
「えぇと、石田先生! 実はあの人達、私の親戚で·······!!」
「親戚!?」
聞いたこともない話に驚く石田先生。ここは病院だ。八神はやてとは担当医になった日からあらゆる情報が事前に開示される。少なくとも、彼女に親戚となるものはいないはずだ。
良くて、
本当かどうかもわからないが、八神はやてという少女一人が住める大きな家が建っているということから、電気代やらガス代やらも、その資産家による援助のおかげであると思っていた。
そんな彼女の元に親戚。
あんないかにも怪しい格好をしている人達が親戚。
石田先生は顎に手を当て猜疑心強めな目で見つめる。
八神はやてはスラスラと説明する。
「遠くの祖国から私のお誕生日のお祝いに来てくれたんですよ。そんで、ビックリさせようと仮装までしてくれてたのに······私がそれにビックリしすぎてもうたというか······その、そんな感じで······なあッ!?」
最後、強めな口調になったのは気のせいだろうか?
石田先生と、海鳴大学病院の看護師達が睨み付ける中、金髪の女性とピンク色のポニーテールの女性が話を合わせる。
「そ、そうなんですよ!」
「その通りです」
「う、う~ん·······?」
「あはは、はははは······」
激しく嘘。無理して説明した内容が思いっきり逆効果な気もした。
石田先生も看護師もそれ以上は何も言わず、はやてがそう言って四人が肯定するのならそうなのだろうと納得し、今日はそのまま退院することになった。
◇◆◇◆◇◆◇
そこはかとなく嫌な予感を感じつつ、はやては病院から自宅へと戻っていた。
謎の四人組を連れて。
「う、う~ん······」
「「「「·······」」」」
謎だ。しかも意味不明だ。四人ははやての自宅に着いた後自分達が何者なのか説明してくれたが、非現実過ぎて理解が追い付かない。しかし、どう見ても異国の人以上の雰囲気を醸し出す四人に納得せざるを得ない。なんなら英語教師がこの場にいたら『エイリアンジャナイ?』とまで言われるくらいの説得力がある。どこの星のお人かわからない人達にいきなりまくしたてられたら、きっと思わず宇宙人語だって学び始めるはずだ。
本棚を見るとその人の性格がわかるらしいが、明らかに自分の趣味ではない『十字架が刻まれた本』を手に取り、
「それで、この子が『闇の書』っていう物なんやね?」
「はい」
八神はやては膝に置いた『闇の書』という本に目を落とす。それに答えてくれたピンク色の女性シグナムは忠誠心を見せつけるように膝を付いている。
というか他の三人もそうだ。
服従心とも言うべきか、主の命令は絶対と言うかのように四人は主の言葉を待っている。
「物心ついた時には棚にあったんよ。綺麗な本やから、大事にしてたんやけど」
「覚醒の時と眠ってる間に、『闇の書』の声を聞きませんでしたか?」
金髪の女性シャマルのその質問に、はやては机にある小さな棚から何かを探りながら思い出す。
「う~ん······私、魔法使いとかいうのとちゃうから、漠然とやったけど······あ、あったッ!!」
棚から目的のものを見つけると電動車椅子を後ろに引き、左へと向き変えると四人に言う。
「わかったことが一つある。『闇の書』の主として、守護騎士皆の衣食住、キッチリ面倒見なあかん言うことや。幸い住む所あるし、料理は得意や。皆のお洋服買うてくるから、サイズ計らせてな」
簡易メジャーを伸ばし、一先ず格好から整理しなければならないと思ったはやては、四人のサイズを計り、一人では危険だと言われてもむしろ貴女ら四人がそんな格好で着いてきたら職質される危険性があるためなんとか理解してもらって一人で買い物に出掛けた。
◇◆◇◆◇◆◇
初めての生活。
それははやてにとっても守護騎士達にとっても同じことだった。四人はまだ幼い女の子に主としての立場を与えられ、八神はやてはそんな四人の期待を裏切る事なんてできなかった。そして、四人の中にあるその服従心を守るためには、『闇の書の主』としての務めを果たさなきゃならない。
複雑な気分だった。
まるで八神はやてという人間が二人もいるかのような錯覚。
平凡で普通の女の子の八神はやて。
守護騎士達、闇の書の主の八神はやて。
しかし、それでも彼女はそれを嫌がらなかった。むしろ、大歓迎という形で四人を迎え入れた。
彼女は今まで独り暮らしだった。援助を受けている身とはいえ、孤独な生活を幼い少女に強いるのはとんでもなく残酷な事だろう。そんな彼女の元に、血の繋がりはなくとも、『家族』と呼べる者達がやって来た。待ち望んでいた、願ってもいた、『家族』という温かみ。それを手に入れたのだから、それを拒むなんて事、できるはずもない。
ようやく、叶った。
ずっと、欲しかった。
家族で囲むテーブル、家族で食べる食事、家族で眠るベッド、家族で過ごす日常。
守護騎士達とはやては本当の家族になった。
彼女に合わせるように、守護騎士達も地球の文化に触れ、常識や法にマナーを学び、地球人としてそこに存在するようになっていった。
魔法なんてオカルトから離れ、普通の日常を送る。
こんなにも幸せなことはない。
「騎士甲冑?」
と、そんな普通の日常を過ごしていた時、シャマルとシグナムがそんなことを提案してきた。
「ええ。我らは武器を持っていますが、甲冑は主に賜なければなりません」
「自分の魔力で作りますから、形状をイメージしてくだされば·······」
そんな急に非日常的な事を言われても、すぐには想像できるわけもない。
はやては少し悩みながら、
「そっかー。そやけど、私は皆を戦わせたりせぇへんから·······あ! 服でええか? 騎士らしい服、な?」
「ええ、構いません」
「ほんなら資料探して、かっこええの考えてあげなな~」
彼女の想像力は活字に触れているため豊富だった。それこそ、まさに中世の頃のデザインなんて容易に想像できる。しかし、アイディアには何か参考資料が必要だ。はやてはその足で、子供達の想像力を働かせる場所である、『おもちゃ屋』へと足を運ぶ。
「ここは?」
「ええからええから、こういう所にこそそれっぽい材料が、な?」
「な、なるほど~」
非日常に触れるなら、想像力の結晶であるおもちゃ屋へと出向くのが一番だ。ゲーム、戦隊武器、変身道具、魔法使いの杖など勢揃い。ここなら騎士甲冑のような服のデザインを考えられる。
魔法の原動力は想像力。
彼女達にぴったりな色に模様を想像したはやては、四人に騎士甲冑を与えた。
その日、満月が照らす夜空。
八神はやては一味違う風景を楽しむために電動車椅子から足を離し、シグナムに抱きかかえられて庭から見える星空を眺めていた。
「うわぁ~、綺麗~!!」
「······主はやて」
「ん?」
「本当に良いのですか?」
「何が?」
「『闇の書』のことです。貴方の命あらば、我々はすぐにでも闇の書のページを蒐集し、貴方は大いなる力を得ることができます。この足も······治るはずですよ?」
シグナムは抱き抱えているはやての足を見る。生まれつきその足を自分の意思で動かすことは叶わず、車椅子に縛り付けられて生活していた。不便と言えば不便だ。できることなら、みんなと同じように横を歩いてみたい。
しかし、はやてはその提案を受け入れず、
「アカンて。闇の書のページを集めるには、色んな人にご迷惑おかけせなあかんねやろ?」
「ッ!!」
「そんなんはアカン。自分の身勝手で人に迷惑かけるんは良くない」
「しかし────」
「私は·····今のままでも充分幸せや。父さん母さんはもうお星様やけど······遺産の管理とかは『おじさん』がちゃんとしてくれてる」
「お父上のご友人······でしたか?」
「うん。おかげで生活に困ることもないし、それに何より! 今は皆がおるからな!!」
「!!」
結論を言うと、彼女の願いはもう叶っていた。
両足が動かない。
それでも、両親がいなかった彼女に家族ができた。
誰よりも辛い日常を送ってきたはずだ。それでも、彼女はそれ以上は望まなかった。偉大な魔法使いになれるなんて願望は彼女にはない。過ぎた力なんて欲しくもない。
今はただ、
この温もりを感じられれば、それでいい。
シグナムは『戸惑い』とも言える衝動が胸の辺りまでせり上がってくる。けれど、主のその甘えに彼女は微笑む。
「はやて!」
子供らしい声を出して主のことを呼び捨てで呼ぶヴィータ。はやてはそんな彼女に嫌な顔一つせず、むしろ慈愛に満ちた目で見つめていた。
「おお、どないしたんヴィータ?」
「はやて! 冷凍庫のアイス、食べていい?」
「お前、夕食をあれだけ食べてまだ食うのか?」
「うるせぇな! 育ち盛りなんだよ! はやてのご飯はギガ旨だしなッ!!」
まさに子供らしい表情を浮かべるヴィータ。そんな彼女に呆れるシグナムでも、主はやての命令には逆らえなかった。
「しゃーないな、ちょっとだけやで?」
「おう!!」
主の許しが出たことを確認したヴィータは無邪気な子供のように冷凍庫へと走っていく。夜は冷える、主の体のことを心配したシグナムも、その後を追うようにリビングへと戻っていく。
「シグナム?」
「はい?」
「シグナムは、皆のリーダーやから······約束してな?」
「? はい?」
それは八神はやてが『闇の書の主』として、初めて正式に命令した瞬間であった。彼女は真剣な声色で告げる。
「現マスター、八神はやては······『闇の書』には何も望みない。私がマスターでいる間は、闇の書のことは忘れてて? 皆のお仕事は、家で仲良く暮らすこと! それだけや!!」
「·······」
「約束できる?」
「······フッ、誓います。騎士の剣にかけて」
「······ふふっ!!」
目の前にある強大な力があるにしても、それを望まず『家族の温もり』を大事にするはやて。
はやては見た、感じた。本当の幸せを。
そんな彼女の幸せを壊すわけにはいかない。
だからこそ、シグナムは守る。
この笑顔を失わないようにするために。
◇◆◇◆◇◆◇
何もない一日のはずだった。
いつもの日々が過ごせると思っていた。
時は一◯月二七日の木曜日。
「命の危険!?」
「はやてちゃんが!?」
普通、未成年への余命宣告はできないことになっている。先に書面で保護者の同意を得ない限りは。しかし、今は彼女達が八神はやての保護者代わりだ。
シャマルとシグナムはその宣告を聞いて思わず立ち上がる。
「ええ。はやてちゃんの麻痺は原因不明の神経麻痺だとお伝えしましたが······この半年で麻痺が少しずつ上に進んでいるんです。この二ヶ月は、特に顕著で。このままでは、
深刻だった。
少なくともまだ幼い少女には聞かせられない内容だった。二人は蚊の鳴くような声しか出せなかった。
少女の姿は、今ここにはない。
だけど、その宣告を受けた時、二人の顔にはまるで置いてけぼりにされて一人見知らぬ場所へと取り残されたような八神はやての様子が思い浮かんでいた。
わかる。
彼女はこんな自分達に見せたくなかったから無理に笑っていたのだと。ここにいたらそれだけでそんな拙い努力を無遠慮に踏みにじってしまう。けれど守護騎士達の将シグナムは、その言葉が頭に離れない。
だからこそ、悔いた。
その落差。
今まで場違いなくらい明るかった日常が全て崩れ去ったような気がした。みんなに心配かけまいという努力のために今までどれだけ耐えてきたかを思い知らされた。
あんな小さな少女が命を落とす瀬戸際まで来ている。
余命宣告。
それだけで日常は壊れた。
「何故! 何故気付かなかった!?」
「ごめん! ごめんなさい······ッ!! 私───ッ!!」
「お前にじゃない!! 自分に言っている·······ッ!!」
気付けば二人とも悔いて泣いていた。
彼女の足の麻痺は、病気などではなかった。
『闇の書の呪い』
八神はやてが生まれたその瞬間から共にあった『闇の書』は、主と密接に繋がっている。抑圧された強大な魔力が、リンカーコアが未成熟なはやての身体を蝕み、健全な肉体機能どころか生命活動さえ阻害していた。
そして。
はやてが『第一の覚醒』を迎えたことで、それは加速した。
守護騎士達の存在維持。
たとえごく僅かとはいえ、彼女らが存在できているのは八神はやての魔力を使用していることが関係していた。そもそも彼女らは『闇の書』にプログラムされていた疑似生命。それを具現化し、現実に存在させるということは、並大抵の魔導師にも難しい至難の技だ。それを無自覚とはいえ、それも四人も存在させて活動させるとなると、魔法について無知な彼女の身が持たないはずだ。
「助けなきゃ·······はやてを!! 助けなきゃッ!!」
夜の公園。
主はやての目を盗んでそこに集まっていた四人は、八神はやてが『闇の書の呪い』によって徐々に命を削っているということがわかった途端、目の色を変えた。
「シャマル! シャマルは治療系得意なんだろ!? そんな病気くらい、治してよッ!!」
それは無理な話だった。
治療系の魔法でどうにかできるという域を越えていた。
「ごめんなさい······私の力じゃ、どうにも······ッ!!」
「何でだ······何でなんだよ!?」
理不尽に次ぐ理不尽。
もはや残された選択肢はただ一つ。
しかし。
それを実行するのは、『主の命令』に逆らうことになる。
「シグナム······」
ザフィーラがこの守護騎士達のリーダーであるシグナムに指示を仰ぐ。
守護騎士達の将、シグナムは自分の武器であるデバイスを握り締め、
「我等にできることは、あまりに少ない·······だが!!」
決意は固めた。
四人はビルの屋上へと移動すると、
「主の身体を蝕んでいるのは、『闇の書の呪い』」
「はやてちゃんが、『闇の書』の主として真の覚醒を得ればッ!!」
「我等が主の病は消える! 少なくとも、進みは止まるッ!!」
「はやての未来を血で汚したくないから人殺しはしない······だけど、それ以外なら! 何だってするッ!!」
「申し訳ありません、我等が主。ただ一度だけ······貴方との誓いを破りますッ!!」
彼女と自分達の日常を壊すわけにはいかない。
だからこそ守護騎士達は世界を騙す。プログラムさえも偽ってみせる。
「我等の不義理を、お許しくださいッ!!」
『闇の書の呪い』、それを解くために、彼女達は騎士甲冑を身に纏う。それぞれの武器を手に取り、呪いを解くべく、全ページを埋めるために空へと散っていく。
主の笑顔を、守るために。
◇◆◇◆◇◆◇
「三人がかりで出てきたけど·······大丈夫かな?」
時は現在へと戻る。
クロノとエイミィにユーノの三人は時空管理局本局の廊下を歩いていた。ここに来た理由、それは今捜索中の『闇の書』について詳しく知るためだ。今回の件についてよく知る者達に会うために、彼らはわざわざここへ足を運んでいた。
しかし、
クロノは守護騎士達の足取りを追うために執務官である自分が前線から離れ、戦力を削ることに不安を感じているようだ。
何より。
虎杖という少年から目を離して平気なのか、そればかりが気になる。奴は目を離すとすぐに何処かへ出掛けてしまいそうだ。発信機を埋め込んでいるとはいえ、奴は異世界漂流者。拘束具も嵌めてない彼を野放しにして良いものかと考えていた。極力司令部の外には出ないよう注意してあるが、信用できるかどうかは別問題。
早く帰って確かめたいこの衝動を抑えきれない。
そんなことを思いながら歩いていると、
「まぁ、モニタリングはアレックスに頼んできたし! 虎杖君については心配ないと思うよ。だって発信機によると彼、ちゃんと外に出ても真っ直ぐ帰ってきたし!! パチンコ屋の前で十分くらい立ち止まっていたのは謎だったけど·······」
「それで、『闇の書』について調査すればいいんだよね?」
虎杖のことを考えていた事を悟ったエイミィがそう言うと、そのタイミングでユーノがそう聞いてくる。
ユーノに頼みたいこと、それは『闇の書』についての資料をありったけかき集めて詳しい情報を得ること。彼の本業は考古学を学ぶ学生で、遺跡でジュエルシードを発掘した経緯もある。
ならば、調べものをするならば考古学に詳しく、そして情報を短時間で集められそうな彼に適任だと思ったからだ。
「ああ、これから会う『二人』はその辺に顔が利くから」
クロノはそう言ってとある部屋までやってくる。クロノが自動ドアのセンサーに反応する位置まで立つと、入り口が開き、中には先客がいた。
獣耳を生やした二人の女性。
一人はソファーに寝転がって、もう一人は大人しく本を読んでいた。
「“リーゼ”、久しぶりだ。クロノだ」
リーゼ、それが彼女らの姓なのだろう。二人をまとめて呼び掛けると、ソファーに寝ころんでいた髪の短い方の女性が、ご主人様が帰ってきた時の猫のように、激しくクロノを出迎えた。
「ワァオウッ! クロ助ェ! お久しぶりぶり~ッ!!」
「ロ、”ロッテ“! う、うぉ!? ちょ!? は、離せコラッ!?」
「何だとコラ。久しぶりに会った師匠に冷たいじゃんかよー!! うりうりぃ~!!」
「う、うわあぁぁ!! あ、“アリア”!? これを何とかしてくれッ!!」
”リーゼ・ロッテ“という女性の激しいスキンシップにクロノは戸惑いのあまり顔から火が出るくらい真っ赤になる。
思わずもう片方の女性、“リーゼ・アリア”に助けを求めるも、
「久しぶりなんだし、好きにさせてやればいいじゃない。それに─────」
過剰なスキンシップを見ても止める気はないアリアはさらっと切り捨てる。というかむしろ、その展開を見て楽しそうにしている。
「まぁなんだ、満更でもなかろう?」
「そ、そんな訳が·······ッ!!」
「にゃにゃにゃ~ッ!!」
「わあぁぁぁぁあッ!!!??」
問答無用で押し倒してソファーの後ろで表現できないようなことをしでかすロッテ。なんか変なものを見せられている気がするが、エイミィはそんなことはどうでもいいのかアリアに近付いて手を合わせて挨拶する。
「リーゼ・アリア、お久し」
「うん、お久し」
「リーゼ・ロッテは相変わらずだねぇ」
「まぁ、我が双子ながら、時々計り知れん所はあるね」
ソファーの後ろで戯れている双子のロッテの行動に呆れたように目を細めるアリア。そして、満足したのかソファーの裏からロッテが顔を出す。
「ふぅ、ごちそうさま!」
「リーゼ・ロッテ! お久し」
「おぉ! エイミィ! お久しだ!!」
ロッテもエイミィと手を合わせる。すると、彼女は鼻をピクピクとさせ、エイミィの後ろにいたユーノの香りを確認すると、膝に手を当てて姿勢を低くし、クンクンと嗅ぐ。
「あれ? 何か美味しそうなネズミっ子がいる」
「え!?」
ユーノの目が点になると同時、まるで獲物を狙う目付きで、
「どなた?」
「え、えっと······」
反応に困るユーノ。美味しそうと言われて、こんなにも好奇心旺盛な目を向けられたら誰だって怖い。
「な、なんで······あんなのが僕の師匠なんだ······?」
もうギャグとして消化しても大丈夫なレベルの大量のキス跡がクロノの量頬に付けられ、疲弊しきったような声でそう呟いた。
◇◆◇◆◇◆◇
「あぁ、なるほど。『闇の書』の捜索ね」
「事態は『父様』から伺ってる。できる限り力になるよ」
「よろしく頼む」
再起したクロノは気を取り直してリーゼ姉妹に交渉していた。二人は特に何の問題もなさそうな感じでクロノの話に応じ、積極的に協力するように首を縦に振ってくれた。
「······エイミィさん?」
「ん?」
「この人達って·······?」
「クロノ君の、魔法と近接戦闘のお師匠様達。魔法教育担当のリーゼ・アリアと、近接戦闘教育担当のリーゼ・ロッテ。グレアム提督の双子の使い魔。見ての通り、素体は猫ね」
「な、なるほど······」
先程、再会の喜びに激しいスキンシップをしたロッテがユーノの視線に気付きニッコリ笑顔で手を振るも、どう反応したら良いかわからず苦笑いで返した。
こんな二人がクロノの師匠。頬にキスマークを残したまま話し合うクロノを見て何とも言えない顔をするしかないユーノは黙ってその様子を見ていた。
リーゼ姉妹。
彼女らは見ての通り双子であり、前に面談したギル・グレアム提督が所有する猫を素体とした使い魔だ。猫らしく耳には猫耳と尻尾が生えている。
あのギル・グレアム提督の使い魔ということもあり、彼女らの魔力資質はずば抜けている。そもそもまだ若すぎるクロノが執務官になれるほど指導の仕方も優秀であり、彼女らのランクは甘く見積もってもSランクはある。
つまりは相当な手練れだ。
こんなにも余裕を持っているということは、いつどんな時でもすぐに戦っても勝てる自信があるということ。あまり舐めない方がいいだろう。
「二人に駐屯地方面に来て貰えると心強いんだが、今は仕事なんだろ?」
「うん、武装局員の新人教育メニューが残っててね」
「そっちに出ずっぱりになれないのよ、悪いね」
「いや、実は今回の頼みは、彼なんだ」
クロノがユーノに視線を向けると、ロッテの猫耳がイカ耳になり、瞳孔を更に縦に伸ばして鋭くさせる。
「喰っていいの!?」
「えッ!?」
「ああ、作業が終わったら好きにしてくれ」
「なッ!? おい!? ちょっと待てッ!?」
あまりにもふざけた態度に怒ったユーノは立ち上がって声を荒げるが、すぐに全員がクスクスと笑ったのを見ると、どうやら冗談のようだ。しかし、悪ふざけにもほどがあるだろ、とユーノは歯軋りしながらまだ怒りたい衝動に駆られつつ、何とか呑み込み、大人しくソファーに座り直す。
「それで、頼みって?」
アリアが本題に戻ると、クロノは真剣な表情で言う。
「彼の、『無限書庫』での調べものに協力してやって欲しいんだ」
その頼みにリーゼ達は思わず互いに顔を合わせる。
『無限書庫』
その名の通り、管理局の管理を受けている世界のほぼ全ての書籍やデータが集められ、積み上げられた、謂わば『世界の記憶』ともいえる場所。
施工管理局本国に位置する超巨大データベースで、管理下にある世界の書籍と情報が自動的に記録される書庫であり、従って『無限書庫』という名が付けられた。
積まれた資料は本当に無限に近い水準だ。
しかし、膨大な情報量を制御できないためか整理が全くできておらず、活用度が過度に低下しているため、あまり人は立ち寄らないらしい。
必要な資料があればチームを組んで年単位で調べるとのこと。
だが書庫は基本的に一般人の出入りを制限しており、中に入るには許可が必要である。
故に、今回彼女らに入館許可を求めにやって来た。
そんな彼の頼みに、師匠であるリーゼ・ロッテは言った。
「いいよー」
「え? いいのか?」
「うん、どうせ誰も困らないし。まあいつも一緒にいて調べものを探してあげることはできないけど、入館の手続きはこっちで何とかしておくよん」
ロッテは爽やかな笑みと共に適当な事を言ってすんなり了承する。軽い返事にユーノまで思わず瞬きしてしまうが、善は急げと言わんばかりにロッテとアリアはソファーから立つと、彼を連れて部屋の外に繋がる出入り口へと向かう。
「じゃあこの子を案内して行くから」
「あぁ、頼む」
そう言ってアリアが先にユーノを連れて部屋から出ていくと、
「そういえばクロ助」
「ん?」
「父様から聞いたんだけどさ、何か『身元不明な男の子』の監視を任されてるんだって?」
「あ、あぁ。秘匿性の高い案件だから詳しくは話せないが」
「ふ~ん·······そっか。ま! あんまり気を張りすぎないでね! ある程度は楽に考えた方がいいよ!!」
何故今虎杖の事を聞いてきたのか、クロノには理解できなかったが、呆然とする彼を置いてロッテは手を振り、リーゼ姉妹はそのままユーノと共に『無限書庫』へと向かう。
◇◆◇◆◇◆◇
バトルシミュレーター演習場。
設けられた制限時間は一分。
それまでの間に少年が立っていられるか、もしくは少女が戦闘不能にさせれば勝者は決まる。
そんな短時間に設定されている理由は、彼女の魔力資質の多さだ。少年は少女に比べて魔力が極めて少ない。僅かとはいえ、魔法は全く使えず非魔導師が扱う魔力が籠った簡易デバイスを使用しなければ空を歩けない。
だからこれはハンデだ。
しかし少年の拳は小さな子供を殴るためにあるものじゃない。だから少年は十本の指を開いて走り出す。ただし、呪力を帯びた掌を構えて。
触れたら勝ち。
たったそれだけの、簡単なルールだった。
「手加減はしないよ悠仁君!!」
「応!! 気合い入れて来いよ、なのは!!」
ウォーミングアップを兼ねた戦闘訓練。理由も加減もいらない、ただの実力テスト。
互いの距離はおよそ一五メートル。
虎杖はその差を埋めるため、魔導師高町なのはの訓練に真正面から突っ込んでいく。